ゴジラ対メガギラス

2001年になりました。
でも、天空には「美しき青きドナウ」をBGMにした宇宙ステーションも、
精子型の「ディスカバリー」号もなく、木星はおろか、火星にすら未だ、
人類の足跡を残すまでにはいたっておりませんですね。

大げさに言うほどのことはない「IT」でひともうけをたくらむ愚かな人
たちをはじめとする、地球上にへばりついて重力をふりきれない人類が、
ただそこに存在するのみ。

こんな21世紀ではなかったよなあ・・・私の小学生の頃に夢みたのは。

さて、そんな愚かな人類の、そのまた、ひとつかみの映画会社が製作し、
劇場の1割にも満たない観客動員数を誇る(苦笑)、日本が世界に胸を
はっている(らしい)、どうしようもないモンスター映画がまたぞろ、
そう、またぞろ、性懲りもなく公開されてしまいました。

タイトルを「ゴジラ対メガギラス」といいます。

某所でタダで一回、
いちおう、カネ払って見たらどんな感想をいだくか?と思い、もう1回。

都合、2回に渡って、この愚かしい作品を見てしまい、いまさらながら、
ハラわたの煮えくり返る思いです。年明け早々、えらい剣幕!?
いえいえ、正確に書けば「情けなすぎて・・・」となりましょうか。

感想を思いつくまま列挙してみましょうか。

・今度のGとG2000、どっちもどっち!おおばかもの!!
・時間なかったんやろなあ、実写背景、スチルで処理してるとこ、
 何カットあったかなあ・・・。
・話、平成Gの中では、おもろいほうかも。
・トンボの成虫、羽、しならん部分、高周波発生源と称して、
 あの動きを作ったこと、評価できま!しかして、そこまで、
 できるんやったら、羽ばたく部分、全部、そうすればよいものを!
・羽もしならん、足も地に着いてない、なのに、何万トンもあるGを
 押し倒す、その、むちゃくちゃさ! ここなんや、ここ!
 フェイクのリアル感、なんぼいうても、あの人らにはわからんのや!
 嘘ではあっても、どこか常識的な物理感覚をいうものを人間は体験的に
 持っているはず。その体験と照らし合わせて「おかしい!」と思わない
 ほうが・・・お・か・し・い!
・トンボと実写のなじみ、もう一歩やなあ。
・なんたら島に上陸前に出てくる戦闘機、バックとずれとる部分、数カット。
 こんなん、サイテーやんかいさ!何十年も前の合成技術でんがな!
・渋谷に向かうGの俯瞰映像。これは、なかなかにナイス!
 こういう感性を持っていながら・・・ああ!
・パラレル・ワールド、ずるこやんけ!
 発想は評価しますが、脚本になってませんな!
 うわすべりもええとこです!
・グリフォン飛行体。この手のマシンを出すからオカシくなるんや!
 こんなんを認めるファン!そう、あんたや、あんた!あんたらが製作会社を
 甘えかせておるんやで! ウルトラシリーズまでいっちまうと、もう、好き
 になさればよいです!あれはもう、はまった人たちのもの。観客を呼ぶ!と
 いうレベルでの製作とは思ってませんから。
・星 由里子 おばさんになっても雰囲気ありまんなあ。
・田中美里 素人っぽさがぬけないお人で・・・
・ブラックホール砲! これは脚本上でオミットすべき暴挙。
 ウソであっても、あくまでも、どこかで、それらしい裏づけがないと
 おかしくなっちまう。そのことが、どうしても、製作会社さんには理解できて
 ない! ウルトラにもってってよ、こういう類いは!

そして、

・全然、巨大な感じがしませんな!Gを見せる時の「空気感ゼロ!」
・どこまでいってもつくりものの、ぬいぐるみ感しかないのは、なぜ?
 動物園行って研究せえよ!
 昨今のアニマトロニクスのなめらかな動きは、動きをディレクション
 する感性のある人が演出すれば、ナイスな造形に「命」を吹き込む
 ことができるハズ。

以上、言いたいことの3分の1。

1.500円の価値はないです。(金券ショップで割引きチケット入手)
それでも、500円のパンフは買ってあげましたがな!
170円の自販機のコーヒーも!

オマケ。

・冒頭のオマージュ、なかなかいいのになあ・・・本編、息切れ!
 そして、つっこませていただければ、このイントロ部分を再製作する必要が
 いったいどこにあるの?製作費、7億?10億?下請け、孫請けのCG屋さん
 をはじめとして、プロップ製作、現場整理、等々、ゴジラが好きだから殆ど、
 ボランティアで協力なさってる。なのに、こういう無駄を平気でやっちゃう。
 おそらく、初代ゴジラへのオマージュのつもりなんでしょうけど、肝心なこと
 手をつけずに、こんなギミック的映像にうつつをぬかすようでは、もう、製作
 なさらんほうがええですな。

プロデユースなさる方、なんか、大きな、そして、ものすごく致命的な勘違いを
なさっておられますまいか?私とほぼ同年代の方がかくのごとく、愚行を何度も
何度も繰り返されるのは、もう、ガマンの許容範囲を越えていますな。

でも、SFX的に見れば、
CGのでき、
コンポジットの改良、
その他、コンピューターを使った製作部分の秀逸さは、過去、最高のデキ!
おつかれさま!と申し上げたい。

また、音楽ならびにサラウンド音場もなかなかにいけてました!

最後に、

「年1回作る必要はない!2年かけて、じっくり、脚本から考え直せ!
 SFX的には、技術的にはなんら問題ないし、あとは、アイデアとセンスを
 磨いてもらえば、それでけっこう!」

20世紀最後の年に、あんなゴミ、もうサイテー!の映画を見たことが残念なり!


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