カテゴリー別アーカイブ: 04_絵本

アラジンと魔法のランプ

アラジンと魔法のランプ 作: アンドルー・ラング再話 絵: エロール・ル・カイン 訳: 中川 千尋 出版社: ほるぷ出版 税込価格: \1,575 (本体価格:\1,500) 発行日: 2000年06月 ISBN: 9784593504015 とにかくル・カインの絵が素晴らしい。見ているだけでアラビアにいったようなエキゾチックな気分になれる。物語も大人が読んでも面白い。ただ、小さい子に読み聞かせようとするとページ数のわりに小さい字が並んでいるので読みにくい。ちびのための読み聞かせには向いていないなと思った。小学校5.6年生から黙読するのには推奨します。

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シニガミさん

シニガミさん 作・絵: 宮西 達也 出版社: えほんの杜 税込価格: \1,000 (本体価格:\952) 発行日: 2010年9月 ISBN: 9784904188095 シニガミさんというから落語のシニガミさんかと思ったら宮西先生のシニガミだったのね。宮西先生の持ち札にぶたとおおかみの話と赤い実を食べるティラノザウルスの話があります。 今回はぶたとおおかみで・・・ 最初、病気のぶたが倒れていて、家に持ち帰ったおおかみはぶたを食べて、病気が移って二匹とも死ぬとシニガミさんは思っていました。おおかみはぶたを看病して励ましました。 シニガミさんは予定が狂ったぞ。まあいいかって見ていたことでしょう。でも最初食べるつもりが2人に友情が芽生えて(ここらあたり狼と山羊の別の作品を思い出しますね)ぶたが弱気になったら「バカーーーーーーー」このページには圧巻されます。 ティラノザウルスは赤い実、おおかみがぶたに病気がよくなるものは赤い花、同じ食べる食べられるものでも、宮西先生の手にかかるとこういう話になるのですね。 シニガミさん、もう二人のところにはこないでねと思いました。

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いわたくんちのおばあちゃん

いわたくんちのおばあちゃん 作: 天野夏美 絵: はまのゆか 出版社: 主婦の友社 税込価格: \1,575 (本体価格:\1,500) 発行日: 2006年08月 ISBN: 9784072533048 いわたくんちのおばあちゃんは写真をとるのを「いやーよ」と言って撮りません。かわったおばあさんだねという姪っ子が言います。私は黙ってこれから声をひそめて読みます。 もうちょっと広島から疎開するのが早かったら、みんな大丈夫だったのにと姪っ子は言います。 いわたくんちのおばあちゃんに残されたものって家族全員の記念写真だけだったのですね。最後のページの写真が載っているから、この物語は創作じゃなく、実際にあったことだと思います。実際にあったこととわかってより身近に戦争を感じました。

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霧のむこうのふしぎな町 新装版

霧のむこうのふしぎな町 新装版 作: 柏葉 幸子 絵: 杉田 比呂美 出版社: 講談社 税込価格: \1,365 (本体価格:\1,300) 発行日: 2006年 ISBN: 9784062832069 男の子ならセンダックのかいじゅうたちのいるところが気に入って、女の子なら霧のむこうのふしぎな町を気に入りそうです。自分自身で身支度のできない小学校低学年なら早すぎるけど、高学年になったらそろそろおかあさんのお手伝いができるお年頃。そんなお年頃の娘さんに読んで欲しい物語ですね。 ピコット屋敷のピコットさんがいうには「はたらかざる者、食うべからず」なのです。でも主人公のリナはいままで働いたことなんかありません。うちのちびもどうなるのかと心配していたようだけど、本の整理から、船関係のお店とかなんとか楽しくやっているみたいです。そして本を一冊くれるといって、本当に欲しい本はあったのだけど、おうむが好んでいた本を選ぶところは優しいなと思いました。私だったら人のことは放っておいて自分の好きな本を選んでしまうけどね。リナのそんな優しさがあったから、お土産をくれたり、もう一度きてもいいよと案内傘をもらえるのですね。うちのちびもそういう町があれば一度行きたいと言っていました。

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蜘蛛の糸

蜘蛛の糸 作: 芥川龍之介 絵: 遠山 繁年 出版社: 偕成社 税込価格: \1,680 (本体価格:\1,600) 発行日: 1994年 ISBN: 9784039636706 芥川龍之介は好きな作家です。この蜘蛛の糸はやや教訓的に見えるかもしれませんが、人間の業を短編の中にぎっしり詰まっています。主人公のカンダタは人間界にいるときは確かに悪党だったけど、蜘蛛を一匹助けます。誰でも人間は完全な悪党はいないし、完全な善人もいません。死んでもし地獄や極楽があったら、どの人間にも両方の道が待っているのです。もし地獄に落ちて、血の池地獄であっぷあっぷしていて、蜘蛛の糸が垂れたらだれでも助かりたいから同じことをします。私も同じことをするのじゃないかなぁ。そして地獄落ちするのです。人間の業を宗教臭くなく物語として見事に描いた傑作です。

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狼森と笊森、盗森

狼森と笊森、盗森 作: 宮沢 賢治 絵: 村上 勉 出版社: 偕成社 税込価格: \1,680 (本体価格:\1,600) 発行日: 1996年11月 ISBN: 9784039636508 今の文明人が忘れ去った人間と森の共存を考えさせられます。人が住むのに森に許可をもらい森が答えてくれるのは、森もその当時は人間と関係を持っていたためだと思います。 今もし森に開拓しようとしても、他の場所でブルドーザとかで環境破壊とかやっているから森は怒って黙ったままだと思います。 賢治の書いた頃狼森と笊森、盗森はまだ自然も答えてくれる余力があったのですね。 さて、物語ですが、村上先生の表紙の狼がひょうきんで笑えます。それに笊森の山男、盗森の黒い男も、彼らは森の象徴なのだろうけど、愛嬌があっていいです。 姪っ子はまだこの絵本は読んでいないので、寝る前に少しずつ読んであげるつもりでいます。

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おばあさんの飛行機

おばあさんの飛行機    作: 佐藤 さとる 絵: 村上 勉 出版社: 偕成社 本体価格: \2,000 ISBN: 4039637100 ちょうちょうの模様を真似たら飛行機が飛んだ! まるで夢のような話に姪っ子もきらきら目を輝かせて聞いていました。私も飛行機乗りたいから毛糸で編んで・・・と頼まれたものの、私は編み物が苦手。どんな編み方でもできるおばあさんでさえ、こんなに苦労したのだよ。それなのに編み物ができない私ができるはずがないよ。なだめるのに苦労しました。 それにしてもおばあさんはすごいです。ちょうちょうの羽の模様に魔法があったのかな。それを1センチ編むのに時間がかかった特別な編み方だったこそ、空を飛べたのだね。 面白い話でした。

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牛女

牛女   作: 小川 未明 絵: 高野玲子 出版社: 偕成社 本体価格: \1,600 ISBN: 4039637003 牛女ってけっこう重い話だなと思いました。今では差別語として使われている言葉を扱っているし牛女という名前のイメージからして、なんとなく土俗性というか土地と切っても離れないものがある。牛女は最初の数ページで死んでしまう。だけどもその数ページで子どもをどれぐらい可愛がっていたか、またこの二人はどんな生活をしたか、言葉には書かれていないけどわかるような気がする。 子供は村人に育てられながらも幸せであったか? 答えはいいえであろう。幸せであったな雪山に見える牛女の影を慕うはずはない。そして村を飛び出し、その後、出世して帰ってくるが、村でりんごを虫にやられてしまう。ここでたたりだと言われる土俗的である。 母親の霊を慰めることで、死者に対する土俗性を発揮しています。最後は息子は裕福になり幸せになれるが土地とは切り離せない百姓である。

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おきなぐさ・いちょうの実

おきなぐさ・いちょうの実      作: 宮沢 賢治 絵: たかしたかこ 出版社: 偕成社 本体価格: \1,600 ISBN: 4039635000 賢治は凄いと思いました。銀河鉄道の夜でもそうだけど物語にどこか死の予兆をいれながら、物語を哀しいようで澄明な文章で書いていると思いました。 このおきなぐさ・いちょうの実もそうです。 おきなぐさは花になっている間の表現は素晴らしいです。「まるで燃えあがってまっ赤な時もあります」って普通の作家だとここまで書けないと思います。賢治の心の奥には美しい無意識という井戸があって、それを壊れさせないように、詩や童話の物語に注ぎ込んでいるのだと思います。 いちょうの実も、いちょうのおっかさんから離れるいちょうの子供たちの心情を書いています。でもどこか哀しいような嬉しいような期待と不安と死の予兆みたいなものを感じるのですよね。 賢治は私の大好きな作家で、美しくて哀しくて笑いたいのだけど泣いてしまうような物語が多いので、小学生の低学年ではまだこの感覚わからないのだと思います。上級生になってから一人で読んだら賢治のよさがわかると思います。

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セロ弾きのゴーシュ

セロ弾きのゴーシュ    作: 宮沢 賢治 絵: 赤羽 末吉 出版社: 偕成社 本体価格: \2,000 ISBN: 4039634608 賢治の話はどれも好きですが、音楽(ピアノ)を習っている姪っ子にはこの絵本が喜ぶだろうと思って、寝る前に読んであげました。途中まで読んでは眠り、途中まで読んでは眠り、全部の話が完結するまで3日もかかりました。 最初聞きにきた猫にはとってもひどいことをして、かっこうには少し悪いことをして、たぬきには普通で、最後のねずみにはパンまでやっている。この順番が反対だったら意地の悪い物語になったでしょうが、悪い→優しいで正解。ゴーシュが動物たちとどうかかわるかで、ゴーシュの優しさを感じます。そしてゴーシュは動物たちに音楽を教えているようで実は動物たちから音楽を教わっていたのかもしれませんね。 最後のページで、その場にいないかっこうに謝るところでなんともいえない気持ちいい余韻が残ります。

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