12月8日、本屋で最新版の「キネ旬」を立ち読みしていて超B級映画を発見しました。
12月8日から上映されている(?)、『スリザー』(米)もそうですが、超B級映画は、直前にならないと、上映が分りません。
今月紹介するのは、以下の三作。
『ダーウィン アワード』『アイ・アム・レジェンド』『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』
例によってSF映画が寂しいので、「Coming Soooon!(2008)」を付け加えました。
■『ダーウィン アワード』
12月3日は小雨の中、シネセゾン渋谷まで、朝一(10:40)の『ダーウィン アワード』を観に行ってきました。 約200席に、入りは20人ぐらい。
映画:
まず最初に「“ダーウィン アワード”は1970年代に制定された、実在のアワードで、“最も愚かな方法で死んだ人”に対し、バカな遺伝子を減らしたことへの感謝の気持ちから贈られる」というナレーションと、賞状の写真が映し出されてから映画は始まる。
(どうも、「最も愚かな方法で死んだ人」には、自殺行為と言うことで保険金が下りない場合があるらしい)
サンフランシスコ警察のプロファイラー、マイケルは、血を見ると気を失うという「血液恐怖症」。ある時、連続殺人犯を捕えたのに、血を見て失神。犯人を逃してしまったので警察を首にななる。彼の趣味(?)は、「ダーウィン アワード」の受賞者をチェックすること。失業した彼は、保険会社に自分のこの才能を売り込み、原因不明の事故死に保険金を払わないで済むように、事故原因の実証を集める仕事に就こうとする。
保険会社はマイケルに採用テストとして、現在未解決の原因不明事故死の原因調査を幾つか、4週間の期限付きで依頼する。彼のずば抜けた分析力のお陰で、保険会社は何百万ドルもの保険金を払わないで済むようになっていく。が、この調査の過程でマイケルは、以前、取り逃がした連続殺人犯と遭遇、それの再逮捕に立ち向かう。
果たして今回は、無事、連続殺人事件の犯人を逮捕することができるのであろうか。
どこかの学生が、マイケルのドキュメンタリー映画を撮るという設定で、その学生が撮った映画の画面で物語が進行して行きます。
予告編だけを観た感じでは、ただ一連の「最も愚かな方法で死んだ人」の羅列集かと思いましたが、ちゃんとコメディタッチのラブロマンスも絡めて、面白いミステリーに仕上がっていました。
「最も愚かな方法で死んだ人」の例として、乗用車にロケットエンジンを積んで、高速走行にチャレンジする男、超高層ビルの窓ガラスの強度を試すため、窓ガラスに体当たり、その侭ガラスが割れて、地上に落ちてい行く男、などなどが上げられています。
現実の世界でも、わざわざ危険を承知で、危ないところに出かけていく人がいますが、こんな人に保険は下りるのでしょうか?
(原題) THE DARWIN AWARD
2006/アメリカ/プレシディオ配給
監督&脚本:フィン・タイラー
出演:ジョセフ・ファインズ、ウィノナ・ライダー、ジュリエット・ルイス
2007/12/01公開 1時間35分
蛇足:まず最初に出てくる、「プロファイラー」という仕事が分らなかったので、帰宅後、電子辞書のカタカナ語で調べたところ、「プロファイリング」のところに「過去の事件の手口や動機を解析してデータベース化し、それによって犯人像をしぼり込む捜査方法」と出ていました。つまり、これをする人のようです。
■『アイ・アム・レジェンド』
14日は、初日、朝一(11:05)の 『アイ・アム・レジェンド』を観に、渋谷TOEI2まで出かけました。
流石、初日、座席数:302のところ、観客は100人近く。結構混んでいました。
この映画は「日米同時公開」なので、初日、朝一は時差の関係で、ご本家、アメリカより早く鑑賞できたことになります。
映画:
2009年。ニューヨーク市内。
人間が作り出した(?)新種のウイルスで、全人類が滅亡してから既に3年が経過。
特殊な抗体を持った科学者、ロバート・ネビルは、ただ一人生き残る。
映画は、彼が市内で愛犬と鹿狩りをしているシーンからスタート。毎日が孤独な彼は、マネキン人形とも話をしている。
ときどき、フラッシュ・バックで、あの最後の日のことが頭をよぎる。
最後の日、政府はニューヨーク市内から発生した疫病の万延を食い止めるため、一部の健康な人間だけを市街に待避させ、直後、市に通ずる橋を全部爆破した。
しかし、その後、感染した人間は、完全に死に絶えたのではなく、ゾンビと化して昼間は暗いビル内に潜み、夜になると徘徊を初め、ネビルを脅かす。
リチャード・マシスンの同名小説(1954 ?)の映画化。
今回で3度目のリメイクといわれていますが、スペイン版(?)とか、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)も、これの映画化という説もあり、これらを含めると5回目のリメイクになります。
小説の舞台は1976年1月から始まりますが、映画では2009年12月(?)。
この映画は、「孤独な人間の心理面がうまく描かれている」と書かれていますが、結局は、最近増えてきたゾンビもので、超高級(制作費とCG技術、ウィル・スミスの起用など)なB級恐怖映画の一つではないかと思います。「車にまとわりつくゾンビを蹴散らして・・・」というシーンは、先月観た『インベージョン』と同じ。
ハヤカワ文庫NV1155『アイ・アム・レジェンド』の分類が、SFでなくNVなのも納得できます。
物語は、一番最後を除いて、小説にほぼ忠実ですが、最後に“神”が出てくるのはちょっと白けます(でも、ちょっと救いにも・・)。同じ、ウィル・スミス主演の『アイ・ロボット』(2004)でも、最後は宗教じみて白けました。アメリカ人は、こういうエンディングが好きなのでしょうね?
(原題) I AM LEGEND
2007/アメリカ/ワーナー・ブラザース配給
監督:フランシス・ローレンス
脚本:マーク・プロトスビッチ
脚本・制作:アキバ・ゴールズマン
出演:ウィル・スミス、アリーシー・ブラガ、ダッシュ・ミホック、チャーリー・ターハン
2007/12/14日米同時公開 1時間40分
■『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』
21日は初日、朝一(10:45)の『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』を観に、渋東シネタワー4Fまで出かけました。
この映画は「全世界同時公開」なので、今回も前回に続いて、世界中で一番早く鑑賞できたのではないかと思っています。
予想に反して、入りは数十人。
映画:
時は1865年4月14日、場所はワシントンD.C.。その晩、観劇中のリンカーン大統領が、ジョン・ウィルクス・ブースに暗殺されるところから映画は始まる。
続くシーンは、現在のスミソニアン博物館。主人公ベン・ゲイツは自分の祖先、トーマスの功績がなければ、ゴールデン・サークル騎士団の財宝が南軍の手に渡り、歴史は変わっていたかも知れないと講演している。この講演が終わったところで、ウイルキンソンと名乗る謎のトレジャーハンターが、ジョン・ウィルクス・ブースの日記の失われた部分を提示、ゲイツの祖先、トーマスこそが暗殺団の首謀者であると聴衆の面前で指摘する。その失われた日記の部分には、明らかに「トーマス・ゲイツ−首謀者」の文字が残されていた。
ベン・ゲイツは汚名をそそぐため、日記の文字を手がかりに、パリの自由の女神、ロンドンのバッキンガム宮殿、ワシントンのホワイトハウスなどに潜入、謎解きを始める。
この謎が解ければ、同時にゴールデン・サークル騎士団の膨大な財宝も発見できる。
ベン・ゲイツを助けるのが、既に前作でお馴染みになった、ベンの父親(暗号のスペシャリスト)、才色兼備の古文書専門家で国立古文書館の責任者、チェイス博士(ベンの元恋人)、それに天才ハッカーの面々。
そして、今回は初登場のベンの母親(言語学教授:ベンの父親と離婚して32年、一度も会っていない)までが参加、協力する。
そして、ベンが財宝を発見したらば、直ぐに横から頂戴しようと、虎視眈々、ぴったりベンの後を付け狙うウイルキンソンの一味。
果たして、宝はどこに隠されているのであろうか。そして、ゲイツ家の汚名はそそがれるのであろうか?
『ダ・ヴィンチ・コード』あたりに端を発した、歴史謎解き物語。
前作『ナショナル・トレジャー(2005)』に続く第2弾ですが、今回も今年最後の映画として、期待以上に楽しめました。
どこまでが本当で、どこからがフィクションなのか分らないのも楽しいところ。
しかし、よくもまあ、いろいろの断片をつなぎ合わせて、一つの物語にしたものだと感心させられました。
現在、私は、映画をシニアー料金(1000円)で観ることができるので、できるだけプログラム(大体600円)を買うようにしていますが、この映画のプログラムには、“Key Words”として、11件の“アメリカの謎”が詳細に解説されており、これも楽しめました。
(原題) NATIONAL TREASURE / BOOK OF SECRETS
2007/アメリカ/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ提供
監督:ジョン・タートルトーブ
脚本:ザ・ウィバーリーズ
製作:ジェリー・ブラッカイマー、ジョン・タートルトーブ
出演:ニコラス・ケイジ、ジョン・ボイト、ハーヴェイ・カイテル、エド・ハリス、ダイアン・クルーガー
2007/12/21全世界同時公開 2時間04分
■Coming Soooon(2008)
2007年、年末から2008年に繰り越されるお正月映画を含めて、2008年の映画を中心に纏めてみました。
ハリウッドでは「コメディは日本でうけない」と思われていて、どんどん、その手の映画の上映が帳消しになっているそうです。コメディ大好きの私にとっては残念至極。
ゾンビ映画も一段落(?)し、ハリウッド製の日本アニメが続々登場しそうな雰囲気です。
アメリカでは、自国のマンガを「アニメーション」、日本製のマンガは「アニメ」といって区別しているとか。
2008年以降の映画
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