粗筋: 杏子八歳。二歳年上の洋平と、スケッチブックとラジオを持って大和郡山にハイキングに出かけ、そこで初めて見る《帚星》の姿に身を震わせた。 証券会社に勤務する27歳の久保杏子は、証券会社で数理解析の専門家(クオンツ)として、新しいシステム構築に従事していた。かつて同じ会社に勤めていた社員の娘文音が、仮想社会―BREATH―で自由に遊ぶのを助けるために、《BREATH》に自分の分身をつくることになった。《BREATH》のなかの杏子は、野下洋平という男性と運命的な出会いをする。野下洋平は、現実世界の杏子が15歳のときにほのかな恋心を抱いた青年だった。お互いに思いを伝えることなく、そのまま離れ離れになってしまっていたが、彼への深い尊敬の念に包まれた特別な感情は、10年以上たった今でも常に杏子の心の奥に存在していた。《BREATH》の杏子は、現実の杏子とはまったく違う道を歩み、ラジオのパーソナリティとして活躍している。そして、その世界で野下洋平の分身に出会い、まるで現実の杏子の思いを投影するかのように、思いを深めていくのだった。そして物語は杏子の子供・孫の世代までと、思わぬ展開をみせていくのだが…… TOKYO FMとコラボレートした長編小説