狼森と笊森、盗森

狼森と笊森、盗森

作: 宮沢 賢治
絵: 村上 勉
出版社: 偕成社
税込価格: \1,680
(本体価格:\1,600)
発行日: 1996年11月
ISBN: 9784039636508

今の文明人が忘れ去った人間と森の共存を考えさせられます。人が住むのに森に許可をもらい森が答えてくれるのは、森もその当時は人間と関係を持っていたためだと思います。
今もし森に開拓しようとしても、他の場所でブルドーザとかで環境破壊とかやっているから森は怒って黙ったままだと思います。
賢治の書いた頃狼森と笊森、盗森はまだ自然も答えてくれる余力があったのですね。
さて、物語ですが、村上先生の表紙の狼がひょうきんで笑えます。それに笊森の山男、盗森の黒い男も、彼らは森の象徴なのだろうけど、愛嬌があっていいです。
姪っ子はまだこの絵本は読んでいないので、寝る前に少しずつ読んであげるつもりでいます。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

おばあさんの飛行機

おばあさんの飛行機
  
作: 佐藤 さとる
絵: 村上 勉
出版社: 偕成社
本体価格: \2,000
ISBN: 4039637100

ちょうちょうの模様を真似たら飛行機が飛んだ! まるで夢のような話に姪っ子もきらきら目を輝かせて聞いていました。私も飛行機乗りたいから毛糸で編んで・・・と頼まれたものの、私は編み物が苦手。どんな編み方でもできるおばあさんでさえ、こんなに苦労したのだよ。それなのに編み物ができない私ができるはずがないよ。なだめるのに苦労しました。
それにしてもおばあさんはすごいです。ちょうちょうの羽の模様に魔法があったのかな。それを1センチ編むのに時間がかかった特別な編み方だったこそ、空を飛べたのだね。
面白い話でした。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

牛女

牛女
 
作: 小川 未明
絵: 高野玲子
出版社: 偕成社
本体価格: \1,600
ISBN: 4039637003

牛女ってけっこう重い話だなと思いました。今では差別語として使われている言葉を扱っているし牛女という名前のイメージからして、なんとなく土俗性というか土地と切っても離れないものがある。牛女は最初の数ページで死んでしまう。だけどもその数ページで子どもをどれぐらい可愛がっていたか、またこの二人はどんな生活をしたか、言葉には書かれていないけどわかるような気がする。
子供は村人に育てられながらも幸せであったか? 答えはいいえであろう。幸せであったな雪山に見える牛女の影を慕うはずはない。そして村を飛び出し、その後、出世して帰ってくるが、村でりんごを虫にやられてしまう。ここでたたりだと言われる土俗的である。
母親の霊を慰めることで、死者に対する土俗性を発揮しています。最後は息子は裕福になり幸せになれるが土地とは切り離せない百姓である。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

おきなぐさ・いちょうの実

おきなぐさ・いちょうの実  
  
作: 宮沢 賢治
絵: たかしたかこ
出版社: 偕成社
本体価格: \1,600
ISBN: 4039635000

賢治は凄いと思いました。銀河鉄道の夜でもそうだけど物語にどこか死の予兆をいれながら、物語を哀しいようで澄明な文章で書いていると思いました。
このおきなぐさ・いちょうの実もそうです。
おきなぐさは花になっている間の表現は素晴らしいです。「まるで燃えあがってまっ赤な時もあります」って普通の作家だとここまで書けないと思います。賢治の心の奥には美しい無意識という井戸があって、それを壊れさせないように、詩や童話の物語に注ぎ込んでいるのだと思います。
いちょうの実も、いちょうのおっかさんから離れるいちょうの子供たちの心情を書いています。でもどこか哀しいような嬉しいような期待と不安と死の予兆みたいなものを感じるのですよね。
賢治は私の大好きな作家で、美しくて哀しくて笑いたいのだけど泣いてしまうような物語が多いので、小学生の低学年ではまだこの感覚わからないのだと思います。上級生になってから一人で読んだら賢治のよさがわかると思います。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

セロ弾きのゴーシュ

セロ弾きのゴーシュ
  
作: 宮沢 賢治
絵: 赤羽 末吉
出版社: 偕成社
本体価格: \2,000
ISBN: 4039634608

賢治の話はどれも好きですが、音楽(ピアノ)を習っている姪っ子にはこの絵本が喜ぶだろうと思って、寝る前に読んであげました。途中まで読んでは眠り、途中まで読んでは眠り、全部の話が完結するまで3日もかかりました。

最初聞きにきた猫にはとってもひどいことをして、かっこうには少し悪いことをして、たぬきには普通で、最後のねずみにはパンまでやっている。この順番が反対だったら意地の悪い物語になったでしょうが、悪い→優しいで正解。ゴーシュが動物たちとどうかかわるかで、ゴーシュの優しさを感じます。そしてゴーシュは動物たちに音楽を教えているようで実は動物たちから音楽を教わっていたのかもしれませんね。
最後のページで、その場にいないかっこうに謝るところでなんともいえない気持ちいい余韻が残ります。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

桂三枝の落語絵本シリーズ(7) さよなら動物園

作:桂三枝 絵:黒田 征太郎 出版社:アートン
本体価格:1,500円 ISBN:4861930448
  桂三枝先生の落語絵本シリーズは環境をテーマにしていて、小さい子供さんはわかりにくいのじゃないかなと思います。読ますから環境がそろそろわかってきた9歳、10歳の子どもたちがいいんじゃないかなと思います。 舞台は閉鎖される前の動物園、情報仕入れ係りのチンパンジーがゴリラの関西弁で話かけてきてきます。深刻な話なのだけど、2頭が関西弁で話すので少しは場を和らげる効果はあったのでしょう。チンパンジーとゴリラの会話はむねをちくちくさします。そして決定的なのが、大文字に書かれている「人間のオモチャみたいじゃないですか」確かに私たちは動物の考えが言葉ではわかりません。動物園にいるのは他の国で捕獲した動物を飼育しています。もともとは野生だったものを研究のため子供に喜ばすためとつれてきています。 「人間のオモチャ」となっていますね。でもそれをどうすることもできないのですよね。
 どうしたらいいでしょう。今後何回か姪っ子とお話して回答ができたいいなと思います。
 シリアスな絵本だったけど、最後のおちもぴりりと効いているものの笑えます。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

じぶんの木

作: 最上一平  絵: 松成 真理子  出版社: 岩崎書店
本体価格:1,300円  ISBN:4265070280
むねにじーんとくるお話ですね。人には老いがきて病気になって死んでいく。それを絵本にすればこんなふうになっていくのですね。わたるのひいじいちゃんの伝じいも自然の摂理にはかなわない。でもじぶんの木というのがあれば、なんらかの救いがある気がしました。伝じいとわたるのような関係があったなら、親子で惨殺といったおぞましい事件がなくなるのにね。わたしもじぶんの木は一生探せないかもしれないけど、じぶんの木にまけないように頑張りたいです。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

桂三枝の落語絵本シリーズ(1) 美しく青き道頓堀川

作: 桂三枝 絵:黒田 征太郎 出版社:アートン 
本体価格:1,500円 ISBN: 4861930111 
 題名は美しく青きドナウをもじってつけられたものですね。この道頓堀川には阪神が優勝したときには人間がふってくるわ白い服をきたファーストフードのおじさんはふってくるは自転車は川底に沈んでいるわで、汚れた川のイメージしかありません。そこにカメがすんでいていろいろ環境批判や皮肉をいうのですが、最後には川が綺麗になっているのですよね。その前に大きなおちがあります。私たちはこの大きなおちになることなく、いろいろな魚やかめが普通にすめる川にしたいですね。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

デパートいきタイ

作・絵:長野 ヒデ子 出版社:童心社
本体価格:1,300円 ISBN: 4494005703
 なんでも好奇心をもっているせとうちたいこさん今回はデパートにやってきました。○○たーい○○たーい。たいこさん探すのは姪っ子と同じぐらいでしたが、一度読み終わってから黄色のシャツきて、緑のずぼんをはいている男の子はどこと聞いたら、姪っ子すばやく探してくれました。さすが小学4年生小さい頃と違って探すのも早いねといったら、得意そうに笑っていました。他にもいろいろ探しあいっこをしてたのしみました。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。

いのちのおはなし

作:日野原重明 絵:村上 康成 出版社: 講談社
本体価格:1,300円 ISBN: 4062137933
10歳の姪っ子に読んであげた絵本です。10歳の子どもたちの教室に95歳の日野原先生がいのちとはという簡単なようでいて難しい問題を子どもたちにお話します。最初に聴診器で心臓の音を聞かせて、自分たちそれぞれが生きていることを教えていのちとはとお話します。10歳の姪っ子は話の内容はわかったかどうかわかりませんが、わたし自身生きづらい人生を送ってきただけにこの絵本を読んだ後心地よさというかあります。
100年前に生きていた人は死んでいて、100年後に生きてはずの人はいなくて、今現在地球の上に立って心臓が動いている、息をしている、歩いている、今の瞬間を生きていることこそがいのちなのだなと思いました。
恥ずかしながら日野原先生今まで知らなかったので、子どもの絵本でこれだけ感動できるのなら、大人向けに書かれた本ならもっと感動するだろうと思って日野原先生の著書を読みたいです。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。