2001って・・・

2001年。
年頭、映画「2001年宇宙の旅」とのギャップが各メディアをにぎわして
おりました。制作の当人のひとりであるクラークさんご自身も、ある雑誌の
インタビューで、予想していた未来と現実の違いを認めながら、逆に予想を
はるかにこえたグローバル環境の実現にも触れておられました。

ところで、思いますに、初公開当時のあの酷評、なんだったんでしょうね?
これについては、のちほど、ふれることにしまして、皆様、「SFマガジン」
や「スターログ」誌はお読みになっておられるでしょうか?

いずれの最新号も、「2001年」関係で興味深い記事や写真がいっぱい。
特に、後者はオガワモデリングご代表の小川氏が語る「2001年宇宙の旅」。
これは、必読かもしれません。

当然のごとく、今年、本作のリバイバル上映がおこなわれますが、当初の噂では、
撮影されながら、本編には使われなかった、数々のシーンが挿入された音楽業界
風の申せば「リミックス」がほどこされるのではないか?とファンの期待をいや
がうえにも盛り上げてくれました。

残念ながら、「リミックス」ではなく「リマスタリング」とでもいうべき内容で、
従来のコンテンツを今風のサウンド構築と、画質の見直しをおこなった程度におさ
まった、やや、期待にそぐわない内容での上映となってしまいました。
が、しかし、ひとつ注目すべき、そして「ありがたや!」と思わなければならぬ
改善がほどこされています。これだけで、見る価値大!

それは、かって「シネラマ」方式で上映された、画角をできるだけ再現せんがため、
70ミリ(んまあ、きちんと表現するならば、65ミリ原版ではないかな)原版を
35ミリに落として、雰囲気を再現してくれていること。厳密にいえば「画質」は
落ちるのでありますが、昨今の35ミリ、十二分な解像度を有しておりまして、気
になるほどの劣化ではないハズです。

2001年の春に、「2001」を見ることができる!
しかも、大画面で!

それだけで、私や、昔からのファンにとっては「涙もの」ではないでしょうか。
大画面でご覧になられたことのない、若い皆様方には、ぜひ、この機会に御目で、
「2001」のホントの凄さを確認していただければ、と思います。

当時のことを少し。

ロードショー公開日から数日後に、高校生だった私は、胸をおどらせながら大阪の
「OSシネラマ」で見たのでありますが、映画を見る前段階で、売店で売られている
特大横長サイズの「銀刷り」パンフに度肝をぬかれ、帰りの電車賃のことも還りみず、
買ってし、その印刷物で、まずノックアウトされてしまいました(笑)

映画ですか?
そうっすね。
正直に告白しますが、まさに、身体がわなわなとふるえるような「感覚」がしばらく
抜けなくて、売店横のベンチで、しばし、ぼう然としてしまいました。

「いったい、なんやったんや?今のは!
 あの、すんげえリアルな宇宙船に、聞いたこともない現代音楽みたいなサントラ。
 特撮、わからんぞ!どないして撮影したんや?!
 思ってた、心がワクワクする映画とは全然ちゃうやんけ!
 せやけど、オレの10数年の人生ん中でサイコーにすんげえ映画やんかいさ!」

ってなことがアタマの中を何度も何度も駆け巡っておりました。
へなへなと立ち上がり、どうやって、家に帰ったのかおぼえとりません(笑)

その夜、宇宙の中に、ひとり取り残される「ナイトメア」を体験してしまいました。
当時の私にとっては、ある意味、相当、こわい映画だったのかもしれません。

数週間後、もう一度、高校の課外授業として、見に行ったのですが、見終えたあとは、
やはり、同じく、わなわな。なんなんや?この感覚!
ちなみに、この時、おそらく、ほとんどの日本人は経験できなかったであろうことが
あったのです。それは、ナレーションが随所に入っていたこと!それも「日本語」で!
私、いまだに、このナレーション・ソースの「探求の旅」を続けています。
どなたか、情報をお持ちでしたら、こちら↓まで、お知らせくださいまし!
           mozoo@m17.alpha-net.ne.jp

しっかし、こんなすごい作品なのに当時の酷評ときたら!

あえて、例を出すことは控えますが、いかに、映画評論家という職業のひとたちが、
信じがたい、バカモノ!であるかが、はっきりわかりましたな!
当時、ボロックソにけなした世界中の著名な批評家センセたち、あんたら、なんとか、
言うてみい!かってのロックミュージックがそうであったように、自分の感覚に合わぬ
もの、もしくは、見たこともないもの、そういったものに対する畏怖の念からくるんで
しょうか、とにかく、これでもか!の「けなし」に、怒り心頭に発したの私だけでは
なかったんではないでしょうかね?

んま、ちいとだけ、メッタギリモードでした(笑)

で、特に若い皆様に申し上げたい。
「スター・ウオーズ」に出てくる名セリフをまんまいただいて・・・

「Trust Your Feeling!」

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参考文献:
2001 Filming The Future Piers Bizony (AURUM)
メイキング・オブ・2001(ソニーマガジンズ)

コアなファンならとっくにご存知かもしれませんが、このサイト、サイコー!
http://www.underview.com/2001.html

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では、また次号でお会いしましょう!
次回で、このコラム、いったん、お休みさせていただくことになりますので、
いろんなことを書かせていただく予定です。

「2001年」に生きている自分がいまだに信じられないモズ中野でした(笑)


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