 |
(1)ホワイティ梅田(阪急百貨店南) ダメサラリーマンの「おれ」は、中小機械メーカーを辞め、百科事典のセールスマンとして梅田地下街に立つことになった。 阪急デパート南側にいた時、急に周囲のシャッターが降りて、多くの人が地下街に閉じ込められる。地下街は「チカコン」というコンピュータで制御されている。故障したのか。シャッターが不規則に開閉し、そのたびに地下迷路が出来上がり、人たちはバラバラに分断されていく。
|
 |
 |
(2)HEP5の地下レストラン おれは知り合った医大助手の青年と、レストランで見つけたワインを飲んでいた。青年は、チカコンは故障ではなく、何かの目的で人を選別しているのではないかという。話の途中で、食糧を探しにきた暴漢たちに襲われ、おれたちは南北に分かれて逃げる。(←シャッター閉まってます) (右は曾根崎署の真下あたり。「元板前」が包丁を持って襲ってきます。曾根崎署の拳銃を持った警官もグループにいたはず。) |
 |
|
|
|
|
|
|
 |
(3)阪急三番街 ホワイティ梅田を北へ、JRの北側、三番街まで逃げた洋品店で、おれは怯えていた女と知り合う。 (シャッター、最初は右側の幅1mくらいの細いのだけ開くんですね)
|
 |
|
|
|
 |
(4)三番街北端のレストラン おれと女は、三番街の北端、人工滝の奥にあるレストランで暮らすことになった。食糧は時々エレベーターで降ろされて「支給」される。少数の人たちが分散して生きていた。1年近く経って、女は子供を産み、息絶えた。その子は胎児がそのまま大きくなったような容貌だった。おれはその子をゴローと名づけた。ある日、おれは不思議な衝動にかられて、地下街の北端から南端を目指したくなり、ゴローを抱いて出発した。 ←は阪急沿線おしらべ係 │ 阪急電鉄株式会社からお借りした「滝のあるまち」(地下街に滝があった時代の)写真。 |
 |
|
|
|
 |
(5)地下鉄梅田駅・南改札口 ゴローは不思議な能力を持っていた。普通には歩けぬ三番街の迷路を最短のコースで抜け、地下鉄梅田駅のホームを北から南へ抜け、改札を出たところでは、ロッカールームに作られた秘密通路を「発見」して、阪神百貨店の西側に出た。そこで医大の青年と再会する。
|
 |
|
|
|
 |
(6)地下鉄西梅田 おれたちは阪神の北側通路を西へ進み、地下鉄西梅田のあたりまで移動した。そこで地下通路を埋め尽くネズミの大群と遭遇する。ネズミはとつぜん向きを変え、桜橋方向に走り去った。
|
 |
|
|
|
 |
(7)桜橋出口(駅前第1ビル西端) おれたちはそこで信じがたい光景を見た。 (北新地入り口から堂島方面へ。ガイド役の堀先生、芝崎さんありがとうございました。)
|
 |
|
|
|
 |
執筆は1978年(46年前)。その後の大きな変化は、 1995年ディアモール大阪オープン 1997年ハービス大阪など(西梅田地下道延伸) 2001年ヨドバシカメラ(地下階と連結) 2013年グランフロント大阪(ルクア大阪/南館地下と連結) 2023年うめきた新駅(大阪駅地下ホーム) その他、大きな改造などは、 ・防災上、HEP5や第一生命ビルもディアモールなど「地上と直結」空間が設けられた。 ・アリバイ横町(各都道府県の土産物店)、ぶらり横町などが姿を消した。 ・うめきた地区とJR南側(JPタワー・ハービス等)とは、地下通路ではつながらないらしい。うめきたエリアは基本的に、地下ではなく空中通路で結ばれるようである。 ・地下街は東西には広がったが、南北(三番街~ドーチカ)は昔のまま。 ・(地下ではないが)地上、御堂筋北端の「換気塔」(アクトデザイン凛太郎のブログ)は村野藤吾の傑作。当時は周囲に何もなく、巨大な宇宙船が御堂筋に突き立った、そのノズルのように見えたものだった
|
 |
左『梅田地下オデッセイ』堀晃著、加藤直之カバー 1989.2.25、ハヤカワ文庫JA、460円(絶版)
右『大阪ラビリンス』有栖川有栖編、景山徹カバー 2014.9.1、新潮文庫、630円 「梅田地下オデッセイ」収録
ガイド役の堀先生が「当時はもう世代型宇宙船が舞台のSFを書く時代ではなくなってきていたので、その代わりとして隔絶された地下街を舞台にした」と。 |
 |