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AKIのキネマまんぽ

今月号が最終回
この5年間で185本の映画をご紹介しました


『ペントハウス』
『はやぶさ 遙かなる帰還』
『TIME/タイム』

AKI

 『都市と都市』(チャイナ・ミエヴィル著、早川文庫SF1835 2011年12月25日発行)

 昔は一つであったが、現在は“ベジェル”と“ウル・コーマ”の二つに別れている都市国家。しかし、隣接するこの二つの国は、一部入り組んでいる(クロスハッチ)部分があり、そこには両国の住民が混在している。そして、互いに相手国の人間や物を見たり聞いたり、干渉したりしてはいけない規則があり、これに違反すると、謎の組織「ブリーチ」に拉致されてしまう。
 ある日、一人の若い女性の死体が“ベジェル”で発見される。調査の結果、この女性は、考古学研究のため北米から“ウル・コーマ”へ留学してきた学生であることが判明する。
 犯人捜査のため、両国の警察が動き出すが、その課程で、この留学生は両国のクロスハッチ部分に隠されているといわれる、もう一つの伝説の国、“オルツィニー”の発掘をしていたことが判明する。

  実在の国名が頻繁に出てくるところから、この架空の都市国家は東欧か、中近東あたりではないかと想像しながら読み進めました(バルカン半島との説もあり)。
 クロスハッチされた領域に住む人たちが、お互いに相手の国の人や物を無視するという設定は、初め、かなり無理があるのではないかと考えていましたが、だんだん読み進めていくうちに、何となく「ありそうなことだな」と洗脳させられました。
 物語はハードボイルド調で書かれており、フーダニットとして最後まで楽しめましたが、何故これがSFなのか、疑問が残りました。

 同じミエヴィル著の短編集『ジェイクを探して』の後書きにもありますが、彼の小説は一人称の語りが多く、この『都市と都市』も“ベジェル”生まれの“私”、ティアドール・ボルル警部補の語りとして書かれています。
 因みに、この『都市と都市』は、英国SF協会賞長編部門、アーサー・C・クラーク賞、ヒューゴー賞長編部門、世界幻想文学大賞、ローカス賞ファンタジィ長編部門の各賞を受賞しているそうです。

 最近、新刊の翻訳SF本を店頭で見かけなくなりました。
 殆ど毎日のように、散歩と買い物の序でに自称在庫20万冊の本屋へ立ち寄りますが、現在、平積みで並んでいるのは、創元SF文庫の『渚にて』『天翔る少女』『海底二万里』と、ハヤカワ文庫の『ペリー・ローダン』ぐらい。
 SFマガジン3月号に発表された「SFマガジン読者賞」も、1位は昨年1月号に掲載されたテッド・チャンの『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』。
 私も、これだけは読みたくて昨年の1月号は購入しましたが、後はご無沙汰です。(笑)
 また、この3月号には、昨年度、英米の各賞を受賞した作品の一覧表も載っていますが、日本で翻訳されたものはごく僅かなような気がします(『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』は、ヒューゴー賞のノヴェラ部門も受賞)。
 従って、店頭にSF本がないのは、SFが書かれていないのではなく、日本で翻訳されていないのが原因なのではないかと思っています。

 円城塔が芥川賞にノミネートされたので、『これはペンです』を読んでみようかと幾つかの本屋で探してみましたが見つからず。本屋に注文したところ、「出版元には在庫なし。再版の予定もなし」との返事が返ってきました。
 数日前、芥川賞を取った『道化師の蝶』が、やっと店頭に並んだので購入(この本には、もう一つ『松ノ枝の記』が載っています)。
 両方とも、昨夜、読了しましたが・・・・。(笑)

 2月3日、自称在庫20万冊の本屋で『キネマ旬報 2月下旬号』を立ち読みしてきました。
特集は、『2011 キネマ旬報ベスト10』(評論家の投票)。
 毎年、この号は厚くて、立ち読みは草臥れます(お値段は、1800円!)。
 下記siteにも、一覧が載っていますが以下に添付致します。

 http://www.kinejun.com/kinejun/85/tabid/250/Default.aspx

 残念ながら、昨年、私が観た映画でベストテンに入ったのは、『ヒア アフター』のみで、第8位でした!
 この映画は、物語の中に津波のシーンが出てくるので、3月11日以降、上映中止になりました。

【2011年外国映画ベスト・テン】

1位 ゴーストライター
2位 ソーシャル・ネットワーク
3位 英国王のスピーチ
4位 無言歌
5位 ブラック・スワン
6位 マネーボール
7位 トゥルー・グリット
8位 ヒア アフター
9位 灼熱の魂
10位 家族の庭
*次点  「ウィンターズ・ボーン」

 先日、やっと『2012年版 SFが読みたい!』(早川書房 2012年2月15日発行 750円+税)が店頭に並んだので、早速、買ってきましたが、「ベストSF国内篇」の1位はなんと『これはペンです』です!(笑)
 数日前に、『これはペンです』の再版本が店頭に並びました。
 「海外篇」は、トップが『プランクダイヴ』。
 5位に『ステーヴ・フィーヴァー』が入っていますが、これは、一昨年の落ちこぼれでは?

 「サブジャンル別ベスト10 SF映画」(選者:渡辺麻紀)は次の通りで、この内、私が観たのは僅か3本のみ。

1位 ハリー・ポッターと死の秘宝
2位 ファンタスティックMr.FOX
3位 猿の惑星:創世記
4位 X-MEN:ファースト・ジェネレーション
5位 モールス
6位 ミッション:8ミニッツ
7位 スプライス
8位 ブンミおじさんの森
9位 エンジェル ウォーズ
10位 ピラニア3D

 2011年版と同じ選者なのですが、内容が全く違い、ホラー、ファンタジー、アニメなど満遍なく取り入れたような感じがします。
 そこで、改めて、昨年、私が観た映画35本を再チェックしてみたところ、本当に去年は本格的なSF映画が少なかったことが分かりました。

 因みに、2011年版は以下の通りで、10本中8本を観ています。

1位 第9地区
2位 インセプション
3位 アバター
4位 ヒックとドラゴン
5位 Dr.バルナサスの鏡
6位 コララインとボタンの魔女
7位 かいじゅうたちのいるところ
8位 トイ・ストーリー3
9位 ゾンビランド
10位 月に囚われた男

 ちょっと旧聞になりますが、1月26日に日本映画製作者連盟から「2011年全国映画概況」が発表になりました。

 http://www.eiren.org/toukei/index.html

 この資料によると、2011年の公開本数は邦画:441本、洋画:358本、計:799本となりま
す。
 この内、私が観た映画は、35本(4.4%弱)。
 また、昨年の映画館延べ入場人員は、144,726千人(前年比:83.0%)。
 一方、ビデオソフトによる映画鑑賞人口(推定)は、6億3,694万人と、映画館へ足を運ぶ人員の4倍強になっています。

 ご参考までに、「日本映画産業統計」に載っていた、興行収入10億円以上の映画の上位を以下に上げておきます。

[邦画]

順位公開月作品名興収(億円)配給会社
1位 7月 コクリコ坂から44.6東宝
2位 7月 劇場版ポケットモンスター43.3東宝
3位 10月 ステキな金縛り42.8東宝
◎4位 10/12月 SPACE BATTLESHIPヤマト41.0東宝
5位 1月 GANTZ34.5東宝
6位 3月 SP THE MOTION PICTURE 革命篇33.3東宝
7位 10/12月 相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜31.8東映
8位 4月 名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)31.5東宝
9位 4月 GANTZ PERFECT ANSWER28.2東宝
10位3月 映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~24.6東宝
・・・・・・・・・・・・
◎18位5月 プリンセス トヨトミ16.2東宝

 以下、10億円を超す映画は32位まで続きますが、私が観たのは◎印の僅か2本のみ。

[洋画]

順位公開月作品名興収(億円)配給会社
1位7月 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART296.7WB
2位5月 パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉88.7WDS
3位10/12月 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART168.6WB
◎4位7月 トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン42.5PPJ
◎5位7月 カーズ230.1WDS
◎6位2月 ナルニア国物語 第3章:アスラン王と魔法の島26.9FOX
◎7位3月 塔の上のラプンツェル25.6WDS
◎8位10月 猿の惑星:創世記(ジェネシス)24.2FOX
9位5月 ブラック・スワン23.9FOX
◎10位10/12月 トロン:レガシー21.2WDS
◎11位10月 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船19.5GAGA
◎12位3月 ツーリスト18.7SPE
13位2月 英国王のスピーチ18.2GAGA
◎14位6月 SUPER8/スーパーエイト17.2PPJ
◎15位4月 ガリバー旅行記 15.6FOX
16位10月 ワイルド・スピード MEGA MAX 14.4東宝東和
17位1月 ソーシャル・ネットワーク14.2SPE
◎18位9月 ライフ -いのちをつなぐ物語-12.5 エイベックス
◎19位1月 RED12.2WDS
20位1月 アンストッパブル10.8FOX
20位8月 カンフー・パンダ210.8PPJ
◎22位10/12月 シュレック フォーエバー10.0PPJ

 洋画の方は、全22本の中、過半数の13本を観ています。

今月は、以下の三作品をご紹介します。
『ペントハウス』『はやぶさ 遙かなる帰還』『TIME/タイム』

■『ペントハウス』

 2月11日は12:10からの『ペントハウス』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。劇場は座席数:116の「スクリーン7」。土曜日の祝日のせいか、観客は三十数人と予想以上。

物語:
 場所は、ニュー・ヨークのマンハッタン、セントラル・パークに面した、65階建て超高級マンション「ザ・タワー」。ジョシュ・コヴァックスは、そのタワーのサービスを取り仕切る管理マネージャー。細心の注意を払って、そこの住民と接しており、特に、その最上階のペントハウスに住む大富豪、ショウには気に入られている。
 ある日、FBIが現れ、ショウが大詐欺師であることが発覚、逮捕される。が、実はコヴァックス自身、ショウから「投資でお金を三倍に増やしてやる」と甘い話を持ちかけられ、彼の部下全員の年金、2000万ドルを全部彼に渡してしまっていることも発覚する。
 FBIの女性から、ショウが逃走資金として持っているはずの2000万ドルの行方が不明と聞き、コヴァックスはショウとFBIの目を掠めて、有能な(?)部下4人に、幼なじみのこそ泥一人を加えた6人のチームで、この不明金奪回作戦を開始する。
 折しも、当日は感謝祭でニューヨーク市内はパレードで大混乱。
 果たして、彼らはFBIが監視する中、セキュリティー堅固なタワー最上階のショウの部屋から不明金を見つけ出し、みんなの年金を取り戻すことが出来るのであろうか?

 マネージャー役のジョシュ・コヴァックスは、『ナイトミュージアム』でお馴染みのベン・スティラー。そして、保釈金を払って牢獄から釈放された幼なじみのこそ泥役は、往年のご贔屓、エディ・マーフィ。この二人が揃えば、面白くないはずがないと観に行った次第。期待通りに笑えました(ベン・スティラーは真面目顔で可笑しい)。
 今回の物語は、5年前にエディ・マーフィから出された構想だそうで、プロデューサーの中に彼の名前も入っています。
 『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』張りの超高層ビルでのアクションが見せ場です。
 最初に、ショウとコヴァックスがパソコンを介してチェスをする場面があり、クイーンを取らせておいて相手を油断させ、チェックメイトに持ち込む手の話が各場面で顔を出します。

原題:Tower Heist
2011/米/ ユニバーサル映画提供、東宝東和配給
監督:ブレット・ラトナー
脚本:テッド・グリフィン、ジェフ・ナサンソン
原案:アダム・クーパー&ビル・コラージュ、、テッド・グリフィン
製作:ブライアン・グレイザー、エディ・マーフィ、キム・ロス
製作総指揮:ビル・カラッロ、カレン・ケーラ・シャーウッド
出演:ベン・スティラー、エディ・マーフィ、ケイシー・アフレック、アラン・アルダ、マ
シュー・ブロデリック、スティーヴン・ヘンダーソン、ジャド・ハーシュ、ティア・レオー
ニ、マイケル・ペーニャ、ガボレイ・シディベ
2012年2月3日 1時間44分

◇ 今回、初めて映画館で観た予告編。

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D』(米)2012年 3月16日
  あの映画が3Dで! 続いて、年1本の割で全シリーズ6本が3Dで公開予定。
 (予告編で観たのは2Dでしたが・・・。なんだか、また観たくなりました!)
  http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=009076

余談:
 ロビーにいた大量のお子様たちは、『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』に流れて行きました。

■『はやぶさ 遙かなる帰還』

 2月17日は12:15からの『はやぶさ 遙かなる帰還』を観に、「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。上映開始後、未だ一週間だというのに、劇場は一番小さい9番。しかし、座席数:99に対して観客は二十数名と、平日の割には予想以上。

物語:
 2003年5月9日、小惑星「イトカワ」のサンプルリターンを目的とした「はやぶさ」は、皆の見守る中、鹿児島県内之浦からM-V5 ロケットで打ち上げられる。途中、4基のイオンエンジンの中1基が不調になったり、リアクションホイールの1基が故障したりするが、2005年11月26日、何とか「イトカワ」にタッチダウン、サンプルを採集。
 帰途でも燃料漏れや、4基のイオンエンジンの不調が続き、更に、通信途絶により迷子になったりと不測の事故が多発するが、その都度、全員の創意と決して諦めない心が「はやぶさ」を支え、遂に2010年6月13日、満身創痍の「はやぶさ」は地球帰還に成功、カプセルを放出した後、自身は大気圏内で燃え尽きる。

 現在、他に観るべきSF映画もなかったので、3本の『はやぶさ』映画の中、1本ぐらいは観ておこうと考え出掛けた次第。
 昨年10月1日公開の最初の『はやぶさ』は、私と主演の西田敏行とのDNAが合わないので敬遠。また、今年の3月10日公開予定の3本目の『おかえり、はやぶさ』は、3Dのお子様向け科学啓蒙映画のようなので矢張り敬遠。結局、2月11日公開の『はやぶさ 遙かなる帰還』の渡辺謙を観たく、これを選びました。
 「“はやぶさ”プロジェクトマネージャー」の川口淳一郎役の山口駿一郎(渡辺謙)があまりにも格好良く、先日観た『山本五十六』のイメージとダブりました。
  もしかすると、今、日本には、こういう指導者が求められているのではないか、と思いました。
 本筋からは外れますが、この「はやぶさ」の部品を手がけた町工場の社長役を山崎努が渋く好演しています(彼は映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』でも艦長、沖田十三を好演)。
 この映画の上映時間は、2時間16分と、やや長めで、「はやぶさ」が「イトカワ」へ着く往路だけでも緊張し、草臥れました。
 各シーンは技術的にかなりハードに描かれているので、分かる人はそれなりに深く楽しめると思います。
 JAXAに協力し、イオンエンジンの開発に携わってきたNECの技術者が、JAXAとメーカーである自社との間で板挟みになる苦悩は、以前、メーカーの技術屋であった私には痛い程分かり、身につまされました。
 地球からの、指令電波が「イトカワ」の「はやぶさ」に届く迄、片道16分、その対策が成功したのかどうかの判定まで30分以上も掛かるので、かなりやきもきさせられます。
 「最後、きっと泣かせるな」と覚悟していたのですが、矢張りじーんとさせられました。

2011/日本/東映配給
監督:瀧本智行
脚本:西岡琢也
原作:山根一眞『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』
製作:岡田裕介、加藤進、早河洋
出演:渡辺謙、江口洋介、夏川結衣、小澤征悦、中村ゆり、吉岡秀隆、石橋蓮司、藤竜也、
山崎努
2012年2月11日 2時間16分

■『TIME/タイム』

 2月24日は、12:40からの『TIME/タイム』を観に、何時もの「ワーナー・マイカル・シネマズ 港北ニュータウン」まで出掛けました。
  この映画は、特に大スクリーンで上映するような内容ではありませんが、他に適切な映画がないためか、少なくとも今月一杯は座席数:491の一番大きいスクリーン01(+200円のULTILA)で上映されるようです。入りは僅か18人で寂しい限り。

物語:
 人口抑制から、科学技術により人間は25歳で成長を止められ、労働で時間を稼がない限り余命はあと一年という近未来の社会。この余命は、25歳の誕生日からカウントダウンが開始する生まれたときから左腕に刻まれた「ボディ・クロック」に表示される。
 しかし、社会は、その日暮らしで時間を稼ぎ、生きていかなければならない「スラム・ゾーン」と、ほぼ永遠の時間を所有し、人生を無駄に生きている「富裕ゾーン」に別れており、その間の交流は禁じられている。
 時間切れで母を失った「スラム・ゾーン」に住むウィルは、ある事件を切っ掛けに「富裕ゾーン」の人間が、スラムゾーンの住民の生命をわざと縮めるように画策し、時間を搾取している事実を知る。この事実解明のため、単独、富裕ゾーンに乗り込んだウィルは、平凡な毎日に飽き、刺激を求める富豪の娘と惹かれ合い、二人でこの体制に挑戦する羽目になる。
この二人を、追い詰める「時間監視局員(タイムキーパー)」。
 果たして、二人はこの社会制度を覆し、時間の公平な配分を可能にすることが出来るのであろうか。

  “Time is money”の物語で、時間を“お金”に代えて考えると、「集まるところには、ますます集まる」という、正に現代社会そのものです。
 何故、時間がお金の代わりになったのか、また、人体にどんな細工がなされたのかについては、やや説明不足のまま物語は進行していきます。
 25歳で成長が止まるので、母親も妻も娘も皆自分と同じ年齢(外観)。ちょっと、不気味な社会です。多分にご都合主義のところもありますが、楽しめるSFアクション・ムービーに仕上がっています。
 監督と脚本は、アンドリュー・ニコル。彼は過去、『ガタカ』(1997年)で映画監督デビュー、『トゥルーマン・ショー』(1998年)の脚本を執筆(本人は監督もするつもりだったそうですが、巨額ギャラのジム・キャリーが主演することになったため、経験不足を理由に交代させられた由)、『ターミナル』(2004:トムハンクス主演)の原案・製作総指揮を担当しました。
 私は、今まで、スタッフが誰かは特に気に留めていませんでしたが、今回の『TIME/タイム』を含めて、何故かアンドリュー・ニコルが係わった映画を4本とも全部観ていたようで驚いています。
 因みに『ガタカ』は、「人間が遺伝子操作されて生まれてくる“適正者”と、自然に生まれてくる“不適正者”との二つに分けられた社会。“適正者”でなければなれない宇宙飛行士に憧れた“不適正者”の主人公が、何とかして宇宙に飛び立とうと画策する」というお話で、この映画も矢張り差別された二つの社会の物語でした。

原題:IN TIME
2011/アメリカ/20世紀フォックス映画配給
監督・脚本・製作:アンドリュー・ニコル
製作:エリック・ニューマン、マーク・エイブラハム
出演:ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・セイフライド、オリヴィア・ワイル
ド、キリアン・マーフィ
2011年02月17日公開  上映時間1時間49分

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  『Akiのキネマまんぽ』は今回で丁度5年間、60回の節目を迎えることになりました。
  この間、楽しくコメントを書かせて頂きましたが、私も“寄る年波には勝てず”、誠に残 念ですが今が潮時かと考え、今回でこのコラムを終了させて頂くことに致しました。
  今、数えてみましたらば、この間に185本の映画をご紹介致しておりました。
  このコラムをご覧になって、一つでも映画を観に行かれた方がおられましたならば、嬉し いと考えております。
  最近は、純粋なSF映画が激減しているように感じますが、今後は質、重点で、少しずつ でも続けてSF映画を観ていきたいと思っております。
 長い間、ご愛読下さり大変有り難うございました。
  また、最後になりましたが、このコラム作成におきまして、いろいろとご援助下さりまし た方々にも、この機会をお借りし厚くお礼を申し上げます。

                                                                        Aki

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