同時代のSFマインドを持った少年たちは、みなさんそうだったんでしょうね。ちなみに、手塚の「アトム大使」ではアトムの頭部にはセンサーがあるだけで電子頭脳は胴体の方にありますが、この構造は「火星兵団」のタコ型星人がロボット型防圧胴(パワースーツ)を着ていて、その頭部ではなくて胴体の中に入っているという設定があるのに由来しているのではないか――と塩崎昇氏が指摘していました(しおざき・のぼる「鉄腕アトムのルーツを探る」、霜月たかなか編『誕生! 手塚治虫』収録)。さらに余談ですが、手塚の『来るべき世界』の表紙は海野の『地球人最後の冒険』(高志書房、昭和23)の表紙絵にそっくりです。
私が卒業したのが昭和30年。 この年も不景気で、就職難でした。 やっと就職し、配属されたのが「テレビジョン技術課」。 そんなわけで、かなり早い時期から我が家にテレビがありました。 しかし、これはキャビネットがない試作品で、気を付けないと、チャンネルを回すたびに感電する代物でした! この剥きだしテレビで観たSF番組で、記憶に残っているキーワードは“アンチクトン”。 最近のwebの検索力は凄いもので、この“アンチクトン”だけで、次のことが分りました。
「タイトル:『誰かみている(誰か見ている、誰かが見ている)』キー局 KR 放送曜日 木 放送期間 1956/07/26〜1956/12/06放送時間 21:50-22:20 放送回数 20 回 連続番組名 宇宙物語主な出演 江川 宇礼雄、原 保美、金子 亜矢子、桂 典子局系列 JNN脚本 北村小松」
「太陽を挟んで地球と反対側にある惑星“アンチクトン”に住む宇宙人の暗躍」、というお話。SFといっても味付け程度で、前衛的で理解困難な筋書きでした。 ちょっと後になりますが、1960年代に放映された『トワイライト・ゾーン』や、『タイムトンネル』などは夢中で観ていました。 日本の番組が出てこなく、済みません。(笑)
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