◎キネマ旬報【2010年外国映画ベスト・テン】 2月6日、午後、本屋の店頭で前日に発売された分厚い「キネマ旬報 2月下旬号」(1800円!)を発見、ページを捲ってみたらば、“2010年外国映画ベスト・テン”の発表が載っていました。 帰宅後、当該siteをチェック、一覧が載っていましたので下に添付しておきます。 SF関連では、3位に『第9地区』、10位に『インセプション』が入っています。 2010年 第84回キネマ旬報ベスト・テン結果発表 外国映画 1位 息もできない 2位 インビクタス/負けざる者たち 3位 第9地区 4位 白いリボン 5位 ハート・ロッカー 6位 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を 7位 クレイジー・ハート 8位 冬の小鳥 9位 スプリング・フィーバー 10位 インセプション
http://www.kinejun.com/kinejun/best10/tabid/64/Default.aspx ◎『重要!警告 D-BOX ご利用の方へ』 12月の映画『トロン:レガシー』のところで、ちょっとご紹介しました、映画の画面と連動して動く座席“D-BOX”。 先日、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」へ映画を観に行ったとき、この“D-BOX”設置の「劇場 2」の入口のところに、『重要!警告 D-BOX ご利用の方へ (必ずお読みください)』の立て看板を見付けました。 それには、 『D-BOXは、映画のシーンに合わせてシートが前後・上下・左右に動きます。 以下の点をご了承の上お楽しみください。 ・ 10歳未満のお子様がご利用される場合、保護者の監視が必要です。 ・ 妊娠中、心疾患、背中や腰、頭部、首の調子の悪い方、高齢者その他既存の疾患をお持ちの方は、医師にご相談のうえでご利用ください。 ・ 飲み物はこぼれる可能性がありますので、十分ご注意ください。 (ホッとドリンクは大怪我ををする可能性がありますのでお持ち込みはおやめください) ・ D-BOXご利用により生ずる直接的、間接的損害を含む一切の損害についてD-BOXテクノロジーズ・インクおよび当劇場は一切の責任を負いかねます。』
と書かれていました。 この注意書きは、チケットを買って、劇場に入るところで読むことになるので、ちょっと不親切。 しかし、それでも、余分に1000円払って観る人が沢山いるのは不思議なことです。 ジェット・コースターならば短時間で終わりますが(これも命がけですが!)、こちらは2時間連続。 勿論、肘掛けのところには、好みに応じて動きの大きさを制御するスライド・コントローラーが付いてはいますが、絞ったらば何のためにD-BOXに座ったか分らなくなるし・・・。 劇場のロビーに体験用のD-BOXが二つ置いてあり、2分ばかり試せますが、私はもうこれで十分でした。 http://www.warnermycal.com/dbox/pc/pdf/alert.pdf#search='DBOX' ◎『東京国際ゾンビ映画祭2011』 本屋の店頭に『高慢と偏見とゾンビ』などという本が並んでいたりして、このところ小説も映画もゾンビ付いている感じがしていましたが、昨晩、映画『シリアスマン』を観たいと思って、webで映画館を探していましたらば、この映画館「ヒュウマントラストシネマ渋谷」で『東京国際ゾンビ映画祭2011』を企画していることが分りました(2/26〜3/4)。 一挙、16本の上映とか。 怖そうですね・・・! 2011年版『SFが読みたい! 発表!ベストSF2010』を眺めていても、だんだんと“ゾンビ”もSFの中で地位を確立してきた感じがします。(笑) http://www.colinmovie.jp/flier/ まくらが充実した2月ですが、ご紹介する映画は以下の3作品です。 『RED』『ヒア アフター』『ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島』 ■『RED』 2月8日は 公開11日目、12:55からの『RED』を観に「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。(SFではありません) 劇場は05、座席数:174に対して、入りは三十数人。
物語: オハイオ州、クリーブランドに住むフランクは、元CIAの腕利きエイジェント。現在はリタイアーし、役所の年金係の女性と電話で無駄話をするのが唯一の楽しみ、といった平凡なお爺さん。が、ある晩、真夜中に謎の暗殺部隊に襲われるが、持ち前の能力を発揮し、敵を全滅、無事危機を脱する。 危害は年金係の女性にまで及ぶと考えたフランクは、強引に彼女を連れて街を出る。 いろいろの調査の結果、暗殺はCIAの部隊によることが判明、また、自分の名前も入っているCIAの暗殺者リストも入手、更に、その背後に武器の密輸組織と、大統領の座を狙う副大統領の名前が浮かび上がってくる。 かくて、フランクはCIAの陰に隠れた悪の壊滅と、自分の身を守るため、既にリタイアーした昔の仲間3人と共に、この悪と戦うことになる。 果たして、フランクたち4人は、この巨大な悪の組織を壊滅することが出来るのであろうか。 そして何故、CIAは彼らを抹殺しようとしているのであろうか。 ともかく、一人ででも主役を張って十分にお客を集められるような有名スターが4人も同時に出演するのですから、面白くないはずがありません。 フランク役には、『ダイ・ハード』などでご存知のブルース・ウイリス。そして、脇を固めるのが、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレンなどの錚々たるメンバー。まだまだ彼らは、それなりにアクションもこなせます。 それに、嘗てのご贔屓、懐かしのアーネスト・ボーグナイン(『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)などで主演)が、CIA記録保管庫の番人として好演しています(93歳!?)。 REDとは“Retired Extremely Dangerous”の略。 後半、フランクが情報収集のためにCIA本部に潜入するシーンがありますが、その手助けをしてくれるのが、何と、現在、ロシア大使館に勤務している、昔なじみの元ソ連のスパイ! 他のシーンにも出てきますが、元東西のスパイの間にも結構“八百長”が有ったようです。(笑) (原題)RED 2010/アメリカ/サミット・エンタテインメント提供 監督:ロベルト・シュヴェンケ 脚本:ジョン・ホーバー&エリック・ホーバー 製作:ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ、マーク・ヴァーラディアン 製作総指揮:グレゴリー・ノヴェック、ジェイク・マイヤーズ 原作:ウォーレン・エリス&カリー・ハムナー 出演:ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、カール・アーバン、メアリー=ルイーズ・パーカー、ブライアン・コックス 2011/01/29公開 1時間51分 ◇ 今回、初めて映画館で観た予告編。 蛇足:帰途、プログラムを買おうと“シネマストア”へ行ったらば戸が閉まっており、向いの“フード&ドリンクストア”で売っていました。ここの女性に聞いたところ「“シネマストア”は土、日、月しかオープンしなくなった」由。 本当に、映画を見に来る人が少なくなってしまったようです。 ■『ヒア アフター』 2月19日は公開初日、2回目、13:10からの『ヒア アフター』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。 映画の内容が内容なので、観客は少ないのではないかと思っていましたが、公開初日、土曜日、そして、監督がクリント・イーストウッド、製作総指揮がスティーブン・スピルバーグだというせいもあってか、劇場04、座席数:196に対して、70人ほどの入り。中央から後方に掛けての席はほぼ埋まっていました。
物語: 恋人と東南アジアへバカンスを楽しみに来ていたジャーナリストのマリーは、津波に遭遇、生死の間を彷徨った挙句、何とか一命を取り留める。が、パリに戻ってからも、その臨死体験中に見た光景が頭から離れず、仕事を休み、その臨死体験を本にする。 サンフランシスコに住んでいるジョージは、子供の頃の病気の手術が原因で、人の手に触れることで、その人が会いたがっている死者と対話が出来る霊能力が備わってしまった。ジョージの兄は、弟のこの能力を利用して一儲けを企む。 ロンドンに住む11歳のマーカスは、頼りにしていた一卵性双生児の兄を自動車事故で亡くしてから、自己を喪失、毎日、兄と話しあえる本物の霊能力者を探し歩いていた。 やがて、マリーの本は、英国とアメリカで評判となり、彼女はロンドンで開かれる“ブックフェア”に招待される。 ジョージは、兄の仕掛けた商売に嫌気がさし、ロンドンに逃避、“ブックフェア”へ赴く。 マーカスは、里親に連れられて“ブックフェア”に来る。 斯くして、運命に導かれたこの3人がロンドンの一角に集まることになる。 果たして、この3人は、ここで自分たちの幸せを見付けることが出来るのであろうか。 初めはパリ、サンフランシスコ、ロンドンから始まる三つの物語が、最後にはロンドンに集まり、見事にハッピーエンド。 今まで、クリント・イーストウッド監督の映画は、何となく押しつけがましい感じがしていましたが、今回の『ヒア アフター』はやや変わった内容の映画で、期待値以上に楽しめました。逆に、何故、彼がこのような映画を作ったのか不思議ですが、現在、彼は80歳、歳のなせるワザでしょうか。 この映画の中で、死後の神の存在を否定したようなシーンがちょっと出てくるので、宗教団体からは、クレームも出たとか。 映画の冒頭に出てくる、津波のシーンは圧巻で、見応えがあります。 クリント・イーストウッドが監督したSF的映画というと、同じく彼が主演、製作もした『スペース・カーボーイ』(2000)が、直ぐ頭に浮かびますが、これは余り好きな映画ではありませんでした。 日本語のタイトルでは『ヒア アフター』となっていますが、英語では『HEREAFTER』とひとつの単語。「死後の世界、あの世」という意味があるようです(通常は前にtheが付くようですが)。マリーが出版した、本のタイトルにもなっています。 (原題)HEREAFTER 2010/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画配給 監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド 製作:キャスリーン・ケネディ、ロバート・ローレンツ 脚本・製作総指揮:ピーター・モーガン 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、ティム・ムーア 出演:マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、ジェイ・モーア、ブライス・ダラス・ハワード、ジョージ&フランキー・マクラレン、ティエリー・ヌーヴィック 2011/02/19公開 2時間9分 ◇ 今回、初めて映画館で観た予告編。 ■『ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島』 2月25日は上映初日、2回目の『ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」へ出掛けました。 今回は、吹替版と字幕版を二つの劇場で並行して上映。私が観た字幕版の劇場02は、座席数:348に対し、入りは30人程度で、ちょっと拍子抜けしました。 物語: 両親と兄、姉がアメリカに出かけている留守中、エドマンドとルーシー兄妹は、いとこのユースチスの家に預けられている。ユースチスはひねくれ者で、兄妹とはそりが合わない。 ある日、寝室で3人が大海原に浮ぶ帆船の額を眺めていると、海の水が室内に溢れ出し、充満してしまう。そして、3人が水面に浮かび上がったところは、何とナルニアの海。巨大な帆船“朝びらき丸”に助けられた兄妹二人は、そこで、カスピアン王子と巡り会い、お互いに再会を喜び合ったが、初めてのユースチスは家に帰りたいとひと騒ぎ。 斯くして、この3人を乗せた“朝びらき丸”は、ナルニアから消息を絶った7人の貴族を捜すため、前人未踏の魔法の島を幾つも通り抜け、“くらやみ島”目指して東へ東へと航海を続ける。 果たして、彼らは7人の貴族を見付けだし、悪を倒し、無事、ナルニアへ戻ってくることができるのであろうか。
映画の最後、「また、ナルニアに戻ってこられるのか」と聞く3人に、ライオンの姿をしたナルニアの創造主“アスラン”は、「エドマンドとルーシーはもう大人なので戻ってこれないが、ユースチスは未だ、ナルニアが必要としているので戻ってこられる」と答えます。 現実世界の人間がナルニアにいる間の時間、現実世界の時間は止まっていますが、それ以外の時は、速度は異なるものの両方の時間は並行して動いています。 なんといっても、ナルニアには2555年の歴史があるので、現実世界の主人公たちも次々と成長し、代わりの子供が主人公として必要になって来るわけです(今回の映画、『第3章』は、ナルニア国の2306年に当ります)。 様々な試練の末、我儘でひねくれ者のユースチスにも、思いやりと我慢、そして、人に尽す心が芽生えてきます(教訓映画にもなっています)。『ナルニア国 第4章』では、多分、ユースチスは主人公となって、大活躍することでしょう。 物語は、いろいろと絡み合い、やや複雑なところもありますが、童心に返って、余り「つっ込み」を入れようと思わず観ていれば、結構楽しめる映画に仕上がっています。 (原題)The Chronicles of Narnia : The Voyage of the Dawn Treader 2010/米/20世紀フォックス映画配給 監督:マイケル・アプテッド 脚本:クリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリー and マイケル・ペトローニ 原作:C.S.ルイス 製作:マーク・ジョンソン、アンドリュー・アダムソン、フィリップ・ステュアー 製作総指揮:ダグラス・グレシャム、、ペリー・ムーア 出演:ジョージー・ヘンリー、スキャンダー・ケインズ、ベン・バーンズ、ウィル・ポールター 2011/02/25公開 1時間52分 |