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孫に読ませたい(笑)その2『どろんころんど』

北野勇作先生には、我が「アニマ・ソラリス」で何回かインタビューをさせて頂いてるし、著作は全部読ませて頂いてるのですが、この本を読んで、初めて北野ワールドと童話の相性の良さに気がつきました。 アンドロイドの少女アリスが長い休止状態からから目覚めると、そこには地平線の彼方まで広がる泥の海があり、あれだけ大勢いたはずのヒトは姿を消していた。アリスの「仕事」は人間相手に商品説明をすること。その「仕事」を全うするため、商品である亀型子守りロボット、レプリカメの万年1号をお供に、いなくなったヒトを探して、アリスはどろんこの世界に旅だった。 「21世紀、SF評論」の記念すべき第1回目に取り上げられたのがこの本です。 的確な評論・評価は、「21世紀、SF評論」にゆずるとして、『どろんころんど』の魅力は、やはり娘を思う親心かな。一家に一台レプリカメ!欲しいですよね。2011年版「SFが読みたい!」国内編で第二位に選ばれたのもむべなるかな(^o^)/ 北野さんの作品では、登場人物たちがかなりのほほんとしていて(笑)、自分が本物の人間どうかとか、ほとんど気にしない。アイデンティティの問題は、SFでは主要なテーマとなるくらい重要な問題なのですが、この視点のずれさ加減そのものが、北野さんの作品をSFたらしめていた根底だと思うのですね。それが、「21世紀、SF評論」に書かれている通り、カメの万年1号=娘を守る父親の視点から書かれたことによって、少し変わってきてはいるのですが、わけわかんないけど面白い北野勇作ワールドは、ますます絶好調ですねヽ(^o^)丿

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