雀部 |
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今月はちと趣向を変えて、その昔NHKで放送されたSF系ラジオドラマの話題を取り上げたいと思います。 お相手は、最近お世話になりっぱなしの杉野さんです。 杉野さんよろしくお願いします。 実のところ、「こいこん」(2013年)に参加する前に、杉野さんから連絡いただいて、「あ、そういえば『百万の太陽』ってラジオドラマ、聞いたことあるぞ」と久しぶりに思い出した(笑) 〈こいこん〉の企画「絵物語からライトノベルへ あなたのSF幼年期は何時?」に参加させていただいたんですが、杉野さんはいつ頃からこの企画をあたためてたんですか? |
杉野 |
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こちらこそお世話になっています。SFの知識、情熱では雀部さんにかないませんが、SFがらみのアニメ漫画ライトノベル等ではお役に立っていると思います。 よろしくお願いします。 |
雀部 |
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いやほんと助かってますよ〜。 |
杉野 |
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企画の出発点は話せば長くなるのですが、時系列でいきますと、まず1955年「海底王国」(小松崎茂)「宇宙特急」(尺丈助)等の絵物語を読んでいました。 この頃から「宇宙」や「宇宙船」に夢中でした。 次に「宇宙から来た少年」('62年、石山透、NHKラジオドラマ)を熱く聴取していました。 |
雀部 |
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ラジオドラマというと「赤胴鈴之助」とか「少年猿飛佐助」あたりはどうでしたか。 “真空切り”とか遊びでやっていたような記憶が(笑) |
杉野 |
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「赤胴鈴之助」('57年、武内つなよし作)ですか。 「ちょこざいな小僧め、名を名乗れ!」「赤胴鈴之助だ!」冒頭のセリフ良く覚えています。 “真空切り”は、武術と言うより超能力のような気が。 「少年猿飛佐助」は申し訳ないですが、記憶がございません。 他には 「ビリーパック」「一丁目一番地」「Xマン」「お父さんはお人好し」「笛吹童子」「紅孔雀」等ですが、継続して聴取はしていません。 |
雀部 |
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私も冒頭の台詞だけしか覚えてませんね(汗;)>「赤胴鈴之助」 そう言えば、映画版を見た記憶もあります。 特撮映画や特撮ドラマはどうでしたか。 『ゴジラの逆襲』『宇宙大戦争』『遊星王子』あたりは、小学校の講堂で巡回映画を見たような。 映画館で観たのは、『妖星ゴラス』とか『ガス人間』とか。ここらあたりがSF好きになった大きな要因です。 |
杉野 |
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ゴジラ第2作「ゴジラの逆襲」('55)のアンギラス、「空の大怪獣ラドン」('56)序盤の不気味さ、「宇宙人東京に現わる」のヒトデ形の宇宙人、「フランキーの宇宙人」('57)センベイのようにちぢんだ空とぶ円盤あたりが記憶に残っています。 しかし、強く印象に残っているのは、「地球防衛軍」('57) です。「空中戦艦α号、β号」など。この頃から宇宙船、宇宙人、空とぶ円盤が好きだった様で、心ときめきました。 「美女と液体人間」('58)、「電送人間」「ガス人間第一号」('60)、ここらは、映画の看板あたりで見たような、不気味、怪奇のイメージでした。 「妖星ゴラス」('62)、この頃は感心するだけで無く、批評の心も芽生えていたようで、宇宙船 「JX-1 隼号」のデザインが、未来的でないとか、南極に建設した巨大ロケット推進装置の炎が、今一歩とか思っていました。 |
雀部 |
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私はまだ小学生の頃なので、ただひたすら感心して見てました(笑) 『地球防衛軍』は、最近スカパーでやっていたのでやっと見られました。 TVの方ですが、うちに白黒TVがやってきたのは、どうも小2の頃('59年)だったような…… 「月光仮面」('58)「少年ジェット」('59)「七色仮面」('59)「ナショナルキッド」('60)「海底人8823」('60)あたりと、実写版「鉄腕アトム」('59)「鉄人28号」('60)も。 |
杉野 |
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「月光仮面」('58) 第4部「幽霊党の逆襲」は当時ゾクゾクしながら見ていましたが、後年DVDを購入して見直しますと、内容の底の浅さに、がっくりしました。 「少年ジェット」('59)はリアルタイムで見ていませんね。「七色仮面」は断続的に見ていました。 「ナショナルキッド」('60)は熱心に見てました。特撮シーン、ストーリー、感動してました。後年見ても、許容範囲でした。しかし、金星人、火星人はともかく木星人、土星人まで登場するのは、どうかと思いますが。キャプテン・フューチャー時代のノリですね。 「海底人8823」も断続的に見ていました。実写版「鉄腕アトム」('59)は、漫画には遠く及ばないと、思ったのを記憶しています。 実写版「鉄人28号」('60)は、28号と共に悪役ロボットがチャチでした。特撮のひどさに落胆しました。 原作では、人気の「鉄人28号」、内容の「鉄腕アトム」と思っていました。 このあたりは、語りだすときりが無いので、このへんで(笑) |
雀部 |
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実写版の「アトム」と「28号」のしょぼさは、いまだに語りぐさですよね(笑) |
杉野 |
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その後2000年代に入ってから、「宇宙特急」「宇宙から来た少年」を思いだしたら矢も盾もたまらず、本は手放していましたのでネットを駆けずり回って入手。入手出来た時は嬉しかったですね。 ラジオはオープンリールテープに録音していましたので、再生ハードを購入してデジタル化しました。 後は2010年SF大会(東京都)「シンケンジャーに見るチーム構築論??」でシンケンジャー(スーパー戦隊シリーズ)について、熱く楽しく語っているのを見てこれも有りなんだと、うらやましく感じました。 2011年「WEB本の雑誌」で高橋良平さんのNHKラジオドラマについての記述が有り、おお同好の士もいると強く感じました。 「『燃える水平線』長じてから、同年輩のSFファンに、この番組の話をしても、返ってくるのは知らぬ存ぜぬの応えばかり。」 同年出雲SFコンパ(島根県出雲市)で「あるSFファンの軌跡、又は1962年ラジオ SFドラマの紹介」を持ち込み企画したのが、駄目押しとなりました。 |
雀部 |
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なるほど、2000年代に入ってから、再燃したわけですね。 「宇宙から来た少年」はどんな番組だったのでしょうか。 |
杉野 |
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「宇宙から来た少年」は、“四次元の世界が仮に有るとして、それを見たり触ったりして感じ取る事は不可能だ。 四次元の世界の人間が君のすぐ後ろに立っていたとしても、君は全く気がつかない事だろう。” “電波は人間の作り出した物では無い。人間のした事は電波を利用するという事だけだ。ラジオもTVも、無数に有る電波の種類の内、その幾つかを使っているにすぎないのだ。」”といった冒頭の三國一朗さんの科学解説に、感心し“100ボルトの交流”“反陽子銃”“4次元の世界、箱が裏返しに”“秘密組織、月世界征服同盟”次々と出てくる小道具・大道具にドキドキ感動しながら聴取していました。 |
雀部 |
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ワクワクする設定ですね。どんなストーリーだったのでしょうか。 |
杉野 |
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ワクワクしながら聞いていました。(笑) 1年間249回の放送でしたが、途中107回からの聴取でした。 106回迄は聴取出来ていません。今更どうにもなりませんが聴取したかったですね。ストーリーは、銀河系宇宙へのマストロ宇宙人(食虫植物うつぼかずら学名Nepenthes rafflesiana ネペンテスラフレシアナが進化した宇宙人)の侵略。(学名迄語るところが、良い感じでした)それを防ぐために北極星第三惑星から来た少年ポラルと共に戦う地球人たちの物語です。(ドンパチそのものは、殆ど無いのですが) 様々な攻防の後、北極星第三惑星は侵略され、第三惑星人は放浪惑星に移住。 地球へは、小惑星群が襲来。衝突を避ける為、月を移動させてボーリングのピンを倒す様に、小惑星群にぶつける案も出ている中、四次元の人達の助力で危機は回避される。一応の平穏状態となって、物語は終わる。 大きく広げた風呂敷は、畳めなかったのか畳まなかったのか。余韻は残りました。 何と言いましても、冒頭の三國一朗さんの名調子科学解説がたまりませんでした。以下ちょっと長いのですが。
-------------------------------------------------- 日本の最も古い書物古事記には、次のように書かれている 初めに、何か得体のしれないゴチャゴチャしたものが有った。 神様はその中に棒を突っ込みかき回した その棒から落ちたしずくが、日本列島となった。 又キリスト教の聖書には、この世の初めの様子を次の様に表している。 初めに混沌が有った。 混沌とは、これ又訳のわからないゴチャゴチャである。 今上げた二つの例でもわかるように、この世の初めについては、誰でも何となく訳のわからないゴチャゴチャを連想するらしい。 そしてそれは決して間違いではないらしい。 科学的に信じられているところによると、宇宙の初めは全てが気体だったといわれている。 ガスである。そのガスが速度を持っていた。 つまり動いていたのだ。ガスが動くとその運動の中に渦が出来る。大きな渦、幾つかの小さな渦。 初めぼんやりした形の渦も段々にはっきりした形になり、その中心にガスが集まった。 集まったガスは圧力によって、やがて液体となり固体となった。 そしてやがてそれはどんどんと大きくなり、恒星となり惑星となったのである。 とすれば宇宙を創ったものは、渦であり流れであり速度だと言うことが出来る。 あの太陽の輝きも、美しい花も可愛い動物も、そして逞しい人間の働きも、元々は速度であるということになる。 速度、運動それはエネルギーの量によって知る事が出来るものだ。 エネルギーによって創りだされた宇宙は、やがてエネルギーに還るだろう。 花も動物も人間も、やがてはエネルギーに姿を変えてしまうと言われている。 地球が滅び人類が滅亡しても、エネルギーは消えて無くなりはしない。 大昔それは全て気体の運動としてこの世に有った。 今その一部は花として動物として人間として、その姿を現している。 遠い将来、この不滅のエネルギーは宇宙でどんな姿をとるだろう? --------------------------------------------------
マストロ宇宙人の解説的セリフも印象に残っています。
-------------------------------------------------- この銀河系宇宙にほとんど重なり合うように、もうひとつの宇宙が有る。 有るのだが目には見えない。感じる事も出来ない。なぜならそれは四次元の世界だからだ。 我々の空飛ぶ円盤にしても、お前たちのロケットにしても光よりも速く飛ぶ。 しかしそんな事は、物理学上力学上ありえない事なんだ。 円盤やロケットが早いのは、それが力学空間には含まれていない近道をするからなのだ。 それが四次元の世界だ。 ----------------------------------------------------
「宇宙から来た少年」は一番好きな作品なのですが、net上でも取り上げる人が極端に少ないです。 荒唐無稽の感想が有ったくらいでしょうか? まあ関心の薄い人が、宇宙論を延々2分も聞かされると、嫌になると思いますが(笑)
古い宇宙論ですし説明不足の点も有りますが、センスオブワンダーを強く感じます。雀部さんは、どう思われるでしょうか? |
雀部 |
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いやぁ、これを中学生の頃聞いていたらワクワクすると思いますよ。でも、毎回は勘弁かな(笑) 『百万の太陽』って、'64〜65年の放送なんですね。中1の頃か。今まで小学校の頃に聞いていた気がしてました。杉野さんは、『宇宙から来た少年』('62〜63)〜『百万の太陽』と聞かれてたそうですが、当時どんな印象を持たれたのでしょうか。 |
杉野 |
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「百万の太陽 」('64〜65)聴取の頃は、既に1964年4月からSFマガジン購読、ハヤカワSF(銀背)、創元推理文庫SFも読んでいましたので、ドキドキ感はやや希薄になりました。 「S-Fマガジン編集長の原作だけあって、スケールは大きく パクリ的引用も多いと感じましたが、綺麗にまとまった作品だ。」と評論家気分で、聴取していた様な気が。しかし「脳内補完」の可能性も有るかも。何と言いましても50年前の事ですから(笑) |
雀部 |
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福島正実著『百万の太陽』('86)を杉野さんからお借りして読んでみたのですが、これはなかなか本格的なSFになってますね。さすが福島さん。 ラジオドラマの「百万の太陽」の方はほとんど覚えてないのですが、このノベライズとは相当違うのでしょうか。 |
杉野 |
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宇宙ステーションでの異常事態、宇宙人襲来迄は同じですが、以後は全く違います。主人公の名前も違います。 本では以後、宇宙人が全世界に対して全ての核兵器の廃棄を求め、その結果起こる各国の反発、混乱を描いています。人類の愚かさ、一筋の希望、福島正実さんらしい作品です。 ラジオドラマでは、襲来した宇宙人(ロウラ人)の圧政があり、主人公他5人は、ロウラ宇宙人の円盤に反物質爆弾を仕掛けるも失敗、ウラシマ効果で半世紀経過した地球へ帰還(クラークの「幼年期の終わり」を想起しました)。 ロウラ宇宙人達の説明は、「宇宙空間で反物質が生成され、全宇宙崩壊の危機」で、主人公他5人は、危機打開に協力を拒否している新人類(地球に生まれた)への説得をロウラ宇宙人達に要請される。 その後新人類を説得し、タイムマシンを使って、「宇宙空間で、多数の種族が集合している1年先の未来」を知る。(未来の記憶、品物は、持ち帰り不可なのですが催眠術で潜在意識を探査の結果判明) 各種族がスタードライヴで惑星ごと移動。百数十の惑星が閉鎖空間ヘ集結、エネルギーバリヤーで次元閉鎖。次元閉鎖された空間は時間の進行速度が加速される。(内部で10日経過すると 外の宇宙は 数十億年経過する)。 次元閉鎖は成功し各惑星は、新しい宇宙へ旅立って行くでエンドと成ります。(ここは、ラインスターの「破滅が来る」を想起しました) プロローグの語りでは、「この物語は21世紀の物語である。21世紀、それは我々地球人類が築きあげた、新しい栄光の時代である」でした。 エピローグの語りは、「地球人類を乗せた惑星は、スタードライヴで飛び続ける。新しい銀河系宇宙は果てしなく広がり、星たちの輝きは若々しいエネルギーに満ち溢れていた」でした。 ラジオドラマの方が空間的、時間的にもスケールの大きい作品でした。 |
雀部 |
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なんと『タウ・ゼロ』みたいな話ですね、ちょっと思い出してきました(汗;) 「燃える水平線」はどういう作品だったのですか。 |
杉野 |
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「燃える水平線」は、「宇宙から来た少年」と同じく作者は石山透さん、語りは三國一朗さんです。 ニューギニア島の西部を舞台としたロストワールドものです。 「今や宇宙時代である。誰もが空を見ている。だがこの狭い地球には、まだ我々の知らない部分が残っている。我々の足元に、そして遙かな海の彼方に」という冒頭の語りで雰囲気は伝わると思います。 ストーリーは、北川理学士・中野助手の男女2人がニューギニア島のマノクワリに、行方不明になった山崎博士を探しに行きます。 動く島サンブーブ島(レムリア大陸の最後の一部)から、ニューギニア島を繋ぐ謎のトンネルの探検があり紆余曲折の末、山崎博士を探し出します。 最後は、サンブーブ島の沈没、ニューギニア島との数か所のトンネル出口は、海水が溢れだし湖となってしまいます。全ての謎の解明は出来ませんでしたが、それゆえの余韻は有ります。 宇宙から地球へ、スケールは縮小しましたが、氷河期を乗り切り、恐竜イグアノドンを飼育する(犬の様に)謎の部族コランタ族が面白いですね。それと、アトランティスでは無くレムリア大陸、ティラノサウルスでは無くイグアノドンが新鮮に感じました。波乱万丈でそれなりに楽しめました。 |
雀部 |
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これも面白そうですね。日本版インディー・ジョーンズみたいで。 「応答せよゼノン」はどういう作品だったのですか。 |
杉野 |
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「応答せよゼノン」は、「宇宙から来た少年」と同じ時間帯の後番組でした。 この作品は、良くも悪しくも子供向けSFのようで、綺麗にまとまりましたがハラハラドキドキ感は希薄に感じました。 海底から、火星へ、金星へと舞台は広がります。海底編はまずまずでしたが、宇宙編は今一歩でした。 「宇宙から来た少年」があまりにも素晴らしかったので、肩すかしの感が有りました。 この頃から、波乱万丈のブットビ路線が好きだった様です(笑) ストーリーは、日本海にダムを作り陸地の拡大化を図る勢力と、海底牧場を作り海の利用を推進するゼノン一派との闘争ですね。紆余曲折の後ゼノンは敗退し、火星への開拓に向かう。その後、宇宙から来たケプの為に陸地は砂漠化し、人類は海底で生活する様になります。はくちょう座61番星の惑星リヤから、1,000年前に金星に来たリヤ宇宙人とのトラブルがあったり、その後和解したりが描かれます。そして、リヤ宇宙人と協力して明日を切り開いていくところを描いてエンドとなります。 |
雀部 |
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ストーリーだけ聞くとそこそこ面白いように感じますね(笑) そういえば、このラジオドラマ絡みで、早稲田大学演劇博物館に行かれたそうですね。 どういう経緯で、行こうと思われたのでしょうか。
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早稲田演劇博物館(坪内博士記念演劇博物館)全景 |
「坪内博士記念演劇博物館」の解説碑 |
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杉野 |
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ラジオドラマ「百万の太陽」('65/1月) 若山弦蔵さんの使った脚本表紙 |
第53回日本SF大会「なつこん」で山本弘さんから池田憲章さんを紹介され、特別展「石山透と少年少女ドラマの時代」の資料が必要との事で、「百万の太陽」他のデータを送りました。若山弦蔵さんへも差し上げたいとの事で、登場人物の質問も同封して資料を送りました。 その後若山弦蔵さんから、「台本は早稲田大学演劇博物館に、すべて納めてあります」との丁寧なお手紙を頂きました。 早速博物館に照会した所「百万の太陽」他の閲覧が可能との返事でした。 欣喜雀躍、後は行け行けドンドンですね。 人生は「めぐりあわせ」ですが、今回強くそれを感じました。 「台本」が私を呼んでいたような気がします。(笑) |
雀部 |
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確かにその流れは運命的なものを感じますねぇ。 どんな収穫がありましたでしょうか。 |
杉野 |
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ラジオドラマ「百万の太陽」('65/2月) 若山弦蔵さんの使った脚本表紙と配役表 |
登場人物等の情報は充実していました。 台本を閲覧していて、記憶の間違いとかが判明しました。 データベースの構築に、大変参考になります。 「百万の太陽」全248話の内25話分しか台本が無かったのが、残念でした。 TV台本は、読んでイメージが掴みにくいのですが、ラジオドラマ台本はライトノベル感覚でスラスラ読めます。
「百万の太陽」で福島さんは、SF入門を意図していたのでは無いかなと改めて思いました。 タイムマシン、タイムパラドックス、異次元宇宙、テレパシー、超人類、スタードライブ(惑星移動システム)、ジャンプ飛行(超空間飛行)、火星人、アトランティス民族、宇宙震(宇宙空間に起こった時震)等々 論より証拠で、ここに「百万の太陽」の資料が有ります。 読んで頂いて、雀部さんも記憶が甦ってほしいですね。 |
雀部 |
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台本の写真拝見しました。SF入門を意図していたのでは?という感覚、よくわかります。このラジオドラマを聞いて育った少年少女が、将来SFファンになり、SFマガジンを購読するようになるというところまで考えられていたのかもしれませんね。 この台本の著作権はどうなっているのでしょう。 |
杉野 |
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実は、「NHK」ではなく「脚本家」にあるとのことです。だから、台本の中身をNHKのホームページなどに載せる際も、脚本家の許諾を得たうえで使用料を支払わなければならないそうなのです。 |
雀部 |
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ありゃま、そうなのですか。NHKが総ての権利を買い取っているわけではないのですね。まあ、当時の台本に興味を持っている人は少ないのでしょうけど。 |
杉野 |
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ひょっとしたら、ラジオドラマ(1962-1965)にかける情熱は、私が日本で一番かなと(汗;) |
雀部 |
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ひょっとしなくてもそうでしょう! 残った部分だけで、内々で上演して残しておくとかあるかな(笑) もう、行くところまで行って下さい。若山弦蔵さんにインタビューして当時のことを聞いておいて下さい。もし、他の脚本家の方も生きてらしたら、今のうちにどういうご苦労をされたかを聞いておいて下さい。 |
杉野 |
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台本が狙い目と思いますが、出演者や関係者の方々が、次々と鬼籍に入っている現状を考えると焦りますね。 顔の広い雀部さんのコネクションで、何とかなりませんでしょうか? |
雀部 |
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脚本家や俳優・声優の方々は全然存じ上げません、顔はでかいかもしれませんが(汗;) |
杉野 |
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SF愛読者の方々は、大概幼児期にルーツとなる何か(本、映画、TV番組等)が有ると思います。 唯その何かは、本人とその同世代で無いと感情移入しにくいと思います。 私の場合でも「スーパー戦隊シリーズ」は、理解出来ても感情移入は難しく感じます。同様に私の「SF系ラジオドラマ」への思い込みも、理解されても感情移入迄は難しいだろうなと、客観的には思っています。 しかし開き直って、これからもデータベース構築に邁進する所存です。 「1962年−1964年 NHKラジオドラマ」情報お持ちの方は。お知らせ頂ければ幸いです。 ラジオドラマのホームページは以下です。情報提供お待ちしています。 http://011car.o.oo7.jp/syumi02/syumi02.htm ちなみに出演者の方々は以下となります。(敬称を省略させて頂いています)台本について問い合わせしたいと思っています。連絡先等ご存じでしたら情報提供頂ければ幸いです。
三國一朗 曽我町子 玉川良一 天地総子 川合伸旺 露口茂 森田育代 西国成男 白坂道子 羽佐間道夫 睦五朗 山内雅人 桑山正一 金内吉男 川口知子 稲吉靖 細川俊之 |
雀部 |
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みなさま、よろしくお願いします。 |