今月紹介する『インベージョン』『タロットカード殺人事件』『ミッドナイト イーグル』の他、先月20日に公開された日本のアニメ、『EX MACHINA −エクスマキナ−』(『アップル・シード(2004年4月)』の続編)を観に行く予定でしたが、入りが冴えないせいか、11月2日で通常の上映は中止、夜間一回のみの上映となってしまい、見損ないました。そして、代わりに(?)その劇場では昼間、巷で好評な『めがね』が、続いて23日からは『エヴァンゲリヲン 新劇場版:序』が上映されました。 また、楽しみにしていたコメディ『エバン・オールマイティ』(米)<現代に神(モーガン・フリーマン)が現れ、ノアの箱船製作を指示>も“日本では受けそうにない”とのことで、日本公開は急遽中止(12月13日にDVDが発売される模様)。残念なことです。
一方、ここへ来て、何故か、ゾンビものの映画が増えてきました。 『バイオハザードIII』の他、『プラネット・テラーinグラインドハウス』、『ゾンビーノ』(カナダ映画)、『ゾンビ3D』(眼鏡をかけてみる立体恐怖映画?)、などが上映中です。先日、私の観てきた『インベージョン』も、感染した人間は感情を持たないゾンビ状態になります。 12月14日からは、ウイル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』が上映されます。この映画は、今回で4度目(スペイン版!?を含む)のリメイクとのこと。 残念ながら、過去の映画は観たことがありませんし、小説も読んだことがなかったので、先日、ハヤカワ文庫NV1155『アイ・アム・レジェンド』を購入、読みました。 が、何とこれもゾンビの小説でした!!!(分類が、SFでなくNVでしたので、納得) 小説では「吸血鬼」と書かれていますが、病原体で一度死んだ人間が、生き返り吸血鬼になるお話。これは1954年の小説で、これが「ゾンビ」の原点(?)のようです。 上記の他、映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)も、これの映画化という説もあり、もしこれを含めると5回目のリメイクとなります。 果たして新作の『アイ・アム・レジェンド』は、どのように新規な展開になるのか。 単なる、ゾンビ映画で終わってしまうのでは詰まらないと思いますが。
■『Passport to the UNIVERSE』(「CGプラネタリウム番組」)
11月2日に池袋のサンシャイン・シティへ全国切手展「JAPEX'07」を観に行った序でに、10月13日にリニューアルされた“新世代プラネタリウム 満天”を見学してきました。 プラネタリウムは小学校低学年の時、有楽町毎日新聞にあったものを観て感激、その後、渋谷東急文化会館で観るようになるまで何回観に行ったことか。 その渋谷東急文化会館も老朽化し、2〜3年前、プラネタリウムも建物ごと壊されてしまいました。そんなわけで、久し振りに懐かしさもあり、新しい“新世代プラネタリウム 満天”を観に行った次第。 三種類あるソフトの中で、今回私が観たのは13時からの「CGプラネタリウム番組」、 『Passport to the UNIVERSE いま、遙かなる銀河へ!』。
前半は、『冬の星空案内』。 従来方式のプラネタリウム番組ですが、映し出される星が瞬いていて驚きました。
後半は、超高速宇宙船に乗っての宇宙旅行。 太陽系を抜け、一路、宇宙船はオリオン大星雲へ向い、星の誕生シーンを目撃。 やがて天の川銀河を脱出、各種銀河の間を通り抜け、最後「宇宙の大規模構造」を体験します。 帰途は、ブラックホールを通り、再び、地球へ帰還、という筋書き。 NASAの最新データに基づき、N.Y.アメリカ国立博物館が製作した映像の由。
超高速宇宙船は、亜光速で宇宙の果てを目指すのですが、矢張り「光行差」や「スターボウ」の描き方は一般常識的な「スタートレック」、「スター・ウォーズ」なみで、ちょっとがっかりしました。が、それ以外は良くできています。 上映時間は40分。大衆受けするように、歌などが入ります。 『Passport to the UNIVERSE』以外に、『恋するオーロラ』と、ヒーリング番組『天の川幻想』が適時上映されます。
これを観て、昔々、映画で観た「パワー・オブ・テン」を思い出しました。 下記siteで調べたところ、この映画は1977年製作と書かれていますが、もっと昔に白黒で観たような気がします。(?) http://www.powersof10.com/
ここに白黒版についての情報があります(この項[ttani]さん記) http://ja.wikipedia.org/wiki/Powers_of_Ten http://www.imdb.com/title/tt0063525/
■『インベージョン』
5日は朝一(12:30)の『インベージョン』を観に、渋谷東急へ出かけました。 「絶賛上映中」のポスターを横目に入場したのに、22×N(14列)=308席に座ったのは、たったの5人!
物語: スペース・シャトルが地球帰還途中に爆発。破片がアメリカ東部に南西から北東にかけて散乱する。しかし、何故かこの破片には、未知の病原体が付着、それに触れたものは感情が無い別人(宇宙人?)に変身してしまう。 精神科医の母親、キャロルが、小さな息子、オリバーを元亭主、タッカーの要望で彼に預けたところで、この事件が発生。しかし、タッカーも既にこれに感染しており、キャロルは、タッカーたち、感染者からオリバーを取り戻すために孤軍奮戦する。 果たして、オリバーは無事、キャロルの手元に戻ってこられるのか、そして、キャロル自身は・・・。
ご存知、ジャック・フィニィ『盗まれた街』、4度目の映画化。 落ちてきた人工宇宙飛行物体に付着していた特殊病原体が、というシチュエーションは、マイケル・クライトンの『アンドロメダ病原体』(1971年に『アンドロメダ・・・』のタイトルで映画化上映)と同じ。若干、ネタバレにはなりますが、ある特殊の人間だけには感染しないという点も、同じです。 また、蔓延する疫病(新型インフルエンザ)の予防接種だと称して、逆に、病原体を接種し、どんどんと感染者を増やしていく手法は、先日上映された日本のアニメ『ベクシル 2077 日本鎖国』と同じです(『ベクシル』で接種されるのは“ナノマシン”)。このオリジナリティはどちらに?それとも、そろそろアイディア切れなのかも知れません。 流石に、最新版だけあって、よくは理解できませんが、病理学的に最もらしい解説が幾つも付けられています。 映画の中に「新聞に戦争や暴力の記事が載らなくなったらば、その時、人類はもはや人間では無くなっている」というような話が出てき、実際に、この疫病の流行と共に、イラン各地での戦争も終わり、平和になっていくシーンがあります。果たして、これは、戦争の肯定(諦め)なのでしょうか? 前にも何度か書きましたが、この映画も、所謂、アメリカ特有の複雑家庭“母子もの映画”のジャンルに入るかと思います。 母親、キャロル役には、『奥様は魔女』などのニコール・キッドマンが、そして、医者であり、また、キャロルの新しい恋人でもある男に『007 カジノ・ロワイヤル』のダニエル・クレイグが出演しています。この母親役がジョディ・ホスターだったらば、もっと迫力が出たのに、とも思いましたが、彼女はもっと凄い映画『ブレイブ・ワン』(10月27日より上映中)を撮っていたようです!
(原題)THE INVASION 2007/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画配給 監督:オリバー・ヒルシュビーゲル 脚本:デイビッド・カジャニック 出演:ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーサム、ジェフリー・ライト、ジャクソン・ボンド 2007/10/20公開 1時間39分
蛇足:映画化された『盗まれた街』の過去3作は以下の通り。、 『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)監督:ドン・シーゲル 『SF/ボディ・スナッチャー』(1978年)監督:フィリップ・カウフマン 『ボディ・スナッチャーズ』(1993年)監督:アベル・フェラーラ 何故か、3作目を観ていないのですが、日本未公開との情報もあります。
■『タロットカード殺人事件』
予定より一週間ばかり出遅れましたが19日は朝一(11:20)の『タロットカード殺人事件』を観に、渋谷Bunkamuraのル・シネマ1まで出かけました。 Webの劇場情報では、「上映20分前に来れば入場可能」と表示されていましたので、例によって30分前に現着。席順番号はNo.4でした。上映時には、140席に30人ぐらい。
物語: アメリカから休暇でロンドンに遊びに来ていたジャーナリスト志望のサンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、とある劇場で三流の魔術師、スプレンディーニ(ウディ・アレン)のチャイニーズ・ボックスの中に入らせられる羽目になるが、その箱の中で、彼女は最近死亡した辣腕のジャーナリストの亡霊から、このところ、ロンドンの街で起きている連続殺人事件が、青年貴族、ピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)であることを告げられる。この事件をスクープしようとサンドラは、半信半疑の魔術師を引っ張り込み、親子と名乗ってピーターの身辺調査を始めたが、だんだんサンドラはピーターの魅力に引かれ、恋に落ちていく。 果たして、連続殺人事件の真犯人は誰なのか・・・・。
去年の『マッチポイント』に続き、ロンドンでのウディ・アレン監督の映画。 今回は、自らも出演。お相手は、前回に続いてアレンお気に入りのセクシー女優、スカーレット・ヨハンソン。しかし今回の彼女は、イメージチェンジし、コメディタッチの役柄を上手にこなしています。ミステリー・コメディとはいっても、伏線やドデンガエシもあり、筋書きはアガサ・クリスティ並にうまくできています。 各所に、バックグラウンド・ミュージックとして、『白鳥の湖』が使われているのも、なかなか効果的。 また、英国にも「三途の川」があることが分かり、一つ知識が増えました。 ウディ・アレン贔屓の私としては、SFではありませんが、期待値以上に楽しめた今年一番の映画でした。
(原題)SCOOP 2006/イギリス=アメリカ/BBCフィルムズ=インジーニアス・フィルム・パートナーズ提供 監督&脚本:ウディ・アレン 出演:ウディ・アレン、スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン 2007/10/27公開 1時間35分
蛇足:青年貴族、ピーター・ライモン役のヒュー・ジャックマンは、ご存知『X−メン』シリーズのウルヴァリン役で既にお馴染み。また、タイムものSF、『ニューヨークの恋人』にもメグ・ライアンと共演しています。
■『ミッドナイト イーグル』
28日は、今にも降り出しそうな天気の中、渋谷ピカデリーまで13:20からの“山岳サスペンス・アクション”映画『ミッドナイト イーグル』を観に行ってきました(SFではありません)。渋谷は、お天気に関係なく混雑していました。 入りは、数十人。流石、水曜日「レディース・デイ」、8割は女性でした。
物語: 戦場を駆けめぐるカメラマン、西崎は、ある事件を切っ掛けに、山にこもり星空を撮り続ける。ある晩、空中で火を噴き、穂高山中に墜落するステルス戦闘機の写真を偶然撮影したことから、事件に巻き込まれる。この、戦闘機には、超高性能の特殊核爆弾が搭載されており、真冬の穂高山中は、戦闘機を墜落させた某国の工作員たちと、自衛隊との戦場と化していく。一方、核爆弾の時限装置は起動を開始、辛うじて命を長らえた西崎と自衛隊員、佐伯が現場にたどり着いた時には、猶予は僅か2時間半しか残っていなかった。さらに、現場には、数多くの工作員も到着、銃撃戦が始まる。 果たして、彼らは日本を救うことができるのであろうか・・・。
同名小説(高嶋哲夫著 文藝春秋)の映画化。 映画の評判は、余り良くないようなのですが、他に観るべきものもないので出かけました。しかし、結構楽しめ、2時間11分を飽きずに観ていられました(75点?)。 それにしても、新『日本沈没』と同様、“自分は死んでも、日本、いや、愛する人を守る”、という筋書きは、これまで何本も映画化されてきた神風特攻隊に通ずるようで、いささか?でした。 ちょっとだけ、アマチュア無線のシーンが出てきますが、よくもこんなオタクっぽい少年を出したものだと呆れました。
『ミッドナイト イーグル』 2007/日本/松竹配給 原作:高嶋哲夫 脚本:長谷川康夫、飯田健三郎 監督:成島出 出演:大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作 2007/11/23公開、2時間11分
■Coming Soooon
ちょっとイレギュラーになりましたが、上映中、これから上映予定の映画をup致します。 ☆印は、何らかの新情報が盛り込まれた物です。(リンクは、[ttani]さん調べ)
|