月別アーカイブ: 10月 2022

『眉村卓の異世界物語』ブックレビュー関連書籍

『眉村卓の異世界物語 トリビュート作品集』「眉村卓の異世界物語」刊行委員会 2022.10.20、岡本俊弥編集、村上知子協力、オンデマンド出版1320円 収録作は、この項の最後に入れますので、そちらを参照して下さい。 『静かな終末』眉村卓著、日下三蔵編、まめふくイラスト 2021.3.3、竹書房、1430円、Kindle版1287円 書影は、Kindle版。本来はカラーなのですが、こちらはモノクロになってます。うらぶれた感じが出ていて良いのかも。 【収録作品一覧】いやな話、名優たち、われら人間家族、 廃墟を見ました、大当り、誰か来て、行かないでくれ、応待マナー、ムダを消せ!、委託訓練、面接テスト、忠実な社員、特権、夜中の仕事、のんびりしたい、土星のドライブ、家庭管理士頑張る、自動車強盗、ミス新年コンテスト、物質複製機、獲物、はねられた男、落武者、安物買い、よくある話、動機、酔っちゃいなかった、晩秋、怨霊(おんりょう)地帯、敵は地球だ、虚空の花、最初の戦闘、最後の火星基地、防衛戦闘員、最終作戦、敵と味方と、すれ違い、古都で、雑種、墓地、傾斜の中で、あなたはまだ?、静かな終末、錆びた温室、タイミング、テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典)、100の顔を持つ男・デストロイヤー(破壊者)、電話、店、EXPO2000、『ながいながい午睡』あとがき(さんいち・ぶっくす) 『仕事ください』眉村卓著、日下三蔵編、まめふくイラスト 2022.9.1、竹書房、1430円、Kindle版1287円 【収録作品】 [Ⅰ]奇妙な妻、ピーや、人類が大変、さむい、針、セールスマン、サルがいる、犬、隣りの子、世界は生きているの?、くり返し、ふくれてくる、機械、やめたくなった、蝶、できすぎた子、むかで、酔えば戦場、風が吹きます、交替の季節、仕事ください、信じていたい [Ⅱ]その夜、歴史関数、文明考、『奇妙な妻』あとがき(ハヤカワ文庫JA)、変化楽しや?、 編者解説 『日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空』眉村卓著、日下三蔵編 2017.12.6、ハヤカワ文庫JA、1650円、Kindle版1485円 【収録作】 第一部:下級アイデアマン、悪夢と移民、正接曲線、使節、重力地獄、エピソード、わがパキーネ、フニフマム、時間と泥、養成所教官、かれらと私、キガテア、サバントとボク 第二部:還らざる空、準B級市民、表と裏、惑星総長、契約締結命令、工事中止命令、虹は消えた、最後の手段、産業士官候補生 『眉村卓の異世界物語 トリビュート作品集』収録作あれこれ 編者の岡本俊弥氏の編集後記によると、冒頭の眉村先生作の「じきにこけるよ」が異世界への入り口で、掉尾の村上知子さん作の「丸池の畔で」が異世界から現実への出口になっているとのこと。 なお、”私ファンタジー”とは、「私小説」のファンタジー版ともいうべき言葉で、眉村先生の諸作を表する際によく使われているようです。 「じきに、こけるよ」眉村卓著 “私ファンタジー”。眉村先生、75,6歳ころの作品。自分もその歳に近づいてきているので、気持ちが良くわかるところも多々ある。 「タク先生の不思議な放送―『メトロポリスの少年探偵』序章」芦辺拓著 中1の少年が「チャチャヤング」を聴きたくてたまらず寝床にラジオを持ち込んだものの寝落ちしてしまったことに端を発する”私ファンタジー”。私は高校生だったけど、「ウルトラQ」は当然のことながら、「ボーイズライフ」も読んでいて投稿したけど落選した(汗;)あれっ?「アウターリミッツ」は中2の時に見た記憶があるけどと思いググったら二期目の「ウルトラゾーン」は高1の時の放映だったのか。 「奇妙な妻と娘の断片」北野勇作著 『ぼくの砂時計』(1974)と「奇妙な妻」(1964、短編集収録1975)に触発された北野ワールド。そうだったのか、北野さんの身近な人間とかこの世界そのものが少し変(偽物)でも、普通に日常生活を営めるという不思議な感覚は眉村先生由来であったのか。 「時の養成所【完全版】」岡本俊弥著 「養成所教官」(1968)へのオマージュとのこと。人類が滅んだ未来の養成所で、何を養成しているのかというと……。こういう設定の時間ものはおしなべて暗いけど、読み切らせるパワーを感じるところも眉村先生ゆずりなのかも。 最近読んだ「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」(久永実木彦著)でも、時間旅行を行使して人的災害を止める非正規職員が、段々と倫理観を喪失し静かに狂っていく様が描かれてました。 「あの頃、私は週に一本の作品を書くのも大変だったのに、眉村先生は一日一話を書いていて、本当にすごいと思った」藤野恵美著 眉村門下生から最初にプロ作家になり、かつ芸大の先生にもなった作者が、眉村先生の創作演習を思い出しながら書いた”私ファンタジー” 「残り火は消えず」雫石鉄也著 『消滅の光輪』へのオマージュとのこと。インサイダー・ファンタジー?倒産(消滅)ファンタジーなのかも。 「ファン二態」高井信著 「日課・一日3字以上」「コロナの呪縛」高井ワールド爆発(笑)眉村先生の言葉(生き方そのものかも)が、高井さんのバックボーンになっていると…… 「夜陰譚」菅浩江著 「あの真珠色の朝を」(1970)がお好きとのこと。不可思議な事象の後に残る不穏な”変わらなさ”を描いてるというと北野勇作さんと重なるけど、当たり前だが読後感はずいぶん違う。あ、短編集『夜陰譚』はブックレビューもしてます。 「SF作家パーティ殺人事件」竹本健治原作・ネーム、河内実加作画 … 続きを読む

カテゴリー: 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

山口優先生著者インタビュー関連本

『星霊の艦隊 1』山口優著、米村孝一郎イラスト 2022.8.17、ハヤカワ文庫SF、1078円、Kindle版970円 ユウリ「地球時代の皆さん、《星霊の艦隊》主人公の翠真ユウリです。ボクたちの物語、どうぞ楽しんでください。」 アルフリーデ「ちょっとユウリ、それだけじゃ内容がわからないでしょ。銀河を舞台にAIと人間の関係を巡り大艦隊が激突する戦いを描く物語。AIのことはこの時代には『星霊』というのよ。」 『星霊の艦隊 2』山口優著、米村孝一郎イラスト 2022.9.14、ハヤカワ文庫SF、1166円、Kindle版1100円 ユウリ「ボクが性別決定の儀の前に襲撃された時の失われた記憶。それがキーポイントだったとは!」 ナオ「オレがやられるはずだったんだけどな。オレをかばったせいで、ユウリが……」 アルフリーデ「その時、亡命星霊だったワタシと出逢ったのよね」 『星霊の艦隊 3』山口優著、米村孝一郎イラスト 2022.10.18、ハヤカワ文庫SF、1232円、Kindle版1200円 ユウリ、アルフリーデ「《人類連合圏》の新型次元兵器〈クレバス〉の完成は、絶対に阻止するぞ」 ナオ「オレは、敵要塞に潜入して情報を集めてくる」 サロメ「臨時とはいえ《人類連合圏》の元帥になったからには、人類主義のために敵を叩く!」 ●「山口優『星霊の艦隊1』特別付録「用語集」Web限定版」 ハヤカワ書房謹呈、用語集。ということは、ハヤカワとしては、ハードSFとしての側面も重視しているのかも。 ●山口優(SF作家):note トップページ 1,「星霊の艦隊」シリーズ マシュマロ回答まとめ 著者が答える《星霊の艦隊》シリーズQ&A 「マイ・デリバラー」「SF Prologue Wave」にて連載 人間は裏方に引っ込み、戦争をするのもロボット、歌を歌うのもロボットの世界。人間型のロボットの上部に平たい円筒形のドローンを常に配置させ、それによって人間そっくりのロボットが人間ではないと分かるようにして、人間は彼らを単なる機械と認識していた。 中古ロボットとして配達員として働く元ボーカアンドロイドのリルリは、突然配達先で倒れてしまう。 「人間の仕事を肩代わりするほどに知性が発達した存在は、人間と同等の権利を持たなくて良いのか」という命題に基づいて書かれた、人間とAIの関係性を問う物語。 『ディスロリ』(pixivFANBOXにて連載中:日本SF作家クラブ) 「ディスロリ(無職の俺が幼女に転生したがとんでもないディストピア世界で俺はもう終わりかも知れない)」解題  ~シンギュラリティ時代に無職になるかもしれない多くの人々と、『仕事』の持つ本質的意味について~ 『ホモ・デウス』テクノロジーとサピエンスの未来 河出書房のサイトにリンク 『5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク』図子慧著、山口優監修、柏原昇店イラスト 2019.4.25、 KADOKAWA、1320円 「10年後、消える仕事、残る仕事を考えなさい」という課題を出された中学生のミーンさんと4人の仲間たち。 「ちょうどわたしたちが社会に出るころ、AIのせいで仕事がなくなるってホント!?」 … 続きを読む

カテゴリー: 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。