その日、地球上の12の地点に散らばるホシヲツグモノたちに小さな宝剣が託された。鞘を払うとうっすらと白く光る刀身には12種類の言語からなる銘文が刻まれていた。これはその片面に記された文章である。
「わたしの名はクサナギ。鉄なき暗黒の時代を生き延びるよすがとして人に授けられた。わたしは水に浮き、火に焼かれず、錆びず、朽ちず、いかなる金属よりも硬い。物を作り出す道具として、身を守るための牙あるいは爪としてわたしを用いるものは幸いなれ。そして略奪と殺戮に用いんとするものあらば呪われよ。わたしは人の手によって四大から作られた。わが製法は裏面の銘文より読み解くべし。スサノヲも毀つことあたわざりしわが刃もて御身を守護し奉らん。」
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