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Author Interview

インタビュアー:[雀部]

SOLITON No.6 書影
「季刊ソリトン」 第6号
> 主宰:堀晃
> 編集人:堀晃/大和田伴彦/岡本賢一
> 発行:1996年12月20日

「ソリトン」は、1996年・98年のファンジン大賞受賞

[訂正]「イカルスⅡ」最終ページ部分の『ナオミ』は『ヒロミ』の間違い。

 
 asahi-netのsoliton会議では、各分科会に分かれ様々な書き込みがなされていました。以下に引用させてもらった合評会(soliton/discuss)では、「ソリトン」誌に掲載された短編に対する講評・批評が投稿され、それに対する作者からのコメントが付けられて賑わっていました。
 その中でも、上田早夕里さんと高本淳さんの講評は鋭く、また作者が驚くほど深いもので、感心して見ていました。
 以下の文中で「>」がある部分は、投稿が錯綜する中で、どのコメントに対する回答かということを明示的にするためのものです。
 また、<destroy>は私のハンドルで、高本さんが講評・批評するときに使われたハンドルは“のちみ”でした("NTT"を"ミカカ"と呼ぶようなものですが)


雀部
>

【感想>「イカルスⅡ」】

 確かに「イカルスⅡ」は堀主宰の書かれた「イカルスの翼」を彷彿とさせる設定ですね。どちらも太陽熱から逃れる手段がメインになっているし(熱との闘いは、SF作家の想像力を刺激するテーマですね。
 水星が舞台の「逆行の夏」「焦熱面横断」とか金星が舞台の「地獄で立ち往生」とか。まだしも極寒の方が対処しやすいと言うことでしょう。高温の場合、熱の捨て場所に困るから^^;)

 なんといっても、赤色巨星の内部を自転車で突っ走ってやろうという発想には驚かされました\(^O^)/
 また「暗赤色の空の下にどこまでも続く完全に平らな大地。全天から均等にやってくる光のために足許に目をこらしても影ひとつない。」ときて「・・・・だがいまは<夜>だ。」くぅ〜、痺れるなぁ。絵になってますねえv(^^)v(^^)v

 それから<スピンアイス>の設定も決まってますね。バクスター氏のエキゾチック物質を使ってワームホールで熱を排出するという荒技とか、ベンフォード氏が「井戸の虫」で使った古典的な水を使う方法に比べても、とてもエレガントな解決法だと思いますヽ(^o^)丿

 トドラさんに続いて、また新しいハードSFの星がソリトンに誕生した感ありです。絶賛の嵐!!

'97. 2.20 (Thu) <destroy>

高本
>

 感想ありがとうございます。“鋭い”分析で定評ある<destroy>さんにこれほど“絶賛”されてしまっては、いささか…どころか“大い”に居心地が悪いですけれど…。たぶんこの後にはさぞや厳しいご意見が続くのではないかな?
 それでもぼく自身密かに自負している(ここだけの話ですよ!)部分を誉めていただくとやっぱり嬉しいものです。唇に力を入れていても少し端のほうが持ち上がったりします。

> 確かに「イカルスⅡ」は堀主宰の書かれた「イカルスの翼」を彷彿とさせる設定ですね。どちらも太陽熱から逃れる手段がメインになっているし

 ええ、別のメッセージにも書きましたが“堀先生”の『イカルスの翼』をもろ下敷き(失礼!)にさせてもらっています。それだけではなくこの物語はいろいろ“仕掛け”があるんです。…例えば『イカルスの翼』以外にも意識して似させた作品があります(さあそれは何でしょう? SFをよくお読みの<destroy>さんならきっとおわかりになるんじゃないかな?)。

雀部
>

【構成は準宝石の螺旋のように】

 まず普通のSFの書き方と違うなと感じたところを上げていきますと、皆さんがすでにご指摘の、導師との問答の場面。自転車という解決手段を自分で考え出したのではなくて、基地のエンジニアの考え出したアイデアであること。また恋人との思い出を、その妹との会話で説明している点などがすでに上げられたところです。これらは総て、自分とは別の他人が介在していることが共通項です。

 私は、主人公と科学と宗教の話を交わす『テクノ・ノスティクス』のホアン・グリス博士を、最初、キリスト教に科学を取り入れて再構築しようとしたカソリック界最大の異端の神学者ティヤール・ド・シャルダンとダブらせてみたのですが、『グノーシス』の流れを組んでいるとかいうことで近いものがあるかも知れませんね(おお、『ハイペリオン』^^;)
 ともかく、この長さの短篇で、こういう一見"浮いている"会話を挿入しているということは何か仕掛けがあると考えた方が良さそうです。

 まず大きな鍵を握っているようなグノーシス主義の教えというのを私は良く知らないのですが、ざっとおさらいをしてみると(だいぶ、端折ってあります)

1,究極的存在と人間の本来的自己とがその本質において一つである認識(グノーシス)を見いだすという"救済の自己認識"の第一のモティーフを持つ。
  グノーシスの福音は、「人間がどこから来て、どこへ行くのか、人間の本来的自己とは何かという問いへの答えです(なんとSF的な命題ヽ(^o^)丿)

2,本来的自己が究極的実在に直接由来したものであるなら、非本来自己はどこから由来したものか。これが第二のモチーフである反宇宙的二元論である。

3,人間の救済には人間の外側から、「自己」の啓示者または救済者が要請されなければならない。これが第三のモチーフであり、キリスト教的グノーシス主義では、啓示者はキリストということになる。

 明らかに『テクノ・ノスティクス』のホアン・グリス博士はこの啓示者にあたると思います。さらに連想を広げると、基地の技術者の『エド』、恋人の妹である『ナオミ』も、主人公に情報を与えることによって福音をもたらす啓示者であるとの見方もできるでしょう。
 このようにこの短篇は総ての面において、自己と啓示者(情報を与える者)という二元論的な構成が取られていると思います。科学技術をその信仰の礎としている『テクノ・ノスティクス』の導師の言葉を聞くことによって、主人公の気持ちがすっきりしたのは、それを暗示しているのではないかと。

 またこの作品のもっとも重要な仕掛けである<スピンアイス>については、高本さんが既に書かれているように、この「〈スピングラス〉(<スピンアイス>)これらは複数の最低エネルギー状態を持つことができる」とあります。
 このスピングラスは、かなり昔から知られていたのですが、最近注目されたのは記憶との関連においてです。これは、一つの記憶パターンをスピン配列の一つのパターンに対応させ、記憶情報を系の局所的安定状態に対応させようというものです。しかもこの系は熱平衡系一般を特徴づける確率分布を出力することからボルツマン・マシンと呼ばれています。
 これと54頁のホアン・グリス博士の言葉「この宇宙は悪しき創造主によって創造されたがゆえにその内部のあらゆる存在とともに<熱的死>(熱平衡状態)に向かって転がりおちつつある」を重ね合わせると、主人公の記憶そのものも<熱的死>に向かっていることが予想されます。

 そして同じ頁の「そして闇でもあるとともに光でもあるその二元性を正しく知ることで最終的にテクノロジーは人間を救うものとなりうる」という言葉から、ラストで、<科学技術知識の助けを借りて>主人公が自転車を走らせ、救いが待っている基地へと赴くシーンで、ヒロミを亡くしたことで澱んでいたものが消え去っているのを認識するのは、当然もたらされるべきである福音だと思えます。

'97. 2.23 (Sun) <destroy>

 やりすぎかも知れない^^;
 なお標題は、多重構造を持つSF小説を書くことで有名なディレーニ氏の名作『時は準宝石の螺旋のように』から取りました(^^)v

雀部
>

【記述をつけ加えて欲しいとこ、どうでもいいことなど】

 以下、些細な事ばかりなのですが、もし設定をお考えの時に決めていたことがありましたら、教えてくださいまし。

 まず、地球上の大気に比べても格段に薄いとはいうものの、恒星の内部で対地レーダーが使用できるかどうかについて。船体は鏡面シールドに包まれているようですから、当然外部に露出したアンテナ部分があると思うのですが、それが絶え間なく吹き付けるプラズマそのものの雑音からどうやって本来のエコーを検出しているかが良く分かりませんでした。通信は補正回路が働いているようですが(これも電波なのかなぁ?)

 また<スピンアイス>を利用して、どういう風な手段で船体全体を冷却しているのか。熱媒体は水なのでしょうか。それとも超伝導の船殻とあるから、直接船殻の内側に張り付けてあるのでしょうか(あ、温度も超伝導で伝わるのかな?)
 47頁にスピンアイスが臨界点に達したら近くにいてはならないとありますが、そういう時には宇宙船(もしくは宇宙服)の外の環境は、とても生存できるものではないと推測されます。とすると、この上官の言葉は、警告ではなく、冗談ですよね^^;

 50頁に調査区域をはなれた未踏のルートをそんなめちゃくちゃな速度で走るなんて自殺行為以外のなにものでもないとありますが、ではスタックしたら再び自力走行不可能な自転車で走るのは、より危険ではないでしょうか。
 これはたぶん、自転車のタイヤを超ファットなものを使用して、単位面積あたりの加重を減らすことによって、クリアしていると考えたのですが、その記述が無かったような気がします(美意識が許さなかったりして^^;)

 もうちょっとハードSFファンを喜ばせて欲しいなあと思ったのはそれくらいかな:-)本当は大いに堪能させてもらって感謝感激なんですよv(^^)v(^^)v
 とくに50頁の、大質量が及ぼす潮汐作用が回転軸に対して45度以上それを傾けていたなんて細かい所にまで気を配った記述には、ほとほと感心させられました。また恒星内部の<ソリトン>と<定在衝撃波>がぶつかって<アルフベン波>の放射に伴う磁気嵐が起こるとかいう説明には欣喜雀躍ヽ(^o^)丿
(実は良く分かってない私^^;)

97. 2.23 (Sun) <destroy>

高本
>

 美味しい感想をありがとうございます。

> まず、地球上の大気に比べても格段に薄いとはいうものの、恒星の内部で対地レーダーが使用できるかどうかについて。船体は鏡面シールドに包まれているようですから、当然外部に露出したアンテナ部分があると思うのですが、それが絶え間なく吹き付けるプラズマそのものの雑音からどうやって本来のエコーを検出しているかが良く分かりませんでした。通信は補正回路が働いているようですが(これも電波なのかなぁ?)

 <昼>はレーダーの使用はたぶん無理でしょう。プロメテウス基地への宇宙船の着陸は安全性の点からも<夜>だけに限られると思います。
通信に関してはマイクロウエーブの使用を想定しています。当然通信衛星を介することになるわけでこれもまた夜間のほうがいいでしょう。
 通信そのものよりもぼくが気になっているのは指向性の高い通信手段を使用するときのポジショニング・システム(自分から弱点を晒してどうする?)。いったん互いの位置がわかればあとは常時レーザーなんかでトレースしていけばいいんでしょうけど…一番最初の位置決定が問題。やっぱり宇宙服姿のロッドはイカルスⅡの傍らでおもむろに六分儀を取りだすんでしょうか?

> また<スピンアイス>を利用して、どういう風な手段で船体全体を冷却しているのか。熱媒体は水なのでしょうか。それとも超伝導の船殻とあるから、直接船殻の内側に張り付けてあるのでしょうか(あ、温度も超伝導で伝わるのかな?)

 <スピンアイス>は大きな電磁コイルの中にしまわれているわけです。そこからは超伝導物質のケーブルが船殻まで繋がっているわけです。超伝導物質はそのすべての部分で同一温度になる…ことはラリー・ニーブン『リングワールドふたたび』を読んでいる<destroy>さんはすでにご承知であるわけです。

> 47頁にスピンアイスが臨界点に達したら近くにいてはならないとありますが、そういう時には宇宙船(もしくは宇宙服)の外の環境は、とても生存できるものではないと推測されます。とすると、この上官の言葉は、警告ではなく、冗談ですよね^^;

 冗談です。

> 50頁に調査区域をはなれた未踏のルートをそんなめちゃくちゃな速度で走るなんて自殺行為以外のなにものでもないとありますが、ではスタックしたら再び自力走行不可能な自転車で走るのは、より危険ではないでしょうか。
>これはたぶん、自転車のタイヤを超ファットなものを使用して、単位面積あたりの加重を減らすことによって、クリアしていると考えたのですが、その記述が無かったような気がします(美意識が許さなかったりして^^;)

 これ痛いところですねー。自転車は軽いですけれど確かに単位面積あたりの加重は結構大きくなりますものね。特に高速仕様の細いタイヤでは…だからロキの地表の崩壊は単純に加重だけでなく動輪のトルクによる剪断によって引きおこされる…なんて苦しい説明を作中できちんとしておくべきなんですよねぇ、作者としては!
 あと自分でスタートできないのはスピードあげるためにバカでかいホィールギアを装着したためで、ノーマル仕様ではそんなことはありません。ちゃんと街乗りのマウンテンバイク同様ブレーキやチェンジ・レバーがついてくる予定です。

> とくに50頁の、大質量が及ぼす潮汐作用が回転軸に対して45度以上それを傾けていたなんて細かい所にまで気を配った記述には、ほとほと感心させられました。また恒星内部の<ソリトン>と<定在衝撃波>がぶつかって<アルフベン波>の放射に伴う磁気嵐が起こるとかいう説明には欣喜雀躍ヽ(^o^)丿
>(実は良く分かってない私^^;)

 〈リグ〉はぼくにとって〈スピンアイス〉以上に思い入れのあるアイデアなのでそういう誉め言葉、こそばゆくて好きです。
 “磁気嵐”については実はぼくも良く分かっていない。あそこはひたすら『ソリトン』という言葉を連発して景気づけしちゃえと書きなぐった部分につき、あまり深く考えても無駄です。

 こういう話をしているのが一番楽しい。ええとティヤール・ド・シャルダンとホアン・グリス博士の関係については後ほどレス差し上げるつもりです。

DJ5K-TNK 高本 淳

雀部
>

 ソリトンには数少ないハードSFファンとして、ハードSFおたくはどういうところを喜ぶのか皆様に観察してもらうのも一興と思い、もう少し続けます :-)

>  <昼>はレーダーの使用はたぶん無理でしょう。プロメテウス基地への宇宙船の着陸は安全性の点からも<夜>だけに限られると思います。
 にゃるほど。確かに夜だと少しはましですね。<夜>でも暗くないし(^^)v
 私としましては、慣性航法と重力検知の双方を利用するのが無難ではないかと考えているのですが……(電波障害や磁気嵐に左右されないから)
 まあ、誰も赤色巨星の内部に行ったことがないんだから、好きに書ける :-)

> 一番最初の位置決定が問題。やっぱり宇宙服姿のロッドはイカルスⅡの傍らでおもむろに六分儀を取りだすんでしょうか?
 これ、いいですね。六分儀まではいかなくても、なんか光学的手段で位置決定するというのは、真実味がありそう :-)

> 超伝導物質はそのすべての部分で同一温度になる…ことはラリー・ニーブン『リングワールドふたたび』を読んでいる<destroy>さんはすでにご承知であるわけです。
 そりゃまあ、ご存じなんですけど :-)
 そもそも超伝導物質はそのすべての部分で同一温度になるっていうのが、ニーヴン氏のでっち上げなんだから、ハードSFファンとしては一言説明が欲しくって^^;

> 冗談です。
 うひゃひゃひゃv(^^)v(^^)v やはりねぇ。

> ノーマル仕様ではそんなことはありません。ちゃんと街乗りのマウンテンバイク同様ブレーキやチェンジ・レバーがついてくる予定です。
 そのノーマル仕様ってどこで使うのかな?

> あそこはひたすら『ソリトン』という言葉を連発して景気づけしちゃえと書きなぐった部分につき、あまり深く考えても無駄です。
 深く考えませんでした^^;

>  こういう話をしているのが一番楽しい。ええとティヤール・ド・シャルダンとホアン・グリス博士の関係については後ほどレス差し上げるつもりです。
 楽しみヽ(^o^)丿

 それと、これは前のコメントからなんですが

> …例えば『イカルスの翼』以外にも意識して似させた作品があります
> (さあそれは何でしょう? SFをよくお読みの<destroy>さんならきっとおわかりになるんじゃないかな?)。

 う〜ん。考えたんだけど、わからなかったよう(;_;)
 読んでいるとはおもうけど^^;
 新グノーシス主義たらなんたら、宇宙論なんかは、ディックの"VALIS"の影響じゃないかとは思ったんだけど。構成なんかは違うし・・・

'97. 3. 1 (Sat) <destroy>

高本
>

 <destroy>さんとのお話しは楽しいけど…“ハードおたく”同士のメッセージ交換に他のみなさんがいささか鼻白んでいないか心配…(“変な奴ら”でしょ?)

> 私としましては、慣性航法と重力検知の双方を利用するのが無難ではないかと考えているのですが・・・(電波障害や磁気嵐に左右されないから)

 なるほど…慣性航法は考えたけれど重力検知は思いつかなかったな。ハワード博士の例の“重力勾配計”を利用すればいいかも知れませんね。測定はえらく微妙になるだろうけど…。

> まあ、誰も赤色巨星の内部に行ったことがないんだから、好きに書ける :-)

 異常な環境を舞台にする唯一のメリットです。

> そもそも超伝導物質はそのすべての部分で同一温度になるっていうのが、ニーヴン氏のでっち上げなんだから、ハードSFファンとしては一言説明が欲しくって^^;

 は、は…何気ないふりして逃げちゃおうと思ったけどやっぱりだめか。さすがに<destroy>さん、弱いところを的確についてこられる。
 ええと…無理矢理理屈をこねるとすればですね…この探険隊の使ってる“超伝導物質”はたぶんボーズ・アインシュタイン凝縮体(!)なんでしょう。超低温でのヘリウム3みたいに隣あった原子同士がクーパー対をつくってボーズ粒子としてふるまう。だから船隔全体は単一の量子的状態=同一温度を保つわけですね(ほんまかいな?)。
 果たしてこんな物質が固体として…しかも高温の条件下で安定して存在しうるかというもっとも至極の疑問については…作者は黙して語りません。

>そのノーマル仕様ってどこで使うのかな?

 もちろん別の物語で使うんですよ。

 意識して似せたもうひとつの作品は<destroy>さんなら“絶対に”お読みのはずです(『イカルスⅡ』という題名そのもの。そして「全然理屈にあっちゃいない!」という主人公の台詞…がヒントになってます)。

DJTK-TNK 高本 淳

雀部
>

【ついでに】

 外の温度が<絶対温度千度以上>ってのは、微妙なところを狙いましたネェ。
私は一瞬、「あ、塩が融けてしまう」と思ったんだけども、塩化ナトリウムの融点は、摂氏800度なんですねぇ。絶対温度だと1073度くらいですか。あと少しで、『ロキ』の純白の塩の大地は、ぐちゃぐちゃに^^;

 で、タイヤとの摩擦熱で、塩の大地の表層が融け、大地が崩壊する寸前に、スーパーバイスクルはその上を通過する。走りさった後には、純白の大平原の上に、崩壊した塩によるくっきりとした轍が一直線に……
 うんうん、絵になるなあ(^^)v

'97. 5.20 (Thu) <destroy>

高本
>

【なるほど】

 塩田さんの素敵なイラストは科学的にもまた正しかったわけですね…ひやひや、まさに薄氷を踏む想い…まだまだ叩けばいくらでも埃がでることでしょう。

 P.S.お約束の“準宝石”へのレス、いましばらくご猶予くださいませ(忘れているわけではありませんからどうぞご安心を…)。

高本
>

【レス>『準宝石』】

 「まさか、そんなことが!」と彼はやがていった。「まるで理屈にあわないよ!」
 「コンピューターは嘘をいわない」とヴァン・ケッセルは答えた。「この数字は、二十通りぐらいの別の方法でチェックしてある。それに、ちゃんと理屈にもあっているのだ…」(アーサー・C・クラーク『大渦巻Ⅱ』山高昭訳)

 やれやれ“大変”お待たせしてしまいました、<destroy>さん。お約束の“ティヤール・ド・シャルダンとホアン・グリス博士の関係”についてレスさし上げます(そしてたぶん、ぶるさんへの解答にもなっていると思います)。ええ…しかし<destroy>さんのあの素晴らしい感想はまさに作品の主題そのものをグサっとつらぬいておりましたので…それに対してうっかり直接的なご返事を差し上げると『イカルスⅡ』という作品の意図を作者自身が解説することになってしまいかねません。それはどうしても避けたいので、あれこれ考えたあげく結局作品に平行する形でもうひとつ“裏返しの物語”を書くことにしました。(本当はこういう物語を書くのも問題なんでしょうが……ともあれ、これが今回のレスがこれほど長くかかった理由のひとつです。しかしすでに半年(!)が過ぎてしまった。あるいはもうすっかり呆れられてしまっているかも知れない。ひたすらぼくの怠慢のせいですよね。ごめんなさい!)
 レスそのものは“作品”であるがゆえ(さらに一般公開するにはオリジナリティという点で少々問題あり、なので)地下ギャラリーのほうにこっそりアップしました。
 お手数ながらそちらのほう臨いてやってください(同人でない人はごめんなさい。あとこちらの“交点”が堀さんの“交点”を分断してしまったみたいですが、どうぞ悪しからず)

 さて例の“クイズ”の答は上に引用したように『大渦巻Ⅱ』でした。<destroy>さんならもちろんお読みになってますよね? それらしさ…どこかに微かにあるでしょう?

雀部
>

【地下ギャラリーの「ボルツマンインターセクション」】

 申し訳ないけど、月末から月初めは忙しくって、「ボルツマンインターセクション」の感想がまだ書けません_(._.)_ だって難しいんだもん。三回読んでもよ〜分からん^^;

>  さて例の“クイズ”の答は上に引用したように『大渦巻Ⅱ』でした。<destroy>さん ならもちろんお読みになってますよね? それらしさ…どこかに微かにあるでしょう?
 あ〜。読んではいたのですが、すっかり忘れてました^^;ハヤカワ文庫SF『太陽からの風』所載ですね。もちろん読み返してみました。確かに類似点は多々あります。しかし。
 考えがまとまらない(;_;)
 やはり解説が必要かも^^;

高本
>  感想がいただけるならもちろん嬉しいですけど…忙しいなか無理してまで書かれなくてもよろしいんですよ。なにしろ『ボルツマン…』は<destroy>さんの感想へのレスという意味合いをもった作品ですから。それに対して再び<destroy>さんから感想を戴くとなると…“一般にこの手続きは有限な時間のうちには終了しない”ということなりかねないですものね。
 ぼくにとって『イカルスⅡ』と『ボルツマンインターセクション』は同じ立体についてそれぞれ別の角度から見た…つまり直交する座標平面に射影したふたつの図形のようなものと感じてます。だから“よ〜分からん”のであればたぶんもうひとつ別のを書けばいいのかも知れません(当分その気にはなれそうもありませんが)。
 いずれにせよ<destroy>さんのような優れた読み手に解説が必要であると感じさせているとしたら、これはひたすら作者の技量のいたらなさであることは確かです。
雀部
>

 そりゃそうと、なんで七、八号にのちみさんの作品はないのじゃ〜?
 せっかく楽しみにしていたというのに。ブツブツ。
 「イカルスⅡ」のような素晴らしい短編を書いて、SFファンの期待を集めておいてそれはないんでないの〜 :-)
 頑張って、書きまくっていることと思いますが(^^)v

'98/08/24(月) <destroy>

 そういや、「ボルツマンインターセクション」の感想が書きかけで頓挫しているなぁ。あいすまぬ _(._.)_ >高本さん

高本 >  いやいや、期待を裏切ってしまってごめんなさい<destroy>さん。
 ぼく自身8号の堀さんの短評を読んでもっと送っておけばよかったなーと反省しきりの毎日です。だけどちょっとだけ言い分けしちゃうと投稿してから一年以上、ずっと堀さんからの連絡がなかったんですよ。それでてっきりボツに違いないと思っていたもんで(もともとあまり短編は得意じゃないんです)。なんかソリトン掲載のほかの作品から“ういてる”ような気もしたし…でも<destroy>さんが次作を楽しみにされているという言葉に勇気百倍。いずれ機会を見て埋め合わせするつもりですから今回はなにとぞご勘弁のほどを(平身低頭)。


 
 

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