カテゴリー別アーカイブ: 一般映画

『十階のモスキート』『スペーストラベラーズ』『茶飲友達』

『十階のモスキート』1983年7月公開、崔洋一監督作品  出世の見込みも無く妻に逃げられ毎月の養育費を支払うのにも汲々としている冴えない警察官の男は、マンションの十階に住んでいた。しかしなぜか女には不自由してない。それらに加えてバーのツケ、ギャンブルの借金がかさみ、ついに消費者金融に手を出してしまい、勤務先の交番まで借金取りが押しかけてくるに及んで、男は追い詰められてしまう。   当時話題になった問題作。実際に起こった事件を元にした映画でもある。 『スペーストラベラーズ』2000年4月公開、本広克行監督作品  極限状態で、被害者と犯人との間に心理的なつながりが構築されるという「ストックホルム症候群」を描いた映画(?)“スペーストラベラーズ”とは、犯人達と被害者たちの繋がりを表すモチーフとして登場するSFアニメの題名で、この映画がSF映画というわけではない。←題名だけ見て見始めたのだけれど(汗;)  銀行に、同じ孤児院で兄弟のように育った3人組の強盗団が押し入る。ところが、ほどなく彼らの計画は狂ってしまい、翌朝まで数名の行員と客を人質に立てこもることになる…… 『茶飲友達』2023年2月公開、外山文治監督作品  佐々木マナを代表にした怪しい会社は、新聞に“茶飲友達、募集”という広告を出していた。実は、彼らが運営しているのは売春クラブで、そこには多数の65歳以上の女性が所属し、行き所の無い熟年男性の欲望を満たすのを仕事としていた。ある日、マナはスーパーで万引きした高齢女性と出会い、彼女を売春婦にしようするが……

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『ジャッジ』『銀平町シネマブルース』

『ジャッジ』2014年1月公開、永井聡監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/3  某広告代理店で働くうだつの上がらない社員である太田は、上司の替え玉となって世界一のテレビCMを決める祭典の審査員を務めるよう厳命される。しかも、その広告祭にエントリーする有力スポンサー企業のぼんくら息子のCM作品を入選に導けとの無茶ぶりが。まあ馬鹿馬鹿しくて面白い(笑)エントリーしたトヨタのCMは一見の価値ありです(爆) 『銀平町シネマブルース』2023年2月公開、城定秀夫監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆  一文無しになった元映画監督の近藤は、かつて青春時代を過ごした銀平町に舞い戻り、ひょんなことからホームレスの個性的な面々と知り合うことになる。あるきっかけから映画館でアルバイトを始めた彼は、スタッフや一癖も二癖もある常連客たちとの交流を通じて映画への情熱を取り戻そうとする……

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『あやしい彼女』『そばかす』『女子高生に殺されたい』

『あやしい彼女』2016年月6公開、水田伸生監督作品 2014年公開の韓国映画『怪しい彼女』の日本リメイク版 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2 73歳の頑固おばあちゃんが、とある写真館で撮影したことから20歳の娘に若返り、やりたくても出来なかった過去のあれこれを実現しようとするが…… 『そばかす』2022年12月公開、玉田真也監督作品 恋愛にも結婚にも全く興味がない独身女性の生きざまを描く。 どんな映画が好きですかという質問に「『宇宙戦争』でトム・クルーズがただひたすら逃げ回るシーンが好きです」と答えていてツボにはまりました(笑) 『女子高生に殺されたい』2022年4月公開、城定秀夫監督作品 原作:古屋兎丸作『女子高生に殺されたい』 ただ女子高生に殺されるためだけに高校教師になった男が立てた、9年間におよぶ「理想的な自分殺害計画」に巻き込まれた女子高生たち。こういう変な映画は城定監督の得意とするところだと思いますが、それにしても変な設定だわ(笑)

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『恋は光』『とんび』

☆岡山県がロケ地の二作☆ 『とんび』2022年4月公開、瀬々敬久監督作品 原作:重松清『とんび』 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆(地元民必見!) 地元金光町大谷地区もロケ地になったとあっては(笑)ちなみにカミさんの実家の横の道路もロケ地になってました(阿部寛さんが川沿いを軽トラで走るシーン) 詳細は、「岡山観光WEB」からどうぞ ちなみに、「第13回ロケーションジャパン大賞」において、岡山県が映画「とんび」(瀬々敬久監督)のロケ地として作品を大いに盛り上げたことが評価され、最高賞の「グランプリ」を受賞しました。 『恋は光』2022年6月公開、小林啓一監督作品 原作:秋★枝作『恋は光』 “恋する女性が光って見える”という西条はある日「恋というものを知りたい」と言う文学少女・東雲と交換日記を始めることに。凄いです、交換日記で“恋の定義”を語り合うとは(笑)そういう女性と付き合ってみたかったわ~(汗;) ロケ地詳細は、上記と同じ「岡山観光WEB」から

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『木村家の人々』『異動辞令は音楽隊!』『マイ・ブロークン・マリコ』

『木村家の人々』1988年5月公開、滝田洋二郎監督作品 原作:『木村家の人びと』(谷俊彦著、1986) 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆  とある住宅地に建つ木村家では、家族一丸となって小銭を稼ぐことに夢中になっている。朝は弁当作りから始まり爺婆に配達依頼、通勤に同乗者を募り白タク、会社では閑職であることを利用して家族総出で作った弁当販売など様々な商いをしていた。その他夫婦間でも金銭のやり取りをしていたが、あるとき長男がこの生活に疑問を抱く。  母親役の桃井かおりさんがなんともコケティッシュで可愛いわ~。 『異動辞令は音楽隊!』2022年8月公開、内田英治監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2  犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事である成瀬司は、高齢者を狙ったアポ電強盗を捜査中に強引な捜査を繰り返し、広報課内の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。嫌々ながら音楽隊を訪れた成瀬だが、隊員たちに混じってドラムを叩くうちに…… 『マイ・ブロークン・マリコ』2022年9月公開、タナダユキ監督作品 原作:『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ著,2019) 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆  TVのニュースで親友のマリコが亡くなったことを知ったシイノは、遺骨だけはちゃんとしようと包丁を忍ばせマリコの実家へ向かう。実はマリコは父親から長年にわたって虐待を受けていたのだ。マリコの実家で父親と格闘の末、骨壺を強奪したシイノはベランダから飛び降り逃走する。かつてマリコが海へ行きたいといっていたことを思い出したシイノは、その岬を目指して高速バスに乗り込む……  主人公役の永野芽郁さん、ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』では、戸田恵梨香さん演ずる「藤聖子」の影に隠れた新人警官役のイメージがあったのですが、『地獄の花園』とか本作を見るとヤンキー系も似合うんですね。さすがです(笑)

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『雨に叫べば』『グッドバイ、バッドマガジンズ』

『雨に叫べば』2021年11月公開、内田英治監督作品 往年の名女優のヌードシーンと若手アイドルタレント起用が話題の新作映画の監督に抜擢された女性が、苦労しつつも映画道を貫く話。かたくなに女性の監督を認めようとしない、ものすごく前時代的な映画スタッフの描き方が面白い。内田監督のインタビューを読むと、この映画は『蒲田行進曲』へのオマージュらしい。なるほどなあ。階段落ちに相当するシーンが、「濡れ場」にあたるのか。もろもろがそれで納得(笑)もちろん映画のタイトルは、雨の中で歌って踊るあの名作ミュージカルです。 『グッドバイ、バッドマガジンズ』2022年10月公開、横山翔一監督作品  憧れの出版社に就職したヒロインが配属されたのは、男性向け成人雑誌の編集部だった。しかも、長らくの出版不況に加え、東京五輪開催による外国からの観客増加に備えてコンビニから成人雑誌が撤去されるという苦境の中、彼女の奮闘は続く。成人雑誌を編集・出版するというお仕事がどんなにブラックだったかよく分かる事実に基づいたフィクションです。

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『アイネクライネナハトムジーク』『ハウ』

『アイネクライネナハトムジーク』2019年9月公開、今泉力哉監督作品 原作『アイネクライネナハトムジーク』(伊坂幸太郎著2014年) 劇的な出会いを求める気弱な会社員が、ある女性と出会い10年間の交際をの後プロポーズするまで。 もてない会社員が三浦春馬さんという設定はちょっと変じゃないかな(笑) 世界タイトルに挑戦するボクサーのエピソードとかが絡んできて、最後はほっこりとするという…… 7年間ほど仙台市民だったので、伊坂さんの話はつい読んでしまうのです。 『ハウ』2022年8月公開、犬童一心監督作品 結婚寸前に彼女から別れを切り出され傷心の主人公が、声帯を切除したため「ハウ」としか吠えられない保護犬との関わりを通して心癒やされる。 ひょんなことから、主人公の元から離れて青森まできてしまった「ハウ」は、主人公の住む横浜まで走り抜ける過程で関わる人々の心を癒やしていく…… 深キョンが主演の『天使』と主題は似てますね。天使もハウも、そこに居るだけで周りの人たちに変化が訪れるという触媒のような存在ですね。  二作品とも、TV放映があったら見てホッコリしましょう(笑)

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 『聖の青春』『泣き虫しょったんの奇跡』

『聖の青春』2016年11月公開、森義隆監督作品 大崎善生原作、先行したテレビドラマ版(2001年)もあり。 幼くして患った腎臓病と闘いながら、将棋が大好きで、将棋に没頭し、29歳の若さで夭逝した元A級棋士・故村山聖九段の生涯をつづったノンフィクション映画。 「将棋世界」1998年10月号、「さようなら村山聖九段」 顔がぷくぷくとしているのは、持病のせいで浮腫んでいることが大きいのです。 以下リンク 「『藤井聡太六冠はあの天才棋士・村山聖の生まれ変わりではないか』…ネット上の噂を師匠に聞いてみたら返ってきた意外な答え」 今回の二作品と『3月のライオン』で、新将棋三部作ということでどうでしょうか。映画としての面白さをいうなら『3月のライオン』なんですが、個人的には『聖の青春』が人口に膾炙して故村山九段のことがもっと今の将棋ファンに知られる展開になって欲しいと思います。藤井七冠(2023.6月時点)は圧倒的に強いのだけど、上記のリンクからの元師匠の話には、当時を知る将棋ファンとして頷けるところが多々ありました。 『泣き虫しょったんの奇跡』2018年9月公開、豊田利晃監督作品 原作『泣き虫しょったんの奇跡』(瀬川晶司著・自伝) 全国中学生選抜将棋選手権大会で優勝して奨励会入りした瀬川は、その人の良さも災いして勝ち星が届かず年齢制限で奨励会を退会する。フリーター生活の後、大学を経てサラリーマンになったものの、将棋を捨て去ることはせず、アマ強豪としてプロ公式戦に参加し7割を超える勝率を挙げる。そのことが契機となり、多くの人々の支援を得て日本将棋連盟を動かし、全棋士の投票により規定に存在しないプロ編入試験が実施され合格するまでの半生が描かれる。

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『水曜日が消えた』『ミュジコフィリア』『ウェディング・ハイ』『ハケンアニメ!』『彼女が好きなものは』

『水曜日が消えた』2020年公開、吉野耕平監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 主人公の青年は幼いころの事故の後遺症により、7人の人格が日替わりで現れる。性格や好みがそれぞれ異なる7人は、週に1日しか過ごせないため親しい友人も持てず、病院の専門医の管理下で生活していた。中でも一番地味で几帳面な”火曜日の僕”は、他の曜日の人格から掃除・片付けなど雑用を押し付けられながらも生真面目に火曜日を過ごしていた。ある朝、目を覚ました”火曜日の僕”は、その日が水曜日だと気づくが…… 『ミュジコフィリア』2021年、谷口正晃監督作品 原作:さそうあきらの同名のコミック 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 京都にある芸術大学に入学した漆原朔は、ある出来事から強引に現代音楽研究会にひき込まれた。だがそこには 朔が音楽から遠ざかるきっかけとなった異母兄のと、朔が密かに憧れる兄の彼女、小夜もいた。大成は天才作曲家として注目されていたが、新たな作曲に苦悩していた。朔は子どもの頃から色や形を「音」として感じ取っていた(ここらあたりSF者が好きな設定ですねえ)。現代音楽がそのげんしょうをも表現できることを知った朔と同じような感性を持つ女性、凪との出会いが朔の才能歩目覚めさせる。  音楽ものの映画は名作が多いきがします。 『ウェディング・ハイ』2022年公開、大九明子監督作品、バカリズム脚本 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 結婚式、それは新郎新婦にとって人生最大のイベント!式当日を迎えたカップルとウェディングプランナーの悲喜交々。 式場に向かう元カレや、祝儀泥棒も現れて……(笑)  敏腕ウェディング・プランナーは、全ての難題を解決し、最高の結婚式を2人に贈ることが出来るのか――?  全ての伏線を回収していく脚本が見事なロマンチックコメディです! 『彼女が好きなものは』2021年12月、草野翔吾監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2 ゲイであることを隠して生きる男子高校生が、クラスメイトの女子生徒が、男性同士の恋愛話が好きな女子であることを知る。腐女子であることがばれることを恐れる彼女に秘密を守ること約束するしたことで、彼が好きになった彼女は彼に告白し、彼も普通の生き方もしてみたいとそれを受け入れるのだが…… 展開がちょっと古くさいけど、真面目に造られていてなかなか良かったです。 『ハケンアニメ!』2022年、吉野耕平監督作品 原作:辻村深月「ハケンアニメ!」 連続テレビアニメ「サウンドバック 奏の石」が初監督作品となる斎藤瞳は、憧れの天才監督である王子千晴を超えるアニメをつくることを公言する女性監督。プロデューサーやアニメーターと共に夕方5時台の同じ時間帯で、王子千晴の復帰作「運命戦線リデルライト」と視聴率を争うことに…… 王子のプロデューサーの女性も、気まぐれな王子に苦労しながらも、9年ぶりとなる作品にかける! アニメ製作のスタッフや声優たちとの熱い苦労は報われるのか! アニメ製作の現場の雰囲気が味わえて面白かったです。現代でもけっこうアナログな部分も多いんですね。

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『メタモルフォーゼの縁側』『3D彼女 リアルガール』『3月のライオン』

『メタモルフォーゼの縁側』2022年公開、狩山俊輔監督作品 原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆☆ 宮本信子さんと芦田愛菜ちゃんは演技が上手い。 BLマンガを通してつながった17歳の女子高校生と、75歳の老婦人の世代を超えた友情を描く。 共通の趣味で通じ合える喜びって、ありそうではあるけど中々経験しない。でも、良いなあ。 BLマンガをSFに変えて、SFにおいても世代を超えた友情が育めると嬉しい。 『3D彼女 リアルガール』2018年公開、英勉監督作品 原作:那波マオ『3D彼女 リアルガール』 独断と偏見のお薦め度☆☆☆ ひたすら中条あやみさんを愛でる映画です(笑)。可愛い。 学校一の超絶美少女と、2次元にしか興味がない超絶オタクの恋と破局と成就を描きます。 映画『卒業』ぽいシーンもあるけど、これは略奪婚ではないですね。 『3月のライオン』2017年、前後編公開、大友啓史監督作品 原作:羽海野チカ『3月のライオン』、監修:先崎学 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆☆ 幼い頃に事故で家族を失った主人公(零)が、中学生でプロ棋士となり高校生になってからも懸命に生きる姿を描いた作品。零が、養父と暮らすにあたって「将棋は好きか」と問われたことで、生きるために将棋を学び、周りに支えられながらも厳しい世界を生きていく姿が心に迫ります。大学時代に囲碁将棋部だった者としては、棋士たちの将棋に対する鬼気迫る姿は美しいとさえ思いますが、理解出来ない人がいてもおかしくはないですね(汗;) 零の友人でもある病気がちの棋士二階堂のモデルは、29歳で夭逝した故村山聖9段のような気がしました。

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