かんべむさし先生著作――たぶん年代順(笑) かんべ先生のホームページの著作リストを参考にしました

『ミラクル三年、柿八年』かんべむさし著、ヒロミチイト装画
'10/1/13、小学館文庫、657円
2005年1月、作家「かんべむさし」は一通のメールを受け取った。AMラジオ早朝ワイド番組のパーソナリティを、月曜から金曜までの毎日担当しないか、という依頼だ。しかも裏番組は二つとも三十年続く大物の人気番組。作家活動との両立は可能なのか、作家的な発想と思考を、朝のワイド番組でどう生かすのか。スタッフたちとの試行錯誤の日々が始まった。そして作家は、活字人間と電波人間の気質の違いを痛感しつつ、刺激に満ちたラジオの仕事に熱中する……
主人公が「かんべむさし」ということからもおわかりのように、かんべ先生の実体験に基づいたフィクションです。 今までのエッセイの集大成であると同時に、面白い実録小説にもなっていると思います。
『理屈は理屈 神は神』かんべむさし著、平田利之イラスト
'05/4/15、講談社、1500円
SF作家が出会った「おもろい神さま」
いきつ、もどりつ、考えつつ かんべむさしが、ユーモラスに綴るおもしろ信心体験記!
「……こら宗教家。欲にばっかり走らんと、もっと真面目に人助けをせんかい。そのためには本気で戒律を守り、修行に苦しみ、貧窮にも耐えんかい。え、わしら?わしらは一般人やから、そんなことする義務あらへん。おまえらは、それが仕事やないか。第一わしら、苦しみ、耐えることなら、普段の仕事や生活で嫌ほど経験しとるわい。そのわしらに生活を支えてもろてながら、なめたことしてやがったら、承知せんぞ!(笑)
SF作家に軸足を残しつつ、神さまについて真面目に考察した一冊。理屈から入っていくところがかんべ先生らしくて面白いですね。宇宙を統べる神様(のような存在)は、ぜひあって欲しいものだと切に思います。
SF作家でも、神とか霊の存在を信じている方は思いの外多いと思います。
親しい某先生は、しょっちゅう霊の存在を感じていらっしゃるようだし……

『強烈★イジョーシキ大笑乱』かんべむさし著、大矢正和イラスト
'04/11/15、講談社青い鳥文庫、620円
超越トリップマシンの実験が大失敗!たいへんだ?!へんな常識の大洪水だっ!
“若おかみは小学生!”シリーズの著者 令丈ヒロ子さん大絶賛!!
「原稿の1ページ目をそっと開いたとたん、『わあっ!かんべむさしワールドだっ!』と、うれしすぎて、喫茶店にいたにもかかわらず、ふふふふふふー、と声を出して笑ってしまいました。」(解説より)
ひょんなことから鶴丸博士を助けた小学6年生の大介。すっかり博士に気に入られて、塾の友だちの美由紀や金平といっしょに、“超越トリップマシン”の実験に立ち会うことになった。ところが落ち着きのない金平のせいで、実験は大失敗! 日本じゅうに、昔の光景が現れだした。その上、見ているうちに昔の常識、異常識(イジョーシキ)に染まってきて……日本じゅうが大混乱! どうしよう!
ジュブナイルもの。日本の常識は世界の異常識(笑)古今東西を顧みれば、けっこうへんな風習・習慣があります。そういう我々の常識を覆す異常識に染まっていったらという、まことにSFの本質をそのままジュヴナイル小説にしたような本です。孫が小学生の高学年になったら読ませたいですね。
『笑撃★ポトラッチ大戦』かんべむさし著、
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『こちら、FM遊々です!』かんべむさし著、江口修平事務所イラスト
'01/12/20、光文社文庫、495円
「FM遊々」は小さなコミュニティラジオ局。音楽や交通情報、リスナーからのメッセージなどを放送していたが、市長選挙を控えて選挙シフトした!番組を使って、事前運動を始める者あり、たった一人で選挙運動をする者あり、宗教団体が後ろに控えている者あり―。候補者入り乱れた混戦模様の選挙戦を、軽快なタッチでコミカルに描いた痛快作。
ユーモア溢れる一冊。実は、うちの近くにもコミュニティエフ局があって、リクエストをよく出しているんですよ。そういう小さな局の内実とか経営的な状況がよく分かって、切なくなりますね(笑)
『奮戦!リストラ三銃士』かんべむさし著、
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『重役追放 人事部長極秘ファイル2』かんべむさし著、
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『人事部長極秘ファイル』かんべむさし著、
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『ナルナル かぼちゃを守れ!』かんべむさし著、
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『泡噺とことん笑都』かんべむさし著、古川タクイラスト
'98/6/5、岩波書店、1700円
時は、バブル絶頂期。ところは大阪、降って湧いたマンション建設話と学校の体育館建て替え話に巻き込まれる東京から来た団塊世代の中年サラリーマン。打算や対立、憎悪や裏切り、あるいは二股膏薬や我関せず。インテリ落語家、全共闘崩れの理屈屋夫婦にえげつない商売人からスケベ教頭、俗物どもの思惑が入り乱れての大騒ぎ。
鋭い観察眼で世相をえぐった一冊。筒井康隆先生の『俗物図鑑』の雰囲気を思い出して頂ければ、かなり近いと思います(笑)
あと、主人公の付き合いのある落語家として桂米朝師匠以下、枝雀師匠、ざこば師匠等々、私でも知っている米朝一門の噺家が実名で登場。そっちの噺家さんの世界の描写のほうが面白かったりするのが困りもの(笑)

『百の眼が輝く』かんべむさし著、江口修平カバーデザイン
'97/11/20、光文社文庫、514円
9編よりなる短編集,文庫オリジナル。「傑作ホラー小説」とついてますが、ホラー・スラプスティック・ナンセンス・SF等々、いろいろな味わいが楽しめる作品集です。
「不倫の報酬」「百の目が輝く」「きったねえよなあ」「蛸の街」「世界のうちで彼らほど」「空飛ぶ棺桶」「数々の不審」「傷、癒えしとき」「髑髏パン」
ダールとかサーバーの短編がお好きだった方にお薦めできます。個人的には、スラップスティック調の学園モノ「きったねえよなあ」のエスカレーションぶりが好きです。
『ひとりおきの犯人』かんべむさし著、
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『急がば渦巻き』かんべむさし著、ナンシー関ハンコ装画
'95/8/31、、徳間書店、1553円
なにごとにつけても要領が悪く、くそ真面目一辺倒な学生時代を過ごした主人公の香取慎一は、運良く入社できた大手自動車会社の営業でも、その融通のなさが災いして直属の上司からイジメられ、悶々とした日々を送っていた。しかしそれを見かねた同僚のOLが別の課の課長に紹介してくれ、彼からアドバイスを受ける。それは蚊取り線香の収集と研究をすることだった(香取→蚊取りですね)
なんともけったいなお話ですが、語り口が鮮やかなのと、読後感が爽快なので面白く読めました。かんべ氏の書いた"おたくの薦め"のようにも読めたのですけど、聞くところによると、小説中公で蚊取り線香を19種類も集めたと書かれていたそうですから、単に蚊取り線香が好きなのかも知れないですね(爆笑)

『フタゴサウルスの襲来』かんべむさし著、沢野ひとし装画
'95/4/7、中央公論社、1500円
「ゼーンゼン本気にしなかった」「男どもはうろたえた―誕生」「ETと仏が泣き始める」「強烈、ダブル泣き」「疲労と緊迫、小さな喜び」「わずかに変化が見えてきた―生後3ヵ月」「雨は降る降る双子はわめく」「支援が必要人手も必要」「幅広バギーがやってきた―生後6ヵ月」「オール・キャスト再登場」「興奮・立腹・長いメモ」「成長がめだつ」「ああ、早くもこの季節か」「歳末ぐったり月間」「まねして、あっさり歩きだす」「三年かかると思いきれ」「ようやく1歳、危険がふえる」
実質2LDKの自宅、僕と妻と長女の3人家族。そこに双子が登場することになった。ミルクも夜泣きもウンチもみんなダブル。一人を育てるのに四苦八苦しているお父さんお母さん方、そこに双子が加わったらどうしますか。あ?、私たちのところはまだましなのかと心強くなるはずです!?
職業が作家で、双子が生まれたご家庭には大推薦するんだけど、なかなか居ないだろうな(笑)

『トロッコ』かんべむさし著、高羽賢一カバー装画
ふしぎ文学館 傑作短編集
'94/12/20、出版芸術社、1500円
「帝国ダイボー組合」「背(せな)で泣いてる」「ループ式」「原魚ヨネチ」「事件関連死者控」「集中講義」「アプト式」「言語破壊官」「道程」「ベルゴンゾリ旋盤」「スイッチバック式」「サイコロ特攻隊」「鏡人忌避」
かんべ先生のSF味の比較的強い名作短篇がこうして一冊にまとめられたのに感無量です。読み返してみてもあまり古びた感じがしないのは、書かれた当時の世相を反映した作品ではないからかも。ここらあたり、星先生の作風と通ずるところもありますね。ぜひ若い読者にも手にとってもらいたいものです。
短篇版の「サイコロ特攻隊」は、筒井康隆先生の選ばれた傑作選以外では、短編集に収録されるのは初めてかも。
『就職ゴリラ塾』かんべむさし著、
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『虹の架け橋3時のおやつ』かんべむさし著、
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『東京B・B計画』かんべむさし著、
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『課長の厄年』かんべむさし著、
'92/6/20、光文社文庫、440円
寺田喬氏は、紡績会社の東京支社で課長をつとめる普通のサラリーマン。彼が四十一歳のころから、この物語、迷いと苦しみの日々が始まった。…まず体調の不安、そして会社での上司と部下の板ばさみ、勉強嫌いの息子と老いた親。山積する問題に、もがきあえいだ末、寺田氏は起死回生の脱出法を思いついた。それは…。サクセスのためのノウハウを秘めた実用小説。
萩原健一主演でTBSドラマ化された一風変わったサラリーマンもの。高校時代、直木賞作家の源氏鶏太氏のサラリーマン小説を沢山読みましたが、それとはひと味違った変な(良い意味での)サラリーマンものです。寺田氏の出会う問題は、かんべ先生の実際に体験された問題ではないのかなぁと思います。ま、抱える問題は個々によって異なるので、この本が全面的に役立つとは思いませんけど。

『片隅の決着』かんべむさし著
'91/10/25、双葉社、1456円
覚えているか…ショクーン!我々はァ、奴らのォ、かかる暴力行為に対してェ、怒りの鉄槌をォ…異議なーし…というアジを―。あれから20年、暴走・徒労・大いなる勘違いをした者としなかった者の現在。「黙せし君よ」につぐ書き下ろし長編〈四十代残酷〉小説。
全共闘世代の主人公、有光が広告の下請で自転車操業を続けている。その有光の前に、食品加工会社に籍を置く、闘士時代の裏切り者がクライアントとして現れる・・・・・・。

『遠い街・恋の街』かんべむさし著、古茂田杏子装画
'90/11/24、大陸書房、1262円
「ベランダにて」「烏天狗」「胸に手を」「別れの記憶」「雪晴れの二人」「窓辺にて」
『黙せし君よ』かんべむさし著、ヴァンケット装幀
'90/10/25、双葉社、1400円
あの朴訥で寡黙な男、古市が死んだという。大学中退後、郷里の零細企業に勤めた。そして通勤のため乗っていた自転車ごと大型トラックの後輪に巻き込まれて。雨の中、傘をさしてのことだったという。だが、彼の友情と信頼を裏切った俺は大企業に入り、そこそこの幸せを享受している。裏切りを償うべき相手はもうこの世にいない。ひとつの時代の終焉。

『黙せし君よ』(文庫版)かんべむさし著、中山隆右イラスト
'94/6/15、双葉文庫、553円
『遊覧飛行』かんべむさし著、浅賀行雄装画
'90/7/31、徳間書店、1262円
「にわか教師」「接待」「ふたつの予知」「大受けの二人」「窓越しの二人」「本州分断」「架空神殿」「穴あけ名人」「ホントでござるか」「大成功」「転機桃太郎」「見えざる王」「針路」「留守中のできごと」「あと一歩」「深い孤島」「石を買う」「遊覧飛行」「最後の夜」
『トラウム映画公社』かんべむさし著、Cordon Art,Baan,Holland
'89/11/27、白水社、1300円
肥大した官僚機構の都合で作られた 映画公社 で、 トラウム (夢)の実現に賭ける主人公。組織の論理を前に、出番を与えられぬまま潰されていく男の半生を描く、傑作SF世代論。
『孤冬黙示録』系のシュールなダークファンタジー。自分のあずかり知らぬところで進行する物事。自分の仕事が本当に必要とされているものかどうか分からない虚しさ。ただ人数が多いというだけで切り捨てられていく団塊の世代への鎮魂歌。
『ざぶとん太郎空をゆく!』かんべむさし著、芳井一味カバーイラスト
'89/11/30、ペップ出版、1200円
小学4年生の大河内太郎は、有名塾での授業中、座禅で精神を統一していた。それを陰険な教師が寝ていると邪推し、一騒動。実は太郎は元々落ち着きのない子供だったが、幼稚園児の頃に父親の教えで座禅を組むようになり、三昧境に達するようになっていたのだ。
その後、座禅が出来る小学生としてTV出演した際に、幽体離脱が出来そうになるのだが……
子供の変身願望をくすぐる児童書。かんべ先生自身もSF作家勘弁先生として登場(笑)
出版元のペップ出版は、20世紀末につぶれてるんですが、このペップ21世紀ライブラリーは、そのラインアップが凄いです。一番手が、横田順彌先生、かんべ先生が三番手。以下森下一仁先生、堀晃先生、光瀬龍先生、豊田有恒先生、山田正紀先生(未刊)と続きます。
この本は、かんべ先生の著作の中で唯一手に入らなかったため、図書館で借りて読むことが出来ました。児童書なので、図書館で生き残っている可能性が高いです。ちなみに、このシリーズの中では、堀先生の『地球は青い宝石』は持ってます(なんと密林では、9,790円の値段が^^;)
『時空いちびり百景』かんべむさし著、藤原ヒロユキイラスト
'89/6/5、毎日新聞社、1262円
傑作ショートショート集。堀先生がハードSF調に、かんべ先生が落語風に順番に執筆。と書くといかにもですが、そんなことはありません。かんべ先生の真面目なのもありますし、堀先生の落語もあります。ま、有名SFからお題を借りてきたヤツは、たいてい堀先生のショートショートなのは間違いありません。面白いでっせ(笑)
「地獄か極楽か 太融寺」「生きている街 梅田」「アホの大将 日本橋」「幻のSL 城東貨物線」「8日間世界一周 泉大津」「ビル合体 ツイン21」「カンコウ名所 天神橋」「金魚鉢放送局 大和郡山」「長距離滑り台 芦屋」「情報ただいま参上 南港」「書店懐かし祭 大阪駅前」「最後の職人 京都・西陣」「書類鉄道 天王寺」「地獄の特訓 宝塚」「恋の紀州みかん 和歌山」「六甲酒場 灘」「誤解したGI 道頓堀」「古代潮干狩り 梅田ビル街」「無分別講話 京都・清水寺」「有馬代弁 有馬」「秀頼のたたり 大坂城」「食は天五にあり 天満」「右近の宝 高槻」「水間国際鉄道 貝塚」「大仏の怒り 奈良」「家路遠く 毛馬の閘門」「楠さんの紋所 千早赤阪村」「教会屋敷 龍野」「海の記憶 浜寺」「決戦・待兼山 豊中」「くいちがい 高野山」「新・町名保存法 船場」「スーパー・タニマチ 谷町」「子わかれラーメン 島本町」「怪盗イボイボ丸 石切」「宇宙漂流船 中之島」「無茶しよる 環状線」「孤独なマーメイド 西宮港」「彼らのルーツ 大和」「クラインのガス管 此花」「デカンショ猪 丹波篠山」「菊の女 枚方」「実況・時空下り 淀川」「地球時計 明石」「究極の民営化 北浜」「一一〇〇〇の瞳 小豆島」「そんなアホな 新世界」「川の声 大正橋」「駅前忠臣蔵 山科」「?真〟幹線 新大阪」「ネオンのごとく 北新地」「竜のおとし玉 能勢町」「シャボテン哲学 道修町」「屋根裏のハッカー 守口」「Xの喜劇 住吉」「デンターでござる 北千里」「玉ネギ秘話 泉州」「降車専用 地下鉄御堂筋線」「茶色の小瓶 大阪・福島」「定期便就航 八尾空港」「健闘を祈る! 深江」「地球の緑の丘 生駒山」「明治ネズミ小僧 太秦」「入れ子池 伊丹」「サンプル&サンプル 道具屋筋」「よせ鍋街道 京都・美山町」「礼は酒にて 夙川」「時期はずれ 富田林」「航空写真 帝塚山」「ジャズの本場 甲子園」「名は体を表わす 松屋町」「第二次宇宙戦争 大和高田」「変身天狗 鞍馬」「シリコン伝説 信貴山」「善意の過失 信楽」「宇宙まいりは 大東」「『普通名詞』首尾一貫 馬場町」「触覚地図 十三」「照顧脚下 堂島」「滅亡の真相 メリケンパーク」「汗と霊感 石清水」「大文字異変 京都」「真夏の夜の夢 松島」「孤島黙示録 淡路島」「見たら嫌 安治川」「吾輩は水である 柴島」「負けてへんな 阪急南茨木駅」「猫だんじり 岸和田」「尼の招待席 尼崎」「新・近江八景 琵琶湖」「十分です! 清荒神」「妖異白鷺城 姫路」「犯行の動機 私市」「『猪の胃』殺人事件 池田」「ソコがわからん 猿沢池」「地文教室 四ッ橋」「そんな殺生な 京橋」「宇宙ドライ戦争 吹田」「花嫁の父 鈴蘭台」「上方銀河鉄道 片町線」「けなしあい 加賀屋」「猿と本質 箕面」「恐妻家 川西」「四季の街 大阪」「自画自賛 関西」
『日の本一の果報者』かんべむさし著、
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『妄想特急』かんべむさし著、
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『』かんべむさし著、
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『太平放送24時』かんべむさし著、
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『同姓同名逆人生』かんべむさし著
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『孤冬黙示録』かんべむさし著、佐藤道明装幀
'86/5/20、中央公論社、1600円
閉ざされた厳冬の小都市=悪夢的終末世界の精神市街戦―理不尽な抑圧と暴力の包囲に極限まで追いつめられた男は、失われた原過去を、そして再生の春を求め、都市の深層構造に秘められた謎に挑む超SFの力作書下ろし長篇
小学生のころに暮らしていた新潟市の中心部を舞台にした観念小説。社会人という立場上発散させられない怨念が噴きだしたように感じたのですが。サラリーマンをしていた親友が、大絶賛してします。
『大江戸馬鹿草子』かんべむさし著、田代卓装画
'86/1/25、講談社、1000円

『環状0号線』かんべむさし著、佐々木侃司イラスト
'86/10/25、新潮社文庫、360円
「高い街」 「王様の知恵」 「デスク・カレンダー」 「泣面に蜂」 「夏の幻影」 「地獄耳」 「終りの始まるとき」 「環状0号線」 「近頃の若い者」 「とらぬ狸の皮算用」 「さしがね」 「焼きそばにビール」 「停止セズ」 「夢の銀座」 「昇進」 「牧野氏の災難」 「夢の歯科医」 「成長」 「旅の恥はかきすて」 「未決の夜」 「古傷の街」 「狙われて」 「二十歳の買物」 「栃ノ木峠」 「中華商業中心」
「成長」は、かんべ先生お得意の“まねっこ”ネタの究極版。自己真似を極めた主人公の行く末はというアイデアで読ませます。
「歯科医」。かんべ先生は疲れると入試の夢と歯が抜ける夢を見られるそうな。商売柄私も見ます(笑)
表題作は、知らない高速道に入ったら、雑誌でしか見たことのないクラシックカーが沢山走行していたという……
『笑い宇宙の旅芸人』かんべむさし著、山下勇三イラスト
'86/9/30、徳間書店、2900円
「SFアドベンチャー」'82/8?'86/4連載
必ず、絶対に、一人の例外もなく笑う"究極の笑い"とは果たして存在するや否や!?古今東西あらゆる笑いの集大成。全日本爆笑作家クラブ会員・京極花麿、新進噺家・桂じてんしゃ、そしてスラプスティック芸人志望・ドクトル・デメンチアを案内役に、勇躍、笑街道へ足を踏み入れて……
連載中はよく分からなかったんですけど、考えつく限りの笑いのパターンの集大成の感あり。パターンと言うとかんべ先生に怒られるか(笑)でも、かんべ先生じゃないと書けないたぐいの笑いの研究書・学問書であることは確か。
第7回日本SF大賞受賞作でもありますが、その実験的試みが作家仲間に評価されての受賞なのではと感じました。SF方面で実験的な小説というと、筒井康隆先生とか神林長平先生あたりが先駆者と思いますが、全く違ったベクトルでの実験小説だと思います。
第1章 まず3人が旅立ちます
第2章 次に出会って別れます
第3章 そして道中のあれこれ
第4章 さらに道中のいろいろ
第5章 やっと再会を果たして
第6章 さてそれからの試し旅
『むさし日曜笑図鑑』かんべむさし著、佐々木侃司カバー
'85/10/25、新潮文庫、320円
「僕の日曜史――まえがきに代えて」
「鯛釣り」「地名の混同」「休日の服装」「片道サイクリング」「健康増進計画」「ウンコちゃんの話」「マニアの思惑」「コンピューター占い」「意地悪ルーカス」「うどん屋の珍客」「京の錯覚」「マッチのレッテル」「SF作家と血液型」「船旅のススメ」「有馬ドガチャカ宴会」「運ちゃん語録」「進駐軍の思い出」「噺家の言葉」「実用品愛好症」「聞書のぞき談」「セールスマン考」「けったいなCM」「それぞれ誰だ?」「わかっとらん奴」「異装出勤」「頼りない教師」「そのあとが心配」「祝御結婚」「ぶらり見物談」「忘年会願望」「本年最後的原稿」「新春阿呆カルタ」「肩こり解消法」「UFOの夢」「受験勉強改良案」「ポルノ大量療法」「雪なのであった」「主婦の内職」「怪しい指輪」「スッキリせんのよ」「へ?」「新入社員の頃」「花見じゃ花見じゃ」「私家版・宴のあと」「恐怖の980円」「吉朝時空噺」「二日酔いに思う」「ワープロを買った」「いまのところ異常なし」「社長社長と……」「吉本のパターン」「梅雨の思い出」「コインの混合」「殺人教科書」「合宿余話」「焼酎ブーム」「純白の男達」「香港駆け足情報」「怪談三話」「往来抱きつかれ体験」「ギャルの目が怖い」「大丈夫ですか?」「続・大丈夫ですか?」「楽しき大工仕事」「競走と競争」「僕は予言者」「セコいオハナシ」「地下街の人々」「食い物屋の恨み」「連想ゲーム」「更生しなはれや」「ムカつく奴やナ」「忍術大名人」「ラジオ愛好症」「正月不感症」「新春牛尽くし」「誕生日」「下町のゲッベルス」「求人情報」「スタイリスト」「不思議な電車」「本部と事務所」「中小企業作家」「懐かしきテレビ番組」「卒業式の哲理」「本の洪水」「通販道楽」「あとがき考 」
『巡回洗脳班』かんべむさし著、
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『ひらめきの技術』かんべむさし著、たむらしげるカバー
20奇譚による発想教室
'84/7/31、光文社、680円
第一講
「調査式人物判定法―いかに人を見ぬくか」「区間急行型出世術―いかにスマートに怪談をのぼるか」「チリもつもればカネとなる―いかに楽して貯めるか」「自己改造変技術―いかに弱気の虫を追い出すか」「ストレス社員処遇法―いかに巧みに労務管理するか」「オレ まねっこ大将―いかに脱サラに成功するか」「すばらしき職業選び―いかに親は安心して老いるか」
第二講
「諸君 計算せよ!―数字にこだわりぬいてみる」「大阪オモロトピア―価格と価値の釣り合いをこわしてみる」「コロンブスをとっちめろ―水平思考でやってみる」「アナデジ観察論―主観時計を内蔵してみる」「駄目でもともと雑談会―ブレーンにストームをかけてみる」「すっとび昌子の無意識論―瞑想法でやってみる」「ロボット工場員―その悩みをきいてみる」
第三講
「はひふへほ哲学―常識の壁を破るには」「現実を歩く―夢を利用するには」「歴史はまわる……のかな?―宇宙で時間を考えるには」「総統の告白―支配者を見ぬくには」「悪魔の企画―天が落ちてくるのを防ぐには」「片隅の人びと―どっこい生きてひらめくには」
『すっとび晶子の大跳躍』かんべむさし著、佐々木侃司カバー
'86/8/10、中公文庫、380円(単行本'83/10月刊)
『お爺さんの宇宙』かんべむさし著、
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『勘違い閉口坊』かんべむさし著、
『38万人の仰天』かんべむさし著、河村要助装丁
'82/11/30、朝日新聞社、1200円(「週刊朝日」連載作品)
『原魚ヨネチ』かんべむさし著、佐々木侃司装画
'87/8/15、講談社文庫、420円(単行本は'81/5月刊)
収録作:
「牢名主」「鏡入忌避」「ループ式」「父からの手紙」「議事ひきのばし」「アプト式」「事件関連死者控」「そらあかんわ戦記」「スイッチバック式」「貸借対照日」「原魚ヨネチ」
『むさし方眼鏡』かんべむさし著、古川タク装幀
'81/11/27、講談社、980円
「知人友人本人他人」「喜怒哀楽のアラカルト」「私考・大阪24時」「諸病百般しろうとカルテ」
『SF街道二人旅』堀晃・かんべむさし共著、柳田国男カバーイラスト
'86/3/15、徳間文庫、460円(単行本は'81/8月刊)
収録作:
「入門あれば出門あり―巻頭対談」
Ⅰ.ちかごろの短篇「百貨売/かんべむさし」「暗い星相/堀晃」
Ⅱ.あのころのレポート「暗黒の祭り/堀晃」「SHINCONレポート」「SHINCON報告」
Ⅲ.そのころのエッセイ「広告屋的SF作法/かんべむさし」「SFマトリックス覚書/かんべむさし」「未来のプロフィル/堀晃」「SF入門・カラオケ盤/堀晃」「なんだかんだ福袋/かんべむさし」「エッセンシャルSF/堀晃」
Ⅳ.このころの作品「はのばべる/堀晃」「すてろたいぷふぇいす/かんべむさし」「ドリーム・コンタクト/堀晃」「絶対鉄道確実線/かんべむさし」
「門を出でて再び門に入る―巻末対談」
『ベルゴンゾリ旋盤』かんべむさし著、北田てつやイラスト
'81/11/30、徳間書店、980円
収録作:
「幕閣あるかろいど」「白い夢」「憎むべしペロ」「メイド・イン・・・」「ズーミング・アップ」「徘徊者」「人気男」「あにそと」「夜桜武士」「石黒氏の飛翔」「ベルゴンゾリ旋盤」
『メイド・イン……』かんべむさし著、佐々木侃司カバーイラスト
'87/4/15、徳間文庫、440円
『ベルゴンゾリ旋盤』改題
『集中講義』かんべむさし著、楢喜八装幀
'80/10/10、文藝春秋社、980円
「集中講義」
「なんにも専務」
「電話監房」
「どこかで誰かが」
「ほら、涙なんか」
「帝国ダイボー組合」
「クーリェ交替」
「哀しきトマホーク」
「カセット飛んだ」
「人は彼に似せて」
「おもいつき作戦会議」
「最終バス」
「市民戦争の予感」
『言語破壊官』かんべむさし著、真鍋博装幀
'80/6/30、朝日新聞社、980円
「スリム大佐の回想」「意地張月」「言語破壊官」「頼母子島」「サテライトDJ」「表通り」「漫才死」「スペオペかえるとび」「試験の多い学校」
『むさし走査線』かんべむさし著、佐々木侃司カバーイラスト
'81/11/15、徳間文庫、340円(単行本は'79/3月刊)
Ⅰ
「動けば食える」「先入観はいかんです」「地下街を歩く」「好きなことをした三年間」「のんびりどうぞ」「好きな酒嫌いな酒」「阿呆やがな」「トクした話」「なんとかならんのか」「イエロー・サブマリン」「湯村温泉宴会旅行」「急いでるんですすいません」「種々雑多断片的」「少食僅便浅眠」「信州駆足旅行プラスα」「オフィスでの冗談」「個性について」「心ある貴女へ」「馬鹿な女がいるもので」「ちょっといっぷく① 仕事とタバコ」
Ⅱ
「軽くごろよく覚えやすく」「商売道具大公開」「手をとりあっての仲」「連通管コンビ賛江」「朝寝も楽じゃない」「手紙・電話・訪問」「ブームの功罪」「筒井さんのこと--『おれに関する噂』解説」「小松さんのこと--『物体О』解説」「山田さんのこと--『弥勒戦争』解説」「あんな世界を書きたいのだが」「やじうまメモノート」「ちょっといっぷく② 未成年者とタバコ」
Ⅲ
「SFは関西に限る?」「ぬりつぶし」「裏がえし結婚心得帳」「クッキング・ノート」
「ちょっといっぷく③ 女性とタバコ」
Ⅳ
「対談 山田正紀VSかんべむさし」「対談 横田順彌VSかんべむさし」
『公共考査機構』かんべむさし著
'85/7/15、徳間文庫、440円(単行本は'79/7月刊)
『スパイの内幕』かんべむさし著、
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『社長室直属遊撃課』かんべむさし著、佐々木侃司装画
'82/6/15、講談社文庫、360円
「社長室直属遊撃課」「読書日記」「SSキット」「守るも攻めるも」「問題児」「たれながしそおらす」「車掌の本分」「体験療法」「知らんもン」「あくび多くして船」「象のいる世界」
『むさしキャンパス記』かんべむさし著、佐々木侃司カバーイラスト
'82/12/15、徳間文庫、340円(単行本は、'79/11月刊)
1,
「受験生から大学生へ」「勉強しなけりゃ損である」「春はよいよい桜の下で」「みんなそれぞれマジメであった」「地下室の仲間たち」「初めて初めて初めてなのよ」「試験なんていいかげん」「アイ・ライク・ペーダー」「飲んで、歌って、芸をして」「コンパ・ソング総まくり」「女の子、オンナノコ、おんなのこ」「プロになれると言われたバイト」
2,
「乱読乱読メモ紹介」「ああ懐しの下宿街」「名言迷言銘言集」「心に残るあのメロディー」「三人組ぶつぶつノート」「サンストどたばた録(1)」「サンストどたばた録(2)」「シャレありマジありオロカあり」「記念祭の夜はふけて」「伝説・疑惑・七不思議」「プロの世界をかいまみた」「あわーい昔とひどーい今」
3,
「続・名言迷言銘言集」「モメたよモメたまたモメた」「通い・うろつき・いりびたり」「あせり夢バカ夢ぶきみ夢」「ドン・ディエゴの日々」「後輩列伝勝手に失礼」「勉強せぬゼミさぼりつつ」「広告屋になれた!」「学生社員、街をいく」「仲間たちはいま」「大学生というものは」「最後の最後に救急車」

『上ヶ原・爆笑大学<新版むさしキャンパス記>』かんべむさし著、高木和美装
'98/4/7、ヒューマガジン、1429円
「勉強好きそうな顔しとらんな」との教師の一言にかんべむさし氏奮起。昭和41年、見事関西学院大学に合格、大学時代は「クラブが優先」と広告研究会に入部、もっぱら地下の部室へ日参した。おりしも、大学紛争真っ只中、かんべ氏がどんなキャンパスライフをおくったのかが、当時のノートをもとにヴィヴィッドに再現。
『むさしキャンパス記』の訂正・追加版
私の大学入学は、昭和45年。かんべさんが、新入社員として力仕事をこなして貢献された万博を友人と見に行きました。
当時、動く歩道で事故があり全国ニュースで流れたんですが、あの事故にあった人たちは、うちの町内の御一行様です(笑)
『水素製造法』かんべむさし著、和田誠装幀
'78/6/10、徳間書店、980円
かんべむさしミニミニSF展示室
標本棚1 あれこれ14個
「手錠」「ピストル」「ナイフ」「薬物」「盗聴器」「棍棒」「コード・ブック」「鍵」「贋札」「ドス」「鑑定書」「弾丸」「モービル」「錆だらけ」
標本棚2 いろいろ8種類
「跳躍」「追悼インタビュー」「結婚ごっこ」「恋の往復便」「校長先生とキューピット」「テレビの神」「金太郎変化」「甘い宴会」
標本棚3 とりそろえ9品目
「水素製造法」「貴様と俺とは」「何もしない会」「発散センター」「メニュー・サービス」「征伐パック」「百年の恋」「裏遊園地」「パジャマでお邪魔を」
「結婚ごっこ」
選び抜いた相手と結婚ごっこ。会社の人たち、近所の人たちを何十年もだまし続けたが……。落ちが秀逸。でも、生きている間は十分楽しめたんだから、それで十分じゃないのという気もします。私なら満足だなあ(笑)
「水素製造法」
勉強のできない文系学生が就職試験に臨み、試験問題の「水素ガスの製造法を述べよ」に対し、国語辞典のみを参照して回答しようとするが……
話題になった京大のカンニング事件の時にも、Twitterでこのショートショートのことがつぶやかれていました。いやぁ、あれはあれで理屈としては合っていると(笑)
「征伐パック」
普通のパック旅行には飽き飽きした男が参加した“征伐パック”とは、餓鬼を征伐するツアーだった。読み終わるとじわりと怖くなる一編。
『笑撃空母アルバトロス』かんべむさし著、佐々木侃司装丁
'78/4/20、角川書店、890円
ふとしたきっかけで、俺は一ヶ月の間の海上生活をロハで楽しむことになった。しかも少尉待遇で、軍艦に乗れるときた。ところがその軍艦は、原子力空母エンタープライズにそっくりだが、実は諸般の事情から世に出なかった双子の空母らしい。その空母、国連旗を掲げたアルバトロスに乗ってみたら米中ソの3人の指揮官がいて、小さなことを国際問題とからめて連日大論争なのだ(笑)
そのうちに5000人の雑多な人種が集まった艦内は、美人少尉の登場を契機に世界の縮図のような内部分裂が始った(爆)
これはかんべさんがロハで乗ることができた最初の船旅が基となっているんでしょうね。
空母の出自のもっともらしさとか、いかにもありそうな誇張した人間関係とか、クスクス笑いながら読んでしまいました。
『宇宙の坊っちゃん』かんべむさし著、佐々木侃司カバーイラスト
'86/9/15、徳間文庫、460円(単行本は、'78/12月)
収録作:「宇宙の坊っちゃん」「将棋だおし」「三十一年の教室」「馬鹿な人ね」「CARTOON MIX」「マニアの武蔵」「パンダ・マスク」「死闘」「通夜旅行」「女子大生火事場論理」「ふくろう放送局」
「宇宙の坊ちゃん」
地球代表団に同行した宇宙パイロット・坊っちゃん。行く先々の失敬千万な異星人の態度に、怒りが頂点に(笑)“宇宙版『坊っちゃん』”
「馬鹿な人ね」
女性だけが知る謎の四文字語。それに拘った男の行く末は……
たしか、J・E・ガンの短篇に似た趣旨のものがありました。男にとって女はやはり宇宙人なのかも(汗)
「CARTOON MIX」
懲りに凝ったグラフィックスで書かれたショートショート。現在の携帯の絵文字などを見るに付け、かんべさんの先進性には驚かされます。
「通夜旅行」
わはは、そんな馬鹿な(爆笑)社員旅行中に死んだ社長。そのまま社員旅行を続ける部下達。もの悲しくも心暖まる(笑)珠玉の短篇。これも噺家さんにやってもらいたいものです。
「ふくろう放送局」
30数年前、多バンドラジオで海外放送をワッチされていて、それが元となった短篇。今でも警察無線とかを聞く受信機が販売されていて、それなりの需要があるそうです。みんな聞きたいんだなぁ。
『居候浮始末 いそうろううかれのあれこれ』かんべむさし著、畑田国男装丁
'78/8/30、角川書店、980円
雑誌「野生時代」に掲載された連作短篇集
「失せ太鼓」「ぞろぞろ弁慶」「くっつき三人衆」「追いかけ鯰」「さきぶれ奴」
東京青山の新婚夫婦の愛の巣。そこに飾られた旅行土産の色鮮やかな大津絵。ところが壁にこの絵を飾ったばかりに、雷様を皮切りにヘンテコなヤツが続々と身の上相談を持ちかけてくる……
落語的なおかしさに溢れた短編集。噺家に演じてもらうとさらに面白くなりそうです。
『建売住宅温泉峡』かんべむさし著、楢喜八カバー
'81/1/25、文春文庫、320円(単行本'77/11月刊)
収録作:「建売住宅温泉峡」「しつこい宇宙船」「田吾作モップ」「氷になった男」「方角ちがい」「新じゃぱん蚕」「斬る」「赤ちゃんをどうぞ」「旗本御多忙男」「早朝特急クラブ」
「建売住宅温泉峡」
“新築分譲格安値ローン可電乞早勝”の煽り文句に、岩が突き出ているために、一階が狭いという住宅だったが、背に腹は替えられず飛びつくようにして購入した。その建売住宅一階からに温泉が噴き出たから、さあ大変。自宅を公開したら、週刊誌の記事までとび出す始末。全国津々浦々から押すな押すなの遊山客の大軍が(笑)
「新じゃぱん蚕」
何でももりもり喰って成長する遺伝子操作された蚕とは。戦後成長期の日本ですなぁ。ラストは現在の日本の姿か(泣)
「早朝特急クラブ」
乗車率250%の通勤列車からお馴染みさんが消える日。朝の通勤ラッシュが、気持ちの持ちようで心のオアシスとなった理由は、そのお馴染みさんにあった。
『ポトラッチ戦史』かんべむさし著、佐々木侃司装幀
'77/4/16、講談社、890円
収録作:「ポトラッチ戦史」「ママが死んだら」「家族同好会」「勤務時間」「赤裸々なる将軍」「いかがでしょう」「ビジネス・タレント」「還らざる彼ら」
「ポトラッチ戦史」
ポトラッチという儀式を有名にしたのはモースの『贈与論』で、元々の意味は「食物を供給する」とか「消費する」ことであるそうです。アメリカ西部の先住民の酋長たちは、祝祭の場において、「相互に交換する贈物の量」、「部族民に対する贈物の量」、「破壊する財の量」で競争し合う。もし同等あるいはそれ以上の贈物を返せなかったり、同等あるいはそれ以上の財産を壊せない時、その酋長はポトラッチの敗者となり、面目を失うのだそうです。作中では、コロンブスがポトラッチの風習を西欧諸国に持ち帰り、それが大国間のポトラッチ戦争に発展する様が面白おかしく書かれています。
ブランド大好きの日本人は、庶民レベルのポトラッチ競争にどっぷり浸かっているのかも知れませんね。
「ビジネス・タレント」
ビジネス・タレントとは、商取引の世界を舞台にして演技をするタレントのことである。企業からお呼びがかかると、その企業のニーズに応じた切れ者の商社マンを演じたり、やり手課長を演じたりするのだ。堀晃さんが解説で、“実際に勤務したことがある広告代理店を舞台にした「追い越された時代」の主人公よりも、ありそうでなさそうな奇妙な業種「ビジネスタレント」のうっちゃんの方がはるかにヴィヴィッドに描かれている”と書かれています。これは正にその通りで、私なんかはむしろ、なさそうで実は有ったりする業種じゃないかと思いました(笑)
というか「俺はロンメルだ」でも感じたのですが、かんべさんはサラリーマンの仕事は、ほとんどがパターン化できて、それを踏襲すれば業績を上げることは難しいことではないと感じていたのではないかと。まあ、かんべさんクラスの分析・応用の効くサラリーマンじゃないと無理な感じはするんですが。
『サイコロ特攻隊』かんべむさし著、楢喜八カバーイラスト
'76/7/31、早川書房、870円
処女長編。SFM'75/12月号に掲載された同名の短篇の長編化。第8回星雲賞受賞作品。
国防省、統合参謀本部の最年少中将になった伊東瑞穂は、周囲の人間を憎んで、その憎しみをエネルギーとして仕事をこなす人間だった。
ある日、東南アジア諸国がAJAF(反日連合軍)を結成し、対日断行・経済封鎖を宣言。タンカー、貨物船が次々に撃沈され、生活必需品も逼迫し、第二次大戦中のような事態に突入した。
この事態を何とか打破しようとした政府に対して伊東は、可能な限り少ない人間の犠牲によって、その他の多数の人間が助かる方法を進言する。それはコンピューターによってランダムに選ばれた「特攻作戦」要員の選出だった。そして選ばれた人たちは、「サイコロ特攻隊」と呼ばれた。
作中で、日本が国際社会の暗黙のルールを守らず経済活動に邁進しているのを揶揄するところが出てきますが、これ今の中国にそのまま当てはまったり(笑)まあ中国は資源大国でもあるので(それでも人口比では足りない)少し違いますが。
現在の津波・原発被害下の日本の状況とも重ね合わすことが出来て怖いくらいです。この理屈を借用すると、何千人かの軽い被爆者を出すより、数十人の特攻隊を無作為に選んで死ぬまで働かせるほうが良かろうということに。
まあ、本当に怖いのは、例えば自動車事故が怖くて自動車は運転しないという人が少数派のように、原発による被害も、被害にあったらしょうがないという風に、事態が風化してしまうことなのでしょうが。
『俺はロンメルだ』かんべむさし著、佐々木侃司カバーイラスト
'80/10/15、講談社文庫、300円
収録作:
「ならやま審議会」「見えるみえる」「子宝船の出発」「逃げる」「心がわり」「まわる阿弥陀仏」「記憶の欠落」「蛸足エレジー」「伸びるのびる」「俺はロンメルだ」「道程」
「俺はロンメルだ」
俺の勤務している株式会社ペンタブレーン社は、社員が5人のアイデア・ゲリラの集団だ。純粋にアイデアだけ考えて、それを業界に売り込むという一風変わった商売をしており、社員もたとえばジャズ、落語、発明、軍事などに精通したマニア集団なのである。
小はCMのアイデアから、大は市街地開発の構想まで手がけていたが、更に業績を上げるため、各々が自分の傾倒している有名人になりきることになった。エジソン、サッチモ、桂春団治、そして俺はロンメル元帥。その人物になりきることで、以前よりさらに奇抜なアイディアを産み出していったが……
かんべさんのこういうアイデアを読むと、世間に知られてないだけで、誰でも真似してやっているんじゃないかと、ふと思う。勝間女史のビジネス本よりずっと役に立つと思うのだけれども(笑)
「伸びるのびる」(初出は'74年のNULL2号)
ろくろっ首の殺人犯を絞首刑にする話。
かんべさんの特徴の一つでもある、エスカレーションの妙味が発揮された怪作(笑)
『決戦・日本シリーズ』かんべむさし著、楢喜八カバーイラスト
'76/6/15、ハヤカワ文庫JA、250円
収録作:
「まわる世間に」「背で泣いている」「追い込まれた時代」「決戦・日本シリーズ」
解説は、筒井康隆氏(笑犬楼さま)
「まわる世間に」(SFM'76/4)
サラリーマンの主人公が、酔った勢いで出す得意芸“交通標識回り”(横にした大車輪状態)。ひょんなことからTV出演することになり、あれよあれよという間に全国規模のスポーツ、ポーリングとして席巻していく。
マスコミを舞台とした、ナンセンスとドタバタの極致。この手の面白さは文章にしたときのリズム感もあって、説明しづらいので読んで頂くのが一番。ポーリングのブームがどこまでもエスカレートしていく様などは、正に快感(笑)
エスカレートするといっても、オースン・スコット・カード氏の「無伴奏ソナタ」のような作品を想像してもらっても困りますけど(爆)
「背で泣いている」(SFM'75/7)
何でも揃った車輌内に居て、そのことに何の疑問も持たなかった男が降りた駅は……
人間はみんな桶を背負っていて、ちょっと刺激を加えてやると、桶の中からその人の抱えている人生の重しが垣間見えるという。
SFマガジンに載った時、その異様な迫力に圧倒されました。この時初めてかんべさんの年齢(27歳)を意識して、若いのに目眩がしました。これだけ人生を客観視できる人が二十代とは。やはり広告業界で鍛えられて、読者が感激することなどは、パターン化して自家薬籠中の物とされているのでしょうか。
「追い込まれた時代」(SFM'75/10)
誕まれながらの制作マンと称される原田は、今日も突然入ったCMの仕事を無事にこなし帰宅しようとして渋滞に気が付く。しかたなく歩いている途中、彼が見たものは、淀屋橋の交差点上空に浮かんだ巨大な旧式軍艦であった……
あのですね、ウィリアム・ギブスンの短篇で「ガーンズバック連続体」(『クローム襲撃」』所載)という短篇がありまして、それを読んだときに真っ先に思い出したのがこの短篇なんですよ。最初読んだときは気が付かなかったのですが、時代を先取った感覚というか感性には、ギブスンもびっくりでしょう。
「決戦・日本シリーズ」(SFM'75/1)
早川書房のハヤカワ・SFコンテストに応募、選外佳作を受賞した作品。
大阪市のスポーツ新聞社が、発足25周年を記念して企画したイベント、それは“リーグ優勝した阪急ブレーブスと阪神タイガースが、日本シリーズで戦い、その結果敗北した方の会社の路線を、勝利した会社の電車が凱旋走行する”というものであった。
地元民でなかったので、ちょっとピンと来なかったかも(笑)
「阪急が勝利した場合」と「阪神が勝利した場合」の二つの結末に分かれているのは、SFマガジン掲載にあたり、応募作を書き直したため。
[雀部] |
すみません、ブックレビューまだ進行中です(汗)ご著作の完全なリストは、かんべ先生のホームページにあります。
今月は、かんべ先生のご講演と著者インタビューも掲載していますので併せてお読み頂けると嬉しいです(笑) |
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