本屋の店頭で『闇の王国』(リチャード・マシスン著:ハヤカワ文庫 2011年8月15日発行)を発見。他に読みたい本もなかったので即購入、読み始めました。 この本は、1982年、82歳になった作家、アーサー・ブラック(本名は、アレクサンダー・ホワイト)の回顧録として書かれています。 時は1918年、場所はニューヨーク、ブルックリン。18歳になったアレックスは、厳しい海軍大佐の父親から逃れるために、陸軍に志願、フランスの最前線に派兵される。 そこで知り合った、イギリス兵、ハロルドから素晴らしい(ゴージャスな)生まれ故郷、北イングランド、ガトフォードの話を聞かされる。 ある日、塹壕の中でドイツ軍の手榴弾によりハロルドは死亡、アレックスも負傷して退役となる。 しかし、アメリカに帰りたくないアレックスは、地図で調べ、ハロルドの故郷、ガトフォードへと足を向ける。 辿り着いてみると、そこは大変美しいところではあったが、そこの住民は、皆、非常に迷信深く、森の奥には・・・。 しかし、やがて、アレックスはその迷信は、実は迷信ではなく・・・ということに気付く。
いかにもマシスン調の長編怪奇ファンタジーです。 有名作家(?)の回顧録ということなので、自分が書いた文章のニュアンスや韻をいちいち検討、批判・納得しながら物語が進んで行きます。ところどころ翻訳した日本語にカタカナで元の英語のルビが振られています(日本語にすると、どちらも同じ単語になってしまう?)。翻訳者(尾之上浩司)は、さぞ苦労されたことと思われますが、英語の勉強にはなります。 宮部みゆきをたっぷり読んだ後なので、恐怖には若干免疫が出来ていましたが・・・。 それにしても、小説には「R−18」指定はないのでしょうか?(笑) 因みに、1926年生まれのマシスンは現在、85歳。そんな彼が書いた最新作だとか! 格別に面白いというわけではありませんが、流石、マシスン、読み始めると止まらなくなります。 12月1日の『タンタンの冒険旅行/ユニコーン号の秘密』公開に先がけ、『タンタンの冒険』の全シリーズ(?):23巻が本屋の特別コーナーに並んでいたので、『なぞのユニコーン号』を衝動買いしてしまいました(ハードカバーは1600円!)。読了後、『レッド・ラッカムの宝』が続編であることが分かり、これも購入 既に、『めざすは月』と『月世界探険』は、大分前に購入、読了済み、です。 紹介するのは、今月も3作品です。 『ライフ いのちをつなぐ物語』『スマーフ』『世界侵略:ロサンゼルス決戦』 ■『ライフ いのちをつなぐ物語』 台風12号の影響で出遅れましたが、9月6日には「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで、11:55からの『ライフ いのちをつなぐ物語』を観に行ってきました。劇場は一番大きなスクリーン01(ULTIRAで+200円)。座席数:491に入りは20人程度。
映画: 「生きるとは、生き抜くこと」というテーマで、世界各地に住む生物が、生まれて、成長して、食べて、愛して、子孫を残す感動的なシーンを次々と紹介してくれます。その一つ一つが、どうやって撮影されたのかと驚くほどに科学的、且つ芸術的な映像に仕上がっています。 出演者(?)は、「南極の厳しい環境の中で子育てをするウェッデルアザラシの母親」、「日本代表は、寒さの中、温泉に浸かるニホンザル(しかし、厳しい縄張りが)」、「コスタリカの密林の中、地上で孵ったオタマジャクシを、天敵がいない樹上の水たまりに運んで育てるイチゴヤドクガエル」、「家族のために縄張りを守るニシローランドゴリラ」、「初めての子育てに苦心するアフリカゾウのお母さん」、「キノコを栽培するハキリアリ」、「骨を岩の上に落とし、小さく砕いてから飲み込むヒゲワシ」、「椰子の実を石で割るフサオマキザル」、「母親に続いて険しい崖を下るアイベックスの子どもたち」、「秒速15mで舌が伸びるカメレオン」、「三兄弟が協力して大きな獲物を仕留めるチーター」、「水中に泥の渦を巻き上げて魚を捕獲するバンドウイルカ」などなど、24種の動物、植物の生き様を詳細に紹介してくれます。 たまには、難しいことを考えずに、ただ、観ているだけで、楽しく、美しく、感動できる映画も良いものです。 日本語の副題『いのちをつなぐ物語』ではちょっとピンと来ませんが、地球上の全生物はみな繋がって生きているのだ(地球は人間だけのものではない)という「ONE LIFE WE ARE ALL CONNECTED」の考えで映画は終わります。 この映画の方が、むしろ『ツリー・オブ・ライフ』のタイトルに相応しいように思われます。 「動物の親がこれほど献身的に子育てをしているのに、人間の親は・・・」という話になると、8月29日付朝日新聞の「天声人語」と同じになってしまいますので止めておきます。(笑) 時間ももうそろそろ、と思うところの1時間30分程度で終了、丁度良い長さです。 これら、目を見張る映像は、“超ハイスピードカメラ”、“ハイビジョンマクロカメラ”、“スーパーハイビジョンカメラ用特製ボックス(水中用)”などなど、新しく開発された機器の使用によって可能になった由。因みに、製作期間は6年(のべ3000日)、映像素材は3000時間、総製作費は35億円だそうです。 (原題)ONE LIFE WE ARE ALL CONNECTED 2011/イギリス/エイベックス・エンタテインメント配給・宣伝 提供:エイベックス・エンタテインメント and BBC Earth 協力:アイエム・グローバル、マジック・ライト・ピクチャーズ 監督・脚本:マイケル・ガントン&マーサ・ホームズ 製作:マーティン・ポープ&マイケル・ローズ 製作総指揮:アマンダ・ヒル、ニール・ナイチンゲール、ジョー・オッペンハイマー、マーティン・フリーマン、マーカス・アーサー 出演:ウェッデルアザラシ以下35種! 英国版ナレーション:ダニエル・クレイグ 日本版ナレーション:松本幸四郎、松たか子 2011/09/01公開 1時間30分(?) <余談> 先月、『ツリー・オブ・ライフ』を観、続いてこの『ライフ』を観ましたが、もう一つの“ライフ”、『LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語』が8月27日から上映されています。 これはYOU TUBEを通して「2010年7月24日の24時間に起こったことを教えて下さい」という呼びかけに対し、192カ国から集まった約8万本の映像を編集して製作された「地球上のある一日の物語」の映画だそうです。どんな素材でも、「素晴らしい監督の手に掛かると・・・」と評価されているように、予告編(YOU TUBE)だけを観ても素晴らしい映画に仕上がっています。 ■『スマーフ』 9月は台風12号で出遅れた上、いろいろと行事が詰まっているので、『ライフ』に引き続き、9月9日には11:40からのアニメ+実写の『スマーフ』を観に「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。 3D版もあるはずですが、ここでは2D、吹き替え版のみ。 劇場は座席数:99のシアター08。公開初日なのに、入場者はお母さんに連れられた小さな女の子、三人組の若い女性、そして、私の6人。男性は私だけでした! 物語: 誰も知らない遥か彼方の遠い遠い森の中に、“スマーフ”と呼ばれるリンゴ三つ分の背丈の青い妖精、101人がキノコの家に暮らしていました。ブルー・ムーンの夜、魔法使いに追われた6人の妖精は禁断の道に迷い込み、絶壁の滝のところまで追い詰められてしまいました。が、やがて滝に時空の孔が開き、6人はそこに吸い込まれてしまいます。魔法使いと、相棒のネコも、一瞬、躊躇した後、妖精を追って孔に飛び込みます。 そして、6人の妖精と、魔法使い、ネコが辿り着いた先は、なんと現代のニューヨーク、セントラルパークの滝にできた孔でした。 そして、ニューヨークのアパートに住む、新婚早々の二人を巻き込み、妖精対魔法使いの戦いが始まります。
この映画の主人公“スマーフ”は1958年に新聞の連載漫画として誕生、既に半世紀を超える歴史を持つキャラクターたちです。作者はベルギーの漫画家、ペヨ(ピエール・クリフォール:1928~1992)。 私は、“タンタン”のコミックブックや、映画、『ナットのスペース アドベンチャー 3D』(日本上映:2009)などを観て、ベルギー漫画、アニメに関心を持ち始めました。 ベルギーは日本と並んで、漫画やアニメで世界的に有名とのこと。ブリュッセルには「漫画博物館」もあるようです。 http://belgphoto.exblog.jp/14707866/ http://www.belgium-travel.jp/art/cartoon.html 映画の中の妖精や、妖精の国はアニメで、魔法使いを含めて、その他の人間、背景は全て実写で描かれています。 最後、新婚の旦那さんは宣伝部長に昇進、男の赤ちゃんも生まれて、妖精共々、全てめでたしめでたしで終わります。 ニューヨークを舞台に、おとぎ話が繰り広げられた『魔法にかけられて』(2007)と同様、おとぎの国の主人公がカルチャーショックをどう克服していくかが一つの楽しみです。 また、一人一人の妖精がみな違った個性を持っているのも興味がありましたし、かなりリアルっぽくCGで描かれた魔法使いのネコの表情がなかなかよく、感心しました。
(原題)THE SMURFS 2011/アメリカ 監督:ラージャ・ゴスネル 脚本・物語:J・デヴィッド・ステム&デヴィッド・N・ワイス 脚本:ジェイ・シェリック&デヴィッド・ロン 製作:ジョーダン・カーナー 出演:ニール・パトリック・ハリス、ジェイマ・メイズ、ソフィア・ヴェルガラ、ハンク・アザリア 2011/09/09公開 1時間24分 次は、9月10日から上映の『グリーン・ランタン』を観る予定でしたが、予告編を観ただけでも余りパットせず、また、「キネ旬」の評価でも「★ ★★ ★★」と最低。「まるで気が抜けたコーラを飲んでいるようだった」との評論もありました。『グリーン・ホーネット』の時と同じように、コメディ・タッチにしてしまったのが間違いのようです。 というわけで、この映画は観に行くのを止めました。 ■『世界侵略:ロサンゼルス決戦』 9月20日は、突然、寒くなった雨模様の中、11:35分からの 『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を観に、何時もの「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。劇場は座席数:174のスクリーン05。入りは、40人ほどで先ず先ず。 物語: 時は2011年8月12日、ロサンゼルスは宇宙人の侵略を受け戦場と化していた。 そして、映画はその1日前からスタートする。 ナンツ2等軍曹は百戦錬磨の海兵隊の強者ではあったが、体力の限界を感じ退役を志願、やっと認められる。 何日か前から、地球に急速接近中の隕石群が世界各地の大都市に面した海上に落下し始め、それが未知の宇宙船であることが判明する。そこから現れたエイリアンたちは直ちに殺戮を開始、世界中の都市は壊滅、最後の決戦がロサンゼルスを舞台に繰り広げられる。 非常事態の発生で、ナンツ2等軍曹は再び、戦争体験のない部隊に編入させられる。 其の部隊のミッションは、逃げ遅れ、敵中に生存する民間人を救出すること。 果たして彼らは無事生存者を助け出し、エイリアンを撃退することができるのであろうか?
まず最初に今回活躍する10人ほどの海兵隊員、各自の経歴、個性などがそれとなく紹介されるシーンがあり、それを頭に入れた上で、物語が展開されていきます。 映像は、兵士の目線で撮られており、正に観客はこの戦いに参画させられます。緊張の連続で映画が終わったときにはホッとしました。 緊迫した状況の中にも、ときどき洒落た会話などが入り、正に大人の映画です。 この映画は、当初、4月1日公開予定でしたが、東日本大震災の関係で9月17日に延期されたため、4ヶ月先の事件が、過去の話になってしまいました。 この間、既に『スカイライン』や『トランスフォーマー』など、地球侵略映画が上映されたため、“今更”という感じもしましたが、この両者に勝るとも決して劣らない出来映えで、観に行って良かったと思いました(「キネ旬」10月上旬号の評価では「★★★ ★★ ★★」でしたが・・・)。 この映画の監督、ジョナサン・リーベスマンは、『第9地区』(2009)の監督、ニール・ブロンカンプと同様、南ア出身で、ブロンカンプからもいろいろとアドバイスを受けた由。 原題:WORLD INVASION: BATTLE LOS ANGELES 2011/アメリカ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給 監督:ジョナサン・リーベスマン 脚本:クリス・バートリニー 製作: ニール・H・モリッツ、オリ・マーマー 製作総指揮:ジェフリー・チャーノフ、デヴィッド・グリーンブラット 出演:アーロン・エッカート、ミシェル・ロドリゲス、ラモン・ロドリゲス、ブリジット・モイナハン、Ne-Yo、マイケル・ペーニャ 2011年9月17日公開 上映時間 1時間56分 ■Coming Soooon! 3ヶ月が経ちましたので、例によって“Coming Soooon!”をお届けします。 独断と偏見で、純粋ホラーは割愛、個人的に興味のある映画はSFでなくとも上げてあります。 ★印は今回新しく登場、もしくは変更がなされた情報です。 DCコミックのヒーローたちが、やっと動き出し、マーベル・コミックとの対決が始まりました! が、苦戦のようです。
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