月別アーカイブ: 5月 2013

夢違

夢違(ゆめちがい) 恩田陸 著 TVの悪夢ちゃんの原作らしいけど、「夢違」の主人公の古藤結衣子は悪夢ちゃんが女性として成長してからのことを書いている。だが彼女は大きな事故にあって、たくさんの焼けただれた死体はあるものの古藤結衣子だというものは見つからず生きているのか死んでいるのかわからない状態でなおかつ不思議な現象がいろいろなところで見つかり、どの事件にも彼女の幽霊みたいなものがところどころでています。中盤まで本当に怖かった。人間、私だけかもしれないが、無意識の領域にちくちくと侵入してくる感じがあって、よくこんな話かけるな、私だったら無理だと何回も思ったものだった。 後半からはそんなに怖くなくなったな。 ラストは衝撃的なものを考えていたが、作者はこういうおちをつけたかとちょっと逃げたなって感じがある。

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児童書>いつか夜明けに

いつか夜明けに 中島信子 作  三由真理 画 表紙にはちょっと寂しそうな顔をした少女のラフスケッチが描かれています。最初のページでテレビから自殺報道が流れている。このニュースがこの本の未来を予測して暗いものであるとなんとなくわかる。主人公の少女は、背中に赤いあざがある家族のものはそれは薔薇のようだといったが、意地の悪い女の子はそれは蛇がどくろを巻いたようであると言い、少女は心をとざしてしまう。その後、両親の不和、中学生日記でも題材にしそうなめのうが教室でなくなった事件。そしてラストに両親の離婚。この本が1979年発行された本ということで、児童書にこれだけ読んでいるものが暗くなる本も珍しいなと思った。 この本が何十年もたっても忘れられなかった私自身も少女時代暗かったので、本を読むことで誰でも一緒なんだと軽いカタルシスを得たのかもしれない。 ただこの本で救いだったのは、担任の男の先生が少女を心配して影に日向になり、少女をかばったことかな。最後には学校をやめてフィジーに行くのだけど、少女が大きくなったらお嫁さんになりたいと願うことで、少し明るく締めくくられています。

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絵本>きかんしゃ やえもん

「きかんしゃ やえもん」 文/阿川弘之 絵/岡部冬彦 わたしの小さいときでもあったし、今の子供にも読まれている岩波の超ロングセラー絵本です。 いなかの まちの ちいさな きかんこに やえもんというなの きかんしゃがおりました。やえもんはおじいさんになって怒りっぽくなり、しゅぽしゅぽ怒ってばかりいます。他の比較的新しい列車にも馬鹿にされて、やえもんはもっと怒って、火花を飛ばし、その火花が農業地帯にぼやを起こします。 どこの蒸気機関車も次々と便利な列車に変わっていき、蒸気機関車の具合が悪くなると火花を飛ばして、ボヤを起こしていたのですね。 ぼやを起こしたやえもんに怒っていって、どうしようとやえもんも困るのですが、最後分解廃棄されそうになって、やえもんは珍しい型のきかんしゃだから、列車の博物館に展示しようとおちになるのですが、博物館というともはや使い物にならなくなった老人ホームのようなものだから、ちょっと悲しいです。私は、やえもんしかできない特別な方法でみんなを見返して、再度現役に挑戦できたらいいなと思っていました。でも時代が蒸気機関車は骨董品という考えで、博物館に展示されるのはまだいい方で多くの蒸気機関車が分解廃棄されたのですね。 それにやえもんを馬鹿にした当時最近型だった列車たちもおそらくやえもんと同じ運命をたどって行ったでしょう。

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今読んでいる本

今読んでいる本 「夢違」恩田 陸著 集合的無意識とかを出してじわじわと恐怖をそそる。白昼夢を見た子供たちの夢札(人が寝ている間に夢みますよね。それをヘッドフォンみたいなものを頭にかぶり、機械で夢を記録することを夢札という、それに対して獏とは伝説の悪夢を食べる獏にちなんで、夢を食べることはないが、夢札を第三者でもわかるように知覚化させる機械)の中に、子供たちがあったことのない古藤結衣子の影がリングの貞子のようにちらちらと夢札の中に現れる。 私の心とシンクロできているのかできていないのかわからないけど、私が読んでかなり怖い。読んでいるだけでもこれだけ怖いのに、こんな作品自分で書いてみろと言われたら絶対無理、書く途中で頭がいかれてあっちの世界に渡ってしまうかもしれない。 「いつか夜明けに」中島信子作 三由真理画 私が小学3年生か4年生かのときに、小学校の図書館で借りて、読んでいる途中に鼻血か何かわかんないけどページを開くと血まみれになっていた本。かなり印象が深かったのかトラウマなのかわんないけど、最初の方しか読んでいなかったにもかかわらず細部まで覚えていました。初老が近くなって、懐かしさとのどにとげがささったように記憶に残っていて、市立図書館に聞いたけど1970~80年代の本で古かったから、最初司書の人もわかんなくて、それでも一生懸命調べてくれて、「いつか夜明けに」という本じゃないかと、県内のかなり遠い図書館にあったのを取りよせてくれました。 「いつか夜明けに」と題名にあるとおり、かなり暗い本です。思春期にありがちな多感な少女の物語とひとくくりにいっちまえばそれだけですが、主人公の少女が自殺を考えたり、両親の不和とかで、NHKの中学生日記なみに暗い。両親の不和とか自殺を書くって、当時斬新なことじゃなかったのかな? 今読んでいてもそんなに古さは感じない。子供は明るい本が好きだから、これだけ暗い本だと流行らなかったのじゃないかな。これと対称的なのはハリポタぐらいだろうね。ハリポタは当時流行って私も読んだけど、今考えてみると馬鹿本だったと思う。 「きかんしゃやえもん」 「夢違」も「いつか夜明けに」も本の中盤読んでいるから完全なレビューはできないけど、こっちは絵本だからすぐ読める。でも絵本といっても深くていろいろ考えさせられることがありますね。近日中にレビューします。

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感想>「夢違」その1

「夢違」その1 恩田陸著 「悪夢ちゃん」という題名で、2012年10月から12年10月までテレビ放映された。原作です。最近心霊物にこって読んでいましたが「夢違」はある意味心霊物より怖いかもしれない。表紙してから、森に大きな顔が載っていたりなにやらわからん不気味な絵になっています。ちょうど、ミヒャエルエンデの父親の描く絵にも似ています。うんちくですが、エンデの父親が描いた絵は、ヒトラーから退廃美術とレッテルを貼られた絵です。 以前自分の夢に興味を持ち、夢を見るたびに夢日記を描いて、自分なりに自己診断にはまりすぎ、あっちの世界に行きかけた経験があります。自分の夢でも持て余し気味なのに、他人の夢を聞いて解釈している心理療法士とか精神分析の先生たちはよほど精神力が強いのでしょうね。 「夢違」では一つのクラスで白昼夢を見て、泣きながら校庭で一つのクラスの子供たちが、わけのわからない行動をする。彼らの夢を夢札を引いて、獏という機会にかけて、白昼夢の原因は何か、子供たちはそのとき何を見たのか。子供たちの夢を見て、原因を探ろうとしているところです。1/3まで読んだけど、じわじわと夢の恐怖が伝染しそうで怖いです。

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「カッコウの卵は誰のもの」

「カッコウの卵は誰のもの」 東野圭吾著 読む前にネットでこの本の評判調べてきたのだけど、あんまりいい評価もらっていませんね。 私はいろいろ伏線があって、それぞれ端役かなと思われた登場人物にもわりと重要な役割をもらってああこうくるのかと面白く読めました。 かっこうの卵をもらった父親の苦悩が自然と共感できてよかったです。 次は新参者でも読もうかな。

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「秘密への跳躍」>日陰屋敷の宴

「秘密への跳躍」怪異名所巡り5 赤川次郎著 日陰屋敷の宴 団地で仲良くしていた主婦が一方は一軒家を買って遠方にいってしまった。遠いこともあり、疎遠だったものが一軒家を買った主婦(みゆき)が会いにきてというものだから、(玲子)はいったら、みゆきは庭の木に首を吊って死んでいた。 みゆきの家族もみゆきが自殺した家に住みたくないので、哀れに思った玲子一家が格安で買って越してきた。 それからがいけなかった。旦那は粗暴になるし、娘は寝込んだりするようになった。 玲子は切羽詰まって、川に身を投げようとするか、町田藍に助けられる。 ここまでは前振りで、ここからは町田藍の活躍するところ、霊が見えるかもしれないということでツアーを組んで、すずめバスの幽霊好きの乗客は今度はどんな幽霊が見えるか楽しみにしている。町田藍たちが行った日陰屋敷では呪怨の屋敷化していて、住んでいる人は人間だけでなく、みゆきの怨念に誘われて霊が多数棲息、命が危なかったから町田藍の起点で火をつけて、日陰屋敷と両隣をぼうぼうと燃やした。火は浄化の炎、次に家がたったら幽霊はまた集まるだろうから、駐車場みたいにしたらいいかな?

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