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短編小説


『祝祭鏡』
THE FESTIVAL MIRROR
桓崎由梨
(Yuri Kanzaki)

この作品につきまして

 「鏡」というお題を頂いた時、どんな種類の鏡について書こうかと考えたのですが、結局「鏡づくし」というのをやりたいと思って、このような作品に仕上げました。工芸品としての鏡から、古い神話に登場する不思議な鏡まで――。様々なものを放り込んだので詰め込み過ぎの感もありますが、タイトルの Festival という賑やかな言葉に免じて、ご容赦頂ければ幸いに思います。

 蛇足になりますが、野鳥が鏡状の物体に激突するという現象は、実際に起きる出来事です。野鳥好きの方はご存知かと思いますが、都会では、総ガラス張りのビルの近くで、この現象が時々発生します。これは天気の良い日などに、ビルの窓ガラスが鏡状になって空や風景を映し出すため、野鳥が本物の空と錯覚して窓に突進するのが原因だと考えられているようです。本作では、それを大規模にファンタジックな領域まで拡大して描いてみました。現実にはここまで変なことは起きませんが、小説の嘘として楽しんで頂ければ幸いです。 

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