今月紹介する映画は、『トランスフォーマー』と『プロヴァンスの贈りもの』と『ベクシル 2077 日本鎖国』。 ここへ来て、夏休みから年内にかけての新しい映画情報(☆印)が入ってきました。 例によって、独断と偏見で純粋ホラーは割愛、個人的興味のある映画はSFでなくとも上げてあります。以下、号外としてupさせて貰います。 (なお、文中のリンクは、ttaniさんが調べてくださいました)
■『トランスフォーマー』
8月6日は赤坂で午前中の用事が済んだ後、13:00からの『トランスフォーマー』を観に渋東シネタワーに寄りました。大宣伝のせいか、入りは約50%、中央の席は80%がた埋まっていました。
物語: カタールの米軍基地が、未知の兵器に襲われ絶滅する。この未知の兵器は、車やヘリコプターなどにトランスフォーム可能な機械生命体であった。彼らは、太古、地球に漂着した謎のエネルギー源“キューブ”を追って、宇宙の彼方から地球にやってきたエイリアンたちであった。善の生命体と、悪の生命体がキューブを巡って地球上で戦う。地球人は善の機械生命体と協力、悪の生命体に立ち向かうが、果たして勝ち目はあるのであろうか。
今まで何度となく予告編を見せられた上、ハヤカワ文庫の『トランスフォーマー 前日譚』まで読んでしまったので、物語にはすんなりと入っていけました。思った通りの筋書きで、にやにやしながら見ていましたが、だんだん本気になり、最後は期待値以上に楽しめました。 人間の主演は冴えない16歳の男子高校生、サムと、クラス中のアイドルの女子高生、ミカエラのコンビ。従って、一応青春もので、観客のターゲットは高校生の筈なのに、観に来ているのはもう一世代以上の男女ばかり(多分、私は最長老!)。 最後は例によって、ちょっと修身の教科書的になりますが、高校生向きならば仕方がないといった程度。 サムと、善玉がトランスフォームした彼の愛車との間の友情は感激的。私も、40年以上前に初めて買った車を8年乗り、廃車にしたときは、ダッシュボードにバラの花を一輪、添えました。パソコンもそうですが、機械と人間は何となく心が通じているような気がします。 この映画が当たれば、三部作まで行く予定とか。最後、伏線を残して、映画は終わります。伏線は、エンド・ロール中に出てきます。最後まで、席を立たないで観てください。 出演者は、殆ど無名(?)の俳優ばかり。主演のシャイア・ラブーフ(サム・ウィトウィッキー役)は、来年公開の『インディ・ジョーンズ』に出演が決定したとか。
(原題) TRANSFORMERS 2007・米・パラマウント映画 & ドリームワークス映画提供 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、マイケル・ベイ 脚本:ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマン 出演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、レイチェル・テイラー 2007/08/04 公開 2時間25分
■『プロヴァンスの贈りもの』
8月9日は、女房のお供で、恵比寿ガーデンシネマへ朝一(10:45)の『プロヴァンスの贈りもの』を観に行ってきました。 二人とも映画は好きなのですが、ジャンルは全く正反対。 物語は河出書房新社の同名小説の映画化で、SFではありません。 最初のタイトルのところに「監修 田崎真也」と出たので、アレッと思いましたが、至る所にワインの蘊蓄が出てきて楽しめました。 久し振りに、バイオレンスもなく、心が癒される映画でした。
■『ベクシル 2077 日本鎖国』
8月27日は暑い中、渋谷のシネパレスまで朝一(11:20)の『ベクシル 2077 日本鎖国』を観に行ってきました。公開10日目なのに、座席数:115のところ、入りは十数人。
映画: 「21世紀初頭、世界的にロボット産業が急速な発展を続けていた。 2050年頃、特に日本は技術面や生産面で他国を大きくリードし、家電から兵器まであらゆるロボットを製造し市場を独占していた。 しかし、技術が人間の延命パーツや、アンドロイド(ヒト型ロボット)の実現に及ぶと国際情勢は一変した。 原子力開発やバイオテクノロジーと同様に、国際連合により厳格な国際協定が作られ規制が設けられることになった。 日本は、この規制に最後まで抗議し抵抗したが、その決定が覆ることはなかった。 これに不服とした日本は、国際連合脱退という厳しい道を選択し、「ハイテク鎖国」に突入した。 2067年、日本はハイテクを駆使した“完全なる鎖国”を完成し、今年で10年を迎えようとしていた。 その徹底した情報遮断政策により、秘密のベールが日本全土を覆っていた」 という、長い長いナレーションとテロップの後、映画は始まる。 このベールの中を探ろうと、ハイテク鎖国日本に潜り込むのが、アメリカの特殊部隊「SWORD」の面々。その中に一人の女性兵士、ベクシルがいた。 侵入後、迎撃され、辛うじて逃げ延びたベクシルが見た日本は荒涼とした砂漠で、僅かに高い城壁に囲まれた東京地区に住む人たちには生体反応が見られなかった。この10年の間に日本はどうなってしまったのであろうか。
“企業による不死の研究”という点では、7月に観た同じアニメ『ルネッサンス パリ2054』と同じテーマを扱っています。が、『ルネッサンス』の方は、ミステリー仕立てのSFとして、大人向きに楽しく仕上がっています。日本のSF映画(特にアニメ)は何故こうも盛りだくさんで、重たく、悲壮なのでしょうか。何となく、救われない暗い気持ちで劇場を出ました。 それに、先日、『トランスフォーマー』を観たばかりなのに、何でまたロボット同士の戦いを観なければいけないのか・・・!? “3Dライブアニメ”という最先端の映像表現技術を使ったとのこと、それはそれなりの効果は出ていますが、何となく2001年9月に観た『ファイナルファンタジー』の映像を思い出しました。人間が、なまじ中途半端にリアルだと、ちょっと気持ちが悪い感じです。
『ベクシル 2077 日本鎖国』(VEXILLE) 2007・日・『ベクシル』製作委員会 製作プロダクション:OXYBOT 監督:曽利文彦 脚本:半田はるか、曽利文彦 声の出演:黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子、大塚明夫 2007/08/18 公開 1時間49分
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