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AKIのキネマまんぽ

コアなSF映画ではないですが……

『ロッキー・ザ・ファイナル』
『主人公は僕だった』
『恋愛睡眠のすすめ』

AKI

 5月24日は、お天気も良かったので、世田谷区砧までNHK技研公開を観に行ってきました。
 福江先生インタビューの時、フィルム状ディスプレイが話題になりましたが、昨日の公開時にも展示されていました。
 サイズの最大はA4程度ですが、未だ画素が粗く、欠陥画素も多く、更に暗いしと未だ実用にはほど遠い感じです。
 2インチ程度のものは、未だ暗いですがそれなりに映っていました。
 今年は、そのフィルム自体から音を出す実験が初展示されていました。
 フィルム自体に、ピエゾ効果を持つ透明フィルムをラミネートする方式と、フィルムの左右両端を電磁的に振動させる方式です。後者はややローテクですが、音はそちらの方が良さそうです。

 今月紹介するのは、以下の三本。残念ながらコアなSF映画はありませんでした。

■『ロッキー・ザ・ファイナル』

 昨、11日は最近、鴨居にオープンした“ららぽーと横浜”内のシネコン(13スクリーン)まで、15:00からの『ロッキー・ザ・ファイナル』を観に行ってきました。
 事実上、昨日が上映のザ・ファイナルで、12日からは夜間のみとなります。 
 上映は“スクリーン9”で座席数117、入りは約30人とまあまあでした。
 (SFではありません)

物語:
 年老いた往年のチャンピオン、ロッキーは、亡き妻、エイドリアンの面影を引きずりながらレストランを経営している。ところが、ある切っ掛けから、彼は33勝無敗の現役ヘビー級チャンピオン、ディクソンとラスベガスで、エキシビション・マッチをしなくてはならなくなる。
 心の悩みを吐き出すためにも、彼はこの試合に全力をかけ、勝つために再び猛練習を始める。試合の結果は果たして。

 観ようかどうか迷っていましたが、「キネマ旬報」の評論家の採点では、4人中2人が☆ひとつ、2人が☆三つと評価が割れていましたので、観に行くことに決定。
 矢張り、シニア向け、元気づけ映画で、あのテーマ・ミュージックを聴いただけでも感動し、結構、楽しめました。☆ひとつの評論家は、過去に『ロッキー』を観たことがないという若い(?)人のようで、もう、世代が違うのだなーと感じました。
 エキシビション・マッチが企画された原因のひとつは、テレビの番組でロッキー対ディクソンのコンピュータ・シミュレーション対決が放映され、結果としてロッキーが勝ったこと。果たして、本当にアメリカでこのような番組があるのかどうか知りませんが、以前から、朝青龍と千代の富士を、コンピュータ・シミュレーションで取り組ませてみたいと思っていた私には、大変興味がありました。
 有名なロッキーの陰でいじけていた息子が、父親の再挑戦で元気を取り戻していく様は、この映画も「父子もの」のひとつだと思いました。
 『ロッキー・ザ・ファイナル』があるのなら、『ランボー・ザ・ファイナル』があってもよいのではと思っていましたが、今回の各種予告編の最後に、映像はありませんでしたが、「ランボー4 2008年公開」のテロップが出ました。『ザ・ファイナル』でないところをみると、5も作る気かも知れません。
 ロッキーが息子に言う、“Keep moving forward.”の科白が耳に残りました。

(原題) ROCKY BALBOA
2006・米・20世紀フォックス映画提供
監督、脚本:シルベスター・スタローン
出演:シルベスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、ジェラルディン・ヒューズ 
2007/04/20 公開 1時間43分

蛇足:本作品は『ロッキー』の第6作目に当たります。第1作は31年前、1976年の製作(アカデミー賞、多部で門受賞)。しかし、4作目(1985年)はラジー賞(最低映画賞)5部門受賞、5作目(1990年)はラジー賞7部門にノミネート。果たして本作品は?

■『主人公は僕だった』

 昨21日(月)は、久し振りに早朝の満員通勤電車に乗り、日比谷の「みゆき座」へ朝一(09:35)の映画『主人公は僕だった』を観に行ってきました。
 いつも、映画館が混まない日と時間を選んで行くとはいうものの、上映3日目の座席183席のスクリーンに30人程度というのはいささか少なすぎる感じ。

物語:
 「これはハロルド・クリックと、彼の腕時計の物語だ」という、女性のナレーションから映画は始まる。
 主人公、ハロルドは国税庁の会計検査官。誰とも付き合わず、彼の腕時計に従い、毎日、判で押したように決まった時間に起き、決まった回数歯を磨き、決まったバスに乗って出勤、決まった仕事をし、帰宅、決まった時間に寝るという生活をしていた。
 ところが、ある日、彼の行動を、そのまま読み上げている女性の声が彼に聞こえてくる。
 いろいろと調べた結果、その声は主人公を必ず最後に殺すことで有名な悲劇小説作家の声であることが判明、しかも、今、この彼女が書いている小説は既に最終章に来ており、その死なせ方を作家自身が悩んでいる段階になってることが分かる。
 死を目前に控えて、ハロルドは子供の頃から習いたかったギターを買ったり、心に秘めている女性にプロポーズをしたりと、今まで逡巡していることを思い切ってやり始め、新しい、楽しい人生がスタートする。が、彼の余命はもう幾ばくもないことが分かり、何とかこの女性作家の小説の筋を変更させようとするが、時は既に遅すぎた。
 果たして、彼にとって初めての幸福な人生は、ここで途絶えてしまうのであろうか・・・・。

 一見、SF的ストーリーではありますが、S分は特にありません。
 が、「作家の小説通りに行動している男」というシチュエーションを通して、人生の意義、幸福とは、ということを問いかけているような気がします。
 ほのぼのとした、小粋な映画に仕上がっており、大変楽しめました。題名は原題の方が良かったですね。
 主人公、ハロルド役は、『奥様は魔女』でご存知のウィル・フェレル、真面目におかしい役をこなしています。
 ハロルドの腕時計は、素晴らしい小道具で、最後の最後まで、彼と行動を共にします。

 今回、初めて今年の秋上映の『エバン・オールマイティ』の予告編を見ました。
 『ブルース・オールマイティ』(2003年12月)の続編(?)のようで、神様は前回同様、モーガン・フリーマンですが、主役はジム・キャリーから、スティーブ・カレルに変わっています。この映画では、現代に神が現れ、主人公にノアの箱船を作るように指示します。

 帰途、銀座のそば屋で昼食、「木村家」の前を通ったので、あんパンを衝動買いして帰って来ました。

(原題) STRANGER THAN FICTION
2006・米・コロンビア・ピクチャーズ、マンデイト・ピクチャーズ提供
監督:マーク・フォースター
脚本:ザック・ヘルム
出演:ウィル・フェレル、マギー・ギレンホール、ダスティン・ホフマン、クイーン・ラティファ、エマ・トンプソン
2007/05/19 公開 1時間52分

■『恋愛睡眠のすすめ』
 昨、28日(月)は、9時50分からの『恋愛睡眠のすすめ』を観に、渋谷のシネマライズまで出かけました。一階の座席数は207、入りは20人程度でした(この映画館は二階もありますが入りは不明!)。

物語:
 両親の離婚でアメリカ人の父親と共にメキシコに渡った息子、ステファンが、父親の死によって母の住むパリに戻ってくるところから物語は始まる。
 この主人公のステファンは冴えない、シャイなイラストレーター。母親の紹介で就職したカレンダー製作会社は、ヌード専門のカレンダーばかりで、自分の才能を発揮できずに腐っている。
 が、ある日、彼が住んでいるアパートの隣の部屋に、父親似の若い女性が引っ越してくる。
 単刀直入に愛を告白できないステファンと、好いていながらイエスといえない彼女。
 ステファンは、夢の中で彼女を愛し始めるが、現実と夢が混同し、騒動が持ち上がる。
 果たして、この二人は結ばれるのであろうか・・・。

 面白そうだけど、と迷っていましたが、原題に「THE SCIENCE ・・・」が入っていたので出かけました。ステファンの夢の中の世界が、とてもファンタスティックで、ほのぼのします。ローテクな画面も却って新鮮に感じました。また、映画の中での会話が、英語、スペイン語、フランス語とTRILINGUALで進行、これも愉快です。
 ちょっと「エッチ」ですが、バイオレンスもなく、最後はハッピーエンド。
 たまにはこういう映画も良いですね。
 2006年度のサンダンス映画祭、ベルリン国際映画祭などに特別招待作品となり、更にその他幾つかの映画祭では賞を得ています。

(原題) THE SCIENCE OF SLEEP
2006・フランス & イタリア、アスミック・エース提供
監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
製作:ジョルジュ・ベルマン
共同製作:フレデリック・ジュンカ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール、アラン・シャバ、ミュウ=ミュウ 
2007/04/28公開 1時間45分

 私の“Coming Soooon”に、「『ダフト・パンク・エレクトロマ』(英)2007年GW 人間に憧れる2体のロボットのさすらいを描く」とご紹介しました映画が、一向に上映されている気配がないので気にしていましたが、昨日出かけた映画館にそのチラシが置かれていました。それによると、この映画は、現在この映画館でレイトショーとして、一日一回21:30から22:55まで上映されている由。残念ながら、私にはもう観に行く元気はありません!

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