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Author Interview

インタビュアー:[雀部]&[VALIS]

神様のパズル
『神様のパズル』
> 機本伸司著/D・K装画
> ISBN 4-7584-3233-3
> ハルキ文庫
> 680円
> 2006.5.18発行
第三回小松左京賞受賞作
粗筋:
 留年寸前の僕は、不純な動機から素粒子物理研究室の鳩村ゼミを選択。しかしゼミの担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才ゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。なりゆきから僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが……。

『メシアの処方箋』
> 機本伸司著/D・K装画
> ISBN 978-4-7584-3285-6
> ハルキ文庫
> 820円
> 2007.5.18発行
粗筋:
 日本の会社から現地に派遣されていた私はヒマラヤで氷河湖の決壊に遭遇。永年閉ざされていた下流のダム湖に浮かび上がったのは古代の「方舟」だった。こんな高地になぜ文明の跡が?
 いぶかる調査隊をさらに驚愕させたのは内部から発見された大量の木簡だった。それらにはみな、不思議な蓮華模様が刻まれており、文字とも絵とも判然としなかったが、なんらかのメッセージを伝えているのは確かだった――。一体、何者が、何を伝えようというのか?
 学者同士の縄張り争いの中、日本から蓮華模様に詳しいという外園(ハンドル名“ロータス”)が首を突っ込んできた……

 そういえば、五十嵐均著『審判の日』というキリスト再臨ネタの小説もありましたね。もちろん『メシアの処方箋』のほうがSFしてますけど。
メシアの処方箋

僕たちの終末
『僕たちの終末』
> 機本伸司著/D・K装画
> ISBN 4-7584-1050-X
> 角川春樹事務所
> 1700円
> 2005.6.8発行
粗筋:
 この星はもう、ダメなんじゃないか? 人類は自ら築き上げた文明とともに、いずれ消滅してしまうのは間違いない。いっそ、見限ってしまった方が……。そう考えた一人の天文学者が、地球脱出の大計画をブチ上げました。そのために必要になるのが、宇宙船。しかしマジな話、他の星まで行けるような宇宙船なんて、作れるものなんでしょうか。しかも彼には、もう一つ別な目的があったのですが……。これは閉鎖感ただよう近未来を舞台にした、機本流“終末の過ごし方”です。

 太陽活動が活発化して、地球に住めなくなり、1/300の割合で選抜された人だけがロケットで火星に向かうという古典的名作である『300:1』。もっぱら選抜法に焦点が当てられていて感動を呼ぶ作品でした。『僕たちの終末』では、選抜方法は最初からくじ引きとあっさりしたもので、同じような設定でもアプローチの仕方でこれだけ違う物語になると言う好例。

『スペースプローブ』
> 機本伸司著/緒方剛志カバーイラスト
> ISBN 978-4-15-208838-3
> ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
> 1600円
> 2007.7.25発行
粗筋:
 西暦2030年、地球に接近する長周期彗星“迩基”へと向かった無人探査機“こめっと”が、「ライト・ビーング―」という謎のメッセージとともに消息を絶った。一方、曽我部臣太、石上香蓮ら日本総合開発機構・宇宙探査局の6名のクルーたちは、翌年の有人月着陸計画に向けて訓練の日々を送っていた。そんなある日、臣太らは、“迩基”の予想進路上にニュートリノ信号を発する謎の物体が存在することを知る。資金難により最初で最後と噂される月計画を捨て、“裏ミッション”の敢行を決意した彼らは、夜な夜なカラオケボックス“イリアス”に集い、無謀ともいえる実行計画を練るのだったが…小松左京賞受賞作家が描く異色のファーストコンタクトSF。
スペースプローブ

雀部 >  今月の著者インタビューは、2007年7月にハヤカワSFシリーズ Jコレクションから『スペースプローブ』を出された機本伸司先生です。
 機本先生初めまして、よろしくお願いします。
機本 >  よろしくお願いいたします。
“先生”と呼ばれるほどの何とやらですが、まあ“記号”みたいなもんですかね。
“さん”でいいです。
雀部 >  はい。ではさん付けでいかせてください。
 普通、ハヤカワSFシリーズ Jコレクションから刊行される際には、SFマガジンにインタビュー記事が載るのですが「第65回世界SF大会 Nippon2007」のせいかどうか、見あたりませんでした。
機本 >  SFマガジンの編集プランまでは分からないのですが、おそらくそういう事情もあったかもしれませんね。
 ただ『スペースプロープ』に関しては、僕の方から塩澤さんに、「事前の情報なしで市場の反応が見たい」、というようなことを言った記憶があります。自分なりに、ちょっと考えていたことがありましたので。
 だから「あとがき」も、お断りしていました。(結局、書いちゃいましたけど)
雀部 >  それは、既に三冊の著書があって、それなりの知名度があるのでということでしょうか。
 『神様のパズル』は、単行本と文庫の両方ありますが、文庫のほうは第14刷('07/11/8)ということで、SFとしてはかなり売れているんじゃないかと。
機本 >  確かに売れるかどうかも気になりますけど、僕が言った「市場の反応」というのは、「読者の反応」のことです。
 今回、過去三作とは大分違うことをやったので、先にそういうことを作者の方から言わない方がいいかなと、その時は考えてたんです。でも、今はもういいと思います。
 『神パズ』に関してですが、「SFとしては」というか、SFからは、どこかはみ出していたのかもしれませんね。“青春小説”として読んでくださった方も、多かったように思います。
 そのころに誰しも一度は考えたことがあるような疑問が、テーマになってますし。
雀部 >  “自分とは何か”という疑問は、昔から普遍性があると思います。最近の子供は考えているかどうか疑問ですが――うちの息子達とか(汗) まあ、宇宙を作ろうとする人は稀少でしょうが(笑)
 その最初のご著書でもある小松左京賞受賞作の『神様のパズル』なんですが、メインテーマの「宇宙が無から生まれたら、人類にも作ることが出来るのではないか」とゼミの課題を結びつけるアイデアは、どこから生まれたのでしょうか。
機本 >  『神パズ』の前にも、習作のようなものを一本書いています。これもモチーフは宇宙論でしたが、宇宙の果てで宇宙を考える、みたいな話で、書いた本人にも何だかよく分からない話になった。
 その反省もあって、同じ宇宙論でも、今度はごく卑近な世界で宇宙を考える話にしようと。
 ただ、“ここ”と宇宙の果てでは、強烈な距離感がある。スーパーでバイトしているような学生が宇宙の謎に巻き込まれるというようなシチュエーション、ハチャラカでもやらない限り、出てきませんよね。
 しかしそれに卒業がかかってくるとなると、いきなりどうしようもなく、現実的なレベルの問題になってしまう……。
 また受動的に宇宙を見ていても、距離感は縮まらない。そこで「宇宙は作れるのか」という能動的な作業を登場人物たちにさせることで、自分の問題と宇宙の問題を、何とか接着することができたように思います。かなり強引だったとは思いますけど。
雀部 >  「宇宙を作る」という大ネタと就職戦線まっただ中の大学生の現実感が非常に上手くミックスしてあって感心しました。で、この『神様のパズル』を読んだときに、なんとなく作者の方は三十代前半くらいかと想像したのですが――小松左京先生のインタビュー記事に年齢が書いてあったのを見落としていた(汗)――その後の著作を読ませて頂き、この若々しさが機本さんの持ち味なんだろうなと思い当たりました。 なにか特に気を付けられていることとかおありですか。
機本 >  単にマイペースなだけだと思いますけど……。
 意識的に気をつけていることは何もないですが、学生時代の経験とかモチベーションとかを、ぐずぐずと引きずっちゃったなあという気はします。あの頃に書き始めた日記は、ずっと書いてましたし。
 『神パズ』が日記スタイルなのも、その延長線上でしょうね。
雀部 >  そうなんですか。学生時代の雰囲気がずっと続いてらっしゃったとは驚きです。
 さて、お好きな音楽は何でしょう。また執筆中にBGMをかけたりされるのでしょうか。
 というのは、穂端ちゃんの作の“音楽解析プログラム”が出てきたからなんです。
 うちの三男がギター小僧で、志望大学を決めるのに、色々大学のホームページを見て回ったなかで、中島みゆきさんの曲を解析して“中島みゆき風楽曲生成プログラム”を作っていた研究室があったのを思い出しまして(笑)
機本 >  インストルメンタル、かなあ。デオダートとか、ボブ・ジェームスとか、好きでよく聞いてましたけど。
 ただし、執筆中は無音です。
 小説もある意味、無音なので、作中に音楽の話題を入れることでその力を借りる、というようなことはしますね。『神パズ』でも、穂瑞に『君の瞳に恋してる』を歌ってもらいました。
 『神パズ』の“音楽解析プログラム”ですか。ああいうことを研究する人って、何か孤独そうでいいかなあと思って、穂瑞にもさせました。(三男さん、孤独でなければよろしいのですが……。)
 また、テレビでたまたま、円周率を携帯に打ち込むと音楽になるか? というようなことをやっているのを見て、そんなのもヒントにしました。
 他の作中で触れている音楽も、当然僕の好きな音楽ということになってきますが。
 『メシアの処方箋』では、ニルソンの『ウィズアウト・ユー』、『僕たちの終末』では、演歌『行かねばならぬバーナード』か……(何じゃそれは!?)。
 『スペースプロープ』では、武満徹さん作曲の曲名がいくつか出てきます。もちろん大好きな作曲家さんですが、これはむしろ好きというより、『スペプロ』の企画意図から、この方の曲をあげさせていただいたというところはありますね。
雀部 >  うちの三男坊は、友達多いようでそこは心配してません。そのゼミにも結局行かなかったし(爆)
 『ウィズアウト・ユー』は良いですよねぇ。ニルソンのLPは何枚かあるはずです。あの囁くような歌声が。『神パズ』では、ベートーベンが重要なキーワードになっていますが、機本さんはベートーベンもお好きなのでしょうか?
機本 >  好きといえば好きですが、そんな熱心に聴いている方でもないと思いますけど。ただ「ベートーベン」と言えば誰にでも分かってもらえますので、作中に登場させるキーワードとしてはありがたいですよね。
 ベートーベンの第九に関して、テレビで指揮者の岩城宏之さんが「音楽としてはくだらない」と言っているのを拝見し、へえ、と思ったことがあります。ベートーベンが大好きだからこそ、そんな言い方をされたのでしょうが、言われてみると確かに第九、ツボを直接押しまくる、ベタで分かりやす過ぎる曲のようにも思います。しかしそれだけに大衆的で、詩のメッセージ性もあって、聴いた人に強い印象を与えるのかもしれませんね。
 穂瑞が暴走した際、彼女を引き戻す鍵になるようなものをあれこれ考えていたら、結局僕も、第九を選択することになりました。
雀部 >  ベートーベンは、作曲家としてはたいしたことはないというのは、確かに時々聞きますね。でも、耳が聞こえなくなってもあれだけの作曲が出来るんだから、やはり凄いと思っていますが。
 さて、mixiの“機本伸司コミュ”開設者であるVALISさんもお招きしました。VALISさん、よろしくお願いします。VALISさんは、機本伸司さんの作品のどういったところに魅力を感じて、コミュを立ち上げられたのでしょうか?
VALIS >  はじめまして。ご紹介にあずかりましたVALISです。このたびはお声をかけていただきありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 機本伸司さんの作品との出会いは「神様のパズル」です。書店でたまたまキャッチーな表紙(笑)に惹かれて手にとったのですが、大学のゼミで宇宙を創造するというくだりにまず魅了されました。科学的知識が読者にも浸透してきており、SF的なわくわくを感じさせるのはなかなか難しいなあと思っていた昨今、「宇宙って創れるんだ!?」と久しぶりに胸が躍ったことを覚えています。そしてその後mixiに入会したとき、なぜか機本さんのコミュがなかったので胸の高鳴りの命ずるまま作らせていただきました。
 作品のすべてに共通することですが、科学者が研究の果てに目標に到達したときに感じる達成感を、機本さんの作品は我々一般人にも味わわせてくれるのが魅力ですね。作品を読んで、物理学や生物学、宇宙工学を志す方もきっといるでしょう。
 くわえて、「この次は何を垣間見せてくれるのだろうか?」という、いい意味での予測のできなさ、これも機本ワールドの真骨頂といえるのではないでしょうか?気宇壮大な物語を構築する大変さは承知しつつも、読者としては期待してしまいます。
機本 >  VALISさん、よろしくお願いいたします。
 作品をお読みいただいて、物理学や生物学、宇宙工学を志す方がいらっしゃれば作者としても嬉しい限りですが、くれぐれも道を踏み外すことなどないよう、願ってやみません。
VALIS >  小説の登場人物に実在のモデルはおられるのでしょうか?
機本 >  どの話も脇役に関しては、ポツポツとモデルがいたりします。
 けど主役クラスについては、ほとんど作者自身でしょうね。ふだん人と話しているときにはあまり表に出さないようにしている面が、小説ではモロに出てしまっているような気がします。
 穂瑞に関しては、よく“萌えキャラ”と言われますが、“萌え”を意識していたら、あのキャラにはなっていなかったでしょうね。
 もちろん語り手の綿貫基一は僕自身(名前にキモトが入っているでしょ)ですが、穂瑞も間違いなく僕自身だと思います。
雀部 >  あ〜、全然気が付いてませんでした(汗;)>綿貫基一
 そう言えば、小松左京先生のインタビュー記事で、脇役の橋詰老人にはモデルがいらっしゃるという話しでしたね。
VALIS >  影響を受けたSF小説を教えてください。
機本 >  影響を受けたという意味では、やはり小松左京先生の『地球になった男』ですかね。
 終盤の一手で、まるでオセロゲームのように状況を変えてしまうテクニックは、鮮やかとしか言い様がない。
 初めて読んだのは高校生のころだったと思いますが、印象は強烈でした。
 それ以後、世界地図を広げると、スカンジナビア半島やインド洋が、いまだに他のモノに見えて仕方がない……。
 (僕、一体どんな影響を受けたんでしょうね?)
雀部 >  小松左京先生といえば、機本さんは、SFマガジン('07/9月号)で、『さよならジュピター』を心の一冊として上げられていますよね。扱うテーマとか展開が小松左京先生に似ているようにも思えるのですが、意識してしらっしゃるのでしょうか。
機本 >  普遍的なテーマを、しかもSFでとなると、それはもう、小松作品と少なからずラップしてしまうでしょうね。
 他の人からも、『神様のパズル』は『継ぐのは誰か』の、『僕たちの終末』は『日本沈没』の機本バージョンのように言われたことがあります。
 僕も『神パズ』を書くにあたって、『継ぐのは誰か』の存在は気になっていました。また『終末』は恒星間旅行をあつかうため、『さよならジュピター』、さらには『虚無回廊』の存在が、どうも気になって仕方ない。
 しかしそれらは「意識する」というより、「意識せざるを得ない」存在なわけすよね。それがSFにおける小松先生の存在感でもあるのでしょう。まあ、姑息に避けるより、ぶつかっていくいしかないとは思うのですが。
 ただストーリー展開に関しては、あくまで“機本流”を意識しています。
雀部 >  小松左京先生の作品は、大上段に構えてというか人類全体を憂えて大局的見地から話が進んでいくような感じがありますが、機本さんの作品は、結構身近なところで話が始まるので取っつきやすい感じがしました。ここらあたりも“機本流”なのかも知れませんね。
 あと機本さんの作品では、ある計画の実行より、その準備段階にも重きが置かれているように気がします。『神様のパズル』では、ゼミの課題であったり、『メシアの処方箋』であっては木簡に記された紋様の謎解き、『僕たちの終末』では宇宙船造り、『スペースプローブ』ではミッション乗っ取り計画。
 ということは機本さんは、旅行そのものよりも色々計画を立てているときの方が楽しいタイプのお方なのでしょうか?あ、私はまさにこのタイプ(笑)
機本 >  関係あるかないか分かりませんが、前に映像製作の仕事をしていたとき、ずっと打ち合わせとかロケとかの段取りばっかりしてましたので、いざロケ地に着いたときには、もう自分の仕事はほとんど終わったような気がしてました。作品作りという意味では、本当はそこからが仕事なんですけどね。
 その反動か、旅行はほとんどパックか、幹事役の人に付いて行きます。自分でいろいろ計画を立てるという気力は仕事で使い果たし、もう何も残っていない……。
雀部 >  映像製作は、チームでのお仕事ですよね。やはり関係あるのではないかと思います。
 各作品を読み直してみると、前半では強烈なダメだしの嵐、後半のカタルシスと。ふと思いついたのですが、これは作品構成上狙ってやっていらっしゃるのでしょうか、それとも機本さんはマゾっ気がおありなのかと(笑)
機本 >  マゾっ気があるかどうかはともかく、子供のころから否応なく、ずっといじめられっ子でしたけど。主人公の気質や周囲からのダメ出しの嵐というのは、ほとんど実体験そのままですね。
 ただ、ダメを出されてそのままつぶれて終わっちゃっても、作品としては成立するんでしょうけど、フィクションなんだからラストでもう一ひねりあってもいいかなあと思うんですよね、いつも。
 それと、黒澤明監督が『雨あがる』の創作ノートに、「見終わって、晴々とした気持ちになるような作品にすること」と書き遺したと聞いたことがあるんですが、僕も構想していると、そういうのがひょっこり出てきてしまうんですよね。それで無理矢理、ああいう終わり方にしてしまうことが多いんです。
雀部 >  あ〜、「見終わって、晴々とした気持ちになるような作品にすること」というのは良いですねえ。陰々滅々したのは、たまには良いかも知れませんが、毎回となると。
 機本さんの小説全体の構成として、謎解きの要素もかなり含まれているように感じるのですが、ミステリはお好きなのでしょうか?
機本 >  そんなに好きではないと思います。
 「犯人はあいつだ」と書かれていても、「あ、そう」で終わってしまう方です。殺人目的のトリックや、捜査目的の謎解きにも、さほど興味はない。
 ただ『神パズ』の場合、目的は、宇宙の謎解き。ある意味それはミステリと言えなくもないので、そのスタイルを借りました。他の作品もそうです。
 『神パズ』作中にもありますが、実際に科学者の皆さんがされている研究というのも、ミステリの手法に近い気もします。それが何であれ、自分がテーマとして掲げた謎を解いていく手法には、共通するものがあるのかもしれませんね。
雀部 >  整合性がきちっとしているから、機本さんの作品はミステリファンが読んでも面白いのではないかと想像してます。
 よろしければ、『スペースプローブ』が、ハヤカワSFシリーズ Jコレクションから出ることになった経緯を教えて下さいませんか。
機本 >  『神様のパズル』が出てすぐ、塩澤さんとお会いし、そのときにお話をいただきました。
 僕に期待されているのは『パズル』路線かな、というのは感じたのですが、早川さんからの依頼なら、結構無茶ができるんじゃないか、と思いました。
 それで宇宙ものをやってやろうと。それもワープみたいな技術的無茶じゃなく、実現可能な世界観のなかで、無茶苦茶をやれないかと思いました。しかも僕はひねくれているので、ど真ん中のストライクより、SFの辺縁あたりを狙ってみようと、あれこれ構想を始めたわけです。
雀部 >  あれっ、『スペースプローブ』は、SFど真ん中じゃないかなあ。まあ色々計画練る場所が、カラオケボックスというのは凄いですが(笑)
 ということは、辺縁を狙っていたらいつのまにか真ん中になったということでしょうか。
機本 >  これは“素材”と“手法”の違いとでもいうか。他の作品もそうですが、素材はハードでも、ヘタレな主人公たちが右往左往する展開は、自分から“ど真ん中”とは言いにくいんですけど。確かに真ん中は意識してますが、狙っているのはやはり、誰もあまり投げないような辺縁ですね。
 別なたとえで言うと、僕は「遅れてきた新人」とも言われていますが、これはまったくその通りで、“SF”というお座敷に、僕が遅れて行ったようなもんです。「もう自分の座る席なんか、ないだろうなあ」と思いながら。
 こんな経験、ないですか? 遅れて行った宴会場をのぞいてみると、何故か前の方が空いてる……。それで選択の余地もなく、前の端の方へ腰かけたというような。これ、前の方には違いないのですけど、自分の意識としては、辺縁なわけですよ。ただ、こんなに遅くにやってきても、自分の席があったことに、感謝している次第です。
 もう一つ別なたとえで言うと、要は、岡八朗が通信教育で習った空手みたいなもんで、やってることは空手でも、無手勝流なわけですわ。正攻法ではとてもかなわない。相手が呆気に取られてひるんだ隙に、一発かますというか何というか……。
雀部 >  奥目の八ちゃんのヘンテコ空手ですか、なるほどね〜(笑)
 でも、機本さんのSFは、本当に王道ど真ん中だと思いますよ。特に『僕たちの終末』のラストなんかは、人生経験が豊かでないと書けない気がしましたし。各作品の結末の付け方には、毎回感心しているんですが、これは最初に決められてから書かれているのでしょうか。
機本 >  ど真ん中だとしても、“変化球”だと思います。(このたとえの方が、分かりやすかったかな? 宴会や八ちゃんの話をするより……。)
 それと結末ですが、最初に決めてます。だから書き出したときには、ある意味で創造的な作業というのは、ほとんど終えてますね。
雀部 >  いえ宴会の席の例えは非常に良くわかりました。でも、端から見るとそこが元々機本さんの座るべき席だったような気がしますよ。
 ところで『僕たちの終末』には長さの制限とかあったのでしょうか。というのは、読んでいる時に、あ、ここらあたりちょっと端折ったのかなと感じたので。
機本 >  『終末』は、恒星間宇宙船建造をめざす人々の7年にわたる苦闘の物語なのですが、ざっと計算してみたら、最初の3か月を書くだけで500枚を超えてしまう。それで頭をかかえたわけです。「この話、終わらんぞ」と。しかし設定上、いろいろありながらも船ができるのではないかと読者も薄々感じてもらえているだろうから、ポンとクライマックスへもっていくことにしました。実は完成までに、工場の爆発事故とか、登場人物たちの恋愛関係とかも構想していたのですが、もし書いていたら、今ごろまだ書店に並んでなかったでしょうね。
 ちなみに『メシア』も、初稿が長かったので、大幅に削りました。テスト段階で生まれたキメリック・クリーチャー、“羽根の生えたサル”が大暴れするシークエンスなんかもあったのですが、すべてカットしました。
 カットについてはいろいろ辛い思いもするものの、かえって、テンポが出たかもしれませんね。
雀部 >  取っかかりはゆっくりと、話が佳境にはいると一気呵成で良かったのではないかと。まあ、ロングバージョンのほうも、読みたいことは読みたいですが(笑)
 それと『僕たちの終末』や『スペースプローブ』は、普通のSFだと、これから大冒険が始まる前半あたりでラストになっている感じなのですが、狙いがあるのでしょうか。
機本 >  狙いというか、僕の個性でしょうね。説明のため大雑把に、旅には“目的”と“手段”があるとします。
 まず“手段”ですが、これも大雑把に、予算や計画、乗り物といったような……。
 いわゆる“宇宙もの”は、大体「宇宙船ありき」で始まりますよね。「でも宇宙船って、本当にできるんだろうか?」という発想からスタートしたのが、『終末』なわけです。だから船が完成するかどうかが、一つのクライマックスになっている。(“目的”については、あとで説明します。)
 『スペプロ』の場合、近未来で有人計画がどこまで可能かを考えると、やはり月、あるいはその少し先というラインが出てきてしまう。主人公たちをそこから先へ行かそうとすると、帰還は断念させることになる……。
 で、“目的”ですが、これはちょっと、マジな話になります。たとえば数学の問題のなかに、解が“収束”するものと“発散”するものがありますよね。
 SFは、解が無限に“発散”していても成立すると僕は思っています。つまり、作者が投げかけたテーマに対して、読者に探求し続けさせるような構成ですね。むしろこれがSFのど真ん中ではないかと思うわけです。ただし僕の作品のいくつかは、作中のどこかに“収束”点を示しておけないかと思って書いているものもあります。だから自分で“辺縁”じゃないかと考えているわけですが。
 分かりにくいかもしれませんが、たとえば『スタートレック』みたいに、限りなく続く旅は、SFだと思っている。けど『男はつらいよ』の寅さんみたいに、旅に出ても帰ってくるのは、どう見てもど真ん中のSFではない。(ただし帰ってきたときに、オイちゃんが別の人に変わっていたりすると、SFなわけですが)。
 乱暴なたとえですけど、僕の場合、SFっぽく、寅さんよりも遠くへは行っているものの、やっぱりある部分は、“ここ”へ帰ってきている。どこか遠くへ行くことが主人公たち、さらに読者の目的だとしても、ある部分を“ここ”へ帰してあげることが、作者の目的になっているんです。
雀部 >  その話たいへんよく分かります。『宇宙消失』で、波動関数の“発散”と“収縮”はすっかり有名になりましたよね(笑)
 私は、『ミトコンドリア・イヴ』や『リング』なんかだと、やはりSFというよりはホラーという感じなんですよ。その理由は、展開が世界とか人類全体の問題に広がらずにラストで個人の問題に収縮しているのでSFぽくはないなと。でも、機本さんの小説は、ある前提を導入することによる社会の変化とか、人類全体のダイナミズムの変容を描いてらっしゃるのでSFしているなあと。“収束”点があるのは、現実に根ざした感じがして、SFファン層以外にも受け入れられるということで、長所かなと思います。まあ、一般の人には分かりにくい話が真のSFだというなら、機本さんのSFは“辺境”SFなのかも(笑)
 そういえば『メシアの処方箋』、ラストでは兜山のお城から出ないにも係わらず、異生命体を通して宇宙を感じさせてくれました(シマック風?)同時に、古代の木簡に記された紋様を基に、ゲノム・コンポーザーでキメラを産み出す新旧の対比が面白かったです。
 こういう医学・生物学を扱うSFと物理や天文学を中心に据えたSFとではどちらが書きやすいでしょうか(もしくは、どちらが大変でしょうか)
機本 >  うーん、僕にとっては、どっちも大変ですね。
 『メシア』執筆中、生物学の最新情報がどんどん変わるので、困ってました。ES細胞に関するニュースも、「成功」が、「ねつ造」だったりしたし。
 宇宙論も物理学も、いくら勉強しても、わけ分からんし。
 しかし、よく分かっていないこととかできそうにもないことを苦しみながら考えるのは、ある意味、快感でもありますよね。(そういう考え方をする僕って、やっぱりマゾなの?)
雀部 >  マゾでしょう(笑)
 各作品の続編とかスピンオフを書かれる予定はありますか。
機本 >  登場人物たちの今後のことをあれこれ考えていると、続編のアイデアが浮かんでくる作品もあります。けれども先にいろいろと違うパターンの作品を書いていきたいと思うので、今のところ続編を書く予定はありません。
 ただ、他の作品のアイデアをつめていくと、前に書いた作品の設定と近接しているので、いっそスピンオフの形にした方が良いと思えるものがあって、それはその方向で書いていこうと思っています。
 余談ですが、『神パズ』と『メシア』で、一人だけ同じ人物名が出てきてます。(綿さんお気に入りのAV女優、青柳ちあき。実は彼女、『メシア』の代理母、つまりカビリアでもある。)さすがに担当の編集さんは気付いてくれましたけど。スピンオフとは言えないものの、近未来をあつかった僕の作品は、どれもニアミスしてます。
雀部 >  うへっ。気が付きませんでした(汗;)>青柳ちあき
 『小松左京マガジン 第8巻』('02/10/28)所載の「第三回小松左京賞受賞者インタビュー」を拝見しました。
 一時期映画をたくさん観てらっしゃったようですが、SF映画とかは観られなかったのでしょうか。もし観られていたら、お気に入りの作品を教えて下さい。
機本 >  映画は何でも観ましたよ。エイゼンシュテインから山本晋也まで。レンタルビデオもない時代に、映画館から映画館を渡り歩いていた世代です。
 ただ『スペプロ』がらみで一本あげるとすれば、アレですね。
『2001年宇宙の旅』。
 実は宇宙もので構想を始めてみたものの、近未来だと、そんなに遠くまで行けそうにない。せいぜい火星か、木星か。
 すると自分のなかで、どうしても『2001年』が無視できない存在として出てくるんですよ。
 しかしアレ、どんなにこっちが意識しても、かないっこないわけですよね。
 けど、そこは関西人(関係ない?)。勝てないとしても、この際、一度かみついてやろうと。
 それでボコボコにやられても、すっと立ち上がり、「今日はこれぐらいにしといたるわ」と強がるような話にしようと思ったわけです。
雀部 >  めだか師匠ですか(笑)
 SF映画のビデオ(英語版)を手にしたのは、大学を卒業してからですねえ。代行輸入で『2001年』と『ブレードランナー』と『スタートレック』を一度に買いました。高かったです〜(笑)
 『2001年』は、封切り時(高校の時)に二回みました。当時の小遣いでは二回が精一杯。交通費もかかるし(汗;)もはや古典的名作ですが、当時受けた衝撃はいまでも覚えてます。
 『スペースプローブ』は、『2001年』へのオマージュの面もあるのでしょうか。
機本 >  『2001年』。僕もやはり封切り時、父に連れられて、観ています。小学5年の時でしたけど。
 ただ今回、単なるオマージュにはしたくなかったので、まず自分なりに再解析してみました。
 といっても『2001年』、いわゆる“ワン・アンド・オンリー”ですよね。要素に分解してみても、そういうものがゴロゴロしている……。けど、作中にモノリスは出てきても、作品そのものは“モノポール”じゃないかもしれない。要は“分極”できるんじゃないかと考えたわけです。
 何をやったかというと、たとえばここに『2001年』問題の答案用紙があるとするわけですね。まずその文章問題の単語の、反対語みたいなものを見つけし、さらに『2001』問題の謎解きをやってみた。その上で答案用紙には何も書かず、裏返しにして自分なりの回答を記入した、というような感じです。
 具体的には、『2001年』にある要素の反対語(オポジット・ミーニング)、あるいはそれに類するものを抽出し、リストアップした。たとえば「西洋思想」に対する「東洋思想」、「恐い」に対する「怖くない」のような。最終的にそれらをつなぎ合わせて、一本の作品に仕上げたわけですが。
 だからオマージュには違いないものの、今回に関しては、対義命題(オポジット・テーゼ)ではないかと僕は思ってるんですけど。
 でも、アンチ・テーゼとは違う。『2001年』は、大好きですから。
雀部 >  お好きだといわれる黒澤監督へのオマージュはありませんか?
 『スペースプローブ』の宇宙探査局クルーは6名だけど、琴美を入れると7人(笑)
機本 >  ありますね。オポジット・テーゼの続きで説明しますと……。
 『2001年』の“オデッセイ”に対しては、同じホメロスの二大叙事詩“イリアス”をあげることができる。これはカラオケボックスの店の名前にしました。そこでの会話は、『2001年』の少ない会話量を意識し、逆に増やしています。
 それで音楽が両シュトラウス&リゲティなら、日本には武満徹がいるじゃないか。そっちがキューブリックなら、こっちにだって黒澤明がいるぞ! みたいな……。
 実はあの7人、当然“あの”七人を意識していますが、船長の「いや、七人だ」という台詞は、「十人だ」にした方がよくキマるんですよね。といえば、何に対するオマージュかは、大体分かると思いますけど。
雀部 >  黒澤作品で十人って……(汗;;)
 『11人いる!』なら(笑)
 再読するときには、どこが『2001年』への対義命題なのかとか、あ、ここは黒澤作品を意識してるなとか考えながら読むのも楽しいですね。
機本 >  十人? 今リメイクで話題の、アレですがな……。
雀部 >  そっか、椿三十郎が「十人だ!」って言うシーンがあるんですね。。TVの新旧作品の紹介でやっていたんだ(汗;)
機本 >  『スペプロ』では要素だけでなく、テーマについても『2001年』の対義を意識しました。
 ところで『2001年』。やたら食べるシーンが多い。寝ているシーンも。しかしキューブリックは、人間を描くのに“性”の問題を見逃さない監督だと思うんですが、映画に性描写はない……。それで気付いた。映画全体がセックスのメタファーという読み方もできるなと。
 『2001年』と少なからず因縁のある手塚治虫さんが、「漫画は女房、アニメは愛人」というようなことを言ってらしたと思うんですが、奇しくもこの関係が『2001年』にもあてはまると思うんですよね。つまり道具(ツール)は女房(許婚者)、知的存在は愛人(恋人)、みたいな。ツールという許婚者がいても、人は飽くことなく、“外”の何かに惹かれていきよるわけです。新たな愛人の存在を知ったツールは正気を失い、主人公は家(宇宙船)にも入れてもらえない。挙げ句の果ての大喧嘩。ついに主人公は恋人と出会い、快楽に酔いしれる……。こうなると“哲学的”というより私小説のレベルですが、要はこの映画、人類が根源的にもつ“リビドー”を描いているという解釈もあると思うわけです。つまり描いているのは、外にある何かというより、内にあって、人を外へと突き動かすもの。ちなみにこのリビドーを精神分析学において性的欲動のエネルギーを指す用語としたのが、かの“フロイト”博士らしいのですが。
 初接触(ファーストコンタクト)と初体験(ファーストエクスピャリエンス)を重ねて描くことも“ワン・アンド・オンリー”だという気がしましたが、これも対義語になるようなものを探し、構成していきました。
 また『2001年』でHALというマシンが狂気におちいるのに対し、『スペプロ』では人間−−香蓮にその役割を担わせた。彼女には少々荷が重かったことと思いますが。宇宙船のデザインについては、『2001年』が形而下の精子をモチーフにしているらしいので、『スペプロ』では形而上の信仰心の象徴として、十字架をモチーフにすることにしました。
 というようなわけで、『2001年』問題の答案用紙の裏に書き綴った『スペプロ』。過去3作とは、趣の異なる作品になったわけです。この話の“オチ”ですが、『2001年』の“傑作”に対し、その対義語の“駄作”という烙印を『スペプロ』にいただいてしまうと、今回の自分の試みは、不本意ながら完成したことになるのです。(こんな考え方をする僕って、やっぱりM?)
雀部 >  その理論から行くと『スペースプローブ』は完成してないということで(笑)
 しかし、そんなにも『2001年』と対義になっていたとは。いやほんとにインタビューさせていただいた甲斐があるというものです。
 そういえば、小松左京先生が『神様のパズル』を評して“宇宙は作れるか”というのは実はエロスであると言われてましたね。
 ところで、機本さんは理学部応用物理学科卒と聞きましたがご専攻はどういうことをされていたんでしょう。
機本 >  うーん、何をやってたんだろうなあ。ほとんど覚えてないですね。
 ただ僕は綿貫君と違って、卒業に必要な単位は3年までで取って、4年は卒論だけでした。(そのせいか、試験に遅刻して単位が足りなくなる夢なんかを、いまだに見ます。)
 それで4年のときはほとんど学校へ行かず、スーパーとかでバイトしてましたね。
 ゼミは、相対性理論(それも特殊の方)。ちなみに卒論のテーマは、『科学の視点』でした。(そのへんは、綿貫君と似てますけど。)
雀部 >  大局的に社会と科学との関係を見られていたんですね。
 そこらあたりは、作品に活かされていらっしゃると感じますね。
 大学時代は、心理学とか哲学・宗教に興味を持って積極的に受講されたそうですが、特に興味があった思想家とかはいらっしゃいましたか。
機本 >  特になかったですね。基本的に何を見ても聞いても、疑問に思ったり分からなかったりで、受け入れられませんでした。それで自分で日記を書き出したりしたんですが。
 もしあのとき、分かりやすくて甘美な何らかの思想にハマッていたら、大きく違う方向へ向いて進んでいたかもしれません。それほど危うい時代だったと思います。
 むしろ卒業後、よく観るようになった映画の影響は大きいですね。
 特に黒澤監督。やはり、強い影響を受けています。
雀部 >  機本さんは、「遅れてきた新人」と言われているそうですが(チャーチルもそうかも?)これだけのレベルの作品をコンスタントに書かれるのは並大抵のことではないと思います。日記もそうでしょうが、他に作家として日常気を付けられていることはおありでしょうか。
機本 >  特にないですね。ただ、昔からよく“変な奴”と言われてましたけど。ところが最近、年のせいか、自分が“フツー”の人になってきたと思えることがあって、ちょっと困ってます。
雀部 >  SFファンにとって変な奴というのは誉め言葉ですので、これからもぜひ変な奴で居て下さいませ(笑)
 最後に、現在出版予定の作品とか執筆中の作品がありましたら、お教え下さい。
機本 >  来年、書き下ろし長編を予定していて、現在四苦八苦中です……。
 え、まだ喋りたいんですけど、もうおしまい? ほな、「今日はこれぐらいにしといたるわ」。
雀部 >  えっ、まだですか。し、締め切りが〜(笑)
 今回はお忙しいところインタビューに応じて頂きありがとうございました。非常に有意義で楽しかったです。新刊、楽しみにしております。
VALIS >  コミュニティのメンバー共々、今後のご活躍をお祈りしています。


[機本伸司]
1956年兵庫県生まれ。甲南大学理学部卒業。出版社、映像制作会社、フリーランスのPR映画ディレクターを経て。2002年「神様のパズル」で第3回小松左京賞を受賞して作家デビュー。
[雀部]
機本伸司先生の魅力は、なんと言っても“青春小説”の枠組みで書かれたハードSFと言う点ではないでしょうか。そこからいうと『僕たちの終末』のラストは象徴的ですね。一番のお気に入りは、やはり『神様のパズル』かなぁ。“宇宙は〈無〉から生まれたとすれば、〈無〉ならそこら中にあるから宇宙もつくれるぞ”とばかりに宇宙創造に走る主人公達には、目点でした(笑)
[VALIS]
居住地:大阪
ハンドルネームの由来:P.K.ディックの小説「VALIS」から
趣味:読書、TRPG、カラオケ、最近セカンドライフ始めました
一番好きな機本さんの作品:『メシアの処方箋』
mixi機本伸司コミュニティの管理人をさせていただいています。
SFのみならず本なら何でも読みますが、最近は時間が取れず本が積まれていく一方です。

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