先日、近所の大型書店でJ・P・ホーガンの『黎明の星 上・下』(創元SF文庫)を購入、昨晩、やっと読了しました。 だらしないことに、購入してから、これが、ホーガンの『揺籃の星』の続編であることを知りました。 まあ、面白かったらば、『揺籃の星』も買ってみようかと思いながら、読み終わった『黎明の星』を、本棚の「ホ」の所へ入れようと思いましたらば、何とそこには既に『揺籃の星』が「上・下」で収まっていました。(笑) そして、更に、隣の本棚を観ると、A・C・クラークのハード・カバー『星々の揺籃』がありました。多分、読んだと思うのですが、内容は思い出せません。
この、『黎明の星』を読むと、『揺籃の星』の内容が全部分るようになっており、流石に、もう『揺籃の星』を読む気にはなりませんでしたが、『黎明の星』の堺三保氏の解説を読むと、『揺籃の星』の解説で金子隆一氏が書いた、「イマニュエル・ヴェリコフスキーの『衝突する宇宙』」の話が面白そうなので、そこだけは読みました。 これらの解説によると、このシリーズも三部作になるそうですが、未だ、ホーガン自身は執筆に取りかかっていない由。
その他、最近では、『金剛石のレンズ』(創元推理文庫)、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(角川文庫)などの短編集を読みました。
近年、“2012年は、古代マヤ暦の予言による世界滅亡の年”といわれ始め、小説や映画(2009年8月上映?ローランド・エメリッヒ監督)化で騒がれています。この、“マヤ暦の予言”とは一体何かと知りたくなり、『2012年 地球は滅亡する!』(竹書房文庫)も購入、勉強(?)してしまいました。 この本によると、2012年12月22日が地球滅亡の日だとかで、『揺籃の星』に似たような話も出てきます。
今月紹介する映画は以下の三本です。 『007 慰めの報酬』『マンマ・ミーア!』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
■『007 慰めの報酬』
2月2日は12時05分からの『007 慰めの報酬』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。この映画館は、月曜日が“レディースデイ”であることを忘れ、「しまった」と思いましたが、196席の“スクリーン4”の入場者数は(確かに、女性は多かったですが)30人程度。
映画: 所は、イタリアのシエナ。のっけから、アストン・マーチンとアルファロメオのカーチェイス。アストン・マーチンに乗ったボンドが、追跡を振り切り、MI−6の隠れ家で拉致してきた影の男、ホワイトを引き渡すが、上司、Mの警護担当だった男、ミッチェルは、実は敵の回し者で、ホワイトを逃がし、自分も逃走を図る。屋根の上を逃げるミッチェル、追いかけるボンド。そして、最後は射殺。 突如出現した美女、カミーユがボリビアの将軍の船に連れ込まれると見るや、頼まれもしないのに、今度はモーター・ボートで追跡、奪取。そして、海上でのチェイス。 南米、ボリビアの砂漠に秘密があると睨んだボンドが、このカミーユと旧式のプロペラ機、DC−3で現場へ飛行すると、今度は敵の戦闘機が攻撃を仕掛けて来、山中の谷間でチェイスが始まる。 その間、あやしい人間を見付けると、追いつめて皆殺し。 余り殺し過ぎるので証言が得られないということで、Mはボンドに帰還命令を出すが帰ってこない。 最後、ボンドは本当の敵を見つけ出し、その壊滅に成功するのであろうか? そして、ボンドが得た「慰めの報酬」とは。
ご存知、『007』シリーズの第22作目。 この映画は、上映前の宣伝通り、2年前に上映された『007 カジノ・ロワイヤル』の続編で、“前編終了1時間後から始まる物語”ということになっています。 そんなわけで、ボンドが拉致してきた男、ホワイトは、前編でボンドの初恋の女性、ヴェスパーを影で操り、遂に死に至らしめた組織の人間。諜報部員は、個人の復讐心で行動を左右してはいけないことになっていますが、ボンドはホワイトとその組織に対して、この復讐心が見え隠れします。 従って、前編の物語を復習してから観に行くと、より筋書きが理解できると思います。 “映画”のところで書きましたように、全編これアクション。筋は別としても、このアクションと、世界各国の名勝を見ているだけでも結構楽しめます(物語の内容は複雑で、ここで克明に筋をご紹介することは、とても不可能です!)。 今回のボンド・ガールは、元ボリビアの女性諜報員のカミーユ(オルガ・キュリレンコ)。ショーン・コネリーのボンドと違い、今度のボンドは最後、サッパリと“さよなら”します。 映画の最後の方で、真っ黒に重油漬けにされて殺された美女が、ベッドに寝かされているシーンが出てきますが、ひょっとすると、ベッド上に金粉にまぶされた美女の死体が出てくる『007 ゴールド・フィンガー』(1964)へのオマージュだったのではないかと思っています。
(原題)007 QUANTUM OF SOLACE 2008/イギリス、アメリカ共同製作/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給 監督:マーク・フォースター 脚本:ポール・ハギス 出演:ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック、ジュディ・デンチ 字幕翻訳:戸田奈津子 2009/01/24公開 1時間46分
◇ 今回、初めて映画館で観た予告編。
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『天使と悪魔』(米) |
2009年 5月15日 |
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『ダ・ヴィンチ・コード』の著者、ダン・ブラウンの同名小説の映画化。 主演は同じく、トム・ハンクス。 |
この他、かなりしっかりした『ターミネーター 4』(米)(2006/06/13 公開)の予告編が上映されました。 また、待合室には『ナットのスペース アドベンチャー(フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーンの改題)』(米)(2009/03/28 公開)のチラシが置いてありました。 |
■『マンマ・ミーア!』
2月10日は早起きをして、女房と一緒に、朝一(10:30)のミュージカル映画『マンマ・ミーア!』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。 巷では、大好評とのことでしたが、348席の“スクリーン2”の入場者数は20名程。殆どが女性。 それにしても、この映画館の音量は大きすぎます。
物語: 明日は、シングル・マザー、ドナと一緒にエーゲ海の小島で暮らす一人娘、ソフィの結婚式。ソフィは自分の父親を知りたく、母親には内緒で、彼女の20年前の日記の中に出てくる3人の元恋人たちに結婚式の招待状を送ってあり、その3人が今日、島に到着する。 ソフィは、会えば自分の父親が分かり、結婚式の当日、父親とバージン・ロードを歩くことを夢みていたが、会ってみても、矢張り分らない。一方、突然、3人が現われ、動転する、ドナ。 果たして、明日の結婚式はどうなるのか? ひとりで、島の小さなホテルを経営し、子育てをしてきたドナと、3人の元恋人たちとの結末は・・・?
1999年、ロンドンでの初演以来、大好評の『マンマ・ミーア!』の映画化。 主演の、メリル・ストリープは『プラダを着た悪魔』(2006)などで、ご対面済み。 そして、その元恋人ナンバーワンになる渋い男性、サムは、以前、何度か見たことがある顔だと思いましたらば、何と5代目、ジェームズ・ボンド役のピアース・ブロスナン。 娘のソフィ役は、今回のオーディションを勝ち抜いた、アマンダ・セイフライド。 各人の、ダンスは別としても、歌は吹き替えかと思いましたが、全部、頑張って本人たちでこなしたとのこと、驚きました。 殆どの俳優が、1950年前後の生まれ。流石はプロです。 そして、全編に流れる曲は、20数年前(?)に私もちょっと夢中になったABBAの懐かしいヒット曲。 最近は暗い映画が多いので、たまには明るいミュージカルで涙を流すのも・・・。
(原題)MAMMA MIA! 2008/アメリカ/ユニバーサルピクチャーズ提供/東宝東和配給 監督:フィリダ・ロイド 脚本:キャサリン・ジョンソン 出演:メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド 字幕翻訳:石田泰子 2009/01/30公開 1時間48分
■『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
2月19日は、午後13時25分からの『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。 前回の『マンマ・ミーア!』の時と同じ“スクリーン2(348席)”。入場者数は50人程度で、思ったより入っていました。
映画: 病院の一室。死に際近い老女と、その娘。娘は母親の頼みで、鞄に入っていた、一冊の日記帳を声に出して読み聞かせる。物語は、老女の追憶と、この日記に従って、進んでいく。 時は、第一次世界大戦末期の1918年。物語は、ニュー・オーリンズの老人ホームの階段に捨てられていたひとりの嬰児から始まる。この嬰児は、生まれながらにして80歳の肉体。ホームの管理人夫婦は、この嬰児にベンジャミンと名を付け、老人たちと一緒に育てていく。ホームの老人たちは、年月が経つにつれて、ひとり、また、ひとりと死んでいくが、ベンジャミンは段々と若返ってゆく。 独り立ちができるようになると、ベンジャミンは、船乗りとして自立し、人生をエンジョーイし始める。 やがて、運命の女性、デイジーと巡り会うが、その愛は年齢と共にすれ違っていく。 果たして、二人の愛の結末は・・・。 そして、病室にいる老女と、その娘は一体誰なのか・・・。
F・スコット・フィッツジェラルドが1920年代に書いた短編小説の映画化。 上映時間は2時間47分。ベンジャミンの80余年の人生の物語なので、仕方がありませんが、予告編、CMを含めると、3時間5分。果たして、耐えられるかと、始め心配していましたが、後半に入り、物語が盛り上がってきたので何とか持ちこたえました。 時の流れに従って、第一次世界大戦の終結、第二次世界大戦の真珠湾攻撃、フロリダからのロケット打ち上げ、など、その時々のニュースも取り込まれています。 一見、SF的題材ですが、何故、年と共に若返るかの根拠が薄弱なので、単なるファンタジーなのでしょう(最初に、時を戻したい願いから、逆回りの時計を作る職人の挿話は出てきますが)。
蛇足:映画の最初に出てくる“WB”のロゴが、無数のカラフルな「ボタン」で描かれています。そこで、気が付いたのが、題名の「ベンジャミン・バトン」。「バトン」は「BUTTON」で、日本語の題名では「バトン」になっていても、英語では「バトン=ボタン」だったのです(複雑ですが、お分かり頂けたでしょうか?(^^;))。 後半、物語の中で、「ボタン」が絡んで来ます。
(原題)THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON 2008/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画/パラマウント・ピクチャーズ提供 監督:デビッド・フィンチャー 脚本:エリック・ロス 出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、タラジ・P・ヘンソン、ジュリア・オーモンド 2009/02/07公開 2時間47分
それにしても、最近は、本格的SF映画が無いですね。 2月には、1月31日から上映された『シャッフル』も観たいと思っていたのですが、上映館数も僅かで、しかも私に取っては場違いな所ばかり。それでもと思って、先日、上映スケジュールを調べたらば、既に、ナイト・ショーばかり。しかも、20日で上映終了とのこと。よほど人気が無かったのでしょう。ガッカリすると同時に、ホッとしました。
『マンマ・ミーア!』の後日談: 確か、「ABBA」のVHD・ビデオ・ディスクがあった筈と探したところ、納戸の棚で発見。1時間ばかり懐かしく、楽しみました。1980年3月に来日したときの、録画のようです。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の後日談:先日、渋谷に出た序でに、大型書店に寄り、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(角川文庫)を買ってきました。 短編集なので、 お目当ての短編は帰途の電車と夜のベッドで読了。 この小説中の主人公は、大きな身体で生まれ、生まれたとたんに話を始めます! この短い話(51ページ分)を、映画では2時間47分に引き延ばしたのですね。 小説には、「ボタン」は出てきません!(笑)
■Coming Soooon☆『インストーラー』
突如、現われたのか、私が知らなかったのか、3/7上映で、フランスのSF映画、『インストーラー』が上映されます。 予告編では、『トータル・リコール』、『シックス・デイ』のシーンを思い浮かべました。
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