4月の面白そうな映画は、みんな月末からのGWにシフトされてしまったようで、今月は辛うじて『NEXT』1本だけを観ることができました。 そんなわけで、今月はSFファンの皆さんが興味を持ちそうな「エイリアン展」のレポートを交えてお送り致します。
◆「エイリアン展」
4月9日は、前日の強風が残る中、予報の「曇りときどき晴れ」を信じて、バス、電車(東横線、大井町線、JRの3本)、そして、新橋からは「ゆりかもめ」、と乗り継いで、お台場の「日本科学未来館」まで、「エイリアン展」を観に行ってきました。 期待値を下回りましたが、それなりに楽しんできました。
企画展示会場の入り口では、液晶画面で館長の毛利 衛さんが、企画展の意義について説明。 会場に入ると、一声、実物大(?)のエイリアン・クイーンが吠えて出迎えてくれます。 会場はZone1から4まで、四つに分かれています。
Zone 1:空想としてのエイリアン 先ずは映画化されたエイリアン。昔々の白黒映画から、最近(?)の『エイリアン』までを、十数秒ぐらいずつ繋ぎ合わせた映像で見せています。 『地球の静止する日』や『ボディ・スナッチャー』、『ET』など、題名の“当てっこ”をするのも面白いだろうなと思いました。その他、キモカワなエイリアン、UFOなどの解説、最後は、ロズウェルで捕獲されたエイリアンの模型もありました。
Zone 2:科学としてのエイリアン 地球上の深海や熱水など、過酷な環境条件下に住むエイリアン的な動物が、解説付きで展示されています。
Zone 3:エイリアンの世界 アストロバイオロジーに基づき、実際にありそうな二つの仮想の惑星/衛星『オーレリア』と『ブルームーン』を作り、その環境に住むであろう生物を考え出しCGで展示しています。 平面に投射された大きな画面を手でタッチすることで、インターラクティブに、画像からいろいろと勉強できるようになっています。
Zone 4:エイリアンとの交信 先ずは、科学者がエイリアンと、どのようにして交信しようとしているのかの解説。 更に、ボイジャーに積まれたのと同じレコード盤の展示や、それに録音された音声、その他、宇宙から聞こえてくる雑音、なども聞くことができます。
見学終了後、館内のレストランへ。 web siteでは“エイリアンの卵”という、お料理があったのですが、評判が悪かったせいか見当たらず、でした。 <<お皿の中央にフライドポテト(?)で巣を作り、そのセンターにハンバーグ。更に、その上に、どろどろした緑色(空豆?)のトッピングが掛かり、周辺はデミグラソース、という、かなりリアルなエイリアンの卵でした>> というわけで、私が選んだのは、“ここだけコロケット”。 <<紡錘形の大型ビーフコロッケの片方に人参で水平・垂直尾翼が付けられ、先端にはポッキーチョコが刺してある。周辺はデミグラソースで、その中に人参で作った星とウズラの卵が2個ずつ。更に白いソースで星雲が描かれ、中には色が付いた仁丹もどきの粒々が) サラダ、ライス付きで1000円でした。
昼食後、ドームシアター「ガイア」で、『宇宙エレベータ』というアニメ映画をやっていることを発見。観ようと思いましたが、時、既に遅く、残念ながら駄目でした。 1日、1回、13:00から、32分間。(企画展とは別) 物語:21世紀後半。中学生の少女未来(ミク)は生まれて初めて宇宙エレベータに乗って、地上4000kmの宇宙ステーションで働くお父さんに手作りのお弁当を届けに行こうとします。ところが途中思わぬアキシデントが発生し、ひとりぼっちで宇宙に旅立つことに――。果たしてミクは、お父さんに会えるのでしょうか?
◆『クローバーフィールド/HAKAISHA』
実は、4月5日から公開された『クローバーフィールド/HAKAISHA』も観る予定でしたが、何度も予告編を観たり、雑誌の記事を読んだりした結果、揺れたり、チカチカしたりするシーンの連続(“素人が撮ったビデオ映像”という設定で、映画のチラシにも「警告文」が載っています)を観るのは、ただでさえ頭がふらふらする後期高齢者には、いささか拒絶反応がありました。 そして、その後、この映画を観てきた人の話によると、矢張り、「ホームビデオで撮られた異常な大惨事の記録映像という設定なので、手ぶれ映像によって、めまいや乗り物酔いに似た感覚を起こさせます。なので、体調が悪いときや満腹時は見ない方がいいと思います。」とのこと。 更に、いつもご贔屓の映画館「渋東シネタワー」の上映時間をチェックしたところ、20時40分からのレイトショー、一回のみであることが判明(矢張りB級映画なのでしょうか?)。 そんなわけで、丁度良いエックスキューズができたので、この映画を観るのは断念しました!(笑)
■『NEXT』
4月28日は連休の谷間ということで、11時30分(第2回目)上映の『NEXT』を観に、渋谷シネパレスまで出かけました。11時現着で、待ち順は9番。上映3日目なのに上映時間になっても、座席数:140のところ、観客は二十数人。
物語: 2分先を予知できる超能力者、クリス(ニコラス・ケイジ)は、ラスベガスの二流の舞台で、その能力を使いマジック・ショーを見せている。 丁度そのころ、核兵器を持つテロリストが、ロサンゼルスを爆破しようとしているとの情報がFBIに入る。 それとなく、怪しいとクリスに探りを入れていたFBIの女性捜査官、カリーは、彼のこの能力を利用して、このテロリストの行動を阻止しようと、彼にアプローチするが、クリスはFBIが乗り込んでくる前にそれを予知、逃亡する。 そんな彼の頭に、街のダイナーに現われる美しい女性の姿がよぎる。彼は、その女性に会うために、毎日のようにそのダイナーに通うが、遂にある日、彼女がそのダイナーに現われる。この女性、リズに巡り会った彼は、その予知能力がだんだんと増大していく。 FBIから逃げていたクリスは、リズがテロリストの人質となったとき、FBIのカリーと協力、テロリストの捜査に協力する。 果たして、彼の予知能力で核爆発は阻止できるのか、また、リズの運命は・・・。
ご存知、フィリップ・K・ディック、『ゴールデン・マン』の映画化ですが、“ちょっと先の未来を予知できる”という点だけが同じで、後の物語は全く別のものになっています。因みに、この映画は、彼の小説が映画化された9作目とか。 映画では、今、見ているシーンが彼の予知のシーンなのか、現実のシーンなのか、最初は戸惑いましたが、次第に慣れてきて分るようになって来ます。が、結局、最後はこれに引っかかってしまいました。 しかし、“ちょっと先の未来を予知できる”能力が、だんだんエスカレートしてきて、映画『バタフライ・エフェクト』的になるのは、いささか疑問です。 嬉しかったのは、ちょい役ですが、テレビの『刑事コロンボ』役でお馴染みのピーター・フォークが出演していたことです。大分、老けているので怪しかったのですが、エンド・ロールで確認できました。
初めて、『ダークナイト』(新生バットマン、第2弾)と、『ブラインドネス』(『トリフィド時代』とは無関係?11月公開)の予告編を観ました。
(原題)NEXT 2007/アメリカ/ギャガ・コミュニケーションズ配給 監督:リー・タマホリ 脚本:ジョナサン・ヘンズリー、ポール・バーンバウム 出演:ニコラス・ケイジ、ジュリアン・ムーア、ジェシカ・ビール、トーマス・クレッチマン 2008/04/26公開 1時間35分
蛇足:今までディックの小説で映画化されたものは、『ブレードランナー』、『トータル・リコール』、『バルジョーでいこう!』、『スクリーマーズ』、『クローン』、『マイノリティ・レポート』、『ペイチェック 消された記憶』、『スキャナー・ダークリー』の8本です。
因みに、4月28日は、「4(シ)2(ブ)8(ヤ)の日」だそうで、ささやかな行事がありました。
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