作成者別アーカイブ: 雀部 陽一郎

雀部 陽一郎 の紹介

SF関係では、東野司さん、橋元淳一郎さん、久美沙織さん、平谷美樹さん、石黒達昌さん、上杉那郎さん、伊藤致雄さんのオンライン・ファンクラブ管理人してます。どうぞ、よろしく。また、懐かしいSFについて語ろうというメーリング・リストも主宰してます。昔は良くSFを読んだが、最近はさっぱりという方は、ぜひどうぞ!(笑) http://www.sasabe.com/SF/

平谷美樹先生著者インタビュー関連本

『貸し物屋お庸謎解き帖 五本の蛇目』平谷美樹著、丹地陽子装画 2023.6.15、大和書房、880円、Kindle版836円 「無い物はない」江戸のレンタルショップ湊屋両国出店の娘店主は、物だけでなく知恵も貸してくれるという評判を聞きつけて、今日も悩みと秘密を抱えた胡乱なお客がやってくる──。 湊屋本店と江戸市中に十二ある出店のすべてを訪れた謎の翁の正体は? 慌てて借り出された五本の蛇目傘はいったい何に使われるのか? 毎夜馬小屋を訪れる怪しい影は河童? それとも亡魂? 厄介事も無理難題も持ち前の好奇心と人情で一件落着!お客が求める貸し物の陰に隠れた事情を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、 『虎と十字架 南部藩虎騒動』平谷美樹著、ヤマモトマサアキ装画 2023.8.1、実業之日本社、2090円、Kindle版1881円 謎が謎を呼ぶ虎脱走事件。ミステリと時代小説の融合を試みる作者のこれが最高傑作だ!―――――縄田一男氏(文芸評論家) 家康から贈られた虎が城から逃げ、死体が消えた! 国を揺るがす虎騒動の意外な真実とは? 著者、会心の歴史時代ミステリー長編! 目次:序章 第一章 虎捕物 第二章 切支丹と金山 第三章 乱世の尻尾 第四章 雪原の若武者 第五章 繋がらぬ環 第六章 騒動の真実 「ra ラ・クラ kra」7・8月号、vol.118 「さんりく巡礼 その四十六 陸前高田 未来に続く桜並木」平谷美樹著 「ラ・クラ」誌を最初に読んだのは、河北新報に『沙棗』を連載されていた時だから、32年くらい前になります。東北三県に特化したユニークな雑誌です。

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河野咲子先生関連本

河野咲子先生の作品・活動記録は、ご自身の「note」にまとめられてます。 ここを見れば、見落とすことはないので便利です。 ということで、各作品へのリンクは、「note」を参照下さい。 「水溶性のダンス」河野咲子著 2023.2.10、(株)ゲンロン、Kindle版385円 第5回ゲンロンSF新人賞受賞作品 からくり仕掛けの骨格に、パルプ鉱でできた肉をまとった人びとが暮らす街。 ある雨夜、からだの修復を行う「人体師」のわたしは、 体内に「強い言葉」を持つ踊り子に出逢う──。 敢えて分類するとすればハイ・ファンタジー。水分に弱いからだを纏う人形たちの生命活動はどうなっているのだろうかとか、タバコを吸う行為はいかにしてなしうるのかとか、そこらあたりの末梢はどうでもよく、作者の描く不可思議な世界にどっぷりとはままり、紡ぎだされたイメージが予想外に絡み合い展開していく様に身を任せる心地よさ。 ことさらシンボリックな意味合いを考えなくても十分に楽しめる物語の強度を持った作品だと思います。 『SCI-FIRE 2022』特集:インフレーション/陰謀論 【創作:陰謀論編】 「安らかなる彗星」河野咲子著  宇宙空間で死を迎えることを望んだ乗客だけが乗り組んだ宇宙船<彗星>での物語。  主人公は乗客の中ではひときわ若い年齢の女性なのですが、右上の奥歯のあたりに欠落の感覚があり、いつもそこを舌でまさぐるのが癖になっています。その感覚と居たのか居なかったのか定かではなくなっていく夫の存在との対比が面白い。歯が欠落した後、喪失感というかぽっかり穴の空いた感覚が長い間残っていて慣れるのに時間がかかるというのは比較的よくみられる症状なのですが、口腔内の空間が記憶(実際は舌と頬の内側でしょうが)しているような感じがあります。著者は、この感覚を突き詰めていくことによって元の存在がどうであれ、喪失の記憶を緊密に積み上げることによってそこにあった(あるべきな)姿形を構築でき、それはかつて実際にあったものとして認識できるのではないかという問いかけを呈示しています。これは凄い。こんな風に考えたことはなかった…… 第5期生卒業文集 ★座談会『SF創作講座黄金世代のつどい』河野咲子×新川帆立×竹田人造×田場狩 うかがいたいことは大体出てきているような気がしてます(汗;) 河野さんと新川帆立さんが同じ大学出身ということは、お二人とも東大なんですね。ご専攻がどういう分野だったのかがちょっと気になります。 ★テーマ短編 : チャレンジ編 ★テーマ短編:リベンジ編 ★フリー短編 「みそかあめのよ」河野咲子 冒頭“年にいちどの真夏の夜、谷におしゃべりな雨が降る”ということで、比喩的表現ではなく、喋る雨が降る里のお話しです。SFぼい設定だと、今年一年のスマホでのすべての人間のすべての会話が渾然一体となってスピーカーから聞こえてくる感じということになるのだろうか。 もちろん河野さんはそういう野暮な設定にはせず、「みそか雨」という詩的な現象を紡ぎ出してくる。そういう不思議な自然現象に身を任せて溺れていく心地よさがあります。 『文藝 90th』2023年春期号 創刊90周年記念号「文学の最前線がここにある」 「【連載】文芸季評『たったひとり、私だけの部屋で』2021年10月~2022年11月 問いかけと文学(水上文著)」のなかで、「水溶性のダンス」と「秘伝隠岐七番歌合」について言及があります。 『小説すばる』2022年10月号 【コラム】のりがたり「エイになった男の子」河野咲子著 同級生の弟が、どうしても水族館に行きたくてとった行動が…… ユリイカ 2021年12月号 特集=フレデリック・ワイズマン … 続きを読む

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『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』新川帆立著

『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』新川帆立著 2023.1.26、集英社、1815円(税込)、Kindle版1815円 SF大会に参加されたり、ゲンロンSF講座に聴講生として参加されたりと、SFファンとしても有名な新川帆立先生の法律ネタSF短編集です。また、あの多作で有名な中山七里先生も認める書きっぷりも凄いです。まあ、私はミステリとしては『元彼の遺言状』しか読んでないのですが(汗;) 法律方面はよく分からないけれど、専門家らしくいかにもありそう(成立しそう)な架空法律が出てくるうえに、SFとしての切れ味も鋭いという、二度美味しい短編集になっています。 【収録短篇および各話の架空法律】 ◇第一話 動物裁判 礼和四年「動物福祉法」及び「動物虐待の防止等に関する法律」  その昔『人獣裁判』(ヴェルコール著)という名のみ高い小説がありまして、新種の類人猿と人間との間に生まれた子どもを殺して殺人罪になるかどうかを問い、人間の本質に迫るという作品です。ほとんどこの設定だけで名作なのです。昔は大きい図書館にはあったのですが、今はどうなんでしょう。  新川先生の「動物裁判」は、ユーチューバーの猫が、投稿映像の中で登場したボノボにセクハラされたことが原因で失った収入の損害賠償を求める裁判を起こすという話なのですが、二転三転して凄いです。  こう言う視点もあるんですね、まさにSF的な展開で読ませます。 ◇第二話 自家醸造の女 麗和六年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)」  戦後すぐGHQが決めた禁酒法により商業的な酒造りが禁止された日本。その後禁酒法は廃止されたものの、家庭での酒造りが主婦の美徳として持てはやされる社会で苦労する酒造りが苦手な主婦の物語。  これはどういう方向に話が進むか、主人公に感情移入しながらハラハラして読みました。う~ん、そういうオチになるとは(笑)  この短編集は、全部違ったテイストのオチが付いているのも魅力的ですね。 ◇第三話 シレーナの大冒険 冷和二十五年「南極条約の取扱いに関する議定書(通称:南極議定書)」  南極にあるメタティカ共和国。そこはフィービー(フィジカル・ビーイング)とバービー(バーチャル・ビーイング)の暮らすバーチャル世界。メタティカで起こる不具合に否応なく巻き込まれた主人公は、事件の渦中に……  考えようによっては一番SF的な設定ですが、架空法律のぶっ飛び方が少なめなのがちと不満かな。  この短編集の収録作は全て「小説すばる」誌に掲載された(2021-22年)ものなので、こういう展開になったのかも。もしSFマガジンに掲載だったら、もっとぶっ飛んだ新法が組み込まれていたんじゃないかな。 ◇第四話 健康なまま死んでくれ 隷和五年「労働者保護法」あるいは「アンバーシップ・コード」  労働コンプライアンスを守らない企業は社会から糾弾されるようになり、企業はなんとしても労働者の過労死は避けなくてはいけなくなった社会。法律の隙間をついた人事管理がまかり通る配送センターで、不審死の事案が発生する…… ◇第五話 最後のYUKICHI 零和十年「通貨の単位及び電子決済等に関する法律(通称:電子通貨法)」  キャッシュレス化が進み、感染症との絡みもあって現金そのものが忌み嫌われるようになった日本。わずかに使われている現金は、口座が持てない反社会性組織と、電子化が遅れた田舎でのわずかな用途に限られていた。 ◇第六話 接待麻雀士 例和三年「健全な麻雀賭博に関する法律(通称:健雀法)」  合法的に賄賂を渡すために成立した健雀法。プロ雀士は、いかに自然に接待相手を勝たせるかが腕の見せ所だった。主人公の女性雀士は、先輩格の雀士と接待麻雀をすることになったが、その中の一人が元女性雀士で主人公とは曰く因縁のある相手であった……  個人的なベストは、 3位:「自家醸造の女」  自家醸造を扱い、世間に流されやすい国民性と嫁姑問題も内包したストーリー展開は見事です。唯一のハッピーエンドに見えるのは気のせいかも知れませんが(汗;) 2位:「動物裁判」  動物の人権法とか、本当に出来そうで怖い面もあります。練り上げられた構成で、二転三転とあれよあれよと翻弄される楽しさもありました(汗;) 1位:「接待麻雀士」  これは凄い。たぶん健雀法がなくても、主人公は破滅させられてしまったのではという凄みがあります。人生は確かにままならないものではありますが……

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林譲治先生著者インタビュー関連本その3

#mce_temp_url#  人類の播種船により植民された五星系文明。辺境の壱岐星系で人類外の産物らしき無人衛星が発見された。非常事態に出雲星系を根拠地とするコンソーシアム艦隊は、参謀本部の水神魁吾、軍務局の火伏礼二両大佐の壱岐派遣を決定、内政介入を企図する。壱岐政府筆頭執政官のタオ迫水はそれに対抗し、主権確保に奔走する。双方の政治的・軍事的思惑が入り乱れるなか、衛星の正体が判明する  準惑星天涯でガイナスに辛勝した人類。しかしその勝利は、出雲と壱岐の政治・軍事各所に微妙な軋轢を生みだした。コンソーシアム艦隊の作戦行動が政治主導で制限されることを危惧する左近健一大将は、腹心の香椎士郎中将を司令長官とする壱岐方面艦隊を編組。一方、壱岐の軍需工場を巡り、タオ迫水筆頭執政官と火伏礼二兵站監は攻防を繰り広げる。さらに天涯の探査システムが正体不明の小惑星を発見し  天涯でのガイナス戦大敗の責を負い、閑職に移った火伏礼二少将。艦隊再建が進む出雲では、新たに軍務局の吉住二三四大佐が壱岐方面艦隊の兵站監に着任、独立混成降下猟兵第一連隊のシャロン紫檀大佐とマイザー・マイア少尉は、起死回生の新兵器“原子熱線砲”の開発現場を密かに訪れていた。一方、特設降下猟兵小隊を率いるアンドレア園崎大尉は、因縁の戦場、天涯への威力偵察を指揮することになるが  ガイナスとの艦隊戦に勝利した独立混成降下猟兵連隊のシャロン紫檀大佐らに届いた未知の信号。それは、五年前に遭難したはずの友軍艦の識別コードだった。発信源の準惑星天涯に向かったアンドレア園崎少佐らは、地下都市でガイナスの異様な姿を目撃する。報告を受けたタオ迫水筆頭執政官は急遽危機管理委員会を招集、水神魁吾方面艦隊司令長官は戦友を呼び戻し、総力を結集してガイナスとの決戦に赴く。  200年前の航路啓開船ノイエ・プラネットによる「敷島星系に文明あり」との報。火伏兵站監の指揮のもと、拠点建設が進むが──  新型ガイナス艦出現との報告を受け、回収した航路啓開船ノイエ・プラネットの情報解析を急ぐ巡洋艦ヤクモのブライアン五月司令官たちは、ついにガイナスが敷島星系由来であることを突き止めた。烏丸三樹夫司令官指揮下のガイナス拠点調査チームも、集合知性とその正体に迫り始める。時を同じくして、敷島星系のガス惑星・桜花の軌道上で謎の人工物が発見され、研究機材管理主任のキャラハン山田はその調査に赴くが……。  敷島星系にあるガス惑星・桜花の衛星美和には、ガイナスの始祖らしいゴート人が存在するらしい。だが巡洋艦ヤクモのブライアン司令官らは、美和の氷原で夥しい数のゴートの死体を発見する。これは何を意味するのか。一方、壱岐星系にてガイナスの集合知性と対峙する烏丸司令官らは、突如現れたガイナス巡洋艦との追跡戦を開始。しかしやがて出雲星系で、人類とガイナスの起源を根底から問い直す、ある遺物が発見される。  出雲星系で発見された播種船の減速装置と思われる遺物。その分析から、太古の人類は敷島星系を通過していたことが明らかになる。ジャック真田らはゴート文明の真実を明らかにすべく、敷島星系の衛星美和に存続しているらしい海中都市、および謎に包まれた惑星敷島の調査を急ぐ。いっぽう烏丸司令官は、ガイナスの集合知性の基盤に獣知性なる存在があることを喝破するが、その矢先、五賢帝が不穏な反応を示し始める……。  太古の敷島星系を通り過ぎたはずの、人類播種船の減速装置をめぐる謎。衛生美和の海中に存続するゴート文明末裔の奇妙な生態。惑星敷島の生態系を支配する大森林に隠された真実。そして、ガイナスの2つの拠点をめぐり、五賢帝の粛清という事実に直面した烏丸司令官が、ガイナスの思惑を喝破した瞬間、一隻の巡洋艦が惑星壱岐に対して恐るべき行動に出る。 【関連リンク】 「SFPWのPixiv版創刊によせて」林譲治 今からでも読める林譲治のミリタリーSF《星系出雲の兵站》シリーズ 早川書房特設サイト 星雲賞受賞コメント 第41回日本SF大賞 受賞のことば 『星系出雲の兵站』シリーズ完結記念トークイベント (林譲治×Rey.Hori×塩澤快浩×福田和代)(デジタル・ケイブ1月イベント。ただし視聴出来るのは会員のみ) https://youtu.be/KRXknqn6Izk 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題1 林譲治 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題2 林譲治 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 キャラクター名の背景について 林譲治 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー1 Rey.Hori 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー2 Rey.Hori 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 支援者特別記事 『星系出雲の兵站』で作者の考えた図表とは2 林譲治(支援者のみ購読可能) 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》シリーズ解説 増田まもる 牧眞二先生の書評:異質な敵の全容、失われた文明の謎、そして秘匿された人類史 細谷正充先生の書評:《星系出雲の兵站》シリーズはどこが面白いか 装画担当【Rei.Hori/堀】先生ウェブサイト「WORKSPHERE」 Twitter:Rei.Hori(@reyhori)

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林譲治先生著者インタビュー関連本その2

《大日本帝国の銀河》シリーズ、林譲治著 昭和15年、日華事変が深刻さを増すなか、天文学者にして空想科学小説家の秋津俊雄は、和歌山県の潮岬にて電波天文台の建設に取り組んでいた。中学の同級生で海軍中佐の武園義徳の要請を受けた秋津は、火星太郎なる人物と面会する。男は、地球と大接近した昨年7月27日に火星を発ったと言う。いっぽう戦火が迫る欧州各地には、未知の四発爆撃機が出現していた――。 架空戦記+ファーストコンタクトの新シリーズ開幕。 『大日本帝国の銀河 1』林譲治著、Rey.Hori装画 2021.1.7、ハヤカワ文庫JA、946円、Kindle版851円(税込み) 昭和15年、天文学者の秋津俊雄は、軍部の要請で火星太郎なる人物と面会する。一方、世界各地では未知の四発大型機が出現して―― 『大日本帝国の銀河 2』林譲治著、Rey.Hori装画 2021.4.14、ハヤカワ文庫JA、968円、Kindle版871円(税込み) 地球外の存在であるというオリオン集団は、未知の四発爆撃機によりドイツ・イギリスの戦艦、戦闘機軍を撃破する。その目的は地球侵略なのか? 対話を試みる天文学者の秋津に対し、オリオン太郎は日本国内での大使館開設を要求する。一方、日本海軍に協力する元禄通商の猪狩周一は、ドイツ国防軍情報部カナリス部長の密命をおびて帰国途上、謎の空中戦艦に拉致される 『大日本帝国の銀河 3』林譲治著、Rey.Hori装画 2021.7.14、ハヤカワ文庫JA、990円、Kindle版891円(税込み) 片桐英吉海軍中将を司令長官として臨時編成された第四艦隊が、オリオン集団の拠点をめざして西太平洋を南下していた。そこには首席参謀として乗り組む武園義徳の姿もあった。東京では大使館設立準備班が組織され、猪狩周一と桑原茂一がオリオン太郎との対話を進めていた。 一方、ソ連邦に滞在する秋津俊雄と外務省の熊谷亮一は、オリオン集団が駆使する演算機の真相を探るため、レニングラードのプルコヴォ天文台へと赴く 『大日本帝国の銀河 4』林譲治著、Rey.Hori装画 2021.10.19、ハヤカワ文庫JA、990円、Kindle版891円(税込み) 昭和15年10月。ウルシ―環礁からの第四艦隊撤退を受け、米内首相を中心とする陸海軍統合参謀本部の第一回会合にて、オリオン集団の大使館開設が承認される。宇宙空間から銚子沖へと投下された巨大客船ジン・ガプスを大使館としたオリオン集団に対し、猪狩周一と桑原茂一海軍少佐が日本代表として交渉に向かう。 一方、オリオン太郎らが世界各地で不穏な活動を開始する頃、国際情勢を一変させる驚愕の知らせがもたらされる 『大日本帝国の銀河 5』林譲治著、Rey.Hori装画 2022.1.25、ハヤカワ文庫JA、1078円、Kindle版970円(税込み) 大使館開設と独裁者の暗殺によって世界大戦を回避したオリオン集団。彼らの軌道エレベーター技術によって、秋津俊雄は宇宙空間の拠点ドグマへと招かれる。そこでは、鮎川悦子や古田暁子をはじめ世界各地から集められた優秀な人材が、オリオン集団の教育を受けていた。異なる文明がもたらした科学技術は、人類社会の未来に大きな変化と軋轢を引き起こしていく。ついに明らかになるオリオン集団の目的とは? シリーズ完結 『日本軍と軍用車両 戦争マネジメントの失敗』林譲治著 2019.9.10、並木書房、2750円 日本陸軍は歩兵師団をはじめとする諸兵科の機械化に熱心であった。海外事情にも通じており、たとえば戦車でも列強に劣らない火力と装甲を重視していた。その一方で、兵站は最後まで軍馬中心であり、数少ない自動車は故障で苦労したという証言も少なくない。この矛盾はどこから生じるのか? 関係する資料を読み解くと、日華事変から終戦までの師団数の急増と根こそぎ動員に原因があることがわかる。大本営レベルの戦争マネジメントの失敗が、自動車不足と稼働率低下を招き、最前線の将兵がそのツケを血と汗で払うことになったのである。 『超武装戦闘機隊【下】米太平洋艦隊奇襲!』林譲治著、久保周史装画 2022.9.14、コスミック出版、803円(税込) 昭和16年末、日本はマレー作戦、真珠湾奇襲と、連日の戦勝報道に沸いていた。 そんな中、四トンの爆弾を積んで4000キロの航続距離がある四発重爆撃機を開発する四三計画によって、新型の一六式四発飛行艇が完成する。 初任務で真珠湾偵察に向かった同機は、サルベージ作業によって復活しつつある米海軍の姿を目撃。日本海軍はすぐに、米戦艦群に完璧な止めを刺すため、真珠湾再攻撃を決定する。 陽動作戦により、壊滅的な打撃を与えた日本海軍。さらに、米海軍の新たな基地建設の情報を掴むと、爆装した双胴戦闘機「毒蛇」と新型四発重爆を、ラバウルから出撃させるのであった! 新型双胴戦闘機の活躍を描く傑作戦記シミュレーション、怒涛の最終決戦──!! 【関連リンク】 「SFPWのPixiv版創刊によせて」林譲治 … 続きを読む

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林譲治先生著者インタビュー関連本その1

《工作艦明石の孤独》シリーズ ワープ航法の開発により、 60ほどの植民星系に広がった人類。そのひとつ辺境のセラエノ星系で突如地球圏とのワープが不能となる。星系政府首相のアーシマ・ジャライは、工作艦明石の狼群涼狐艦長に事態の究明を命じる。 一方、セラエノ星系に取り残された地球宇宙軍の偵察戦艦青鳳、 輸送艦津軽もまた、 それぞれの思惑で動き始める。30光年の虚空で孤立するセラエノ星系150万市民の運命は? 究極のミリタリー文明論SF開幕 『工作艦明石の孤独 1』林譲治著、Rey.Hori装画 2022.7.20、ハヤカワ文庫JA、946円、Kindle版851円(税込み) 植民星系のひとつ、辺境のセラエノ星系で突如地球圏とのワープが不能となる。星系政府首相は、工作艦明石の狼群涼狐艦長に事態の究明を命じる。30光年の虚空で孤立するセラエノ星系150万市民の運命は? 『工作艦明石の孤独 2』林譲治著、Rey.Hori装画 2022.10.18、ハヤカワ文庫JA、1012円、Kindle版1000円(税込み) 地球圏とのワープが不能となった辺境のセラエノ星系で、150万市民の文明を維持するため、首相が大胆な政策を断行。一方、隣接星系アイレムで、工作艦明石の椎名ラパーナは、知性体イビスとのファーストコンタクトを始めた。 『工作艦明石の孤独 3』林譲治著、Rey.Hori装画 2023.1.24、ハヤカワ文庫JA、1078円、Kindle版1000円(税込み) アイレム星系・惑星バスラの軌道上に構築されたアイレムステーション。西園寺恭介らは、消息を絶った椎名ラパーナの手がかりを得るため、異種知性イビスの地下都市を探ろうとしていた。そんなとき椎名からの通信電波が届く。 一方、工作艦明石の狼群妖虎と松下紗理奈は、地球圏とのワープ不能の原因を探るため、無人探査機E1によるワープ航路探査実験を開始する…… 『工作艦明石の孤独 4』林譲治著、Rey.Hori装画 2023.4.25、ハヤカワ文庫JA、1100円、Kindle版1045円(税込み) 徐々に明らかになるワープ航法の真実。工作艦明石は地球圏へ航行できるのか? そしてセラエノ星系人類の運命は? シリーズ完結 『コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝』林譲治著、Rey.Hori装画 2023.8.17、ハヤカワ文庫JA、1188円、Kindle版1129円(税込み)  150年前に植民されたドルドラ星系の惑星シドンには、人間のような知的生命体ビチマが居た。入植者から家畜同然の扱いを受けたビチマが、実は3000年前のワープ事故により遭難した恒星間宇宙船コスタ・コンコルディアの乗員の末裔と判明。彼らの人権回復が図られる中、ある遺跡でビチマの惨殺死体が発見される。緊迫するシドン社会に対し、地球圏統合弁務官事務所より調停官のテクン・ウマンが派遣されるが…… 【関連リンク】 「SFPWのPixiv版創刊によせて」林譲治 今からでも読める林譲治のミリタリーSF《星系出雲の兵站》シリーズ 早川書房特設サイト 星雲賞受賞コメント 第41回日本SF大賞 受賞のことば 『星系出雲の兵站』シリーズ完結記念トークイベント (林譲治×Rey.Hori×塩澤快浩×福田和代)(デジタル・ケイブ1月イベント。ただし視聴出来るのは会員のみ) https://youtu.be/KRXknqn6Izk 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題1 林譲治 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題2 林譲治 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 キャラクター名の背景について 林譲治 日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー1 Rey.Hori … 続きを読む

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山中ヒコ先生関連書籍

『500年の営み』山中ヒコ著 2012.7.25、祥伝社、Kindle版594円 「あんまり似てなくてごめんね――好きだよ」 亡くした恋人を追って自殺したはずが250年の冷凍保存の末、未来世界で目覚めた山田寅雄(やまだとらお)。世話係として起動したアンドロイドは優しく親身になってくれるものの、亡くした恋人の”3割減”な残念ロボットで――? いじっぱりな青年が愛を受け入れ希望を求めて歩き出す 『イキガミとドナー(上)』山中ヒコ著 2020.9.25、祥伝社、Kindle版644円 「お前の血も肉も全て俺のものだ」戦神と癒し手、魂を預け合う恋。 舞台は未来世界。ある日、平凡な教師の吉野は、国を守る最強戦闘種“イキガミ”の鬼道のドナーだと知らされる。【ドナーの体液は、イキガミの傷を治せる唯一の薬】という衝撃の事実とともに、強制的に鬼道と同居することになった吉野。傍若無人な獣のような鬼道に乱暴に体液を要求されるが、次第にその孤独な素顔があらわとなり――。 「いつかドナーと出会ったら、愛してくれるかもしれない。そう思って生きてきた――。」 『イキガミとドナー(下)』山中ヒコ著 2020.9.25、祥伝社、Kindle版644円 「全部あげるから生きて帰って」恋も知らない戦神に注ぐ愛。 イキガミであるがゆえに孤独に生きてきた鬼道は、恋を知らぬままドナー・吉野に懐き溺れるようにその体を抱いた。やがて吉野への気持ちは恋だと知り、よりいっそう、彼との愛は深まっていく。しかし、その一方で生死をかけたパートナーシップを結んでいる自分たちの運命の厳しさが鬼道の心に重くのしかかり――。 「鬼道は俺が『好き』なんだよ」

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平谷美樹先生著者インタビュー関連書

『貸し物屋お庸謎解き帖 百鬼夜行の宵』平谷美樹著、丹地陽子イラスト 2022.12.15、だいわ文庫、858円、Kindle版858円(書影はKindle版) 「凧、凧揚がれ」“凧の骨を貸してくれ”とやって来た童が心に秘めた願いとは?  「貸家と散り桜」貸家の仲介を頼まれたが“縁起がいい”はずの仕舞屋に居たのは? 「百鬼夜行の宵」坊主の着物を借りに来た二人組、生兵法は怪我のもととはよく言ったもので 「貸し物卒塔婆」大店の跡取り息子で評判の悪い三人組。卒塔婆を十枚借りに来た理由は? 「信輔と十人」安布団を十組借りたいとやってきた元女衒。お庸の立てた景迹は? 「雪と綿帽子」因縁のある陸奥国神坂家の江戸家老橘が、用人の花嫁衣装を借りたいとやってくる。しかも、背格好が同じだから、お庸に届けて欲しいという怪しい依頼だ。  お客が求める貸し物の陰に隠れた悩みや事情を見抜いて収めるお庸の景迹(謎捌き)が痛快な、大人気書下ろし時代小説シリーズ 『渡裸の渡し』平谷美樹著、本田淳装画 2021.4.16、小学館、Kindle版220円 十歳ほどの娘にすぎないむつは、人間を超える力を持つ八百比丘尼になる運命。精神は子供のままであるむつを修行させようと、峻岳坊高星と百夜は津軽への旅に出る。が、むつの持つ力が様々な怪異と霊気を呼び寄せてしまう。千住大橋界隈にさしかかった一行は、さっそく加持祈祷を頼まれることに。 『九つの目の老人』平谷美樹著、本田淳装画 2021.6.18、小学館、Kindle版220円 神に近いものになろうとしている少女、むつを修行させるため、津軽への旅に出た百夜一行。宇都宮の宿に現れたのは、目のない顔を持つ白髭の老人と九つの光の玉。その正体がわからぬ百夜は、いつになく苛立っている。 『聖の思惑』平谷美樹著、本田淳装画 2021.12.17、小学館、Kindle版220円 神になろうとしている少女・むつは、旅先で出羽国に行きたいと突然言い出した。その夜、百夜とむつは師匠の峻岳坊高星も気づかぬ間に攫われてしまう。二人は黄泉の世界に踏み込み、次々と異形のモノたちに襲われる。果たしてこの恐るべき力をふるうものは何者なのか。 『宿坊の夜』平谷美樹著、本田淳装画 2022.4.15、小学館、Kindle版220円 むつの願いで早池峰山詣でに向かった百夜の一行は、雪の夜に麓の主のいない宿坊に泊まることに。 ただならぬ気配を感じながら宿坊に入ると、そこには3人の先客がいた。旅の女のしめ、行商人の為造は怪異が起きていると訴えるのだが、若い僧侶の法稔は頑なにそれを否定する。 『むつとの別れ(上) 八卦置き』平谷美樹著、本田淳装画 2022.6.17、小学館、Kindle版220円 だんだんと神に近づいていくむつを連れて、百夜の一行は八戸藩に入った。そこで未来の出来事を確実に当てて、米問屋や材木商に大儲けさせている占い師の噂を聞く。謎の素性の八卦占い師を招き寄せたむつに、山崎と名乗るその男は摩訶不思議な話を語り始めた 『むつとの別れ(下) 宇曾利山(うそりやま)』平谷美樹著、本田淳装画 2022.12.16、小学館、Kindle版220円 恐山の麓までやってきた百夜一行。いよいよ旅も終局、別れの時は近い。日も陰り、降りしきる雪の中、百夜と当来軒は、むつの導くままに山頂の宇曾利湖を目指し、山道を登り始める。しかし、その後を追う怪しい人影が…… 『図解!江戸時代―意外と住みたい?この町と、この時代!』「歴史ミステリー倶楽部」著、図版・DTP/ハッシィ 2015.10.20、三笠書房、649円、Kindle版617円  江戸時代の複雑な貨幣制度や暦・時刻、不思議なしきたりや多様な刑罰など、時代劇などでお馴染みのこの時代。しかし誤解や間違いも含めて、実際のところは知らないことだらけ!江戸の開発から幕府の統治、武士や庶民の暮らしぶりに至るまで、江戸の町と江戸時代に関する「基本としくみ」を、徹底図解でわかりやすく解説。

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松崎有理先生著者インタビュー関連書

『シュレーディンガーの少女』松崎有理著、佐藤おどり装画 2022.12.9、創元SF文庫、946円、Kindle版851円(税込) 【収録作】「六十五歳デス」すべての65歳に例外なく、プログラムされた死が訪れる世界。 「太っていたらだめですか?」肥満者たちをテレビスタジオに集め、公開デスゲームを開催する健康至上主義社会。 「異世界数学」あらゆる数学を市民に禁じ、違反者を捕らえては刑に処している王国。 「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」日々の食卓から、秋刀魚が消え失せてしまった未来 「ペンローズの少女」少年が流れ着いたのは有名な生け贄儀式が残る島だった 「シュレーディンガーの少女」友人の物理学者から謎の実験に参加することを頼まれた……  様々なディストピア世界でたくましく生きのびる女性たちを描いた、コミカルでちょっぴりダークな短編集。 『シュレーディンガーの少女』に挟んであった、松崎先生謹製「販促カード」 『ユリイカ2022年11月号』 特集=今井哲也——『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』…マンガを夢みる 2022.10.27、青土社、1980円、Kindle版1980円 青土社の『ユリイカ2022年11月号』の紹介頁 ❖ロングインタビュー ❖今井哲也との遭遇 ❖今井哲也の読みかた ❖オマージュイラストギャラリー ❖再録「三丁目クオンタム団地」「スペースおくのほそ道」今井哲也著 ❖オマージュ短篇「不屈の蛙は青い海をみるか」松崎有理著 ❖描くことの自由とともに「今井哲也主要作品解題」 『ゾンビでわかる神経科学』ティモシー・ヴァースタイネン、ブラッドリー・ヴォイテック、鬼澤忍共著 2017.2.10、太田出版、2200円、Kindle版1760円 【ゾンビ症候群の診断書】 病名:意識欠陥活動低下障害(Consciousness Decit Hypoactivity Disorder/CDHD) 症状:CDHDは後天性の症候群で、患者は活動を意図的に制御できず、無気力で疲れきったような動きを見せたり(運動感覚消失)、喜びの感覚を失ったり(快感消失)、全般的な言語機能障害(失語症)や記憶障害(健忘症)に陥り、摂食などの欲求行動や攻撃的「闘争・逃走」行動を抑えられなくなる。患者はしばしば、見慣れた物や人を認識するのが著しく困難になり(失認症)、持続性睡眠障害が慢性的不眠症という形で表れた結果、やがて「覚醒せん妄」状態にいたる。患者はまた、反社会的行動パターン(人をかんだり食べたりしようとする)も見せ、そうした典型的暴力行為の標的は生身の人間のみに限られる。いっぽう、ほかの感染者に対しては非常に強い向社会的な行動が表れる。その証拠に、感染者は群れ、「群知能」を発揮する。” 『ゾンビ 対 数学 ―数学なしでは生き残れない』コリン・アダムズ著、小谷太郎訳、岡村亮太イラスト 2018.7.31、技術評論社、2398円、Kindle版2278円 第1章 6時間後 - 生ける屍の授業開始 第2章 7時間後 - 生ける屍の鼠算 … 続きを読む

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『虚無回廊』music by 金属恵比寿

『虚無回廊』三冊とCD『虚無回廊』 『虚無回廊』【収録曲】 1,虚無回廊オープニングテーマ 2,魔少女A 3,人工実存 4,虚無回廊エンディングテーマ 5,「ゴジラ・キングギドラ」メインタイトル 6,う・ら・め・し・や 9,巡礼 販売情報はここから CD裏面に乙部順子さん(元・小松左京マネージャー)の紹介文あり “金属恵比寿と出会ったのは、2019年「小松左京音楽祭」で小松左京原作の映画やテレビドラマの音楽を演奏してもらった時。文学の造詣深い高木大地さんが、多くの小説からインスパイヤーされて作曲をされていると知り、小松左京最後の長編『虚無回廊』も音にして、とお願いした。そしてできあがったのが、このアルバムの中の5曲である。『虚無回廊』でロックする浮遊感が心地良い。ありがとう!” 『虚無回廊 文庫本3冊付セット』の特典のCD-Rが二枚付属 (NOT FOR SALE) 特典1,「キング万博」使用の未発表曲2曲収録CD-R 特典2,「魔少女A」の別ミックス収録CD-R

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