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カテゴリー別アーカイブ: 藤田雅矢
藤田雅矢先生短編収録電子版『万象』
日本ファンタジーノベル大賞受賞作家21人の書き下ろしアンソロジー、井村恭一表紙画 「ZOO」藤田雅矢著 四国から決死の思いで、京都の動物園に象を見るためにやってきた吾郎は、窓口の料金表を見て途方にくれた。大阪でお金を盗まれたため、ポケットに穴あきの五万円銅貨と一万円のアルミ貨を何枚かしか持ってないのに、そこには「小人五十万円」と書いてあるのだ。園内の掃除を条件にどうにか象を見ることが出来た吾郎の知った驚きの事実とは…… 藤田先生以外の収録作: 北野勇作「掌上現象」 南條竹則「動物園にて」 井村恭一「直し屋」 山之口洋「ナチュラル・ウォリアーズ」 沢村 凜「優しい手」 涼元悠一「停電の話?カッくんとデンバネ・白い車」 森青花「夢色いろ」 斉藤直子「リヴァイアさん」 粕谷知世「象になりたかった少年」 西崎憲「東京の鈴木」 渡辺球「仕える人々」 仁木英之「千秋楽」 堀川アサコ「からっぽの宇宙」 久保寺健彦「ファーストデート大作戦」 小田雅久仁「よぎりの船」 石野晶「かたわれ」 勝山海百合「ドライブイン・ヘルシンキ」 日野俊太郎「ヒトノムコトリ」 三國青葉「爆裂しすたーず」 冴崎伸「死を降らす星」 斉藤直子「まとめ人日記」 斉藤直子さんの「まとめ人日記」によると、2004年頃に始動した計画だったようだ。藤田雅矢さんは初期の頃からこの計画に参加されていたみたいですね。
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『糞袋』『蚤のサーカス』『星の綿毛』藤田雅矢著(kindle版)
『糞袋』『蚤のサーカス』『星の綿毛』に関する著者インタビューは、以下で読めます。 http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/040701.shtml 『糞袋』藤田雅矢著、 2018.8.28、惑星と口笛ブックス、kindle版、800円 時は江戸、舞台は京都。「肥えとりはん」見習い中のイチは、ひょんな行きがかりから花街のお女郎さんの小水を所望する大店の旦那はんに 頼まれ、その配達係を引き受けることに。やがて糞尿全般スカトロ系事業に関わり、思わぬ運命に翻弄される…… 蘊蓄ならぬ「ウンチくぅ」物語。 第7回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。 『蚤のサーカス』藤田雅矢著、土橋とし子装画 2014.4.16、アドレナライズ、kindle版、495円 さあお立ち会い、世にも珍しい蚤のサーカスだ。1970年、大阪万博が延期された架空の世界が舞台。田舎の虫好き少年二人が、謎の「蚤のサーカス」の団長の罠にかかり、横浜まで解毒剤を取りに行く羽目に。二人はその資金調達のために、巨大な蝶と雌雄が合体した蝶を生み出す計画を実行しようとするが…… 蘊蓄ならぬ昆蓄話かも(笑) 『星の綿毛』藤田雅矢著、菊池健装画 2014.5.1、アドレナライズ、kindle版、495円 どことも知れぬ砂漠の惑星。<ハハ>と呼ばれる銀色の物体の通った後には、緑を貯えた土地が砂漠の中を帯のように延びていき、人間たちはそこにまとわりついて収穫し、暮らしを営んでいた。そうしたムラのひとつに住むニジダマは、その緑の帯の端っこ、再び土地が干からびて砂漠に帰っていくところで、他の子ども達と落ち穂拾いをしていた。 道具を作るというトシという存在にあこがれるニジダマは、ある日砂漠を越えてやってきた交易人の世話をする役に指名される。過酷な環境を耐え抜くために全身の皮膚をウロコで覆った異形の男ツキカゲは、ニジダマの心を見透かしたかのように交易人になって一緒にトシに行こうと持ちかけた……
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藤田雅矢先生電子版著書『エンゼルフレンチ』
『エンゼルフレンチ』<宇宙篇>藤田雅矢著、ウエタケヨーコ装画 2018.8.21、株式会社アドレナライズ、Kindle版、495円 「奇跡の石」(SFマガジン読者賞国内部門一位) 机の上のガラス瓶。そこにはドリスがくれた小さな雲母に似た半透明な結晶が入っている。あの姉妹は今はどうしているのだろうと私は思いをはせた。とある電機メーカーの、閉鎖になったエスパー研究所に所属していた私は、様々な超能力を持った人たちと出会う機会があった。ある時、東欧のロベリア共和国を訪ねる機会を得た私は、そこで類い希な能力を持った姉妹と出会うが…… 「エンゼルフレンチ」 いつものようにミスドでデートしたすばるとダイチ。喘息持ちのダイチが宇宙飛行士に選ばれたというのだ。驚くすばるに、無人探査機にダイチの分身が搭乗するという計画を聞かされる。人工知能にダイチの個性が転写されるというのだ…… ミスドに始まりミスド終わるお話なんですが、なんとこれが壮大な宇宙空間と悠久の時の流れと愛情を紡ぎ出すという心温まる短編になっているとは! 「飛行螺子(ねじ)」 人力飛行機の制作にのめり込んでいた拓司は、どうにか大学の飛行工学実験棟に研究生として潜り込んでいた。そこで友達となったドルハンは、飛行機部品を主要輸出産品としていたマニ王国からの留学生だった。そのドルハンは、コップの中の紙切れを自由に動かすという不思議な手品を披露していた。そして、マニ王国に招待された拓司に明かされた驚愕の真実とは…… 「地球の裏側」 アポロ8号が帰還の際に撮影されたとする画像、そこにはぼんやりした象の目らしきものが写っていたのだ。そしてアポロ十一号が撮影したのは、大地を支えている象の鼻や胴体、さらに三頭の象が乗っている亀らしきものだった!! 「こだま」 何年かぶりに田舎で林業を営む両親の元に帰ったダイキは、山がきれいになっていて驚く。山で働く父のところへ向かうと、どうも自動機械が山の手入れを手伝っているとのことだった。 「RAIN」 雨女・雨男を集めて雨を降らそうという組織にスカウトされた雨森益男の働きとは…… ラストの一行にずっこけると共に納得(笑) 「SHS88」 火星に繁栄をもたらすキーワード、それが「88」だった。火星に設置された八十八カ所の札所と、地球の四国遍路との関係とは……
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藤田雅矢先生電子版著書『鬼になる』
『鬼になる』<怪奇篇>藤田雅矢著、ウエタケヨーコ装画 2018.8.21、株式会社アドレナライズ、Kindle版、495円 初出《異形コレクション》、SFマガジン他から 収録作: 「鬼になる」 天保四年、水口村。度重なる飢饉で村民は疲弊していた。医者である宇根次さまの屋敷には異人が出入りし、飢えた子どもを預ければ“一年間”は食べさせてもらえるという噂があった。最後の一行がグサリときます。 「暖かなテント」 サーカスを見に来たマサルは、そこで不思議な体験をする。象やライオンがいるとは思えない、一見するとみすぼらしいそのサーカス団にはある秘密があった。 「引きだし刑」 ダリの《引き出しのあるミロのビーナス》に感化された作品。 「引きだし刑」に処された男が送り込まれる『引きだし等により構築された迷路世界』。そこから帰還したものはまだ居ないが、コードネーム<シーラカンス>という貴重なものを探し出せれば解放されるという。そこは暗黒の世界で、男は辺りを照らす小さな<太陽>とロッカーのカギを渡された。 「幻肢(ファントム)の左手」 火葬場の責任者である俺の左手が疼く。俺は、かつて同級生だった淳と美紀子の三人でよく山登りに行ったものだった。しかし大学時代に登った冬山で雪崩に襲われ、淳は助かったものの左手と左足を失ってしまった。そして美紀子はなんと一年半後に白骨死体となって見つかったのだが…… 「釘拾い」 藤田さんの生まれ育った京の町のはなし。 石像寺の釘抜地蔵、釘ではない「釘」を踏んだマーちゃんは、祖母に連れられて百恵ばあちゃんに「釘」を抜いて貰いに行った。その「釘」が見える人は歳をとったら「釘拾い」をすることになるという。 「舞花」 英国のキュー植物園には、高名なノース女史が描いた植物画があり、その中には存在を確認されてない浮遊する植物が描かれていた。植物園が契約している世界を駆けめぐるブラント・ハンターが、その「舞花」を持ち帰ったというが…… 「Dovey Junction」 ウェールズ地方を旅行した際に乗り換えた名も無き駅での不可思議な話。 「最後の象」 最新型のドローンを使って像を狩る密猟者。それを暗視ゴーグルで見つめる男の正体と象の秘密とは…… 「おちゃめ」 「おちゃめ」を見た日には、ちょっといいことがある…… 「銀のあしの象」 象専用パワードスーツをつけた動物園のシルバーは、何か悪いことが起こりそうだと嫌な匂いを感じるのだった。 小学5年生向けた作品。 「歯神社」 第二回大阪てのひら怪談投稿作品。 「鉄塔の記憶」 鉄塔のある風景を詠んだ句集。
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藤田雅矢先生電子版著書『植物標本』
『植物標本(ハーバリウム)』<植物篇>藤田雅矢著、ウエタケヨーコ装画 2018.8.21、株式会社アドレナライズ、Kindle版、495円 収録作: 「ダーフの島」(SFマガジン読者賞国内部門一位) ホピ族のカチーナ人形にインスパイアされた作品。 ゲラマ島には、ガラパゴス島にも似た島独自の生物群が存在する。ゲラマ島にのみ棲息する豚に似たゲラマブー、外界とは断絶した独自の文化を持つ土着の住民、ダーフと呼ばれる不思議な小人。久しぶりに島を訪れたヌマタは、刺青をした住民のリュマと再会し、島に上陸するのだが、そこには驚くべきダーフの生態が…… 「世界玉」 高校で同級生だった晃司から届いた手紙、それはネパールからだった。そこにはネパールから来た留学生が持っていた掌に乗るくらいの大きさの「世界玉」のことが書かれていた。その中には世界があるという。私は、帰国できなくなった晃司を訪ねてカトマンドゥに向かうことにした。 「口紅桜」 植物園の私宛に届いた四国の虚空寺の和尚からの手紙、そこには山寺にある弱った口紅桜を養生してくれないかというものだった。 「トキノフウセンカズラ」 植物園に勤める私は、近所のフウセンカズラが普通とはちょっと違うことに気がつく。おばあさんにお願いして調べさせてもらうと、その実は中が空っぽだった。おばあさんは気づいてくれたことに喜び、不思議な由来を話し出した…… 「植物標本集(ハーバリウム)」 解体される予定の植物園で一番古い木造の温室、そこから出てきたのは南方熊楠や牧野富太郎と並び称される野々山博士の残したハーバリウム(植物標本集)だった。野々山博士は、「ヤマワタリ」や「トビスミレ」など、これまでの植物学の常識を覆すような新種の植物を発表し、しかもその採取場所を明らかにしないことでも物議を醸してた人物だった。 「ブルームーン」 月初めに満月があって、月末にもう一度ある満月ときそれをブルームーンと呼ぶ。土砂降りの雨の夜、たまたま入ったバー「ブルームーン」、そこには同名の青紫の薔薇とカクテルがあった。 「計算の季節」 夏になると、複雑な計算を必要とする科学者たちがやって来る村。畑には多くの電算草が茂り、それを使って複雑なデータ演算が出来るのだ。大型電算機を使う代わりに、電算草と精神感応して必要とされる複雑な計算に没頭する科学者と、それを世話する少年の交流を描いた作品。 「スヴァールバルからの便り」 世界種子貯蔵庫のあるスヴァールバル諸島からの手紙、それは植物とのコミュニケーションを研究しているプラントドリトル研究所で働く旧知の秋野希林さんからだった。 ジュヴナイル小説の『クサヨミ』(http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/140102.shtml)の後日譚。
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