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Interview


インタビューア:[雀部]

竜飼いの紋章

ISBN 4-15-030670-2 C0193

久美沙織著/水玉螢之丞カバーイラスト

ハヤカワ文庫JA 680円 2001/7/31
 没落貴族が経営するデュレント牧場。かつては名門とうたわれたドラゴンファームも、いまはアップアップの状態だ。今日も今日とて、朝早くから跡取り息子のフュンフは、竜たちの厩舎の掃除に余念がなかった。
 一番のお気に入りの竜シッポと、隣の成り上がりのベンジョの牧場に逃げ出した竜を連れ戻しに赴いたフュンフは、そこで滅法気の強い美少女を助ける羽目に。しかも、その少女の言うことには、成金のベンジョフリンが、デュレント牧場を買収する計画をしているというのだ。
 竜と人間の信頼関係(友情)が、なんとも心暖かくさせてくれる作品です。
 この物語では、竜はかつて持っていた飛翔能力を失って、今は滑空するだけが精一杯の生き物として描かれています。フュンフは、赤ん坊の頃からシッポが面倒を見て育て上げた子供という設定ですね。それだけに二人の結びつきは強いんです。
[雀部]  今月の著者インタビューは、先々月(9月)に、ハヤカワ文庫FTより『聖竜師の誓い(上・下)』を出された久美沙織先生です。久美先生、よろしくお願いします。
 実は、ちょっと緊張してるんです。つい最近『これがトドメの新人賞の獲り方おしえます』(紹介と《ドラゴンファーム》二巻三巻の粗筋>>)を読んだもんで(笑)お手柔らかにお願いします。
[久美] おねがいですからセンセイはやめてください。それと、あれに出てくる『祭司長』はわたしそのものではありません。えらそーにおっかなそーにしているのはわざとです。演出です。ああいうやつだと思わないでやってください!
ちなみに、新人賞の獲り方シリーズの登場投稿参加人物には、既にデビューしたかたが何人もおられるんです。どんどん面白いのを書いてもらって、人気者になってもらって、「アノひとがギョーカイに初登場したのはコレだ!」と発掘してもらえたり、そのために、いつまでも増刷してもらえたりしたら、いいなぁと思います(笑)
すみません、ハナシがズレました。竜牧場、お気にめしてくださったそうで、ほんとうにどうもありがとうございます。うれしいです。
[雀部]  SFオンラインでの三村先生との対談(久美沙織インタビュー「小説を書くということ」)も読んだりしたもので、つい(笑)
 『祭司長』は、くみさんそのものじゃありません”ってことを強調しておきましょう!
 このシリーズは、'98年にプランニングハウス社より単行本として刊行されてますよね。プランニングハウス社って、全然知らない会社なのですが、どういう経緯でこの本が生まれたか、差し支えなければお聞かせ下さいませんか。
[久美] 半澤三智丸さんってわかります? わたしにとっては、長年のともだち、戦友です。SF大会においでになるかたには、「紅茶屋」さんの熊崎さんのご親友で、「ファンタジーの部屋の校長先生」というとわかるかも。
彼が、ほんとうにおもしろい和製ファンタジーを読みたい、そういうモノの書き手さんたちを応援したい、と考えて、好きなように腕をふるわせてくれる場所を捜して、あそこを見つけたわけです。
大手出版社の既存のジュブナイル系の文庫シリーズなどでは「ちょっとわかんない、いらない」といわれちゃうような、いわゆる「はやり」のものからハズレてしまっているような、よりディープでマニアックなファンの期待にこたえ評価に耐えるような「SF」や「ファンタジー」を、やりたかったんじゃないかと思うんですけど。
[雀部]  SF大会には、もう20年くらいは行ってないんです(泣)
 ライトノベル系のファンタジーが、売れ線のものに、右へ習えしちゃうというのは、良くわかります。
またそういう物のほうが、やっぱり売れたりするんですよね。
[久美] そうですねぇ……そういうのの中にも好きだなと思うものもあるんですが、全部が全部そうなっちゃう、そうでないものは淘汰されちゃう、っていうのはねぇ。
多様性が失われるのは滅びが近づくことですから、ファンタジーという種を絶滅させないためには、希少種こそ保護していかないと(笑)。
で、その半澤さんの説得にだまされた……というとコトバが悪いですが、共感して、ヨッシャひきうけた、とおっしゃってくださったキトクなところがあったわけです。
たしかそもそもあった印刷関係の会社が、コードっていうんですか、単行本を出してもいい資格みたいなもんを取得して、プランニングハウス社になったのだと思います。
あいにく、結局、一年ちょっとの生命でしたが。
[雀部]  そうか、それで単行本が手に入りにくかったんですね。
 プランニングハウス版が、完結してから半年後くらいに注文したらもう手に入らなくなっていたんです。まあこうしてハヤカワ文庫で読めたから良いようなものですが。
[久美] 「ファンタジーの森」叢書の創刊時のフェアで出していただいたのが『ドラゴンファームはいつもにぎやか(文庫版では、『竜飼いの紋章』)』で、全五巻(ノベルス版)が完結したら、そのとたんのように会社がなくなっちゃった。
実は、最終巻の原稿を書いている頃からすでにあやしかったんですが……なんだか、「お産が重くて母体がもちませんでした」みたいでしょう。困ったという以上に、当初は、すごい罪悪感で。
ソーントーンサイクルを書く時には足掛け何年もかかってしまったわたしが、一年弱の大急ぎでとにかく三部作を完結させたのは、未熟児でもなんでもあわてて生まないと、ママが死んじゃう!って思ったからなんですが……。
[雀部]  なんか切ない話ですね。やはりそういう面でもファンタジーとSFは共通しているか(爆)
 知り合いの漫画家さんに、同じ様な経験をされた方います。私の漫画を出す出版社はみんな潰れるとか言っている(笑)
[久美]  それはもしや「い○かわじゅん」先生では……。
 あそこには、他にもおおぜいのかたのいろんな作品があったので、けっしてわたしだけのせいじゃないとは思いますよ、思いますけどね(笑)。
もし、わたしが、出せば必ずベストセラーなやつだったら、あるいは、ハリポタに起こったようなことが竜牧場に起こってたら、みんなハッピーだったのになぁ、と、思ってしまいましたです。
元のバージョンの本が一冊でるたびに、なんとか世間の注目をあつめられないかと、いろんなひととか、雑誌の書評欄とか、テレビとかに「本と、必死の嘆願書」をセッセと送ったりもしたんですが、うまくいきませんでした。
ちなみに半澤さんはいまエニックスで、やっぱりファンタジー系の小説のシリーズの編集者をしておられます。こんどまた一緒にお仕事させていただく予定で、いま、あーでもないそーでもないと、悪だくみをしているところです。
ハナシが長くてすみません。
[雀部]  いえいえ、貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございます。で、それがどうしてハヤカワから出ることになったのでしょうか?
[久美]  これがまたひとの縁というか「何を好きであるか」の不思議なめぐりあわせというか(笑)
ハヤカワさんから、20世紀のまとめだったか21世紀はじまりを記念してだったか、自分の好きなSFについて語るチャンスをいただいた時に、『野獣の書』三部作というやつを挙げたんですね。紹介>>
日本語版のタイトルは順に『孤児』『虜囚』『野獣』ですが、米国で『孤児』のペイパーバック・オリジナルが出た時点で、作者はもう亡くなっていた。五十歳の若さで。
おかげで、作品はそれひとつしかないし、もうずいぶん前に出たもの(日本語版が83年)でもあるし、あんなにいいのに、消えてしまったらもったいない、最近SFを読み出すようになったかたの中にも、がんばって見つけたら大好きになっちゃうひとがきっといるはずだ、と思ったので。
[雀部]  あ〜、あの作品は私も好きでした。普通のファンタジーじゃないっすよね。何か異質な他には代えられない傑作ですから。
[久美] そしたら、編集部の上池利文さんが、「実はあれはボクにとってすごく思い入れのある本なんです。ボクがみつけてきて、青背にいれたいって提案して実現した最初の本で。ずっと覚えていてくださって嬉しい」って、いってくださったんです。
それで、アレを好きなかたなら、わたしのアレのこともひょっとして好きになってくれないかなぁ、と思ったので、よかったら時間のある時にでも読んでみてください、って、元バージョンの五冊をお送りしたんです。ついでに、「これは完結したとたんに版元がなくなっちゃった幻の絶滅危惧種です」ってグチをこぼしつつ(笑)。
「是非うちで文庫に」っていっていただいた時には、やったぁ! って思いました。天国のストールマンさんに、おかげさまです、ってお祈りしました。
[雀部]  そうなんですか、ストールマンさんのお導きで私もドラゴンファームが読めたんだな(涙)
 《ドラゴンファーム》は、恋あり冒険あり、笑いありなんですが、特に笑いの部分が好きなんです。内容的にはけっこう説教臭いところもあるんですが、くみさんのほんわかしたユーモアがそれを包んじゃっているので、受け入れやすいですね。特に悶絶したのは『誇り』のラストで、フュンフとディーディーが議論するところがありますよね。あそこの最後のフュンのセリフ。ちょっと油断していたので、思わず飲みかけのビールを吹き出してしまい、カミさんにえらい叱られました(爆)フュンフ、君って奴は、まったく・・・
[久美] うふふ。ありがとうございます。そんなにウケるとは思わずに書いた部分なんですけど。
あそこは、なんかツボにはまるかたがあるらしいですね。
[雀部]  Webでも、はまったかたをお一人見かけました(笑)
 最近ライトノベルを読んでいると、フュンフくんみたいな主人公が多いですね。**には滅法強い(得意)けど、可愛い女の子にはからきし弱い(何も言えない。奥手?)タイプ。
 こういう主人公が少年少女には受け入れられやすいでしょうか?それとも市場の要求なんでしょうか?うちの子供も、やはりこういうライトノベル系が好きみたいですし。これからは、女の子が男の子をリードする世の中になっていくのかなぁ。まあ、変にアナクロな俺についてこい男が増えるよりはマシですが(笑)
[久美] たぶんわたし、イディオ・サヴァン的なものが好きなんですよ。通信簿でいうと、ひとつだけ「5」で、そのイッコに関しては「学校はじまって以来の天才!」とかっていわれるほどなのに、あとは全部「1,2,1,2」みたいな。何かに夢中になって、没頭して、そのあまり、他に気をまわす余裕がない、みたいな。ある意味イノセントで、英語でいうナイーヴ(愚か)な感じ。
おかみき(註。『丘の家のミッキー』全十巻・集英社文庫・復刻中)の主人公もそうです。本人がオオマジで、いっしょうけんめいになればなるほど、世間や他人とどんどんズレてしまう。そこに笑いが生まれるわけで、作家としてはその「ズレのおかしさ」も利用しているわけですけど。
うんと笑ってほしい、でも、冷笑したり見下して嘲笑うんじゃなくて、そのひとにはそうしかできないのだということを理解してほしい、みたいな感じかな。
おかみきの場合はオトコの子のほうがとてもしっかりしていますから、男女の役割分担に関しては、あの場合はあの場合で、たまたまだと思います。
オトコでもオンナでも、突出スペシャリストには、有能マネージャーが欲しいじゃないですか。世間知があって、社会性があって、ともするとどこまでも遊離してしまいがちなそのひとを此の世に繋ぎとめる錨の役割をしてくれるような。凧糸切れちゃった凧は、やがては落ちてゴミになっちゃいますからね。
[雀部]  なるほど。オールマイティな存在よりも、どこか抜けているほうが、親近感が湧きますし。
 『誇り』の解説で、松尾由美先生が書かれてますが、『紋章』の初っぱなから、竜の糞尿(と放屁)の凄い臭いと、フュンフの髪が黄金色な理由で、読者の心をしっかり掴んでしまいますね。おやおや、そうなんか〜ってなことで、思わず引き込まれてしまいました。
[久美] ありがとうございます。金髪好きなんです。きれいだと思います。御殿場のとある乗馬クラブに行った時、オリンピック級にうまいとある女性ライダーが、日本人なのにとてもきれいな金髪をしていて、羨ましいなぁと思っていたら、あれは染めてるんじゃなくて、毎日せっせと馬のめんどうをみていると自然とそうなるもんだって教わって。こりゃあ、いつかどっかで使ってやろうと思いました。
[雀部]  なんとあれは、実話なんですか。あそこらあたりの描写の細やかさは、まさに「神は細部に宿る」ですね。物語世界にスムースに入り込めましたから。
[久美] 嬉しいなぁ。細部あってこその小説だと思います。筋書きそのものは、単純化してしまえば、既に出尽くしているもののどれかにはまる、「定番」パターンでいいんだと思います。読書は楽しみのためにするものなのだから。予想をうらぎらないもの、「きっとそうなると思ってたんだ」の通りになるものでかまわないんじゃないかと。本格推理なんかはちょっと事情が違いますが。
 わたしみたいなタイプのモノカキに大切なのは、観察眼と好奇心だと思いますね。つきつめていうと万物に対する愛です(笑)。変化していく瞬間瞬間のすべてがかけがえがないから、いとしいから、知りたいし、わかりたいし、おもしろがっちゃうよ、みたいな。
だから、キャラとかストーリーがわかっていても、書きたい現場のアトモスフィアを再現するための何か、その場所のハートみたいなものをしっかりと捕まえることができないと、ぜったいに書き出せないですね。
その点、誰もが知っているし、いわれてみればそうだろうということもわかるけれど、ふつうはあまり直視しないようにしている排泄物の役割は偉大でした(笑)。
 ちょっと話を戻すと、乗馬っておハイソな感じしますけど、健康な大型のいきものが何十頭もいるので、見ないふりできないほどたっぷりの排泄物がある。そこらにはハエが飛んでる。ウンチにとまったやつがランチ食べてるこっちのそばまで飛んでくる。おハイソなかたがた、とっくに慣れっこで、ろくに追い払いもせずに平然と食べ続けるんですよ。おお、これがうわさの、ノーブレス・オブリージュなのか! と(笑)。
フュンちゃんがああいう生まれで育ちなのに、いわゆる典型的「王子さま」とは違う、まず第一に生きて暮らしているふつーの人間であるのは、この発見のおかげだと思います。
あのう続けていいですか? ウンチとかオナラのことを話題にしたがるのって、もとが幼稚でアラレちゃんレベルなのかもなんですけど……
[雀部]  どうぞ、どうぞ。フュンフ君の性格がよいのは、ウンチと共に暮らしているからなんですね(笑)
[久美] 健康なウンチって、実は、いいニオイがしませんか? 馬なんかは植物性のウンチだし。
狭いとこにたまりすぎて、嫌気性発酵するとゲロゲロになりますけど、充分に広い範囲にぽつんぽつんとある分には、そんなにひどいものじゃないですよ。やがて乾いて、土になる。
犬猫と暮らしていると、一日になんどもナマのウンチがでますし、山をサンポすれば、くまのウンチとかカモシカのウンチとか、これはタヌキのかなぁ、とか、いろいろ見かけます。見つけると嬉しいんですよ(笑)いきもの本体のほうは、いろんな種類のにそう簡単に出会えませんから。誰のかなぁ、どんな子がここを歩いたのかなぁ、とか。見た目やニオイの違いに興味をもってきちゃう。
[雀部]  う〜、私は田舎育ちなもんで、小さい頃はまだ馬がポコポコ歩いてましたが、糞にはあまり良い思い出はないなぁ(笑)
[久美] うふふふ。でもちょっと困るもんでも「あり」なんだ、しょうがなくあるもんはあるもんなんだ、という世界のほうがいいと思いませんか?
 ずっと以前に、中島さん(栗本薫先生)が、まだ小さかった息子さんのダイスケくんをつれてウチに遊びにおいでになったことがあるんです。動物好きのお子さんがくるっていうんで、たまたまそこらにいたクワガタかなんかを捕まえておいたんですよ。
 ダイスケくんが喜んで手に乗せたら、そいつがまた、ナイスなタイミングでウンチをしたんですね。
 ダイスケくん、ビックリしてかたまっちゃって、泣きそうになった。きたない、ってつぶやいて。 その時、中島さんが、「だいじょうぶ、なんでもない。手はあとでちゃんと洗えばいいんだから」っておっしゃったんですね。「ほら、こんなちっちゃなムシさんもいっしょうけんめい生きているんだねぇ」って。ああサスガだな、と思いました。
 おかあさんが「きゃーっ、汚いっ! そんなムシ、はやく捨てちゃいなさい!」みたいなひとだと、いのちとか痛みとかのわかんない人間になっちゃいやすいと思う。イヤなもんは見えないとこにどかしちゃえばいい、気にいらないものはスイッチ切ってリセットしていい、ケガレはイヤだ、ひきうけない、みたいな。
[雀部]  あ、すみません。うちのカミさんがまさにそのタイプなんです。とにかくモジャモジャした虫が嫌いです。特に蜘蛛なんかが出てきた日には、すぐにお呼びがかかります。おかげで、子供たちもカミさんほどではないけど、蜘蛛類は好きじゃないみたい(カブト虫とかクワガタなんかは平気みたい)。ヤモリなんかは割と好きみたいなんですよね。良く分からん。
[久美] わたしもゴのつくのいやだし、カマドウマにいきなり飛ばれると「おうっ」ってなっちゃうし、そりゃあハチとかケムシにさされたら痛いから怖いけど。
「きゃー反応」はなるべくしないようにしよう、と意識はしています。
つまり、であいがしらの否定とか拒絶は。
いちおー、これでもエスエフもんなんですから(笑)深宇宙の彼方の知性体とか、いるとして、どんな姿カタチしているかわかったもんじゃない。あったとたんにスリッパふりあげて「いやー!あっちいってー」じゃ失礼だろうと(笑)。
むこうにしてみれば、わたしのほうがよほど気味わるいかもしれないし。
[雀部]  ゴキブリは、けっこう嫌がる人が多いですね。ま、あれが顔をめがけて飛んできた日には・・・
 私は蠅取り蜘蛛(蜘蛛の巣を張らないヤツ)は、手触りが好きなんです。カミさんが嫌がるから掴まえると手の中でピョコピョコして可愛い(笑)
[久美] ムシはちっこすぎて、うっかりつぶしそうでこわいんですけど、生き物の「さわりごこちのよさ」ってありますよねぇ。ヘビは上等の絹織物のようだし、マナティの口なんて、ふにゃふにゃで、ほとんどエッチなぐらいに気持ちいい(笑)。
鳥羽水族館でバックヤードにいれていただいて、さわらせてもらえたんですけど。水面いっぱいに、エサのマナモとレタスとマナティのうんちが浮いてて、思わずウンチすくってニオイかいでみたら、草のいいニオイなの。ハナの頭についちゃっても、ぜんぜん汚い感じじゃなかった。そういえばあそこでも「糞までさわりたがるひともめずらしいですね」って言われたな。やっぱヘンタイなのか、わし……。
[雀部]  そ、それは作家としても得難い経験をされたんですね。
 ウンチはねぇ。田舎に住んでいると、日常的な物ですから(爆)
[久美] いつもあるウンチはそりゃあジャマでしょうが……マナティのウンチを直接観察するチャンスなんて一生一度しかないかもしれないじゃないですかー! 自分だって必ず毎日のようにウンチするのに、ウンチは、とにかく汚くて臭くてイヤなもんで、ウンチするのはいけないこと、恥ずかしいことだ……なんて思いこんじゃってると、不幸だと思う。
 わんこもそうですよ。トイレじゃないとこでウンチとかオシッコしたのを叱るでしょ。すると、「そこで」するのがいけない、と思わずに「そもそもウンチやオシッコをするのは、おかあさんがものすごくイヤがることなんだ」って思っちゃう。叱られたくないから、無理にガマンして、からだを壊しちゃったり。いよいよガマンができなくなった時にしかしないから、余裕がないから、ますますマズイとこでやっちゃって、しかもそれを隠す。そうかんたんにみつからないところでやろうとするから、ますます迷惑(笑)。わたしは、お散歩中にわんこが排便すると、ものすごくホメます。「えらいねー!」「なんていいこなんだー!」「よしよしよし」って。ほめられるとうれしいから、また外でしようと思うでしょ。オシッコシートがすこしは節約できるはず。
 いいコのメイちゃんは、お散歩にいくよーっていって、他の子がツナつけられはじめると、家の中のトイレに「おでかけ前の」ひとシーをしにいっちゃうんだけど(笑)人間なら、ほんとシツケがゆきとどいたよい子なんですけどねぇ。(写真>>)
冬以外は、犬の散歩中のウンチは、スコップもってって埋めちゃます。200年前の浅間の噴火の軽石大地を、少しでも肥やせよ、みたいな気持ちで。
肥やすといえば、死んだ子たちのお墓が庭にあるんですけど、そのそばにわたし山百合の球根を植えておいたんですよ。ジロ百合咲いて、マロ百合咲いて、チーちゃん百合さいて、また枯れて。季節がめぐると、また咲いてみせてくれて。だから、デュレントさんちの食事の時のお祈りは、自分の気持ちそのまんまです。
わたしも一緒にあのお墓にはいりたいんですが……できれば、火葬なんてもったいないことしないでそのまま埋めて養分を活用してほしいんですが(笑)死体遺棄罪で亭主が逮捕されちゃうかなぁ。あ、そうそう、ニオイっていえば。うちの犬のジョジョの足の裏は、できたてのポップコーンのニオイがするんですよ! からだのほかの部分も、もっと薄いけど、これに近い。五匹いるうち、ニオイとさわりごこちはこの子が最高です。ジョジョのすべすべであったかいからだをダッコして、そのニオイを胸いっぱいに吸い込むと、「しあわせ〜!」って思います。
[雀部]  ジョジョちゃんって、文庫の著者近影にくみさんと一緒に写っているワンちゃんですか?ひょっとして、登場する竜の誰かのモデルになってませんか?
[久美] そうですあいつです (写真>>)
ドラファの愛玩竜はたいがいうちの犬です(笑)。マテウスをよい竜に育てようとして「訓練」しようとするコのモデルは、ネコですが。これも実話。とあるよそのおうちの賢いネコさんが、赤ちゃんにネズミとらせようとして、ヤマネのぬいぐるみでいっしょうけんめい訓練してたって話を聞いて、なんてステキなんだろうと思ったので、書きました。ハイハイしているうちは倦まずたゆまず訓練していたのに、タッチするようになったら、ぴたっとやめたというのも聞いたままです。その「理解」が訪れた瞬間のネコさんの喪失感を思うと、せつなくて、胸がひきさかれそうです。
[雀部]  あの部分も大好きなんですけど、あれも実話なんですね。ライバーの「跳躍者の時空」の裏返しのエピソードだけど、ということはライバー氏も同じ様な経験があるのかな。
 それと竜のシッポの存在。これ読んで、自分もシッポのような竜が欲しくならない人が居たら、よほど感受性が欠けていると申し上げても過言ではないでしょう(笑)
[久美] わたしも欲しい! ほんとうに欲しい。
あれを書き終えた時、その点だけは悲しかったです。もうシッポにあえないのかと思うと。フュンちゃんになりきって、シッポといっしょにいるのって、ほんとうにほんとうに幸せだったから。
[雀部]  また続きを書いて下さいよう。番外編とかでも良いですから〜。
[久美]  「三つの試練」とか(笑)。レドラがやらされた試練をきれいな絵本とかにでもできたらいいなと思ってはいるんですが、実は肝心の試練の内容をまったく考えてません。「探索」と「辛抱」と「挑戦」とか? 挑戦は「大食い」かなぁ、フード・ファイターのかたがたのこと、大尊敬しているんで(笑)。なにか、すてきな試練の三つセットを思いついたかたはお知らせいただくと幸いです。これは!というのがあってかけそうだったら、また上池さんに直訴したいです。
[雀部]  で、このシッポの考え方が、けっこう人間に近い描き方をされていますが、これは何か狙いがあったのでしょうか。SFなんかだと、違いを際だたせて、人間の考え方の矛盾点を暴くといったような書き方になることが多いような気がしますが。
[久美] うーん、そばにいてくれたら嬉しいやつを書いたらああなっちゃった。ディーとフュンちゃんの間のほうがよっぽど不毛で(笑)、お互いに「ぜったいにわかりあえない」部分があるよね、みたいなのを強調するためかも。竜というやつの特殊な知性を構築できず擬人化するほかない、それがわたしの想像力の限界だった、ということもありえますね。
わかりあえない同士にでもコドモはできる。家族になって、ぜったいに途切れない結びつきができる。
じゃあ、ぜったいに肉体的に結ばれない知性体同士にはどんな可能性があるのか? それでもともだちにはなれるはずだよね、誰よりもかけがえのない同士になれるよね、みたいなのが好きかもしれない。
さっきのジョジョがね、猫のシルビーのお気に入りなんです。他の犬には近づかない、人間にもずっとちっともなつかなかったシルビーが、ジョジョには自分からよってって、さかんにスリスリして、その前肢のまんなかとかで憩っちゃうんです。わたし同様、ジョジョのニオイと手触りが好きなのかもしれないんですが。
ジョジョのほうは、穏やかな気性のやつなので、すこし迷惑なこともあるけど、まぁいいや、みたいな感じで、シルビーは片思いなの。その上、犬と猫で、メス同士で、しかもからだの小さなシルビーのほうが年長で、いわば「獣姦の、同性愛の、ロリ」という三役揃い踏みみたいなもんなんですけど(笑)ほんとに好きなんだなぁっていうのが見てるとわかりますから、ものすごく微笑ましくて、かわいいんですよー。「愛」だなぁ、っていうか。
[雀部]  いいですね、種族間を超える愛かぁ。SFのテーマにもなりそう。
 そう言えば、くみさんが、来日されたフォワード博士にお会いになったときに、そんなお話をされたと書かれてましたよね。
[久美] フォワード先生は、白い上下スーツ(ベストが虹色)で白髪白髭で「ケンタのおじさん」みたいでした。
実はその茶話会の最後のころ、ずっとモジモジしているだけだったわたしを哀れにおぼしめしたのか、今岡さん(いたんです。注:当時のSFマガジン編集長)が、「くみさんも、せっかくきたんだから、なにか話してみたら?」とふってくださったので、たどたどしい英語で、「わたしは、りゅうのたまごをよみました。ちーらちゃんたちが、だいすきです。あんな、すごいとんでもないほしの、すごいぜんぜんちがういきものと、にんげんが、ちゃんとわかりあって、なかよくなれるっていうとこが、すごいすきでした。せんせいは、ほんとうに、そうおもっていますか? つまり、すごいちがうどうしでも、じかんかけて、しりあえば、おたがい、わかりあえたり、だいすきどうしに、なったりできるはずって、しんじてますか?」とかってきいたんです。
したら、カーネルサンダースフォワード先生は、にっこりわらって、「Yes,of course. If they have enough intelligence.」というようなことを、おっしゃったんです。
で、あとから今岡さんに(たぶん哀れにおぼしめしたからだろうと思いますが)「あれは、今日きいたなかで、いちばん重要なおコトバだったねぇ」っていってもらいました。
うれしかったです(笑)
[雀部]  そっか、竜と人間の結びつきの強さには、フォワード博士のお墨付きがあるんですね(爆)
 くみさんのご夫君であり、鷹匠でもあられる波多野鷹氏の書かれた『鷹狩りへの招待』(紹介>>)を拝見しますと、鷹と鷹匠の関係は、竜と人間の関係と似ているところもあると思うのですがどうなのでしょう。
[久美] そうですねぇ。飛ぶものを身近に感じたというのはひょっとすると大きいかもしれないですね。
 この前の冬、ハヤブサの飛行訓練をするために凧揚げするっていうんで、ついていったことがあります(>>)
 翼をもってるといっても、飛ぶのはエネルギーがいるし、ちょっとしたコツがいることみたいだから、若いトリはなかなか飛びたがらないし、最初はうまく飛べないんですよ。だから、カイトの糸の途中に餌やルアーをつけておいて、おっかけさせるんですね。あいにく空を飛んでみせて「ここまでおいで」ってやることはできないですから。外国の鷹匠の中には、飛行機の操縦のできるひととか、スカイダイビングやパラグライダーができるひともいるみたいで、亭主は羨ましいんじゃないかと思いますが(笑)。
 オオタカは森の鳥ですが、ハヤブサは砂漠や草原の鳥なので、飛ぶには、開けた地面がいる。だから、ひとさまの畑におじゃまするわけです。どこまでもいちめん真っ白な雪の原の上をね、走って凧あげる。
じょうずに風をつかまえると、冬のすんだ青空の奥、どこまでもどこまでも高くあがっていってねぇ。そりゃあもうきれいです。あっという間に小さくなって、空の高さがわかる。自分もいっしょに飛んでるみたいで。そして鷹匠が鳥を放すと、これがまた、ぱぁっと飛んで。それがまた、最初はほんとヘタクソで(笑)。彼らにしても、飛ぶのってたいへんなことなんだろうなぁ、というのがよくわかる。
 亭主がカイトを使った訓練をはじめたのは最近で、シッポくんたちのことは書き終えてからですけど。
[雀部]  波多野さんも、シッポ君がいたら、空を一緒に飛んで訓練できますね。切実に欲しがられるのではないでしょうか(笑)
[久美] 欲しいでしょうねぇ(笑)。一度、亭主が、実家のベランダから、これはたしかオオタカですが、うっかり飛ばしちゃったことがあるんです。マンションの12階から、ぱぁっと飛んでくの、すごい気持ちよさそうで。もちろんわたしもいっしょにすぐに捕まえにいったんですけど、なかなか戻ってこなくて。電柱の上とかにとまると、カラスがたくさんよってきて、こわくて降りられないんですよ。降りられないけど、飛べるから、高いとこから高いとこへ移動する。しょうがないから、ここにいるよーって声かけながら、励ましながら、こっちは道を走っておいかけるんだから大変です。最後は、夕方、暗くなって、おなかもすいてきて、ようやく勇気をだして降りてきてくれましたけど。
 ベランダで餌やりとかしていると、いつもカラスがわらわら集まってきますよ。たぶん、群のコドモに「ほら、あれがオオタカよ!」「あいつがいたら、気をつけるのよ!」とかって教えてるんでしょうが……知らないひとがふと見たら、そこだけなぜかカラスがやたらに群がってて、ホーンテッド・マンションみたいだろうなぁ、と。
[雀部]  カラスは、賢いですから、強敵のお勉強に来るのはありそうな話ですねぇ。
 話は変わりますが、『誓い』の後書きでご夫君とのブレーンストーミングが元となって、「竜」のイメージが生まれてきたことが書いてありましたが、そのこととか『誇り』にもついている竜の設定画を拝見すると、生物学的にもかなり考えられたんだなあと感心しました。ファンタジーでも、地理的・歴史的な設定をちゃんとするのは当然なのでしょうけど、こういう竜の骨格とか噛み合わせの設定まで気を配られているのを読むと、SFファンとしては胸がジーンと熱くなるような(笑)以前に、菅浩江さんの『暁のビザンティラ』を読んだときに、月の運行周期にまで気を配られていたのを見て以来です。
 虚構のファンタジーだからこそ、こういう所に気を配ることが、読者が入り込みたがっている世界に真実味を加えることになると思いますが、ファンの皆様の反応はいかがでしたか。
[久美] そーゆーことに関してはあんまり言われた覚えが……。骨格とか考えるのはとっても楽しかったんですけど。
[雀部]  ありゃ、変なところに目がいくのはやはりSF者の性であったか(爆)
 歴史的な設定なんですけど、未来のヨーロッパと考えて読んでいるんですが、当たらずとも遠からずでしょうか。数の数え方は、ドイツ語だし。いや、全くの別世界(SFだと平行宇宙)でも構わないんですが、SF者としてはちょっと気になって(笑)
[久美] 地理も歴史も、言語的背景もとてもいい加減です。本気で、こことはまったく違う世界をひとつまるごとピシッと作ろうとしたら、一生かかっても足りないもん。
ただ、とおるかとおらないかわからないようなカタチの逃げはいちおー打っているつもりです。
(以下、ネタバレを含みますので、読了済み方のみお読み下さい) 続き>>
[雀部]  よろしければ、今後の執筆予定をお教え下さい。
 SF(『真珠たち』のような)は、もう書かれる予定はないのでしょうか?
[久美] 10月25日ごろ、祥伝社の400円文庫から『いつか海にいったね』という災害パニック小説が出ます。もうひと押しするときっぱりSFになりそうなネタだったんですが、祥伝社さんからのご依頼だったので(笑)あまりそっちにいかないようにしました。この本の原稿、実は五月にはできてたんです。はじめ七月発売といわれたので。夏に、しかも、同時多発テロ以前に読んだら、読んだ感触がぜんぜん違っていたかもしれないのになぁ、と、ちょっと悔しく思っています。エスエフ的なものの考えかたをなさるひとにとっては、テロリストより炭そ菌より、ウチのコレのほうが、もっとおっかないかも……だといいなぁ。
小松左京マガジンのご好意で転載させていただいた『冷蔵庫を捨てに』が幸いご好評をいただいたので、e-NOVELSさんに、知性化冷蔵庫シリーズをしばらく書いていく予定です。だいたい一ヶ月にイッコぐらいの割合でやりたいと思っているんですが、ちょっと遅れぎみ。第二弾『臆病なデカい冷蔵庫』が、そろそろアップされるころ。
第三弾『冷蔵庫王レイキ』が今月月末シメキリ。
[雀部]  『いつか海にいったね』早く読みたいです〜。e-NOVELSのほうも、早速拝見しに行きます〜。
 それにしても、知性化冷蔵庫ですか(笑)冷蔵庫にInternet端末を付けるアイデアの上を行ってますね。
[久美] 知性化冷蔵庫、読んでいただくには、すみません、ウェブマネーが必要(税込み100円)なんです。
わたしはソネットなので、ソネット決済できるんですが……ローソンとか、サンクスとか、そーゆーとこで売ってるはずです。よろしくおねがいいたします。気にいっていただけるとよいのですが……。
エスエフではありませんが、光文社の季刊ミステリー雑誌「ジャーロ」に次の号から連作をさせていただく予定で、先日、わたしにしては珍しく取材にいきました。上九一色村まで。某宗教団体の話ではなく、搾乳ヘルパーの話なんですけど。生きているウシさんからどうやってお乳を効率よく搾って出荷するのか、搾乳農家さんの毎日のお仕事がどんな感じなのか、よくわかりました。ウシさんたち、かわいかったです(笑)。
それから、先に話題にのぼりました半澤さんとこで、『魔法少年鑑別所(仮題)』をやります。エニックス販売部がこのタイトルに難色をしめしておられるそうで、『魔法トレセン』とかなんか違うタイトルになるかもしれませんが。魔法力をもっているこどもは「ふつうの学校においておいてもらえなくて」寄宿舎つきの学校に強制的に集められてて、みたいな。ハリポタと『永遠の仔』の一部を足して、ゲラゲラ笑える明るく楽しい青春モノにしちゃいたいと思ってるんですけど、無謀でしょうか。牧野さんの『呪禁官』があまりに素晴らしかったので、我ながらちょっとまねっこです。「異形コレクション」などにチラッとだしたら、少数ながら煩悩ファンが誕生してしまった井上雅比古(注。雅彦の誤植ではありません)さまというキャラの少年時代を出すのが楽しみです。年末進行に入る前に原稿を渡すつもりでいるので、はやければ来年早々には本屋さんに出るかもしれません。
あと、打ち合わせはしたけど版元が決まってなくて予定未定の、原作つき企画もいっこあります。こっちはゾンビハンター系。
読書案内本『ヒロインで読むSFファンタジー』や、『獣蟲記』の三部作完結編、『獣の巣』も、やらなきゃやらなきゃと思ってはいるんですが、いつになったらできるやら……。
……なんかすげー勢いでしごとしてるじゃないか、オレ(笑)
実はいま右手が腱鞘炎らしくて、肩から肘まで、まるでお相撲さんみたいなテーピングをしてるの。とうぶん、必死で大量の文章をぶったたいたりしないほうがいいんじゃないかと思うんですけど……。実は腱鞘炎になったのは、ある日、すごい勢いで編物をしたせいらしいからなぁ。ちなみに、ワインボトルとかに被せて飾るクリスマスツリーを編んでたんですけど。
キーボードなら、両手均等につかいますから、右手だけこんなになるはずないもんなぁ。
[雀部]  ありゃま、ご慈愛下さいませ。
 今回は、お忙しいところ、インタビューに応じていただきありがとうございました。
 《ドラゴンファーム》がガンガン売れて、早川書房さんから、ぜひ続編を!というお声が掛かるのを期待しております。 
[久美] ありがとうございます(泣)。
夢は、ジブリが映画化してくれて、ディズニーランドかどこかに「シッポくんにのって飛ぶ」アトラクションが誕生することです。のりたいなぁ。

[久美沙織]
 岩手県盛岡市生まれ。上智大学文学部哲学科卒。在学中の'79年、「小説ジュニア」にてデビュー。集英社のコバルト文庫を中心に活躍し、代表作である少女小説『丘の家のミッキー』がベストセラーに。
 異世界ファンタジー『石の剣』、SF長編『真珠たち』(早川書房刊)、ホラー長編『夜にひらく窓』(早川書房刊)や『電車』、ホラー短編集『孕む』など著書多数。ほかに「ドラゴンクエスト」「マザー」など、人気ゲームのノベライズも手がける。軽井沢在住。
 工事中ですが、非公式オンラインファンクラブはこちらから

[雀部]
50歳、歯科医、SF者、ハードSF研所員。
ホームページは、http://www.sasabe.com/


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