カテゴリー別アーカイブ: 孫に読ませたい(笑)

「クアトロプリンセス」と「宇宙駆ける釣りケーキ」進藤尚典著

どちらも、ゲンロンSF講座第三期生の進藤尚典先生のお話しです。 「クアトロプリンセス」 主人公は、人気が無くなってきたアイドル声優たち。かつては少女戦隊ものアニメで一世を風靡した彼女たちも、今は場末のショーに出ても既に需要が無い。鬱々とした毎日を過ごしている彼女たちに明るい未来はあるのか!。 進藤先生の言葉を借りると「ストーリーは「負け犬たちのワンスアゲイン」(注;RHYMESTERの宇多丸さんが映画評でよく使う、ダメダメな登場人物たちが一念発起して大一番の勝負に臨む「ロッキー」のようなストーリーのこと)」。 美人声優が好きな少年たちや、セーラームーンとかプリキュアが大好きな少女達にもお薦め(笑) 「宇宙駆ける釣りケーキ」 自分たちだけの「秘密基地」を見つけた少年たちの冒険。 秘密基地って、子供の頃憧れましたよね。 うちの孫(小5男児、剣道してます)は、釣りの魅力があまり理解出来ないようなので、剣道の試合で宇宙人と戦い、勝利して、宇宙人に剣道を教えて小遣いを稼ぐ話にして読んでやったらけっこう受けました。 主人公の名前は孫の名前、お話しの中の友達の名前は実際の友達の名前にしておくのはお約束(笑)ドラえもんの四次元ポケット的な面白さもありますし、色々応用が利くお話しです。 第3回ゲンロンSF新人賞大森望賞受賞作 著者インタビューはこちらから 進藤尚典著/大森望解説 ゲンロンSF文庫Kindle版 385円(税込) 2020.6.10発行

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『ざぶとん太郎 空をゆく!』かんべむさし著

『ざぶとん太郎 空をゆく!』かんべむさし著、芳井一味カバーイラスト ’89/11/30、ペップ出版、1200円  小学4年生の大河内太郎は、有名塾での授業中、座禅で精神を統一していた。それを陰険な教師が寝ていると邪推し、一騒動。実は太郎は元々落ち着きのない子供だったが、幼稚園児の頃に父親の教えで座禅を組むようになり、三昧境に達するようになっていたのだ。  その後、座禅が出来る小学生としてTV出演した際に、幽体離脱が出来そうになるのだが……  子供の変身願望をくすぐる児童書。かんべ先生自身もSF作家勘弁先生として登場(笑)  出版元のペップ出版は、20世紀末につぶれてるんですが、このペップ21世紀ライブラリーは、そのラインアップが凄いです。一番手が、横田順彌先生、かんべ先生が三番手。以下森下一仁先生、堀晃先生、光瀬龍先生、豊田有恒先生、山田正紀先生(未刊)と続きます。  この本は、かんべ先生の著作の中で唯一手に入らなかったため、図書館で借りて読むことが出来ました。児童書なので、図書館で生き残っている可能性が高いです。ちなみに、このシリーズの中では、堀先生の『地球は青い宝石』は持ってます(なんと密林では、9,790円の値段が^^;)

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孫に読ませたい(笑)その2『どろんころんど』

北野勇作先生には、我が「アニマ・ソラリス」で何回かインタビューをさせて頂いてるし、著作は全部読ませて頂いてるのですが、この本を読んで、初めて北野ワールドと童話の相性の良さに気がつきました。 アンドロイドの少女アリスが長い休止状態からから目覚めると、そこには地平線の彼方まで広がる泥の海があり、あれだけ大勢いたはずのヒトは姿を消していた。アリスの「仕事」は人間相手に商品説明をすること。その「仕事」を全うするため、商品である亀型子守りロボット、レプリカメの万年1号をお供に、いなくなったヒトを探して、アリスはどろんこの世界に旅だった。 「21世紀、SF評論」の記念すべき第1回目に取り上げられたのがこの本です。 的確な評論・評価は、「21世紀、SF評論」にゆずるとして、『どろんころんど』の魅力は、やはり娘を思う親心かな。一家に一台レプリカメ!欲しいですよね。2011年版「SFが読みたい!」国内編で第二位に選ばれたのもむべなるかな(^o^)/ 北野さんの作品では、登場人物たちがかなりのほほんとしていて(笑)、自分が本物の人間どうかとか、ほとんど気にしない。アイデンティティの問題は、SFでは主要なテーマとなるくらい重要な問題なのですが、この視点のずれさ加減そのものが、北野さんの作品をSFたらしめていた根底だと思うのですね。それが、「21世紀、SF評論」に書かれている通り、カメの万年1号=娘を守る父親の視点から書かれたことによって、少し変わってきてはいるのですが、わけわかんないけど面白い北野勇作ワールドは、ますます絶好調ですねヽ(^o^)丿

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孫に読ませたい(笑)その1『「希望」という名の船にのって』

 最初なので、なぜ孫なのかを。それは、三人の息子たちをSFファンにするのを失敗したから(汗;) 発端は、息子たちと同じSFを読んで、感想を言い合えたらSF者としての冥利に尽きると思っていたわけですが、SFを読まない大人になってしまって。 ラノベ、アニメ、SF映画、ゲームはやるんですが…… で、孫が出来たのでその失敗を取り戻すべく計画を立てているわけです(笑) 『「希望」という名の船にのって』森下一仁著、きたむらさとし画 ’10/7月刊、ゴブリン書房、1500円 粗筋:20XX年、地球に正体不明の病原体が広まり、人類は絶滅の危機におちいっていた。病原体から逃れて、いつ果てるともない新しい地球を求める旅に出発した41名の人々がいた。12歳のヒロシは、地球のことを知らない「船生まれ」の子供。ある日、人間しか居ないと思われていた船内に、他の動物が居ると聞いたときからヒロシを取り巻く世界は大きく変わり始めた……。  ヒロシと子ども達が理詰めで船内の矛盾を解きほぐしていく課程が良いですねぇ。こんな息子が欲しかった(笑)オールドSFファンなら真っ先に、世代型宇宙船の世界を描いたハインラインの『宇宙の孤児』を思い出すことでしょう。対象年齢は、たぶん小学校高学年。待ち遠しいことよ(笑)   「アニマ・ソラリス」の著者インタビューの時に読ませて頂いた片理誠さんの『終末の海』も、同じく理系の子供が活躍するジュヴナイル小説で、こちらもお薦めできます。 http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/101001.shtml

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