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AKIのキネマまんぽ

ジャック・フィニイ再び(笑)

『アイアンマン』
『僕らのミライへ逆回転』
『私がクマにキレた理由』
『ゲット スマート』
『イーグル・アイ』

AKI

 先月図書館に申し込んであったジャック・フィニイの『ふりだしに戻る 上・下』(角川文庫)を借用、読み終えました。
 19世紀のニューヨークの描写が克明に描かれており(スケッチや写真も沢山)、結構、読むのに時間が掛かりましたが、 ジャック・フィニイはこの小説を書くのに8年掛けたとか。
 私が、一番最初にニューヨークに行ったのが、1964年5月。
 未だ当時は、よき時代のアメリカが残っていた様な気がします。
 (皆、紳士で、夜、外出しても恐くなかったし、置いといた荷物も無くならなかった!)
 その後、何度か出かけ、今でも頭の中に、ニューヨークの地図が朧気ながら残っていましたので、この小説を読んでいても、色々な場所が思い出され、楽しめました。
 矢張り、SFというよりか、 ジャック・フィニイ調のファンタジイ。
 それに、ミステリーの味付けが利いています。
 最後の“落ち”も良かったですが、初めの方を注意深く読んでいないと、分らないですね。
 取りあえず、ジャック・フィニイはこれで一段落ということにします。(笑)

 今月ご紹介するのは、以下の五作品です。
『アイアンマン』『僕らのミライへ逆回転』『私がクマにキレた理由』『ゲット スマート』『イーグル・アイ』

■『アイアンマン』

 10月1日は朝一(10:30)の『アイアンマン』を観に、ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウンまで出かけました。出かけてから気が付いたのですが、1日は誰でも1000円で観られる、“ファースト・デイ”。しかし、入場してみたらば、534席に観客は20人ばかりで拍子抜けしました!
 この映画館は、先ず、足代が掛からない、30分で現着、の外に、映画の半券を持っていると、そのショッピングセンターのレストランが1割引、更に、ビデオショップ、TsutayaのTカードを持って6回行くと1回無料、映画のグッズを買うとポイントが付く、などなどで何となく最近はよく出かけてしまいます。

物語:
 最初、映画は、マーベル・コミックスの『アイアンマン』のページをパラパラと捲るところから始まる。
 「究極の兵器が平和をもたらす」ということがモットーの武器製造会社の御曹司、トニー・スタークは、天才発明家で、且つ、プレーボーイ。
 彼は新型ミサイルのデモのためにアフガニスタンに向う。デモは成功するが、その帰途、武装テロ集団に襲われ、その本拠地に拉致される。そこで彼は、テロ集団が自分の会社で作った武器で武装、無用の殺戮をしていることを知り、自分は武器以外のことで世の中に尽くそうと思い立ち、強力なパワードスーツを開発、アイアンマンとして悪に立ち向かう。
 しかし、敵はテロ集団だけでなく、このテロ集団へ武器を密輸している幹部も社内におり、トニーを亡き者にしようと陰謀が密かに進んでいた。
果たして、トニーはアイアンマンとなって、全ての悪を懲らしめることが出来るのであろうか。

 アメコミ、「マーベル・コミックス」、『アイアンマン』誕生の物語。
 出だしの、アフガニスタンのシーンは、原作では、当時の状況から、ベトナムになっている由。
 超ハイテク技術を駆使して、パワードスーツを組み立てていくところは、メカマニアにはニヤニヤものですが、回路の結線に“はんだ鏝”を使っているのは如何なものか。
 また、パワードスーツ同士の格闘は、どうしてもプロレス調になってしまいます。
 この映画にも、エンドクレジットの後に、もう1シーンあり、トニーは、ニック・フューリーという男から「アベンジャーズに入らないか」と誘われます。
 “アベンジャーズ”とは、マーベル・コミックスのスーパー・ヒーローたちが加盟している世界最強のチームのようで、今後、各ヒーローたちがコンビで活躍するのではないかと思われます。
 いろいろありますが、それでも、期待値以上には楽しめました。多分、続編も観に行くことになるかと思いますが、この観客の動員数では、果たして、続編が上映されるか危ぶまれます。

(原題)IRON MAN
2008/アメリカ/ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント配給
監督/製作総指揮:ジョン・ファヴロー
脚本:マーク・ファーガス、ホーク・オストビー、アート・マーカム、、マット・ホロウェイ
出演:ロバート・ダウニーJR.、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、グウィネス・パルトロー   
2008/09/27公開 2時間05分

■『僕らのミライへ逆回転』

 10月14日は朝一、10:40からの『僕らのミライへ逆回転』を観に、渋谷のシネマライズまで出かけました。いろいろと、評価されている割には、都心での上映館は渋谷と日比谷、新宿の3館のみ。20分前の10:20に現着、入場したらば私が一番!
 悪い予感がしましたが、開始までには、二十数名が入りました(座席数は303席)。

物語:
 場所は、伝説のジャズ・ピアニスト、ファッツ・ウォーラーの生まれた、ニュー・ジャージー州のある街。その彼が生まれたという家は、現在でも、VHSしか扱っていないという古いレンタル・ビデオ店。ここは、ビデオを借りに来るお客以外に、子供はお菓子を買いに、大人は寄り集まって話し合ったりする、憩いの場でもあった。
 しかし、このブロックに市営アパートが建つということで、この店は立ち退きを要求されていた。
 ある日、店主が留守中、店員、マイク(モス・デフ)の親友で、変電所で感電、体に磁気を帯びたジェリー(ジャック・ブラック)が遊びに来たことにより、店のビデオ・テープが全部消去されてしまうという事件が発生。
 しかし、マイクの発案で、消去されたテープのリメイクを自分たちで作り始めたところ、これが入り口に行列ができるほどの大当たり。街の住人もキャストに巻き込んで、どんどん事業を発展させたところまではよかったが、ある日、ハリウッド映画会社の弁護士が「著作権法違反」だと言って乗り込んで来、苦心して作ったビデオ・テープは、全部、ロード・ローラーで潰されてしまう。
 最早これまでと思ったとき、折角ここまでやったのだから、著作権に触れない、自分たちのオリジナル映画を作ろうという気運が湧き上がり、このビデオ店を中心に、街のもっと多くの人々の参加を得て、我が街の有名人「ファッツ・ウォーラーの伝記」映画を作ることになる。期限は、この店が壊されるまでの1週間!
 果たして、この映画は完成するのであろうか・・・。
 そして、この窮状を脱却することができるのであろうか・・・。

 先ずは、どんな映画が、どうリメイクされていくのかに興味があり、観に行きました。オール・アナログ、CG無し。終始、コメディ調かと思いましたが、最後は、ほんわかモードで泣かされます。
 映画は、観るよりか、作る方が楽しいことを、アピールしています。
 主演のジャック・ブラックは、観るたびに、ご贔屓(?)に。
 ハリウッド映画会社の弁護士役で、予想していなかったシガニー・ウィーヴァーが突然現われビックリ。
 原題の「BE KIND REWIND(巻き戻して返してください)」は、この小さな店の名前にもなっています。  

 因みに、今回、リメークされた映画のタイトルは、『ゴーストバスターズ』、『ロボコップ』、『ボーイズ’ン・ザ・フッド』、『ライオン・キング』、『モハメド・アリ』、『2001年宇宙の旅』、『ラッシュアワー2』、『ドライビングMiss デイジー』、『キャリー』、『キング・コング』、『メン・イン・ブラック』、『シェルブールの雨傘』、『ブギーナイツ』、『ラストタンゴ・イン・パリ』、『ドクター・モローの島』などなどです(よく分らなかったものもありますが・・・)。

蛇足:私はジャズに詳しくないので、「ファッツ・ウォーラー」を調べてみました。
 「ファッツ・ウォーラー(Fats Waller, 1904年5月21日 - 1943年12月15日)は、アメリカ合衆国のジャズピアニスト・オルガン奏者・歌手・作曲家・作詞家。本名は、トマス・ライト・ウォーラー(Thomas Wright Waller)。
 ニューヨーク市に生まれる。「Ain't Misbehavin'」、「Honeysuckle Rose」等のヒット曲を持つ。    
 軍人慰問のための旅行中、肺炎に罹り急死した。」(出典: フリー百科事典『ウィキペディア』)
 生まれはニューヨーク市のようですが、実在の人物でした。

(原題)BE KIND REWIND
2008 / アメリカ / 製作会社:フォーカス・フィーチャーズ パルチザン・フィルム
監督:脚本:ミシェル・ゴンドリー(『恋愛睡眠のすすめ(2006)』の監督)
出演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー、メロニー・ディアス
2008/10/11公開 1時間41分

■『私がクマにキレた理由』

 10月16日は女房のお相手で、港北ニュータウンのワーナー・マイカル・シネマズまで、10:40からの『私がクマにキレた理由』を観に行ってきました。T−ポイントが6点溜まっていたので、一人は無料!
 11日からの上映なのに、座席数:116に対して観客は10名程度。

物語:
 母親の手一つで育てられたアニーは、トップの成績で大学を卒業。母親の期待に添うべく金融業界就職のため面接に臨むが挫折。途方に暮れているとき、“アニー”と“ナニー”を間違えられ、マンハッタンはアッパー・イーストサイドのセレブな家庭に子守として来てくれと頼まれてしまう。
 人類学専攻の彼女は、興味と息抜き半々で、その超高級アパートメントを訪ね、雇われるが、その家庭は、会社の仕事が忙しく、殆ど家に寄りつかない父親と、集会やエステ、ショッピングなどに出かけてばかりで、これまた殆ど留守の有閑マダムの母親、そして、お相手の子供は、腕白で、きかん坊。
 しかも仕事は1日24時間勤務の超ハード。
 辞めたいと考えている中に、子供に慕われ始め、逃げ出すに逃げ出せない状態に。
果たして、アニーに明日はあるのだろうか。

 アメリカでベストセラーとなった『THE NANNY DIARIES』の映画化。(日本語翻訳作品タイトルは『ティファニーで子育てを』:文春文庫)
 主演はハリウッドで人気と実力、そしてセクシーNo.1を誇る(?)、スカーレット・ヨハンソン。そして今回、彼女が挑戦したのは、珍しくコメディー・タッチの映画。
 期待以上に楽しめました。
 SFではありませんが、今まで知らなかった“別の世界”の物語です。
 最後はハッピーエンドで、感動させられます。 
 (因みに、“クマ”は“熊”のこと。日本語のタイトルはちょっとダサイですね)

蛇足:“ナニー”とは、本来、子育てのプロで、子供の遊ばせ方や栄養学、躾方の知識を持ち、親に子育てのアドバイスをしたり、更に英語やピアノのレッスンまでできる人もいるとかで、一般的な“ベビーシッター”とは一線を画した職業のようです。

(原題)THE NANNY DIARIES
2007/アメリカ/配給:ショウゲート
監督・脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン & ロバート・プルチーニ
出演:スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、ポール・ジアマッティ、ニコラス・リース・アート     
2008/10/11公開 1時間46分

■『ゲット スマート』

 10月23日は、14:05からの『ゲット スマート』を観に、ワーナー・マイカル・シネマズ港北ニュータウンまで出かけました。10月11日からの公開なのに、もう、小さなスクリーン(座席数:99)で、14:05から夜に掛けて3回のみの上映。
 水曜日とはいえ、入りは数人!

物語:
 米国秘密諜報機関“コントロール”の本部が、凶悪国際犯罪組織“カオス”に破壊され、組織のエージェントたちの身元が漏れてしまったため、今まで顔が知られていない分析官、マックスウェル・スマートが、あこがれのエージェント 86に昇格する。
 彼は、顔の整形手術を受けたばかりの、やや凶暴な美貌エイジェント 99とのコンビで、“カオス”の原爆製造工場を探り出し、これを破壊するために出動する。
 ミッションは成功したかに見えたが、スマートは敵の罠にはまり、“コントロール”に二重スパイの容疑で逮捕される。
 その間、“カオス”によって、大統領訪問中のL.A.に仕掛けられた原爆は、秒読みに入る。
 危うし、L.A.! 危うし、大統領!

 1960年代後半に、人気を博した(?)テレビ・シリーズ『それ行けスマート』の映画化。当時、私もファンだったので、この映画の上映が決まった時点で観に行くことにしていました。
 エージェント 86、スマート役は、予告編までされていながら、日本で上映されなかった『エバン・オールマイティ』のスティーブ・カレル。
 99役は、『プリティ・プリンセス』、『プラダを着た悪魔』などでお馴染みのスリムな美女、アン・ハサウェイ。
 敵方の、二重スパイ役には、『ハムナプトラ』や『スコーピオン・キング』で暴れた、元WWFのプロレスラー、“ザ・ロック”が出演しています。
 もともと、“007”を基調にした映画で、各所にそれらしきミュージックが入ったり、各種、秘密兵器や、かっこいい車も出てきます。
 スマートが、頭脳明晰、一通りの空手や、拳銃の使い手と設定されているので、只のドタバタで終わらず、思ったより、軽いコミカル調に仕上がっています。

(原題)GET SMART
2008/アメリカ/配給:ワーナー・ブラザーズ映画
監督・製作総指揮:ピーター・シーガル
製作:アンドリュー・ラザー、チャールズ・ローブン、アレックス・ガートナー、マイケル・ユーイング
脚本:トム・J・アッスル & マット・エンバー
出演:スティーブ・カレル、アン・ハサウェイ、ドウェイン・ジョンソン“ザ・ロック”、アラン・アーキン
2008/10/11公開 1時間50分

■『イーグル・アイ』

 10月27日は、朝10:50からの『イーグル・アイ』を見に渋谷ピカデリーまで出かけました。毎度のことながら、300余の座席に、お客さんは20人程度。
 この映画は、港北ニュータウンでも上映されていますが、このところご無沙汰していた人混みが恋しくなり、渋谷まで出かけました。帰途、東急ハンズで、毎年購入しているコスタリカ製(!)のカレンダー(A2サイズ)を購入。

物語:
 砂漠の中を走る3台の車。その車にはテロの首謀らしき男が乗っている。その車を監視している、米国国防総省・国家軍事指揮センターは、この人物を襲撃すべきかどうか迷っている。コンピューターは、顔の画像認識から、“間違いの可能性が大きく、襲撃するのは危険”との判断を下すが、大統領の判断でこれを攻撃してしまう。しかし、これは葬儀に向う人々であったことが後で判明、報復のテロが始まる。
 一方、こちらはシカゴ。コピーショップで働く、冴えない双子の弟、ジェリーは、事故で死んだ兄の葬儀から帰ってくると、自分のアパートには、テロ用の機材がどっさりと運び込まれている。そこへ、携帯から女の声で「FBIが来るから直ぐ逃げろ」との指令が来るが、時、既に遅く、FBIに捕まってしまう。しかし、再度、電話などの指示で彼はこの危機を脱出、途中、同じような状況に置かれたシングル・マザー、レイチェルと共に追跡を逃れ、指示されるままに、分刻みで東へ東へと移動させられていく。
 果たして、彼らの導かれて行く先はどこで、そこには何が待っているのであろうか?
 そして、2人の定められた役割は。
 また、ジェリーの兄の死は、本当に事故死だったのであろうか?

 正に、スピルバーグの世界。ともかく、最初から最後まで連続のアクション。
 それに、いろいろと最初からちりばめられている謎や筋書きが、最後に一つに纏まっていくので、そちらのほうの気も抜けません。帰りに劇場のエレベーターに同乗した若い女性が「あ〜あ、くたびれた」といっていました。
 主演は、スピルバーグの秘蔵っ子で、最近、急にブレークしてきた、シャイア・ラブーフ。あの、頼りない、とぼけた表情が良い、との説も。
 FBI捜査官役になって好演した、ビリー・ボブ・ソーントンは、どこかで見た顔だと思いましたらば、今年の7月に観た『庭から昇ったロケット雲』の主役だった人でした。
 最後、大統領の命が危険にさらされるシーンが、22日に観てきた『ゲット スマート』と同じシチュエーションだったのは、偶然なのでしょうか。
 最後には、“スーパーHAL”(?)や、“ボーマンさん”も出てきます!
 当初の期待値を上回った映画でした。

(原題)EAGLE EYE
2008/アメリカ/ドリームワークス・ピクチャーズ提供
監督:D・J・カルーソ
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、エドワード・L・マクドネル
製作:アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、パトリック・クローリー
原案:ダン・マクダーモット
脚本:ジョン・グレン&トラヴィス・アダム・ライト、ヒラリー・サイツ、ダン・マクダーモット
出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン、マイケル・チクリス、アンソニー・マッキー、ビリー・ボブ・ソーントン
2008/10/18公開 1時間57分


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