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AKIのキネマまんぽ

4月は一本だけ(5月分を一本追加)

『サンシャイン 2057』
『スパイダーマン 3』

AKI

■『サンシャイン 2057』

 風邪を引いて、一週間ばかり出遅れましたが、本年最高の英国製ハードSF映画ではないかとの期待を込めて、今日(4/23)は朝一(11:30)の『サンシャイン 2057』を観るために名門、日比谷スバル座まで出かけました。例によって、開館(11:00)5分前に切符売り場に着いたときは、私がトップ。しかし、キップを買って階段を上り始めたらば、私の前を杖をついたお婆さんが登っていました。彼女は前売り券(?)。従って、私は2番目!
 当初、入場者は20人ぐらいで一息。やがて、上演間近で混み始め、最後は150人を超えたかも知れません。

物語:
 2057年、太陽が冷え始め、これを再活性化するため、マンハッタン島に匹敵する質量の核爆弾を搭載したイカロス2号が地球を飛び立った。同じ目的で、6年前に飛び立ち、消息不明になったイカロス1号のフォロー・アップに出発したものである。
 艱難辛苦、太陽に近づいたイカロス2号は、太陽面近くでイカロス1号の救難信号を受信。 イカロス1号を救助すべきか、救助を放棄し、本来の目的に専念すべきか、乗組員の意見は分かれるが、これが地球資源が作り出せる最後の核爆弾であるため、万一失敗した場合に備えて、1号の核爆弾も収納しておくべきであるとの意見が勝ち、先ずは1号とドッキングすることとなった。
 1号とのドッキングに成功した2号の乗組員を待っていたものは果たして何だったのか?!
 そしてまた、2号の乗組員は、最後に太陽の再活性化に成功できるのであろうか?

 結論から申し上げて済みませんが、病み上がりのご老体にはかなり身に堪える映画でした。完全なハードSFかと思っていましたが、先ず、何故太陽が不活発になったのかの説明が全くされておらず、また、マンハッタン島に匹敵する核爆弾を太陽に放り込むと、何故、再び活性化されるのかも当然不明なままで物語が始まってしまいます。
 前半、だらだらと進む話も、1号の救助信号受信でやや盛り返したと思いきや、それもお粗末な進展でガッカリ。いろいろなシーンも、殆どが“DEJAVU”。どんなお粗末なSF映画でも、普通、相思相愛の若い男女は最後に生き残り、ホットして映画館を出てこられるものです。
 矢張り、渋谷の映画館で上映されなかったのも“宜なるかな”といった感じです。
 それにしても、杖をついたお婆ちゃんや、カップルで来ていたオバサンたちが、かなり沢山いましたが、どんな気持ちで観ていたのでしょうか!?

(原題) SUNSHINE
2007・米・20世紀FOX映画配給
提供:英国フィルム・カウンシル
監督:ダニー・ボイル
脚本:アレックス・ガーランド
出演:キリアン・マーフィー、クリス・エヴァンス、ローズ・バーン、ミシェル・ヨー、真田広之
2007/04/14 公開 1時間48分
翻訳:戸田奈津子 ←超人業です(お弟子さんが沢山?)

蛇足:太陽をテーマにした『クライシス 2050』(1990)という日本映画がありました。タイトルからして、この映画はこれに似せていますが、映画は『クライシス 2050』の方が良くできています。

『スパイダーマン 3』

 5月8日は渋東シネタワー(4F)に、朝一(10:00)の『スーパーマン 3』を観に出かけました。渋谷で一番大きい映画館とはいえ、上映後未だ一週間なのに、入りは四分の一ぐらいとやや低調。

物語:
 先ず最初は、ピーター(スパイダーマン)と、その恋人、MJが、林の中にかけた蜘蛛の巣の上で熱々のシーン。
 その林の中に、隕石に乗って、宇宙から謎の黒いネバネバ生物が地球に飛来。
 ネバネバ生物は、ピーターのバイクにとりつき、ピーターの部屋に入り込むが、これは人間にとりつくと、その人間の感情、特に憎悪を増幅する代物。
 やがて、それはピーター自身にとりつき、復讐の憎悪に燃える黒いスパイダーマンが誕生する。
 スパイダーマンの今回の敵は自分自身の中に存在する悪との戦い。
 果たして、ピーターは自分自身に打ち勝ち、また、元の正義の赤いスパイダーマンに戻ることができるのであろうか。

 ピーターとMJの愛情の危機、特殊実験に巻き込まれ、砂人間にされた極悪脱獄囚、サンドマンとの戦いなど、幾つかサブの物語は挿入されていますが、矢張り主流はスパイダーマンの自分自身との戦い。
 何時の時代でも、『ジキルとハイド』的ストーリーは好まれるようです。
 最後の方は、大分、大人向きな教訓シーンが続きますが、それほど嫌みもなく、それなりに楽しめました。
 シリーズ、1、2で未解決の問題も取りあえず全部解決され目出度し目出度しとなっています。(5月9日の朝日夕刊、ライミ監督談によると、「シリーズ第1章の区切りがついた」とのこと。第2章があるようです?)
 『キングコング』や『シャーロットの贈り物』、『ロード・オブ・ザ・リングス』のパロディぽいシーンもありますし、強いアメリカとその反省もちょっぴり窺われます。
 ひょっとして、ニューヨークは、キングコングと相性が良いのかも知れません。
 黒いネバネバの行動は、CGで描かれたものと思いますが、まさに磁性流体の動きでした。サンドマンのCGも良くできています。

(原題) SPIDER-MAN 3
2007・米・コロンビア映画提供
監督:サム・ライミ
脚本:サム・ライミ & アイヴァン・ライミ、アルヴィン・サージェント
出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ
2007/05/01 公開 2時間19分

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