日別アーカイブ: 2016年3月28日

ゲド戦記

ゲド戦記 ゲド戦記はアーシュラ・K・ル=グウィンが書いたものです。私はゲドの少年期から青年期までの話が好きで、この1巻だけは手物に持って何度も読み返しています。残りの巻は全部図書館に借りて読みました。 そして待ちにまったゲド戦記がアニメ化されるとあって喜びました。そしてアニメを見終わったゲド戦記に失望しました。 ゲド戦記と名付けられているけどまったくゲドの戦いではありません。それに女の子は何の伏線もなく竜になるのも変です(原作の最終巻では竜になったけど、それにはちゃんと理由付けがさせられていた)。アニメ版ゲド戦記は毒にも薬にもなれない駄作となっていました。 私の趣味とジブリアニメが少年少女を相手にしているのならば、ゲドの少年、そして青年時代を描いたゲド戦記1巻をみっちり描けばそこそこ面白いアニメになったのだろうと感じます。ただアーシュラ・K・ル=グウィンがユング心理学を考慮にいれた作品であるだけに薬がきつすぎて、一部には毒になるかもしれません。ユング心理学というと京都大学の故河合 隼雄先生にゲド戦記1巻は毒になる可能性があるだけじゃなく、のちのち書かれた魔法が邪悪なものとして書かれてどう思うか聞いてみたかった。 それとアーシュラ・K・ル=グウィンが最終巻で、魔法そのものが悪で、魔法使いは成仏しないと書いていました。グウィンはゲド戦記そのものやゲドのことを愛していなかったのかと思うぐらいの仕打ちです。 生涯魔法使いとして老人ゲドの全人格を否定されてしまうのですから、ゲドに感情移入していた私にはもし私自身がゲドなら立ち直れないと思います。こんな自分の作品ですら否定するグウィンは強い人なのだと思いました。

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