平谷美樹先生著者インタビュー関連書

《貸し物屋お庸謎解き帖》『貸し物屋お庸謎解き帖 百鬼夜行の宵』平谷美樹著、丹地陽子イラスト
2022.12.15、だいわ文庫、858円、Kindle版858円(書影はKindle版)
「凧、凧揚がれ」“凧の骨を貸してくれ”とやって来た童が心に秘めた願いとは? 
「貸家と散り桜」貸家の仲介を頼まれたが“縁起がいい”はずの仕舞屋に居たのは?
「百鬼夜行の宵」坊主の着物を借りに来た二人組、生兵法は怪我のもととはよく言ったもので
「貸し物卒塔婆」大店の跡取り息子で評判の悪い三人組。卒塔婆を十枚借りに来た理由は?
「信輔と十人」安布団を十組借りたいとやってきた元女衒。お庸の立てた景迹は?
「雪と綿帽子」因縁のある陸奥国神坂家の江戸家老橘が、用人の花嫁衣装を借りたいとやってくる。しかも、背格好が同じだから、お庸に届けて欲しいという怪しい依頼だ。
 お客が求める貸し物の陰に隠れた悩みや事情を見抜いて収めるお庸の景迹(謎捌き)が痛快な、大人気書下ろし時代小説シリーズ


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『渡裸の渡し』平谷美樹著、本田淳装画
2021.4.16、小学館、Kindle版220円
十歳ほどの娘にすぎないむつは、人間を超える力を持つ八百比丘尼になる運命。精神は子供のままであるむつを修行させようと、峻岳坊高星と百夜は津軽への旅に出る。が、むつの持つ力が様々な怪異と霊気を呼び寄せてしまう。千住大橋界隈にさしかかった一行は、さっそく加持祈祷を頼まれることに。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『九つの目の老人』平谷美樹著、本田淳装画
2021.6.18、小学館、Kindle版220円
神に近いものになろうとしている少女、むつを修行させるため、津軽への旅に出た百夜一行。宇都宮の宿に現れたのは、目のない顔を持つ白髭の老人と九つの光の玉。その正体がわからぬ百夜は、いつになく苛立っている。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『聖の思惑』平谷美樹著、本田淳装画
2021.12.17、小学館、Kindle版220円
神になろうとしている少女・むつは、旅先で出羽国に行きたいと突然言い出した。その夜、百夜とむつは師匠の峻岳坊高星も気づかぬ間に攫われてしまう。二人は黄泉の世界に踏み込み、次々と異形のモノたちに襲われる。果たしてこの恐るべき力をふるうものは何者なのか。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『宿坊の夜』平谷美樹著、本田淳装画
2022.4.15、小学館、Kindle版220円
むつの願いで早池峰山詣でに向かった百夜の一行は、雪の夜に麓の主のいない宿坊に泊まることに。
ただならぬ気配を感じながら宿坊に入ると、そこには3人の先客がいた。旅の女のしめ、行商人の為造は怪異が起きていると訴えるのだが、若い僧侶の法稔は頑なにそれを否定する。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『むつとの別れ(上) 八卦置き』平谷美樹著、本田淳装画
2022.6.17、小学館、Kindle版220円
だんだんと神に近づいていくむつを連れて、百夜の一行は八戸藩に入った。そこで未来の出来事を確実に当てて、米問屋や材木商に大儲けさせている占い師の噂を聞く。謎の素性の八卦占い師を招き寄せたむつに、山崎と名乗るその男は摩訶不思議な話を語り始めた


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『むつとの別れ(下) 宇曾利山(うそりやま)』平谷美樹著、本田淳装画
2022.12.16、小学館、Kindle版220円
恐山の麓までやってきた百夜一行。いよいよ旅も終局、別れの時は近い。日も陰り、降りしきる雪の中、百夜と当来軒は、むつの導くままに山頂の宇曾利湖を目指し、山道を登り始める。しかし、その後を追う怪しい人影が……


『図解!江戸時代―意外と住みたい?この町と、この時代!』「歴史ミステリー倶楽部」著、図版・DTP/ハッシィ
2015.10.20、三笠書房、649円、Kindle版617円
 江戸時代の複雑な貨幣制度や暦・時刻、不思議なしきたりや多様な刑罰など、時代劇などでお馴染みのこの時代。しかし誤解や間違いも含めて、実際のところは知らないことだらけ!江戸の開発から幕府の統治、武士や庶民の暮らしぶりに至るまで、江戸の町と江戸時代に関する「基本としくみ」を、徹底図解でわかりやすく解説。

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松崎有理先生著者インタビュー関連書

シュレーディンガーの少女『シュレーディンガーの少女』松崎有理著、佐藤おどり装画
2022.12.9、創元SF文庫、946円、Kindle版851円(税込)
【収録作】「六十五歳デス」すべての65歳に例外なく、プログラムされた死が訪れる世界。
「太っていたらだめですか?」肥満者たちをテレビスタジオに集め、公開デスゲームを開催する健康至上主義社会。
「異世界数学」あらゆる数学を市民に禁じ、違反者を捕らえては刑に処している王国。
「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」日々の食卓から、秋刀魚が消え失せてしまった未来
「ペンローズの少女」少年が流れ着いたのは有名な生け贄儀式が残る島だった
「シュレーディンガーの少女」友人の物理学者から謎の実験に参加することを頼まれた……
 様々なディストピア世界でたくましく生きのびる女性たちを描いた、コミカルでちょっぴりダークな短編集。


松崎先生謹製販促カード『シュレーディンガーの少女』に挟んであった、松崎先生謹製「販促カード」


ユリイカ今井哲也特集『ユリイカ2022年11月号』
特集=今井哲也——『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』…マンガを夢みる
2022.10.27、青土社、1980円、Kindle版1980円
青土社の『ユリイカ2022年11月号』の紹介頁
❖ロングインタビュー
❖今井哲也との遭遇
❖今井哲也の読みかた
❖オマージュイラストギャラリー
❖再録「三丁目クオンタム団地」「スペースおくのほそ道」今井哲也著
❖オマージュ短篇「不屈の蛙は青い海をみるか」松崎有理著
❖描くことの自由とともに「今井哲也主要作品解題」


ゾンビでわかる神経科学『ゾンビでわかる神経科学』ティモシー・ヴァースタイネン、ブラッドリー・ヴォイテック、鬼澤忍共著
2017.2.10、太田出版、2200円、Kindle版1760円
【ゾンビ症候群の診断書】
病名:意識欠陥活動低下障害(Consciousness Decit Hypoactivity Disorder/CDHD)
症状:CDHDは後天性の症候群で、患者は活動を意図的に制御できず、無気力で疲れきったような動きを見せたり(運動感覚消失)、喜びの感覚を失ったり(快感消失)、全般的な言語機能障害(失語症)や記憶障害(健忘症)に陥り、摂食などの欲求行動や攻撃的「闘争・逃走」行動を抑えられなくなる。患者はしばしば、見慣れた物や人を認識するのが著しく困難になり(失認症)、持続性睡眠障害が慢性的不眠症という形で表れた結果、やがて「覚醒せん妄」状態にいたる。患者はまた、反社会的行動パターン(人をかんだり食べたりしようとする)も見せ、そうした典型的暴力行為の標的は生身の人間のみに限られる。いっぽう、ほかの感染者に対しては非常に強い向社会的な行動が表れる。その証拠に、感染者は群れ、「群知能」を発揮する。”


ゾンビvs数学『ゾンビ 対 数学 ―数学なしでは生き残れない』コリン・アダムズ著、小谷太郎訳、岡村亮太イラスト
2018.7.31、技術評論社、2398円、Kindle版2278円
第1章 6時間後 - 生ける屍の授業開始
第2章 7時間後 - 生ける屍の鼠算
第3章 7時間30分後 - 生ける屍のニュートン力学
第4章 7時間45分後 - 生ける屍の速度ベクトル
第5章 8時間後 - 生ける屍の輪舞曲(ロンド)
第6章 9時間後 - 生ける屍の包囲網
第7章 10時間後 - 生ける屍の脳内革命
第8章 18時間後 - 生ける屍の冷たい方程式
第9章 24時間後 - 生ける屍の大団円
付録A 詳細な議論
付録B エリーとコナーの微積分入門

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『虚無回廊』music by 金属恵比寿

虚無回廊『虚無回廊』三冊とCD『虚無回廊』
『虚無回廊』【収録曲】
1,虚無回廊オープニングテーマ
2,魔少女A
3,人工実存
4,虚無回廊エンディングテーマ
5,「ゴジラ・キングギドラ」メインタイトル
6,う・ら・め・し・や
9,巡礼
販売情報はここから


『虚無回廊』裏面と特典ディスクCD裏面に乙部順子さん(元・小松左京マネージャー)の紹介文あり
“金属恵比寿と出会ったのは、2019年「小松左京音楽祭」で小松左京原作の映画やテレビドラマの音楽を演奏してもらった時。文学の造詣深い高木大地さんが、多くの小説からインスパイヤーされて作曲をされていると知り、小松左京最後の長編『虚無回廊』も音にして、とお願いした。そしてできあがったのが、このアルバムの中の5曲である。『虚無回廊』でロックする浮遊感が心地良い。ありがとう!”
『虚無回廊 文庫本3冊付セット』の特典のCD-Rが二枚付属
(NOT FOR SALE)
特典1,「キング万博」使用の未発表曲2曲収録CD-R
特典2,「魔少女A」の別ミックス収録CD-R

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『SCI-FIRE 2022』


『SCI-FIRE 2022』2022年11月20日
表紙イラスト:せい、表紙デザイン:太田知也、本文及び目次デザイン:斧田小夜とSci-Fire編集チーム
目次:【インタビュー】
「SF×インフレーション×陰謀論  樋口恭介、陰謀論を解体する」(インタビュアー:櫻木みわ)
【創作:インフレーション編】
高丘哲次「小さな黄色い石」、谷田貝和男「パーソナル・スペース」、名倉編「ひものがたり」、鵜川龍史「フリー素材ヨコシマ」、中野伶理「ウロボロスの左腕」、揚羽はな「宇宙を創った男」、進藤尚典/伊藤元晴「てんどん」、十三不塔「ドゥクパ・クンレー二世の華麗なる不始末」
【創作:陰謀論編】
池澤春菜「There is always light behind the…」、仁科星「ユマの導き」、高木ケイ 「トイレから天国へ」、稲田一声「パレイドリア」、甘木零「しぜんかんさつ」、榛見あきる「翼捥羊(よくわんよう)」、藍銅ツバメ「イカが光り君が綺麗で人類は滅亡する」吉羽善「ちりめんじゃこがこっちを見ている」、常森裕介「まちがい落とし」、大木芙沙子「力囲希咄(りきいきとつ)」、河野咲子 「安らかなる彗星」
【レビュー】
升本雄大「『インフレーション/陰謀論』マンガ紹介2022」

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「宇宙気流 No.95」August 2022

宇宙気流 95号


「宇宙気流 No.95」発行:SFマガジン同好会、編集:林芳隆、500円
(復刻)横田順彌 初期作品集(5) サイレントスター篇(3)
  「黄金の天馬」  1969
(復刻)題名未定新コラム 第三回A 1969 印刷人その三
(復刻)題名未定新コラム 第三回B 1969 加賀見 旭
(復刻)KYUCON特集(第8回SF大会)
   KYUCON顛末記          加藤義行
   小松左京答える         「宇宙気流」特別取材班
   インサイド・Qコン特集!!      インサイド執筆者一同軽薄
   九コン駆け足ハイライト      三田皓司
   第八回日本SF大会報告    てんたくるす57号 KYUCONレポート号
   Qコン自己反省          松崎真治
(評論)「火星年代記」再び        中川龍夫
(翻訳連載)ブラックフレーム(5) スタンリイ・G・ワインボウム 古賀英治訳
SF気流(おたより)
あとがき                林芳隆

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高島雄哉先生関連

ランドスケープと夏の定理「ランドスケープと夏の定理」第5回創元SF短編賞受賞作(門田充宏「風牙」と同時受賞)
 天才科学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされる「ぼく」。大学4年生だった夏に日本でおこなわれた「あの実験」から3年、「ぼく」はまたしても姉に呼び出された。向かった先は宇宙空間――ラグランジュポイントL2に浮かぶ国際研究施設。姉はそこで、宇宙論に関するある途轍もない実験を準備していた……。ゲスト選考委員・瀬名秀明が「(日本SFの歴史を)次の50年に受け渡す傑作」と驚嘆した、新時代の理論派ハードSF。


ランドスケープと夏の定理


青い砂漠


不可視都市


エンタングル・ガール


ヤマト黎明篇


ALTDEUS:Beyond Chronos Decoding the Erudite


しなやかな世界


21.5世紀


《機動戦士ガンダム 水星の魔女》
高島先生がSF考証をされている、現在絶賛放映中の《機動戦士ガンダム 水星の魔女》。
高島先生が「cakesに連載された考証についての記事」もかつてはあったのですが、cakesは2022年8月31日に終了したため、《機動戦士ガンダム 水星の魔女》で設定考証をされている白土先生の記事の紹介です。
「レイコの部屋」傑作選 vs.白土晴一さん(設定考証・リサーチャー)-WEB東京創元社マガジン
これもとても面白くて、知らなかったこともいっぱいでした(汗;)
「レイコの部屋」

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石川宗生先生関連本

半分世界『半分世界』石川宗生著、千海博美装画
2018.1.26、創元日本SF叢書、1900円
収録作:「吉田同名」第七回創元SF短編賞受賞作
 ある日突然、19,329人に増殖した吉田大輔氏の奇想天外な物語。長男の親友に吉田大恭(読みは同じ)君がいて、月一で我が家を訪れるのだけれども、面白がってました(笑)
「半分世界」
 突然縦に半分となり、世間の目にさらされることとなった家族と、それを観察(ストーカーとも言える)する人々を描いた表題作
「白黒ダービー小史」
 全住民が、白と黒のサッカーチームに分かれ、街をフィールドに延々と試合を続ける物語。
「バス停夜想曲、あるいはロッタリー999」
 999本のルートのバスが止まるという停留所。いっこうに来ないバスを待ちわびる乗客達の狂想曲(?)(笑)


「石川宗生さん『半分世界』刊行記念・飛浩隆先生によるインタビュウ!」Web東京創元社マガジン


ホテル・アルカディア『ホテル・アルカディア』石川宗生著、川名潤装幀
2020.3.30、集英社、2000円
第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作
【目次】
1.[愛のアトラス]
「タイピスト〈1〉」「代理戦争」「すべてはダニエラとファックするために」「愛のテスト」「本の挿絵」「アンジェリカの園」
2.[性のアトラス]
「測りたがり」「転校生・女神」「わた師」「ゾンビのすすめ」「No.121393」
3.[死生のアトラス]
「光り輝く人」「饗宴」「恥辱」「100万の騎士」
4.[文化のアトラス]
「激流」「A#」「糸学」
5.[都市のアトラス]
「チママンダの街」「機械仕掛けのエウリピデス」
6.[時のアトラス]
「時の暴君」
7.[世界のアトラス]
[アトラス・プルデンシア]
 藤井太洋先生との対談で、翻訳紹介するなら「タイピスト〈1〉」が候補という話が出てましたが、私も賛成。小説の中に入り込むとか仮想現実にジャックインする話はよく見かけるのですが、小説の文章をタイプするタイピストに憑依して読者体験を得るという新機軸。どこからこういう発想が出てきたのだろう。もうひとつ、目にするモノは何でも長さを測らないと気が済まない男性を描いた「測りたがり」もお薦め。
“石川宗生『ホテル・アルカディア』刊行記念エッセイ”
高山羽根子先生の『ホテル・アルカディア』書評
児玉雨子先生の『ホテル・アルカディア』書評
藤井太洋先生×石川宗生先生の刊行記念対談


四分の一世界旅行記『四分の一世界旅行記』石川宗生著、千海博美装画
2021.4.30、東京創元社、1800円
【目次】「パスポートナンバー TK49494949の叫び」「落下の山村」「笑いを灯す人」「摂氏四五・一度の異邦人」「世界の終わりとアンダーグラウンド・モスク」「時の旅人たち」「浴室」「旅のゆくえ」「ポータブル・ブコウスキー」「オン・ザ・エンディング・ロード」
【特別対談】宮内悠介 × 石川宗生
 旅行記なんですが、これがまたもの凄く面白い。石川先生のように世界各国を旅して回られた人は少数派だと思います。様々な国や人との出会いが少なくて、常々人生を損した気分がしている私のような出不精の人間が読むと、その損した気分を癒やしてくれる好著と言えます。
「春夏夏夏夏夏夏夏秋とうっ! 石川宗生の旅日記」Web東京創元社マガジン

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『眉村卓の異世界物語』ブックレビュー関連書籍

『眉村卓の異世界物語』『眉村卓の異世界物語 トリビュート作品集』「眉村卓の異世界物語」刊行委員会
2022.10.20、岡本俊弥編集、村上知子協力、オンデマンド出版1320円
収録作は、この項の最後に入れますので、そちらを参照して下さい。


『静かな終末』眉村卓著、日下三蔵編、まめふくイラスト
2021.3.3、竹書房、1430円、Kindle版1287円
書影は、Kindle版。本来はカラーなのですが、こちらはモノクロになってます。うらぶれた感じが出ていて良いのかも。
【収録作品一覧】いやな話、名優たち、われら人間家族、
廃墟を見ました、大当り、誰か来て、行かないでくれ、応待マナー、ムダを消せ!、委託訓練、面接テスト、忠実な社員、特権、夜中の仕事、のんびりしたい、土星のドライブ、家庭管理士頑張る、自動車強盗、ミス新年コンテスト、物質複製機、獲物、はねられた男、落武者、安物買い、よくある話、動機、酔っちゃいなかった、晩秋、怨霊(おんりょう)地帯、敵は地球だ、虚空の花、最初の戦闘、最後の火星基地、防衛戦闘員、最終作戦、敵と味方と、すれ違い、古都で、雑種、墓地、傾斜の中で、あなたはまだ?、静かな終末、錆びた温室、タイミング、テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典)、100の顔を持つ男・デストロイヤー(破壊者)、電話、店、EXPO2000、『ながいながい午睡』あとがき(さんいち・ぶっくす)


仕事ください『仕事ください』眉村卓著、日下三蔵編、まめふくイラスト
2022.9.1、竹書房、1430円、Kindle版1287円
【収録作品】
[Ⅰ]奇妙な妻、ピーや、人類が大変、さむい、針、セールスマン、サルがいる、犬、隣りの子、世界は生きているの?、くり返し、ふくれてくる、機械、やめたくなった、蝶、できすぎた子、むかで、酔えば戦場、風が吹きます、交替の季節、仕事ください、信じていたい
[Ⅱ]その夜、歴史関数、文明考、『奇妙な妻』あとがき(ハヤカワ文庫JA)、変化楽しや?、 編者解説


日本SF傑作選3 眉村卓『日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空』眉村卓著、日下三蔵編
2017.12.6、ハヤカワ文庫JA、1650円、Kindle版1485円
【収録作】
第一部:下級アイデアマン、悪夢と移民、正接曲線、使節、重力地獄、エピソード、わがパキーネ、フニフマム、時間と泥、養成所教官、かれらと私、キガテア、サバントとボク
第二部:還らざる空、準B級市民、表と裏、惑星総長、契約締結命令、工事中止命令、虹は消えた、最後の手段、産業士官候補生


『眉村卓の異世界物語 トリビュート作品集』収録作あれこれ
編者の岡本俊弥氏の編集後記によると、冒頭の眉村先生作の「じきにこけるよ」が異世界への入り口で、掉尾の村上知子さん作の「丸池の畔で」が異世界から現実への出口になっているとのこと。
なお、”私ファンタジー”とは、「私小説」のファンタジー版ともいうべき言葉で、眉村先生の諸作を表する際によく使われているようです。

「じきに、こけるよ」眉村卓著
“私ファンタジー”。眉村先生、75,6歳ころの作品。自分もその歳に近づいてきているので、気持ちが良くわかるところも多々ある。

「タク先生の不思議な放送―『メトロポリスの少年探偵』序章」芦辺拓著
中1の少年が「チャチャヤング」を聴きたくてたまらず寝床にラジオを持ち込んだものの寝落ちしてしまったことに端を発する”私ファンタジー”。私は高校生だったけど、「ウルトラQ」は当然のことながら、「ボーイズライフ」も読んでいて投稿したけど落選した(汗;)あれっ?「アウターリミッツ」は中2の時に見た記憶があるけどと思いググったら二期目の「ウルトラゾーン」は高1の時の放映だったのか。

「奇妙な妻と娘の断片」北野勇作著
『ぼくの砂時計』(1974)と「奇妙な妻」(1964、短編集収録1975)に触発された北野ワールド。そうだったのか、北野さんの身近な人間とかこの世界そのものが少し変(偽物)でも、普通に日常生活を営めるという不思議な感覚は眉村先生由来であったのか。

「時の養成所【完全版】」岡本俊弥著
「養成所教官」(1968)へのオマージュとのこと。人類が滅んだ未来の養成所で、何を養成しているのかというと……。こういう設定の時間ものはおしなべて暗いけど、読み切らせるパワーを感じるところも眉村先生ゆずりなのかも。
最近読んだ「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」(久永実木彦著)でも、時間旅行を行使して人的災害を止める非正規職員が、段々と倫理観を喪失し静かに狂っていく様が描かれてました。

「あの頃、私は週に一本の作品を書くのも大変だったのに、眉村先生は一日一話を書いていて、本当にすごいと思った」藤野恵美著
眉村門下生から最初にプロ作家になり、かつ芸大の先生にもなった作者が、眉村先生の創作演習を思い出しながら書いた”私ファンタジー”

「残り火は消えず」雫石鉄也著
『消滅の光輪』へのオマージュとのこと。インサイダー・ファンタジー?倒産(消滅)ファンタジーなのかも。

「ファン二態」高井信著
「日課・一日3字以上」「コロナの呪縛」高井ワールド爆発(笑)眉村先生の言葉(生き方そのものかも)が、高井さんのバックボーンになっていると……

「夜陰譚」菅浩江著
「あの真珠色の朝を」(1970)がお好きとのこと。不可思議な事象の後に残る不穏な”変わらなさ”を描いてるというと北野勇作さんと重なるけど、当たり前だが読後感はずいぶん違う。あ、短編集『夜陰譚』はブックレビューもしてます。

「SF作家パーティ殺人事件」竹本健治原作・ネーム、河内実加作画
落ちが!マンガでしか表現できないオチなんですよ(笑)

「眉村さんへ」竹本健治著
竹本さんが「チャチャヤング」に投稿し眉村先生が朗読された音源。
17歳のころの作品。タイムループものだけどちゃんとSFしているのが見事。

「ねらわれた学園 後日譚」椎原悠介著
有名な『ねらわれた学園』(1976)の視点を変えるとかその後の物語があるとしたらというこれぞトリビュート作品。

「雪の降る夜のお客さま」深田亨著
童謡「ペチカ」から冒頭の情景が浮かんだそうです。パンデミック後に動き続けるアンドロイド(落語家?)と文楽人形の出会い+幽霊。面白くもの悲しい。深田さんの短編は、「チャチャヤング・ショートショート・マガジン」で何本か読んだのですが、まさに深田ワールドという世界ですね。

「新・夢まかせ」大熊宏俊著
眉村作品のパスティーシュを目指すも……。詳しくはブックレビューを参照して下さい。これも分類するなら”私ファンタジー”かな。作家ファンタジーかもしれないけど(笑)

「幻影の手品師」石坪光司著
題名は『幻影の構成』(1966)からとのこと。リストラされたサラリーマンが主人公。手品師の幻影(?)と宇宙規模の厄災が連動する異世界もの。「塔<バベル-75>」が商業誌掲載された石坪さんには、ぜひ宇宙SFに挑戦して欲しかった←勝手に好きなことを言ってます(汗;)

「丸池の畔で」村上知子著
眉村先生の遺伝子とミームと両方を持たれる村上さんの”私ファンタジー”

「インサイダーSFはいかに生まれたか」堀晃著
. 堀晃先生の労作。当時をご存じな方からの貴重な記録となっています。眉村先生と堀先生は、会社人としての経験がある以外にも色々な共通点が存在していて興味深いです。
私は全く会社勤めの経験がないのですが、昔源氏鶏太氏のサラリーマン小説にはまっていた時期があって、眉村先生のインサイダー小説を読んだときは全く違う捉え方に衝撃を受けました。

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山口優先生著者インタビュー関連本

『星霊の艦隊 1』山口優著、米村孝一郎イラスト 2022.8.17、ハヤカワ文庫SF、1078円、Kindle版970円
ユウリ「地球時代の皆さん、《星霊の艦隊》主人公の翠真ユウリです。ボクたちの物語、どうぞ楽しんでください。」
アルフリーデ「ちょっとユウリ、それだけじゃ内容がわからないでしょ。銀河を舞台にAIと人間の関係を巡り大艦隊が激突する戦いを描く物語。AIのことはこの時代には『星霊』というのよ。」


『星霊の艦隊 2』山口優著、米村孝一郎イラスト
2022.9.14、ハヤカワ文庫SF、1166円、Kindle版1100円
ユウリ「ボクが性別決定の儀の前に襲撃された時の失われた記憶。それがキーポイントだったとは!」
ナオ「オレがやられるはずだったんだけどな。オレをかばったせいで、ユウリが……」
アルフリーデ「その時、亡命星霊だったワタシと出逢ったのよね」


『星霊の艦隊 3』山口優著、米村孝一郎イラスト
2022.10.18、ハヤカワ文庫SF、1232円、Kindle版1200円
ユウリ、アルフリーデ「《人類連合圏》の新型次元兵器〈クレバス〉の完成は、絶対に阻止するぞ」
ナオ「オレは、敵要塞に潜入して情報を集めてくる」

サロメ「臨時とはいえ《人類連合圏》の元帥になったからには、人類主義のために敵を叩く!」


●「山口優『星霊の艦隊1』特別付録「用語集」Web限定版」
ハヤカワ書房謹呈、用語集。ということは、ハヤカワとしては、ハードSFとしての側面も重視しているのかも。


●山口優(SF作家):note トップページ
1,「星霊の艦隊」シリーズ マシュマロ回答まとめ
著者が答える《星霊の艦隊》シリーズQ&A


「マイ・デリバラー」「SF Prologue Wave」にて連載
人間は裏方に引っ込み、戦争をするのもロボット、歌を歌うのもロボットの世界。人間型のロボットの上部に平たい円筒形のドローンを常に配置させ、それによって人間そっくりのロボットが人間ではないと分かるようにして、人間は彼らを単なる機械と認識していた。
中古ロボットとして配達員として働く元ボーカアンドロイドのリルリは、突然配達先で倒れてしまう。
「人間の仕事を肩代わりするほどに知性が発達した存在は、人間と同等の権利を持たなくて良いのか」という命題に基づいて書かれた、人間とAIの関係性を問う物語。


『ディスロリ』(pixivFANBOXにて連載中:日本SF作家クラブ)
「ディスロリ(無職の俺が幼女に転生したがとんでもないディストピア世界で俺はもう終わりかも知れない)」解題  ~シンギュラリティ時代に無職になるかもしれない多くの人々と、『仕事』の持つ本質的意味について~


『ホモ・デウス』テクノロジーとサピエンスの未来
河出書房のサイトにリンク


『5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク』図子慧著、山口優監修、柏原昇店イラスト
2019.4.25、 KADOKAWA、1320円
「10年後、消える仕事、残る仕事を考えなさい」という課題を出された中学生のミーンさんと4人の仲間たち。
「ちょうどわたしたちが社会に出るころ、AIのせいで仕事がなくなるってホント!?」
そこで5人は、とある研究所での「未来のハローワークVR体験ツアー」を通じて、将来の仕事や働き方を体験することに…。
未来のハローワーク体験によって自分がどんな仕事につけるのか、そのためにはどんな勉強をしていけばいいのかがわかる、まったく新しい未来体験にでかけよう!


『SFプロトタイピング: SFからイノベーションを生み出す新戦略』宮本道人監修・編著、難波優輝・大澤博隆編著
2021.6.2、早川書房、1980円
〈座談ゲスト〉
佐宗邦威 株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー
藤本敦也 三菱総合研究所 経営イノベーション本部 シニアプロデューサー
岡島礼奈 株式会社ALE代表取締役社長/CEO
羽生雄毅 インテグリカルチャー株式会社代表取締役社長/CEO
小谷知也 「WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所」所長
樋口恭介 SF作家、コンサルタント
塚田有那 編集者、キュレーター
長谷川愛 アーティスト、デザイナー
ルース・ワイリー アリゾナ州立大学「科学と想像力センター(CSI)」アシスタント・ディレクター
呉岩 南方科技大学教授
張峰 香港大学名誉助教



『クオリアはどこからくるのか? 統合情報理論のその先へ』土谷尚嗣著
2022.4.28、岩波科学ライブラリー、1540円
これまでの研究における発展と限界,トノーニによって提唱されて意識の理論として有望視されている統合情報理論,そして著者が取り組んでいるクオリア(意識の中身)を特徴づける研究アプローチを解説.意識研究の面白さ,研究者が抱いている興奮を伝える。


『人工知能のための哲学塾 未来社会篇』三宅 陽一郎・大山 匠著
『星霊の艦隊 3』の巻末で「星霊を読み解く」という解説を書かれている三宅陽一郎先生の著書です。お名前がご一緒なので勝手に親近感を抱いてます(笑)
☆第一部 視点〈人工知能から哲学へ〉
哲学を足場に人工知能を築く 三宅陽一郎
第一夜 結びあう人と人工知能の心
第二夜 社会的自我を持つ人工知能の社会
第三夜 世代を超えて作り出す人工知能文化
第四夜 自己変革を促す人工知能の愛
第五夜 揺れ動く人工知能による幸福の探求

☆第二部 視点〈哲学から人工知能へ〉
人工知能を哲学から思考する 大山 匠
第一夜 循環する理解とコミュニケーション
第二夜 響きあう社会と自己
第三夜 文化の記述とアルゴリズム
第四夜 愛のモデルと、その語りがたさ
第五夜 幸福と計算、そして自由

『人工知能のための哲学塾』『人工知能のための哲学塾 東洋哲学編』に続く第三弾。
芸術とAIの章が欲しかった。まあ無い物ねだりですが(汗;)
まだ知能についてもよく分かってないのに、芸術は無理なのか。画や音楽では、既に芸術もどきは出来ているようですが。
知能とか愛とか幸福とかがどのように数値化されるのかという視点から読むとちと当てが外れるかも知れませんが、私のような門外漢が基礎的な知識を得るには良かったです(汗;)

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SFファンジン・データベース(2022年度版)

SFデータベース2022「SFファンジン・データベース 2022」
SFファングループ資料研究会謹製
SFファンクラブ探訪「SFM同好会/宇宙気流」の際にも関連書籍としてご紹介した、森東作氏製作のデータベース2022年度版です。
森東作さま、毎年ご苦労様です。ありがとうございました。

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