雀部 |
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林譲治さんなんですけど、最近絶好調ですね。<侵略者の平和
三部作>や『暗黒太陽の目覚め(上・下)』とか。野尻抱介さんと並んで、ハードSF系の記述が安心して読める作家だと思われませんか? |
彼方 |
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本当にそうですね。普段忘れられがちな兵站部門や、一見不合理とも思える設定に関しても歴史的経緯を踏まえて、しっかり考察されているので、物語のリアリティさが他の小説と比べて全然違います。で、林譲治さんというと、林[艦政本部開発部長]譲治として活躍していた印象が強いので、作風もあって野尻抱介さんというより、谷甲州さんを思い浮べます。 |
雀部 |
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確かに谷さんも科学的な記述はしっかりしていて安心して読めるんですが、私は谷さんというと、土木系SFの印象が強くて〜(笑)
さて林譲治さんの最新刊『大赤班追撃』なんですけど、私は真っ先にグラント・キャリンの『サターン・デッドヒート』を思い出しちゃいました。木星と土星という舞台の違いはありますが、宇宙船同士の競争、最後は相手を助けるところなんか。 |
彼方 |
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そう言われるとそうかも。何せ、『サターン・デッドヒート』読んだのが、かなり昔なので思い出せませんでした。宝探ししてくれれば思いついたかも(^^;。
確かに、宇宙船同士の競争の描写は、両作品ともさすがと思わせる所がありました。
どちらかというと、人物描写の方に気がいってました。林譲治さんの作品に出てくる登場人物って、一見天然ボケだけど、実はすごいキレ者とか、妙にシニカルな人とかが必ず居て、その人たちの会話で笑わせてくれるなと。で、さっき言った様に、谷甲州さんを思い浮べながらも、そこが林譲治さんの作品の魅力かなと思います。 |
雀部 |
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あのお父さんですか。いつも娘にやり込められているという(笑)
で、あの艦長なんですが、私はちよっとやりすぎのような気もしました。いくらなんでもあそこまで無能な艦長というのはちよっと(笑)
《シーフォート》とか《オナー・ハリントン》シリーズを読むと、まあどっこいどっこいの艦長も出てきますから、そういうもんなのかも知れませんが(爆) |
彼方 |
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城崎宇宙軍大将とか綾ちゃんが、頭に有ったのですが、父さんもそうですね。
でも、特に綾ちゃんは底が知れません。木星環境料理を作ってみるあたり(^^;。
木星環境下でドリップしたコーヒーは、本当に美味しいのか試してみたいですが。
ハメル艦長はねぇ(^^;。艦長を出世のためのワンステップとしてしか考えてないのであれば、さもありなんとか思いますが、さて宇宙軍というところが、無能者を艦長として任命するほど甘い組織なのか、コネが効きまくる腐敗している組織なのか、というところが問題の焦点になるかと思います。 |