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知っている

藤川 零

 

 僕は知っている。君がずっと苦しんでいることを、ずっと見てそばにいて、でもどうして君に声をかけられないんだろう。君が部屋で泣いてるときどうして「大丈夫だよ」「気にするな」って何度も言ってるのに君には聞こえないんだ。それどころか君は「うるさい」と八つ当たりのように僕に言う。僕はインコのミッキーです。毎日気ままに過ごしていて、初めての毛抜けもまだだよ。でもピピ兄さんはただ今毛抜け中汚いと飼い主さんは言うけれど、逆に兄さんが僕には羨ましい。てなわけで、飼い主さんが寝るときに兄さんと二匹で同じ籠に入って一緒に寝てたんだけど、ちらかるからって飼い主さんはこの頃兄ちゃんを連れて行かなくなった。でもいずれはその逆もあるんだよ、僕が毛抜けになって兄さんが連れて行かれるという状況。(あ、拉致とかそんなんじゃないよ)
 兄さんは甘え上手で飼い主さんのそばにずっといて飼い主さんは悩みを兄さんにだけ話す。
 兄さんは頭がいいからそれに対して意見を返す。そして飼い主さんは次第に笑顔になり、兄さんともっとずっと仲良くなっていく。僕のほうが最近は長く一緒にいるのになんで・・・
  と疑問に思う。僕は悪口言う人は「国家の米くい虫」だと思います。

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