月別アーカイブ: 1月 2012

辛い飴>苦い水

「辛い飴」(永見緋太郎の事件簿) 著者 田中啓文 発行所 東京創元社 苦い水、酸っぱい酒、甘い土、辛い飴、塩っぱい球、渋い夢、淡白な毒の7つに分れた短編集、普通であれば1日1短編、1週間で読み切れるはずであるが、ここ2.3日普通の風邪にやられて、風呂で本を読むという芸当ができなくなった。酸っぱい酒までしか読んでいない。今まで読んだ苦い水、酸っぱい酒までは殺人とか警察ごとにかかわるような大事件には至っていない。音楽好きの永見緋太郎がみたちょっとした音楽にかかわる出来事を解決しているお話である。最初の二つが音楽関係なら最後までそうなのだろうね。 苦い水 トロンボーン弾きが前歯をやられいぜんのように吹けなくなり、酒で道端で吹いてもへたくそな音しかでない。そのトロンボーン弾きの栄光と挫折と、再び復活なるかというお話です。音楽のことはわかんなくてもそこそこ楽しめました。ただ、善意であったとしてもボランティアでそこまで人が集まるか不思議ですぅ。

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ばんば憑き>野槌の墓

「ばんば憑き」 著者 宮部みゆき 発行所 角川書店 野槌の墓 宮部みゆき版しゃばけだな。主人公は、7つの娘がいる傘貼り(なんでも屋)浪人、浪人だが刀は持っている。その七つの娘が「よく化ける猫はお嫌いですか」と聞いてくることからはじまる。まず猫又が登場して、野槌の化け物を切って欲しいという。すてに何人かに頼んでいるのだけど、帰りうちにあっている。主人公は刀を持っていてなんでも屋だから野槌を切れるだろうとのこと。後口の悪かったばんば憑きの後だったから、これはややソフトな話だけど、心地よく1冊読み終えたと思った。

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ばんば憑き>ばんば憑き

「ばんば憑き」 著者 宮部みゆき 発行所 角川書店 ばんば憑き 表題になっているばんば憑きであるが、読んだ後後口の悪さを感じる。登場人物はだいたい三人、大店のお嬢とその夫の若夫婦、そして相部屋になったお松という老女。お松という老女からばんば憑きがどうやってできたか、それを聞いてわがままで悋気ものの嫁を、いつれはしたいと夢想する夫だが、夫の気持ちはどこまでも暗い。 ちょうど2時間ドラマのシリーズものでこの主人公と一行は最後は解決して、悪い犯人をやっつけてくれるという安心感とカタルシスがあるから人気あるのだよね。船越には悪人になって裁かれちゃ駄目だという約束事がある。 2時間もの主人公というのは普通テレビで見るのでは、英雄であらねばならない。よい人でないと2時間ドラマはお約束になっている。 このばんば憑きを2時間ドラマにしたら最後にカタルシスがないから視聴率悪いと思う。 ばんば憑きをこの本の題名にしたのは正解だな。

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ばんば憑き>討債鬼

「ばんば憑き」 著者 宮部みゆき 発行所 角川書店 討債鬼 手習所(今の学校と塾との中間ぐらいのやくわり)の先生武士に、生徒の一人を殺してほしいと願いがでた。いくら武士とは言え、商人の子供を理由もなしで切り殺すわけにはいかない。そこで聞いてみたら、そこの今の旦那とその兄が仲が悪くて、暖簾をどちらに分けるかけんかしたらしい。その後兄がなくなって弟が旦那になった。兄にはお嫁さんになる人がいて、その女までも自分のものにして、子供を一人つくった。その子供が討債鬼だから殺せと旦那はいっている。  うさん臭い坊主がこの家には討債鬼がいますといったのがはじまり、物語を読んでいくとそのからくりがわかって、あやかしの本なのに捕物帳を読んでいる感じがする。子供を殺さないために、討債鬼をはらうふりをする行事を行った後が、当の討債鬼は誰だったのかがわかり最後は怖かったりする。

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ドラマ>家族八景>無風地帯

ドラマ「家族八景」 原作:筒井康隆  主演:木南晴夏 その1 無風地帯 深夜放送で「家族八景」がドラマ化されると聞いて録画してじっくりみることにした。 昔の筒井の本では女中になっていたはずなのに、お手伝いになっているのね。 七瀬役の木南晴夏は瞳の綺麗な女の子だが、演技は余りリアクションがなくてつったっている感じがする。これからどう演じるかしばらく見てみることにする。 まず最初は無風地帯、一見静かな平和な家族を営んでいるけど、七瀬のテレパシーで夫は年増の女に浮気をしている。その息子も父親のちんぽをいれた同じ女とやっている。娘はサークルの男友達をやっている。だがその家の女主人は、七瀬はテレパシーで読んでも、家事のことしか考えていない。家の中を壊そうとした七瀬は、家事のことしか考えていなかった女主人から次のお手伝い先の紹介を受ける。紹介状の形をとって追い出されたのですね。この家の無風地帯はいつまで続くものなのか、耐えに耐えた女主人がぷっつんきたときに、どんなさわぎになるか。想像しただけで楽しくなる。

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ばんば憑き>博打眼

「ばんば憑き」 著者 宮部みゆき 発行所 角川書店 博打眼 ある商家のあるじがやつがくるとわかった。今回は人間の業を感じさせる。怖い話。 やつ(黒い布団に眼が50個ある)博打眼を三番倉に押し込んだもののどうしていいかわかんない。 そもそろ博打眼とは、博打とかをすると強運を運んでくる妖怪(妖怪といってもいいのか?)その作り方は飢えた50人を材料に眼を片方えぐり出し、殺してつくるそうな。詳しい調合方法は書かれていない。書いちゃまずいだろうね。それで商家の初代が運が強くなるなら、博打眼を子孫代々継がせるといったらしい。博打眼に憑かれると強運には恵まれるか、生気みたいなものを吸い取られていく。その結果退治しようということになるが、近くに神社があり、そこの狛犬が助けてくれるのだけど、ちっぽけな神社でもし妖怪博打眼の仲間じゃないかと私は最初危惧した。でも良い狛犬でほっとした。神社は大事にしようねという思いが残った。

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ばんば憑き>お文の影

「ばんば憑き」 著者 宮部みゆき 発行所 角川書店 お文の影 長屋の子供が影踏みをして遊んでいると、子供は9人なのに、影は10人分ある。不思議なこともあるものだなと岡っぴきが調べていくと昔の悲しい話が浮かび上がってきた。 宮部みゆきの物語「ぼんくら」、「日暮らし」ででてくる岡っ引きが出てくるのがOh!久しぶりって感じで出てくるのが少しうれしかった。 影が一人分多いって、なんか座敷わらしを想像させられる。座敷わらしが住みついた家には吉が来るというのだが、お文の影は座敷わらしではない。子供をもらえばそれが呼び水となって子供が授かるという迷信でもらわれてきたお文、それでも子供が産めず大店から追い出された女との二人ぐらしで、女にお文はいじめられて、それでもけなげに影と遊んでいたお文、女とお文の悲しさがでている。ばんば憑きの中ではおとなしめの作品になっている。 私も原稿用紙20枚ぐらいでこの程度の時代劇書いてみたいかなと思う。

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ばんば憑き>坊主の壺

「ばんば憑き」 著者 宮部みゆき 発行所 角川書店 坊主の壺 最初に面白そうだと情報を得て、予約したのが六カ月前、図書館の人が忘れているのじゃないかと思い出した頃、やっと借りることができた。 まずは坊主の壺を、江戸の昔はコレラとかが流行ると衛生環境のよくない中、付近一帯に流行る。そのコレラが流行るのを察知して、お救い部屋(コレラの患者を入れるのではなく、家族がコレラにかかっても、幸いにして生き残ったものを入れておく施設)をつくる材木問屋の主。その主には実は秘密があった。 私は毎日一日一日が同じことの繰り返しで嫌気がきていたけれども、この坊主の壺に魅入られてみたいとは思いません。坊主の壺の二人の主人公、大旦那と、女中だけが、坊主を見ることができた。普通のものには壺にしかみえず、大旦那と女中だけが聖の僧を見ることができる。この僧のおかげで、コレラとかの最悪を排除できるけど、そのかわり夜、蛇かタコかわけのわからないものになるのはかなり嫌。 坊主の壺、お文の影、博打眼、討債鬼、ばんば憑き、野槌の墓とあるから、少しづつ風呂の中で読んでいって、少しづつ感想を書きます。

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