僕はインコです。ミッキーといいます。ここの家には1か月前にきたけれど、まだ家の構図もわからないし、羽も切られていてあまり飛ぶことができない。そうです、なぜ羽を切られたかというと、ここの家に来る一か月前僕は恐怖と絶望に追われた。必死に逃げた。
でもあいつはつかまえて僕の羽をバッサリ切ってしまった。それで少しずつ飛べるようになっていた羽はあいつによってなくされてしまったのだ。普段は人間にやさしくしているあいつは、夜になるとどなりはじめる「なんで今日も売れないんだ!」「このダメインコめ!いやクソインコだ!クソインコ!」の二言が特に耳に残っている。
でも、ある日転機が起きたんだ。ある女の子とそのお母さんらしき人がインコを買う予定できたみたいだが、僕ともう一匹の友達の零ちゃんは成長してるからやめておこうか、という声がたくさん出てきた。ぼくらはあきらめかけていた。そのとき、女の子が言ったんだ。「見せてくれます?」って、あいつはいつものようにニコニコして最初に零ちゃんを渡した。でも零ちゃんは根っからの人間不信だったのでその女の子の手を噛んでしまった。
でもあいつは言うんだ。「この子人間が嫌いなんです」違う!違う!零ちゃんはお前のせいで人間不信になったんだ!違う!何度も叫んだけれどあいつには届かない。そして僕が渡された。僕は外に少しでも出る希望で胸が張り裂けそうになった。女の子はこちらを見てニコッと笑ってくれた。僕は何度も女の子の指にのった。そうすると女の子は言った。
「この子にします」と。嬉しさで胸が張り裂けそうになった。あいつの夜の暴言に耐えることもなくなるって。零ちゃんは言ったんだ「おめでとう」と。零ちゃんは涙ながらに言った。私はもうあいつにころされるかもしれないけどねの一言を残して・・。
そして今に至る。零ちゃんは、もうこの世にいないだろう。でもきっと笑って僕を見てくれているんだろう。そう思う。今は女の子とお母さんと飛々兄さんと温かい家族に恵まれている。飛々兄さんは2つ上のインコの兄さんです。でも今まで僕僕って言ってきたけれどホントは性別は迷い中なんだ。今は小さな狭い場所に入るのが大好き。レタスを食べるのも大好き。飛々兄さんに追い掛け回されるのも名前を呼ばれるのも小さな幸せだ。
今の目標は早く飛べるようになること。飛べるようになったら・・生まれ変わった零ちゃんに会うことです。僕自身の羽で零ちゃんにいつか会いにいくよ。
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