『星のパイロット』 笹本祐一 |
朝日ソノラマ | 510円 | 1997/3/31 |
美紀は新米宇宙飛行士、経験は浅くとも、腕は確か。中小航空宇宙会社に雇われ、最初の仕事に赴くが・・・ | ||
近未来の個人で宇宙パイロットになるのが手の届く夢になっている世界。 趣味に「ロケット打ち上げの見物」と書く著者が楽しみながら書いているんだからまあ、書き込み(ロケットのスペックとか)の細かさと来たら。良くも悪くも、ここらあたりを面白がれるかどうかで評価が別れると思います(大藪さんが、銃器のスペックを細かく書くのと同じ感覚)
ドラマ的な面白さは、続編の『彗星狩り(上・中・下)』の方が上で、あくまでこの作品は導入部ということのようです。 |
『彗星狩り』(上・中・下) 笹本祐一 |
朝日ソノラマ | 490〜550円 | 1998/2/28〜1998/7/31 |
彗星捕獲に乗り出したニュー・フロンティア社。土星軌道以遠で熱反射処置のためのアルミニウム蒸着に成功するものの、太陽活動活発化に伴い彗星が分裂、捕獲が困難になったため株が暴落、倒産してしまった。そこで考え出されたのが、有人宇宙船を飛ばし、最初に辿り着いたものがその彗星の権利を全て得るという競争だった。この権利を得た者は、宇宙空間での水資源確保にくさびを打ち込めるため、大金が転がり込むはずだった。 | ||
ちょっと地味目だった前作に比べると一段とスケールアップして楽しめました。話の進行はちと遅く、中巻の真ん中あたりまでは、宇宙に飛び出しません。しかし「旅は計画しているときが一番楽しい」の格言どおり、その細々としたフライト前の作業こそSFの醍醐味ですね。 |
『ハイ・フロンティア』 笹本祐一 |
朝日ソノラマ | 490円 | 1999/4/30 |
超音速大型機の試験飛行をしていたガルベス・美紀・マリオの三人は、太平洋上で正体不明機から、突然ミサイル攻撃を受ける。なんとかそれをくぐり抜けたものの、敵の攻撃は続き、なんと飛行場の制御コンピュータまでハッキングされていることが判明。しかも、ハードレイク飛行場までもが爆撃される。どうもこの敵は、彗星捕獲レースに参加した企業全てに実力行使に及んでいることもわかってきたのだ。 | ||
今回は展開は派手なんですけど、舞台が大気圏から出ないのがちょっと物足りないですね(あ、一回、衛星軌道には出てますか)ここは、星のパイロット4に期待いたしましょう。 |
『ブルー・プラネット』 笹本祐一 |
朝日ソノラマ | 495円 | 2000/10/30 |
老朽化したハッブル宇宙望遠鏡の回収作業を請け負ったスペース・プランニング社。それを地上で支援するマリオのもとに、ジェット推進研究所のスウが、とんでもない裏情報を持ち込んできた。それは地球型惑星の発見を目的として秘密裏に打ち上げられた軍事衛星のデータだった。スウの話に乗ったマリオは、社の新型パラボラアンテナを駆使してその衛星にアクセスしようと試みるが・・・ | ||
彗星をゲットして、ジャガーノートが出てきて、やはり次ぎに来るものは、恒星間宇宙旅行でしょうヽ(^o^)丿この巻も、宇宙空間の描写は最小限に押さえて、マリオとスウの溢れんばかりの宇宙への情熱が、熱く物語られます。とくに、ラストのレーザーセイラーの発射シーンには、胸が熱くなりますね。 |
[雀部] 48歳、歯科医、SF者、ハードSF研所員。 ホームページは、http://www.sasabe.com/ |
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