以前にご紹介したことのある『多次元の冒険』。他の本3冊と同時に読み始めましたので結構時間が掛りましたが、やっとエドウィン・アボット・アボット著、イアン・スチュアート注釈の『フラットランド 多次元の冒険』を読み終えました(みっちり、412ページ!)。
6年半ほど前、イアン・スチュアート著の『2次元より平らな世界』を読み、アボットの『フラットランド(1884)』を知り、早速、図書館で借りて読みました。 蔵書として欲しく探しましたが、残念ながら、この本は既に絶版中。 そんなところへ、今年の3月23日に『フラットランド 多次元の冒険』が日経BP社から発売になり、購入した次第。
この本は、アボットの『フラットランド』に、ぞっこん惚れ込んだスチュアートが、アボットの周辺を隈無く調査し、膨大な注釈を付けて纏め上げた本です。 先ず、「この本の二次元世界に住む、作中の正方形の著者“ア・スクエア”とは、正方形の意味の他に、Aの二乗の意味もあり、Aの文字が二つダブル、アボット・アボット自身のことでもある」、から始まり、当時のビクトリア朝時代の風刺(当時は、男尊女卑だったが、アボットは婦女子の教育に熱心だった)、アボットの人脈(H.G.ウエルズとの関係なども)、また、アボットが、シェイクスピア研究の第一人者であったことから、特に断り無く各所に引用されている、シェイクスピアの文章の指摘と解説、さらには、当時の宗教関連の問題(アボットは神学者で、後に司祭に叙勲される)などなどについて、スチュアートの蘊蓄が、いささか本題から逸脱していると思えるほど沢山盛り込まれています。 勿論、本題である、学術的な注釈も十分。 『フラットランド』の注釈だけでは書き切れなかったことも、最後に付録として纏められてあり、数学の世界の無限次元の話や、10次元の超ひも理論、ブレイン宇宙論にまでお話は発展して行きます。
引き続き本の話で恐縮ですが、図書館に頼んでおいたオードリー・ニッフェネガーの『タイムトラベラーズ・ワイフ 上・下』(ランダムハウス講談社、2004年12月発行、各:1600円)が、7月3日に届き、返却期限の2週間でどうにか読了できました。 訳者あとがきにも「アメリカの書評で『この作品の唯一の欠点は本を置きたくなることだ』と書かれているように・・・」と書かれていましたが、本当に厚い、重たいハードカバーの小説です(特に、寝ながら読むのには……)。 内容は、1977年9月23日、クレア6歳から、2053年7月14日、82歳になるまでのクレアとヘンリーの熱烈大恋愛小説。 「しかし、旦那様はタイムトラベラーだったのです」。
このタイムトラベルは、ヘンリーの遺伝子と、彼の精神的なストレスが原因で、自分の意志とは関係なく起こり、行き先の時間も場所も全く不確定。そして、移動するのは、彼の生身の裸身だけ、という状態。 読み始めたときには、ヘンリーの時間的往き来を、クレアの時間軸にグラフで記入してみましたが、ヘンリーがタイムトラベルした先で、子供時代の自分に会い、その子供時代の自分が、見ている前でタイムトラベルして消えてしまったり、何回もの流産のあげくに、やっとクレアから生まれてきた娘、アルバもタイムトラベラーで、別の時間軸で、この二人が会ったりと、かなり複雑なので、直ぐにグラフへの記入はギブアップしてしまいました。 訳者あとがきによると、クレアは「さまざまな時代からタイムトラベルしてくるヘンリーと152回も会い続け、愛をはぐくんでいく」と書かれています。 訳者は、多分、グラフを作ったのでしょうね。 確かに、初めは取っ付きにくいですが、段々と読み方も分かり、登場人物にも親しみが湧き、2冊目の「下」は、快調に読み進められました。
なお、この小説は、オードリー・ニッフェネガーの処女作で、大ベストセラーズになった上、映画化もされました(全米公開:2009年8月14日予定。日本公開は現在、未定?)。 作者は未婚の女性なのに(だから?)、SEX描写が多く、ちょっと・・・(嫌いなわけではないのですが)。 しかし、彼女は、この小説を脱稿後、5日目に彼をゲットしたとか。 現在、オードリー・ニッフェネガーは2冊目を執筆中とのこと。果たして?
追記:その後、ランダムハウス講談社から文庫本として、『きみがぼくを見つけた日 上・下』と改題、発売された模様。 近所の大型書店で探しましたが、見付かりませんでした。
さて、7月11日土曜日には、渋谷の東京電力館に、恒例の科学ゼミナール「タンパク質が時を刻む シアノバクテリアの体内時計」(名古屋大学大学院理学研究課教授 近藤孝男)を聴きに行きましたので、序でに、同じ渋谷の“BUNKAMURA ザ・ミュージアム”で、『だまし絵展 奇想の王国』を鑑賞してきました。 「だまし絵展」というと、直ぐ、定番のエッシャーやダリ、マグリットを思い浮かべるのですが(今回も、この3人の作品は勿論展示されてはいましたが)、それはごく一部で、写真よりも写実的な(?)「トロンプルイユ(目だまし)」や、「イメージ詐術」の他、「日本のだまし絵」として、河鍋暁斎の“幽霊図”や歌川広重、歌川国芳、酒井抱一などの絵が、また、「多様なイリュージョニズム―現代美術におけるイメージの策謀」のブースには、新しい国内外の不思議な作品が揃っており、全部で138点、展示されていました(所要時間:約1時間)。 (期間は8月16日まで。「大好評につき、開館時間延長決定!!連日21時まで。<入場:20時>」とのこと) その後、渋谷の「東急ハンズ」などで買い物。 この日の総歩数は17121歩と、ちょっと歩きすぎた感じです!(笑)
続いて、13日、月曜日には、パシフィコ横浜の展示場に、『海のエジプト展』を観に行ってきました。 2000年前、クレオパトラが愛し、その後、海に沈んだ都“アレクサンドリア”の発掘、調査の展示が中心で、大小いろいろな発掘品や、調査機材が展示されていました。 (“アレクサンドリア”以外に、“カノープス”、“ヘラクレイオン”もあり) また、ヴァーチャル・リアリティで復元された、“アレクサンドリア”の街並みも大型画面に投影され、当時の風景を、地上、空中から、自由自在に眺めることができ楽しめました(所要時間:約2時間)。 今回の発掘の責任者、フランスの海洋考古学者フランク・ゴディオ氏は、本来、数字屋さんで、財政関連の仕事をしていたそうなのですが、ある時、1年間の休暇を貰ったのを機会に、今までやりたかった海底探検に乗り出したのがそもそもの始まりだとか。 結局、こちらが本業になってしまったようです。 夢のある、羨ましい人生です。 (期間は9月23日まで)
さて、今回ご紹介する映画は、以下の4本ですが、SF度は余り高くありません。(笑) 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』『ウィッチマウンテン ―地図から消された山―』『モンスターvsエイリアン』『アイスエイジ 3 ティラノのおとしもの』
■『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』
7月2日は、久し振りに、シネセゾン渋谷まで、11:45分からの『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』を観に出かけました。 第1部『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序(2007年9月)』の時は、渋谷駅と原宿駅の中間にある、アミューズCQNというマイナーな映画館で観ましたが、今回は、格が上の渋谷道玄坂、テアトル系の「シネセゾン渋谷」で上映されました。 11時ちょっと前に劇場に着き、指定席を購入したときには、未だ、スキスキでしたが、一旦表に出、早めの昼食を取り、本屋で時間を潰して、上映10分前に再び映画館へ戻ったときには、ロビーも切符売り場も人で一杯。 座席数:219に、最前列と左右を除き、完全に満席。 流石に若者ばかりで、切符売り場の女性に、何故か「アニメですが、よろしいですか?」と聞かれた理由が分りました。(笑)
物語: ヱヴァンゲリヲン・フアンには叱られそうですが、映画の粗筋は、前回の『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』と同じく、繰り返し繰り返し、手を替え品を替えて攻めてくる謎の生命体“使徒”を、地球側、NERVも手を替え品を替えた「ヱヴァンゲリヲン」で迎え撃ち、撃退していく、というお話。 その中で段々と「ヱヴァンゲリヲン」の操縦者(?)、碇シンジ少年と、「ヱヴァンゲリヲン」自身が学習しながら成長して行きます。 果たして、「ヱヴァンゲリヲン」は最後まで“使徒”を撃退し続けられるのでしょうか。
第1部の時の解説を読むと、『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版』は、全4部作で、テレビでお馴染みのファンに、劇場版では、物語やアニメの質(CGの活用)などが、どう変わったのかを見て貰うのが一つの目的、だとか? また、映画の中で、疑問に思ったことは、あまり詮索せずに、第4部まで見て貰えれば自然に分るようになっている、とも、書かれていました。 そして、この物語を初めて映画で観る人(私もそうですが)にも、十分理解して貰えるように構成されている由。 物語の筋書きは、今回の第2部から、テレビ版とは違うようです。 この『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版』は、当初の宣伝では全4部作(第3部『エヴァンゲリヲン 新劇場版:急』と、第4部『エヴァンゲリヲン 新劇場版:?』)とのことでしたが、現時点での情報では、劇場公開は全3回で終了するようです。最後の、3と4は一つに纏められるのでしょうか? 今回観た映画には、エンド・ロールの後に、短い予告編があり、それによると、次回のタイトルは『エヴァンゲリヲン 新劇場版:Q』となっていました。 村上春樹に肖ったわけでもないと思いますが、『急』が、『Q』になりました。 しかし、この『Q』は“Quickening”(よみがえらせる)のイニシャルのようです。 それにしても、このところ、3回続けて、“ロボット大暴れ”の映画を観てしまい、いささか草臥れました。
2009/日本/ 配給:クロックワークス 製作:株式会社カラー エグゼクティブ・プロデューサー:大月俊倫、庵野秀明 総監督:庵野秀明 監督:摩砂雪、鶴巻和哉 企画・原作・脚本:庵野秀明 2009/06/27公開
蛇足(1):7月3日の朝日新聞夕刊に、「しびれる映像の密度」というタイトルで、この映画の評論が載っていました。この評論家、小原篤氏が、何処まで理解して評論しているのか分りませんが、このくらいの評論を載せなくては、オタク度は評価されないのでしょうか。
蛇足(2):第1部と同様、やたらと、映像中に十字(架)が出てきます。何か、キリスト教との関連があるのかと気になりますが、もともと“EVANGEL”とは辞書で引くと、「(キリスト教の)福音」と書かれています。最後になって、キリスト教の宣伝映画だった、ということにならないように願っています。
■『ウィッチマウンテン ―地図から消された山―』
7月6日は雨模様で、しかもレディースデイの月曜日でしたが、思い立って「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで、11:55からの『ウィッチマウンテン ―地図から消された山―』を観に出掛けました。 レディーズの行列を覚悟していたのですが、何故か今日はガラガラ! シアターは“スクリーン6”。客席数:187に対して、入りは三分の一程度。
物語: まず最初は、世界各地で目撃されたUFOの映像集。 続いて、宇宙から火の玉が地球に落下。それをレーダーと衛星で監視する合衆国特殊機関。直ちに軍が出動、落下現場は封鎖される。 シーンは、ラスベガスへ。此処では、今、UFOやエイリアン・マニアのSF(?)コンベンションが開催されており、コスプレ衣裳を身につけた若者で大混乱。 ジャックは、悪の道から足を洗ったタクシー・ドライバー。運転中、ふと、気が付くと後部座席には若い兄妹が乗っている。自称、宇宙人と称する二人の指示に従って、不毛の砂漠へと車を走らせる。途中、特殊機関の追跡で捕まりそうになるが、二人の超能力によって危機を脱出、目指す砂漠の中のあばら屋に到着する。 しかし、この家の地下には秘密があり・・・・。 彼らは、あらゆる危機を乗り越え、特殊機関が極秘に保管しているUFOを取り戻し、再び、自分の故郷の星に帰ることができるのであろうか。
チラシに、「“ロズウェル”、“エリア51”、そして、もう一つ 語ってはならない“禁断の場所”―その名は、“ウィッチマウンテン”。」と書かれてあるように、所謂、「X−ファイル」的な映画です。 彼らを捕まえようとするのは、合衆国特殊機関だけでなく、ジャックは、再び悪の道に引き戻そうとする、元ボスの手下たちに、また、兄妹は、地球を征服せんとする、故郷の星の軍隊が差し向けた殺人ロボットに追いかけられます。 この3人を、サイドから助けるのが、ちょっとオカルト的な女性天体物理学者、フリードマン博士。 そして最後、4人は“地図から消された山”に辿り着きますが、禁断エリアの警備は極めて厳重で・・・。 一難去って、また一難、といった具合に、次々と襲いかかってくる危機を、一つずつ克服して、最後はハッピーエンドへ。ディズニーの映画は、分かり易く(お子様向け?)、安心して映画の流れに身を任せて観ていられます。 主役のタクシー・ドライバー、ジャック役は、今回は本名、ドウェイン・ジョンソンだけででていますが、実は、『ハムナプトラ 2(2001)』などで活躍した往年のプロレスラー“ザ・ロック”。今回も、その怪力を披露しています。 因みに、この映画は『星の国から来た仲間(ESCAPE TO WITCH MOUNTAIN)(1975)』のリメイクのようです。また、1978年には、これの続編も製作されたようですが日本では未公開だった由。
(原題)Race to Witch Mountain 2009/アメリカ/ 配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーションピクチャーズ ジャパン 監督:アンディ・フィックマン 脚本:マット・ロペス、マーク・ボンバック 原作:アレクサンダー・ケイ 出演:ドウェイン・ジョンソン、アナソフィア・ロブ、アレクサンダー・ルドウィグ、カーラ・グギーノ 2009/07/04公開 1時間38分
■『モンスターvsエイリアン』
7月14日は関東地方の梅雨明け。「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで、11:45からの『モンスターvsエイリアン』を観に行ってきました。 シアターは大きな“スクリーン2”。上映4日目なのに、客席数:348に対して、入りは20人程度(翌、15日からは、客席数:187の小さな“スクリーン6”に変わっていました)。 何故か、日本語吹替版しか、上映されていません。
物語: 今日はスーザンの結婚式。ウエディングドレスで式が始まるのを待っているところに、天空の彼方から、大隕石が飛来、接触してしまう。 やがて、式が始まると、花嫁の目が光り始め、体が巨大化、15mにもなる。 戸惑っているところに、秘密部隊が現われ、彼女は麻酔を打たれ、捕獲されてしまう。 気が付いたときは、堅牢な鉄の壁で囲まれた一室に閉じこめられていた。 やがて隣室との扉が開き、今まで監禁されていた、見たこともないようなモンスターたちが4匹(?)出現、自己紹介をする。続いて、この施設の責任者、モンガー将軍が現われ、「世界中のモンスターを極秘裏に此処へ集結している」ことを説明する。 丁度その時、巨大ロボットが宇宙から飛来、着陸、地球を破壊しようとする。地球の軍隊では歯が立たず、結局、モンガー将軍の提案で、アメリカ大統領は、これらモンスターを使って、敵を撃退することを決断する。 宇宙人飛来の目的は何か? そして、モンスターたちは、宇宙人を撃退できるのであろうか! また、スーザンは、再びもとの体に戻ることができるのであろうか!
お馴染み、ドリームワークスの“3D CGアニメ”で、大人は大人なりに期待以上に楽しめる映画です。 4匹のモンスターは、それぞれ、 ・ 遺伝子実験中に、ゴキブリ頭になってしまった天才科学者“コックローチ博士”。 ・ 氷河期の氷の中から発見された半猿半魚の“ミッシング・リンク”。 ・ 遺伝子組み換えトマトとドレッシングの化学反応から生まれた、ジェリー状の“ボブ”。 ・ 昔、東京で暴れたことがある、放射能で100mに巨大化した幼虫“ムシザウルス”。 たちです。 いろいろのところに、パロディやオマージュが挿入されています。 大統領が、ファースト・コンタクトに臨むところは『未知との遭遇』。エレクトーンを使って音で挨拶しようとしますが、音符を間違えます。 無敵なロボットを襲撃するシーンは、『地球が静止する日』? “コックローチ博士”は、正に『ザ・フライ』そのもの。 “ムシザウルス”は、『モスラ』へのオマージュで、最後は蛾になり活躍します。 巨大化したスーザンが、窓から手を差し入れ、婚約者をつかみ出すシーンは『キングコング』で、笑ってしまいました。 宇宙人は、烏賊が進化した人間だそうですが、何となく顔は『マーズ・アタック』の火星人に似ています。 また、クローンの宇宙軍がどんどん繰り出してくるところは、『スター・ウォーズ』でしょうか。 この他、数え上げれば、まだまだ沢山出てきそうです。 映画終了直前に、活躍したモンスターたちは、モンガー将軍から「原子炉に落ちたカタツムリが巨大化した」という話を聞き、“ムシザウルス”の背中に乗って会いに飛び立ちます。 まさか、巨大カタツムリが加わった、続編は出ないでしょうね?
(原題)MONSTERS VS ALIANS 2009/アメリカ/PDI・ドリームワークス作品/ドリームワークスSKG提供 監督・ストーリー・共同脚本:ロブ・レターマン 監督・ストーリー:コンラッド・ヴァーノン プロデューサー:リサ・スチュワート 脚本:マヤ・フォーブス & ウォーリー・ウォロダースキー、ジョナサン・エイベル & グレン・バーガー 2009/07/11公開 1時間34分
■『アイスエイジ 3 ティラノのおとしもの』
7月25日は「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで、11:50からの『アイスエイジ 3 ティラノのおとしもの』を観に行ってきました。 この日は上映初日、しかも、夏休み。さぞかし混んでいるかと思いきや、“スクリーン12”、客席:180に対して、入りは20人程度。流石に、小さな子供連ればかり。 『アイスエイジ 1(2002)』の時には、私も小さな孫、2人を連れて見に行ったのですが、もう、その2人は、高校生と中学生。今回は、1人で観に行きました。
物語: 時は、今から20万年ほど前の地球、氷河期。 そもそもの主人公は、生き残りは自分だけだと思っているマンモスの“マニー”、この“マニー”に危ないところを助けられ、道中をともにする、オッチョコチョイのナマケモノ“シド”、そして、ちょっと危険だが頭のいい、サーベルタイガーの“ディエゴ”の3匹(『アイスエイジ 1』)。 その後、温暖化の時代が訪れ、洪水を逃れた“マニー”たちは、マンモスの女の子“エリー”に巡り会い、道中をともにする(『アイスエイジ 2』)。
ある日、オッチョコチョイの“シド”は、偶然に氷の洞穴に迷い込み、大きな卵を三つ発見、自分の家に持ち帰る。人のものを盗んではいけないと“マニー”に言われた“シド”は、卵を返しに行くが、途中で一晩寝込み、翌朝、目が覚めたときには卵が孵っていた。そして、生まれたばかりの3匹の可愛いティラノの子供は、“シド”を母親だと思いなついてくる。 が、やがて、自分の卵を探しに来た、“ティラノ・ママ”は、この3匹の子供と、“シド”を銜えて洞窟に戻ってしまう。 “シド”が攫われたと知った“マニー”と“ディエゴ”、そして、妻の“エリー”は、“ティラノ・ママ”の足跡を頼りに、洞穴の奥深くに入っていくが、何とそこは想像を絶する恐竜たちの世界であった。 そして、その時、既に、“エリー”のお腹には“マニー”の赤ちゃんが・・・。 果たして、彼らは“シド”と巡り会え、助け出すことができるのか。 また、“エリー”のお腹の赤ちゃんは、無事、生まれるのか・・・。
地底に入った後は、溶岩の瀧、人(?)食い植物、翼龍に乗っての空中戦、などなど。 正に『地底探検』と、『インディ・ジョーンズ』を掛け合わせたような、サービス満点の映画です(お馴染みの恐竜が幾つも現われます!)。 脇役ですが、シリーズの最初から、ドングリを必死に追いかけている、リスともネズミともつかない、オリジナルキャラ、“スクラット”が、今回も活躍。特に、今回は、恋人を見つけ、ドングリより気に入りますが、最後は恋人にメチャメチャにされるのも愉快。 上映は、お子様向けのせいか、日本語吹替版のみ。そして、“ディエゴ”の声は、竹中直人。また、この映画には、3D版もあるようなのですが、今回は、2D版でした!
(原題)ICE AGE DAWN OF THE DINOSAURS 2009/アメリカ/20世紀フォックス映画 監督:カルロス・サルダーニャ 共同監督:マイケル・サーマイヤー 製作:ロリ・フォート、ジョン・C・ドンキン 製作総指揮:クリス・ウェッジ 脚本:マイケル・バーグ、ピーター・アッカーマン、マイク・リース、ヨニ・ブレナー 原案:ジェイソン・カーター・イートン 2009/07/25公開 1時間36分
◇ 今回、初めて映画館で観た予告編。
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『ホッタラケの島』(日) |
2009年 8月22日 |
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子供の頃、ほったらかしにして無くなった宝物で作られている国。 高校生が、オモチャを運んでいる狐を追いかけ、異次元の世界へ迷い込む。 アニメ。
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『くもり ときどき ミートボール』(米) |
2009年 9月19日 |
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食べ物を作り出し、空から降らせる機械が故障。世界各地に・・・。
3D アニメ。 |
◎ 7月は、『ノウイング』、『MW』なども観たいと思っていましたが、事前に観た方からの情報や、予告編などから判断して、どうしようかと迷っていました。
そして、7月中旬に発売された「キネマ旬報 8月上旬号」の映画作品評を立ち読みしたところ、4人の評論家の評価結果は、 ・『ノウイング』:「★ が二人、★★ が二人」で最低! 「ピリオッドの付け間違い」、「ニコラス・ケイジはB級映画向き」的な評価。 ・『MW』:「★ が一人、★★ が一人、★★★ が二人」と、これはまあまあ。 「最初のカーチェイスで期待したが、後は物語の説明調」の評価でした。
『ノウイング』は、初め、『ナショナル・トレジャー』的な映画かと思っていましたが、本屋でノベライゼーションの最後の2章ばかりを斜め読みしてみたところ、本当に、不思議な終わり方をする宗教的(?)な映画です。 また、上映に合わせて発売された手塚治虫の原本『MW 上・下』(小学館文庫:2009年6月20日、第25刷発行)を購入、読みましたが、これは、それなりに楽しめました。 しかし、これは手塚治虫といっても全くSFではなく、成人向けの暗い物語のようなので、これも原本を読むだけで「ヨシ」とし、映画鑑賞は両方とも中止致しました。
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