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Nakakukiのヲ・レビュー

祝・50号記念ヽ(^o^)ノ

Nakakuki&雀部

 毎月、20枚近くのアニメDVDと10枚以上のCDを買いあさり、30冊近くのコミックやライトノベルズを買い込む様な人間が、その中から気に入った物を適当な解説(ほとんど役に立たないかも)付きで紹介したいと思います。

近況:
 うみゅ〜、連続で休載とさせてもらってしまいましたmOm
 書籍は相変わらず買いまくっているのですが、なかなか読んでいるヒマがなくって…(;_;) と言いながら、朝の通勤電車の中でDVDは見まくっています。
 でその時、いつも途中の駅から乗ってきて近くに立つ男性が居るのですが、その人が読んでる本が素晴らしい。図書館で借りているようですが、東京創元社のニーヴン&パーネル本を次々と読んでいらっしゃいますヽ(^o^)ノ つい最近は「降伏の儀式」に取りかかっていましたが、今週は既に「天使墜落」となっていました。でも「そろそろ読む物が無くなるのでは…」と要らぬ心配をしてしまったり、この後何を読まれるかが密かな楽しみなんです:-)

『マリア様がみてる』
ISBN4-08-614459-X
今野緒雪(集英社)
イラスト:ひびき玲音
¥480 '98/5/10
bk1 Buy Now!
☆☆☆☆1/2☆

『マリみて』が男性読者にブーム?
『マリみて』が男性読者にブーム?
 と言う記事が新聞に載っていた。あと、男性が読んでいる『マリみて』こと『マリア様がみてる』は純愛路線だけど、女性読者の多い<やおい>系の話はけっこうエロが入っている。これは、男性と女性が、小説に求めているものの違いが現れていて面白いとも。
 う〜ん男と女、そんなに求めているものが違うとはオジサンには思えんがなぁ(爆)
 で、学園小説といえば、昔からコバルト文庫(本当か?(笑))
 久美沙織さんの描く『丘ミキ』こと≪丘の家のミッキー≫シリーズ('84〜)は、《マリみて》シリーズの直系の祖先にあたる気がしてます。幼稚園の時から名門女学校「華雅学園」に通っていた未来が、両親の引っ越しによって転校を余儀なくされ、湘南に近い森戸女学院に通うことになるという話なんですが、この「華雅学園」というのが、エリート意識の強い学校で、『マリみて』の舞台である「リリアン女学園」と良く似てますよね。
 女の子の読む男子校の話というと、奈波はるかさんの《清凉学園男子寮》シリーズというのがあって、こちらは京都の中高一貫教育の仏教系男子校が舞台。お約束のエッチなシーンもあります(笑)
 真堂樹さんの《青桃院学園風紀録》シリーズというのも、良家の子息たちが、社会に出る前に固い絆を結ぶために入る全寮制の男子校という設定。イギリスあたりにはありそうか。
 最近はハリポタの影響で、魔法学校モノも多いですね。
 南原兼さんの《まほデミー週番日誌》シリーズは、名門中の名門『ゾディアック魔法アカデミー』が舞台。ここも全寮制だ(笑)
 あと、学園じゃないけど、徒弟制度の魔術師の卵たちが活躍する樹川さとみさんの《楽園の魔女たち》シリーズというのもあります。
 どのシリーズも、男子校か女子校の話ですねぇ。現実の比率から言えば、共学校が一番多いと思うのですが……
 というところで、《マリア様がみてる》シリーズを読んで、男と女の求めるものの違いについて考えるのも一興かと(笑)
 では、Nakakukiさんよろしく。以上、前説は雀部でした。

 「ごきげんよう」「ごきげんよう」さわやかな朝の挨拶がかわされる。
 ここは武蔵野の豊かな自然に囲まれた、私立リリアン女学園。ここは明治からの伝統あるカトリック系一貫教育の、お嬢さま学校。ここは先輩が後輩を指導するという生徒の自主性を尊重した学園生活をおくる、リリアン女学園高等部。ここはロザリオの授受を行って個人的に強く結ばれた『先輩と後輩』が姉妹(スール)と呼ばれる、儀式のあるところ。ここは『白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)』『紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)』『黄薔薇さま(ロサ・フェティダ)』と呼ばれるお姉さま方が生徒会(『山百合会』と呼ばれる)役員をつとめる、櫻の園。
 主人公である彼女、福沢祐巳はそんな学園に通う平凡なお嬢さまの一人だった。そう、その日の朝までは……。

 とある秋の朝、祐巳が『紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・プゥトン)』と呼ばれる小笠原祥子さまに声をかけられるところから始まります。いや、ただ単にセーラー服のタイが曲がっているのを注意され、直してもらっただけなのですが…。その結果、いつの間にか『山百合会』のお姉さま方と祥子さまの賭けに巻き込まれ、祥子さまからは「『紅薔薇のつぼみの妹(ロサ・キネンシス・アン・プゥトン・プティ・スール(あぁ、長い…))』になりなさい」と迫られるわ、『山百合会』のお手伝いで文化祭で上演する劇に出演しなければならなくなるわ、波瀾万丈の学園生活に乗り出していくことになるのです。

 その他大勢の生徒の一人として、祥子さまは憧れの対象であった祐巳と、何でも出来る本当のお嬢さま(とある大財閥の一人娘)である祥子さま二人の関係を中心とした、プロット運び。そしてその周りを固める魅力的な登場人物、三人の薔薇さま、それぞれのつぼみ(プゥトン)たち。

 いや〜、お嬢さま学校と言うだけでもドキドキワクワクの未知の世界だし、その学園生活って言うのも、小説とはいえ興味津々。昔の少女マンガでありがちな、陰湿なイジメとかの暗い側面はほとんど無し、基本的に明るい学園コメディでして、読んでいて祐巳と一緒に笑ったり、ちょっと悲しくなったり、嬉しくなったりの繰り返し。

 もちろん集英社コバルト文庫ですから、想定されている読者層は中学生・高校生(しかも女の子)だと思います。でも、私みたいな乱読おじさん(オタクがたっぷり入っていますが…)が読んでいても、充分に楽しめるプロットと登場人物。
 とは言え、実は『健全百合小説』として読んでいる男ども(および大人の女性)が多いとか…。ここ最近のコミックマーケットなどの同人誌即売会では、『マリみて』だけで大きな勢力となっています。いや、純粋にストーリーを楽しんでいる人から、エロパロまで幅広て深いのですよ、この世界は…。

 まぁ、書店では「少女向け」のコーナーにあったりするから、手に取るのはちょっと勇気が要るかもしれませんが、こんな小説たちを女子中高生の物だけにしておくのはもったいない。

 現在、シリーズで17冊出ています(実は小説中ではまだ1年経過していませんが…)ので、最低1週間は楽しめます。特に三人の薔薇さま方のそれぞれのエピソードはなかなか楽しませてくれます。

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