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夢の話

doru

 

プチエッセイ、日常の生活が忙しくて原稿を考えることができず今回は連載やめようかと思ったが臨死体験にも似た不思議な夢を見たので、夜中起きてぼちぼち書いてみることにする。夢の中では初老の老人で急な胸の痛みで気を失う。死ぬ前に芸術的なことがやりたくて(しかし、生きている間にこの老人は世間に認められるような芸術的なことはなに一つやらなかったので校正者に赤えんぴつで芸術的なことというところに斜線をいれられる)、気がつくと夜で高圧電流の下に明るい蛍光灯がともっていて、なぜかペーパークラフトで蛍光灯の光の中で何かをつくろうとしている。その光に引き寄せられるように、ヤンキーのにーちゃん、太ったおばさん、子供など数人が蛍光灯の下何人か集まっている。彼らは妙に紙のようによわよわしくて、やがて一人一人が一本のマッチの棒のようになり、十何本が集まって、どこかに流されていくのがわかる。私はもう個々の意識を持たず、集合体のようになっているが、それでもこのようすを面白く観測している。やがて広大な秋の野原を渡っていく。そこには秋のすすき(夏のすすきのような青々としたものではなく、11月に見られる茶色く変色して枯れたようなすすきである)とセイタカアワダチ草を小さくした黄色い花が咲いている。こもすすきは害はないが、この黄色い花は毒草で、触ると足にやけどをしたような感触がある。気をつけないといけない。そしてさらに進んでいくと、多くの固まった魂は高炉の炉の中にいれられ変換される。私たちはなぜか黒水牛の印鑑になっている。私たちは地獄の役人の公認印として使われることになるらしい。印鑑となった私たちはまだ何も刻まれていない。他の下っ端獄卒は、一人の人間の魂でもシャチハタみたいな簡単な印鑑を持っているが、ちょっと上の獄卒が持つ公認印は十数名の魂が必要らしい。気がつくと最初のもとの場所に戻っている。蛍光灯の光がまぶしい。どうやら私は部屋の明かりを消さずに寝たらしい。臨死体験ってこんなものなのかなとトイレにいった後、いそいそと文章を打とうとする・・・ああ、生きている間に芸術的なことをしたいな・・・・


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