以前から、宮部みゆきの時代小説は読んでいましたが、ここへ来て、高田郁、和田はつ子、宇江佐真理など、女流作家の時代小説を乱読し始めました。(和田はつ子『南天うさぎ 口中医桂助事件帖』(小学館文庫)では、桂助が、江戸城大奥まで、歯の治療と歯磨きの指導に出掛けたりもするミステリー時代小説です!) これらは、勿論、SFでは有りませんが、昨年10月に発売された宇江佐真理の『通りゃんせ』(角川書店:ハードカバー、1600円)はSFのようなので、早速、図書館に購入を依頼、やっと先日、一番で手に入れ、読了しました。 物語: スポーツ用品メーカーの営業マン“連”は、久し振りの休暇にマウンテンバイクで国道20号沿いに相模湖に向う途中、小仏峠近くの滝の裏で洞穴に転落、気が付いた時には天明6年、青畑村の農家の一室に寝かされていた。 その農家は“時次郎”と、妹の“さな”の二人暮らし。 時は正に天明の飢饉の直前。 連は、連吉と名前を変え、兄の時次郎と共に村を救うため、青畑村と江戸を叉に掛け、精一杯の努力をする。連吉に想いを寄せるさな。 果たして、村は救われ、連は現代の東京に戻ってくることが出来るのであろうか。
何となく『ちょんまげぷりん 2』を連想するような出だしですが、タイムスリップ先での物語は、かなりシリアスに描かれています。 取って付けたような感じですが、ワーム・ホールによる、タイム・スリップの話なども出てきます。 宇江佐真理の小説『雷桜』は2010年10月に映画化されましたが、この『通りゃんせ』も映画化を意識した作品といえるでしょう。 最後、直前で結末が何となく分ってしまうのがちょっと残念でしたが・・・。 マイナーな映画を上映する映画館へ行くと、同様にマイナーな映画をやる他の映画館のチラシまで置いてあるので、眺めていると楽しめます。 3月3日に「ヒューマントラストシネマ渋谷」まで、映画『シリアスマン』を観に行ったとき、「シアターN」で企画した『ASYLUM祭』のチラシを発見しましたので、ご紹介します。 “ハリウッド大作にオマージュを捧げ、オリジナルの脚本で作り上げた”11本の映画、だそうです。 観たいものもありますが、期間は3月19日(土)から、4月1日(金)までで、いずれも「限定レイトショー!」とのこと。ちょっと観に行けそうもありません。残念! チラシには「スタンプラリー」の枠もあり、全部観てスタンプをゲットすると“限定Asylumグッズ”がプレゼントされるとか! 上映作品名: 『タイタニック2012』 『バトルフィールド・アビス』 『メガ・シャークvsクロコザウルス』 『メガ・ピラニア』 『メガ・シャークvsジャイアント・オクトパス』 『パラノーマル・エンティティ』 『ターミネーターズ』 『バトルフィールド TOKYO』 『シャーロック・ホームズvsモンスター』 『アバター・オブ・マーズ』 『バトル・オブ・ロサンゼルス』
詳細は、下記siteをご覧ください。 http://www.albatros-film.com/event/asylum/ 3月11日の地震以来、余震が続いており、夜中にも時々揺すられ、よく眠られません。 震源地も、宮城沖から茨城沖、東京湾、山梨県とだんだん南下しているようです。 計画停電や、交通の乱れに加えて、放射能だとかもあり、なかなか映画を観に出か ける気分になりません。 先月、upしました映画『ヒア アフタ』も、津波が出てくるという理由で上映中止 になったようです。 そんなわけで、3月の「AKIのキネマまんぽ」の映画は、以下の2本だけです。 『シリアスマン』『ツーリスト』 ■『シリアスマン』 3月3日はかなり冷え込みましたが、お天気はまあまあだったので渋谷の「ヒューマントラストシネマ渋谷」まで11:20からの『シリアスマン』を観に出かけました。(SFではありません) この映画館は、昔、「アミューズCQN」といっていたところで、以前、『ヱヴァンゲリヲン』(2007)や『リトル・レッド』(2007)を観に行ったことがあります。 最近、「シネセゾン渋谷」を手放したテアトル系が、代わりに新しく手に入れた映画館のようで、ここには、スクリーンが三つあります。 今回のこの映画はスクリーン2、座席数:183で上映されましたが、マイナーな映画の割には30人程度の入りで予想以上でした。
物語: 時は1967年のとある2週間、場所はアメリカ中西部のユダヤ人居住区。 映画は、主人公のラリーが、人間ドックでレントゲンなどの診断を受け、最後に先生から問題なしとの話を聴くところから始まる。 ラリーはユダヤ人の物理学教授。近所付き合いや、自分の二人の子供のトラブルの他、無職の兄に居候されたりと問題は山積み。そんな中、長年連れ添った妻から離縁を迫られ、家からも追い出され、兄と二人で近くのモーテルで仮住まいの羽目に陥る。 弁護士や、地元のユダヤ指導者、ラビに相談に行ったりでてんてこ舞い。 そんな彼だが、妻の再婚相手が自動車事故で死に、妻がまた自分に戻ってきたり、息子がユダヤの成人式を迎えたりして、自分にもやっと少し付きが回ってきたと思い始めたとき、大学の私室に、過日、人間ドックを受けた病院の先生から「この間のレントゲン診断結果について、もう一度話がしたいので、直ぐに病院まで来るように」との電話が掛かってくる。 そして、映画はここで終了。 2010年のアカデミー賞・作品賞にノミネートされたとか、されないとかの、コーエン兄弟監督の映画。 何も悪いこともしていないのに、運命は何故こんなに残酷なのでしょうか。謹厳実直、真面目、真面目に生きることは悲しく、そして滑稽であることが分ります。 2時間近い坦々とした映画なのに、あるところはシリアスに、また、あるところはクスクスと笑いながら、時間の経つのを忘れて観ていられるブラック・コメディです。 ダン・ブラウンの小説や映画では、フリーメイソンを始めとした、いろいろな宗教の話が克明に記述されていますが、今回の映画では、登場人物、全て(?)がユダヤ人なので、子供の学校も、宗教もユダヤ流で私には新鮮でした。 アメリカ中西部、ミネソタ州ミネアポリスは、監督のコーエン兄弟が育った場所とかで、ここのコミュニティーを中心にロケは敢行された由。 映画の冒頭、約10分ばかり、100年ほど前のユダヤ(?)のホラー話の短編が上映されますが、本編との係わりが今ひとつ明確でありません(悪霊がユダヤ人に祟っているという話なのでしょうか?)。 (原題)A Serious Man 2009/アメリカ/フェイス・トゥ・フェイス配給 監督・脚本・製作:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 出演:マイケル・スタールバーグ、リチャード・カインド、フレッド・メラメッド、サリ・レニック 2011/02/26公開 1時間46分 ■『ツーリスト』 3月8日は12:15からの『ツーリスト』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。(SFではありません) 予告編で、あんなに騒いでいたのに、上映劇場は中ぐらいの座席数:180のスクリーン12。入りは、40人近くでまあまあといったところ。 物語: アメリカからイタリアへ観光に訪れたフランク(ジョニー・デップ)は、ヴェネチア行きの列車の中でエリーズと名乗る美女(アンジェリーナ・ジョリー)と同席、何となく列車内で昼食を一緒に取り、挙句の果て、彼女が予約していたベニスの超高級ホテルに同宿することになる。 が、翌朝目覚めたときには、エリーズは既に部屋におらず、彼は殺し屋に追い回され、街中を逃げ回る羽目に陥る。 フランクは、どうも彼女が絡んでいる犯罪に巻き込まれたのではないかと感じ、警察に身柄の保護を依頼するが・・・。 果たして、彼女は何者で、彼を連れ出した目的は・・・。
映画は、1シーンごとに新たな展開を生み、それと共に新たな疑惑が生じてきます。 そんなわけで、以上の物語は映画のほんの冒頭の部分のみ。これ以上書くと、映画の面白味が半減どころか台無しになってしまいますので、ここまでにしておきます。 ヴェネチアの観光も、十分、堪能させて貰えました。 出てくる地元の好色で杜撰なイタリア警察官を随分とおちょくっています。 アンジーの魅力ぷんぷんに対して、ジョニー・デップは、ちょっと軽い感じがしますが、また、そこがいいのかも知れません(当初、フランク役はトム・クルーズに声が掛かっていた由)。 この映画は、小難しい映画がお好きな評論家には余り受けは良くないようですが、娯楽映画としては十分に評価して良いと思います(最近の「キネ旬」には、何故か、評論家による、☆数の評価が無くなったようですが・・・?)。 翻訳は戸田奈津子さん。このところ、彼女は、これと思った映画の翻訳にしか手を付けないような気がします。 エンドロールで、ちらっと目に入ったので調べてみた結果、この映画は2005年のフランス映画『アントニー・ジマー』(日本では劇場未公開)のリメイクのようです。 (原題)THE TOURIST 2010/米/ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント配給 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 製作:グレアム・キング、ティム・ヘッディングトン、ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン 製作総指揮:オリヴィエ・クルーソン、ロン・ハルパーン 脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク、クリストファー・マッカリー、ジュリアン・フェローズ 字幕翻訳:戸田奈津子 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン、スティーヴン・バーコフ、ルーファス・シーウェル 2011/03/05公開 1時間43分 ◇ 今回、初めて映画館で観た予告編。 ■Coming Soooon! 3ヶ月が経ちましたので、例によって、“Coming Soooon!”をお送りします。独断と偏見で、純粋ホラーは割愛、個人的に興味のある映画はSFでなくとも上げてあります。 ☆印は今回新しく登場、もしくは変更がなされた情報です。 アメコミ・ヒーローものに加えて、何故か宇宙人(ナチも含む)による地球侵略映画が目立ちます。 「今回の東日本大震災のため、上映中止、または上映延期となったものがありますので、お出掛けの際はお気を付けください。」
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4月11日(月)には思い切って浅草まで出掛けましたが、帰宅後、暫くしたらば大きめの余震があり、矢張り、地下鉄メトロ線は1時間以上ストップしたようです(翌朝の、余震でも止まりました!)。
地下鉄は、節電のために部分的に蛍光灯が外されていて薄暗い上に、空調もストップ、窓が開けられていたので、地下の湿った空気が流れ込み、更に騒音もひどく、始発駅の渋谷から、終点の浅草まで(40分?)乗っていると気分が悪くなります。
帰途、東横線に乗っていたらば、私を始めとして何人かの人がクシャミを始めたので不思議に思ったらば、矢張り窓が開けられていました!
こちらは、毎日のように花粉情報は「非常に多い」となっています。(笑)
巷は地震で騒いでいても、桜は満開、結構人も出ていました。(写真は隅田公園の桜)
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