雀部 |
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いするぎさんのご本で私が持っているのは、新紀元社から出た『ファンタジーノベルズガイド』と『ファンタジー・サバイバル・ブック』の二冊なんですが、ご自身からみて、自分は普通のファンタジー・ファンの読み方とは違う読み方もしてるなぁと思われることはあります?
私なんかは最近“あ、ここはこういう風に紹介したらいいな”とか“ここはなんでこういう展開にしちゃったんだろう”とかしょっちゅう考えていて、純粋には楽しめなくなっているような(爆) |
いするぎ |
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すいません。普通のファンタジーファンってなに? と思ってしまうわたしには、自分の読み方が違っているかどうか、そして、どう違っているかはちょっとわからないです。
強いて言えば、ファンタジーだからこの本が好きというのではなく、わたしの好きな本にファンタジーが多いという感覚で読書を楽しんでいるところでしょうか。
確かに書籍紹介のサイトなどやっていると、本を読みながら、どう紹介しようなんてことを考えてしまうこともありますが、読書はわたしの趣味なので、とにかく本は楽しく読むことが第一と思っています。雑念が入って読書の楽しみがなくなってしまうようでは本末転倒。宿題の読書感想文は大嫌いでした。 |
雀部 |
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あっ私は、本末転倒してる(泣)
読書感想文は、嫌いじゃなかったなぁ。単なる作文よりはだいぶまし(笑)
よろしければ、この二冊の本を出された経緯をお教え下さい。 |
いするぎ |
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もともとは漫画家かイラストレーターになりたかったんです。
新紀元社へは、イラストの持ち込みをしたのですが、それがどういう具合か文章で勝負ということになってしまって……。
ファンタジー系の同人連絡紙の穴埋めに、書籍紹介の小さなコラムをかなりたくさん書いてはいたのですが、文章のほうで本を出すことになるとは思ってもいませんでした。 |
雀部 |
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それで、ご著書のイラストも、たくさん描かれているんですね、納得。
ファンタジーにお詳しいのですが、ご自分で書かれる予定はございますか? |
いするぎ |
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書きたいんですけど……、難しいですネ(泣) |
雀部 |
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あれだけ知識がおありなら、書き始めれば書けそうと思いますが。
『ファンタジーノベルズガイド』の第一章が「異世界にのぞむ」ということで、ロジャー・ゼラズニイとかゴードン・R・ディクスン、アンドレ・ノートンなどSF畑の作家が取り上げられていたり、『ファンタジー・サバイバル・ブック』のほうも、真っ正面からサバイバル方法を論理的にお書きになっていたりで、ひょっとして理系の血が入ってませんか?(笑) |
いするぎ |
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理系に進学したかったのですが、数学がダメでした(恥っ)。
SFも大好きでサイトではSFの紹介もかなり書いているのですが、SFを科学的な面から論評するにはやはり力不足なところが悲しいです。 |
雀部 |
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お、数式嫌いのハードSFファンである私と似ているかも。あ、一緒にしては、いするぎさんに失礼か(爆)
『ファンタジー・サバイバル・ブック』巻末の参考文献のリストには圧倒されたんですが、これらの本を書かれたとき一番苦労されたところはなんでしょう? |
いするぎ |
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『ファンタジー・サバイバル・ブック』では、懐具合と2階が落ちないかが心配でした(笑)
会社勤めをしながら書いたため図書館通いをする余裕がなく、資料はほとんど買ってしまったんです。もともと持っていた本が大半なのですが、仕事に使うんだという大義名分のもと、前から欲しかった少し高めの重い本も買ってしまったものですから。
あとは……、書いている時は大好きな世界に浸っていられたのですから、ひたすら楽しかったです。
最近、『ファンタジーノベルズガイド』で取り上げた本が何冊か復刊されたのが嬉しいです。 |
雀部 |
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あれは全部買われた本なんですか。それは凄いなぁ。まさにお好きだからできることですよね。
いするぎさん、お忙しいところ色々ありがとうございました。一人でインタビューするとどうしてもお聞きすることが偏ってしまって後で後悔するんですよ。今回は、的確な質問事項を頂けてとてもありがたかったです。 |
いするぎ |
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わたしのほうこそ、楽しい時間を本当にありがとうございました。 |
雀部 |
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少なくとも二人とも冲方先生のファンであるということで、これからもよろしくお願いします(笑) |