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Author Interview

インタビュアー:[雀部]&[杉野]

『少年少女 昭和SF美術館』
> 大橋博之編著/森英俊・野村宏平特別協力
> ISBN-13: 978-4582835915
> 平凡社
> 3800円
> 2013.11.20発行
流線形のロケット、奇怪な宇宙生物、タイムマシン、輝く未来都市。昭和の子供たちを魅了し、科学への関心や想像力を育んだ児童書SF約350点をオールカラーで紹介。幼き日の空想と冒険が甦る、夢のコレクション。
第一展示室:科学冒険小説の時代
第二展示室:ジュヴナイルSFの誕生から発展へ
第三展示室:ジュヴナイルSFの時代
第四展示室:ヴェルヌとSF童話の世界
ゲストエッセー:瀬名秀明・眉村卓・金森達・池澤春菜
付録・戦後児童向けSF全集リスト。コラム・挿絵画家列伝。

前回の続き)
雀部> さて、大橋さんの著書には『少年少女 昭和SF美術館』と題されたジュヴナイルSFの書影を紹介した本があります。私らの年代では、この「第二展示室 ジュヴナイルSFの誕生から発展へ」の章に取り上げられている本を、小学生のころに読んでました。
 今月は、私と同年代でこの時代のジュヴナイルSFをたくさん所有されている杉野さんにも参加して頂くことになりました。杉野さん、よろしくお願いします。
杉野> お誘いありがとうございます。
 私ごときで宜しければ 参加させて頂きます。
 印象に残っているのは、講談社《少年少女世界科学冒険全集》のなかの
1 『宇宙船ガリレオ号』ハインライン
2 『少年火星探検隊』イーラム
3 『宇宙探検220日』マルチノフ
7 『赤い惑星の少年』ハインライン
11 『海底五万マイル』アダモフ
14 『第十番惑星』ベリャーエフ
 あたりです。
雀部> なかなか渋いところが。実は私は読んでないのもありますね。
 杉野さんのコレクションの一部はこちらから。
 私の印象に残っているのは
 『火星にさく花』瀬川昌男、『謎のロボット星』カポン、『少年宇宙パイロット』レッサー、『死の金星都市』レム、あたりです。
 大橋さんはどうだったのでしょうか。
大橋> 申し訳ないのですが、僕は《少年少女世界科学冒険全集》世代ではないんですよ。
 《少年少女世界科学冒険全集》は記録として知っているだけで、リアルタイムでは読んでいません。
 でも、表紙を描かれた小松崎茂先生のイラストは、今見てもかっこいいですよね。
 表と裏が続きの絵になっていて、ダイナミック。しかも英文タイトルのデザインがしゃれている。
 当時の少年たちが魅了されたというのは、とてもよくわかります。
杉野> 大橋さん初めまして、杉野と申します。よろしくお願いします。
 大橋さんはどの“全集”の世代だったのですか。
大橋> 杉野さん、初めまして。こちらこそよろしくお願いします。
 僕が一番、好きだったのは《サンヤングシリーズ》です。SFのシリーズではないですけどね。
 『透明少年』加納一朗とか『暁はただ銀色』光瀬龍とか『超革命的中学生集団』平井和正とか。
 小学生の頃、自分の少ないお小遣いで書店で買っていました。でも、全巻売っていなくて。だから大人になってようやくコンプリートできたときは嬉しかったですね。
 でも、今持ってる『超革命的中学生集団』はカバ欠だし、落書きの入ったのもありますが。なので美品で揃えるのが今でも夢です。
 あとは《SFベストセラーズ》ですね。『時をかける少女』筒井康隆『なぞの転校生』眉村卓『夕ばえ作戦』光瀬龍。それと《少年少女世界SF文学全集》。これらは学校の図書館で読んでいました。
杉野> 鶴書房の《SFベストセラーズ》では、『夕ばえ作戦』(光瀬龍)、『時をかける少女』(筒井康隆)、『なぞの転校生』(眉村卓)、『続・時をかける少女(続タイム・トラベラー)』(石山透)、『ポンコツタイムマシン騒動記』(石川英輔)、『ポンコツUFO同乗記』(石川英輔)、『星の征服者』(B・ボバ)あたりを 読んでいます。
雀部> 図書館は重要でしたね。学校の図書館にはほとんど無かったんですが、金光教の図書館には結構あって、それを読んでました。
 ジュヴナイル作品は、中学生くらいになると読まなくなるから、読んだ作品で世代がわかる気がしますね。あ、私はそうでしたと言うべきか(汗;)
 大橋さんはいつ頃まで読まれていたんでしょうか?
大橋> やはり小学生の高学年から中学生までですね。
 眉村卓先生や光瀬龍先生がジュヴナイルSFをもっとも書いていた時期。ちょうどジュヴナイルSFの黄金期だったのは運命ですね。
杉野> 私は、中学生過ぎても読んでましたね。進歩が無いのでしょうか(笑)
 当時の、学習雑誌は、付録にSFの小冊子がついてました(挿絵もしっかり有りました)
 初めて学習雑誌の付録で読んだのは、ミステリ−の「夜歩く」(ディクスン・カー)。
 SFでは、ハインラインの「深淵」(よりよく考えることができることを特徴とする新人類<ニューマン>)かな。
雀部> 当時の「時代」とか「コース」にも毎月のようにSF系のジュヴナイル連載小説が掲載されてましたよね。
杉野> 当時、「ボーイズライフ」(小学館)という月刊誌が出てました。
 1963年(昭和38年)4月号 から 1969年(昭和44年)8月号 まで
 こちらにも、SFが多数掲載されました。挿絵もしっかり有りました。
雀部> おお、「ボーイズライフ」。そういえばスミスの《レンズマン》の抄訳を初めて読んだのはこの雑誌です。あと、星新一先生が選評されていたショートショートのコーナーもありましたね。私も選評して頂きたくて、一度応募したことがあるのですが、かすりもしませんでした(笑)
杉野> 小学三年生で「主婦の友」を、中学一年で、「眠狂四郎」を読んでいましたので、SFが好きだったのでしょうね。
 「SFマガジン」に遭遇した時はただただ感動でした。
雀部> 「主婦の友」は、うちにも置いてあったので読んでました。時々エッチな特集があったりして、ドキドキしながら読みましたね(笑)
 文芸書では、読書好きの同級生の影響で、ゾラの『ナナ』を読んだりしましたが、これはさっぱりわからなかった(汗;)
 小学生の時にジュヴナイル小説を読むのは、まあ当然と言えることなんですが、背伸びして大人向けの小説を読むのはどうなんでしょうね。わけわかで、小説を読むのが嫌いになる子供はいないかなぁ。まあ、その子供次第なんでしょうけど。
大橋> その頃は漫画雑誌にもSFが多く載っていました。その多くは埋もれたままになっているのが残念なことです。
 漫画雑誌の巻頭グラビアには小松崎茂ら挿絵画家が未来の風景や宇宙を沢山描いていた。
 1969年にアポロが月面着陸をし、その翌年に万国博覧会が大阪で開催された。
 誰もがSFを好きになるのは当然のことでしたね。
杉野> わたしからも少し質問させて下さい。
 雑誌掲載時の挿絵に、作家の方はあまり関与していないと聞いたことが有りますが、本当でしょうか?
大橋> 明治から戦前にかけて、挿絵画家がもてはやされた時期がありました。
 その時代、絵描きになるというは、絵画を描く画家になるということであり、挿絵画家というのはかなり下に見られていました。
 挿絵は画家のアルバイトだったり、画家になれなかった者がやる仕事。絵のクオリティもそんなに良くはなかった。
 でも、挿絵を描くことを本業とした挿絵画家が登場してくるようになる。そんな挿絵画家が描くと雑誌の売れ行きも違ったといいます。
 だから、有名な作家は有名な挿絵画家と組みたがった。逆にいうと有名な作家でないと有名な挿絵画家とは組めなかった。
 だけど、戦後になると挿絵画家の数が増えた。そのこともあって雑誌の編集者がこの作家にはこの挿絵画家(イラストレーター)が合うと決めるようになった。
 新人作家に挿絵画家を決める権利などないし、有名作家、人気作家は締切に追われて挿絵画家を考えるような時間の余裕もない。
 もちろん、自分の作品の世界観を大切にする作家は挿絵画家を指名していたりはしていました。ただ、大抵の作家は編集者任せでした。
 それに有望な新人イラストレーターも多くなった。編集者としては有名な挿絵画家を使いつつも、新人も起用していた。
 そんなさまざまな要因があってのことだと思います。
杉野> なるほど色々な場合があるんですね。
 画家はどなたがお好きなのでしょうか?
 私は、川瀬 巴水、長谷川等伯、ルネ・マグリット、エドワード・ホッパーあたりが好みですが。
大橋> 僕は美術を専門としているわけではないので、そんなに好きな画家というのはいないのですよ。
 月岡芳年(大蘇芳年)、小村雪岱、アルフォンス・ミュシャ、アルベール・ロビダ。デザインチックなものが好きですね。
雀部> う〜ん、私はさらに不案内だ(汗;)
杉野> 漫画、アニメ、ライトノベルは、読まれますか?
大橋> 今は漫画は読まなくなったし、アニメも見なくなりました。日曜朝の『烈車戦隊トッキュウジャー』と『仮面ライダードライブ』を見るくらいです。
 ライトノベルはほとんど読まないです。いろんな本を読みたいんですけど、本を読む根性がなくなりつつあります。
雀部> トッキュウジャーと仮面ライダードライブは、孫が見ているので知ってます(笑)
 私も積ん読が増えましたねぇ。SFを読めなくなるのは悲しい……
 何年か前に、ジュブナイルSFのことを調べていたら、“ゴセシケ”とか『合成脳のはんらん』という題名の本が良く話題に上がっていて、全く知らなかったので焦った記憶があります。『少年少女 昭和SF美術館』で見ると《少年少女世界科学冒険全集》より10年ほど後に出た本なんですね(復刊されてやっと読みました)
大橋> 《SF世界の名作》の一冊ですね。僕のひとつ下あたりの世代になると思います。
雀部> そうなんですか。ちょうど大橋さんの世代かと思ったもので。
 当時読まれた《サンヤングシリーズ》や《SFベストセラーズ》、《少年少女世界SF文学全集》の中で、お好きな作品は何だったのでしょうか。
 そしてそれは、表紙画の影響はどれくらいあったのでしょうか。
大橋> 歳がひとつ違うだけで読書体験はまったく違いますよね。
 《サンヤングシリーズ》《SFベストセラーズ》は先に話したものです。《少年少女世界SF文学全集》では『怪奇植物トリフィドの侵略』なんかですね。
 表紙画の影響は、『SF挿絵画家の時代』で取り上げさせて頂いた挿絵画家の先生のほとんどが、ジュヴナイルSFでイラストを描かれている方、という点に表れています。祐天寺三郎先生にインタビューに行ったのは《サンヤングシリーズ》で『透明少年』などを描かれている、ということが理由ですからね。
雀部> 大橋さんの中では、まずジュブナイルSFありきなんですね。
 私自身は正直言って、小学生の頃は表紙画に無頓着だったような覚えがあります。まだ想像力という面では覚束ない歳だったので、大いに読む助けになっていたのは確かなんですが。たぶん初めて意識したのは、中学生のころ読んだ、武部画伯描くところの《火星シリーズ》ではないかと。
 大橋さんはどうだったのでしょうか。
大橋> 僕の子供の頃はすでに『少年マガジン』も『少年サンデー』も創刊されていたし、漫画がブームでした。「絵」というものがとても身近だったのだと思います。
 武部本一郎先生以前のSFのイラストは抽象画が多かったから、それほど「絵」の印象がなかったのではないでしょうか。
雀部> その点、ジュブナイルSFは具体的な画がほとんどですね。
 この『少年少女 昭和SF美術館』は、表紙画をながめているだけでも楽しいのですが、この中で大橋さんがもっとも思い入れのある本はどれなんでしょうか。
大橋> 表紙画をながめていて楽しいといえば、シリーズになりますが、あかね書房の《少年少女世界SF文学全集》ですね。
 http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/akane01.html
 http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/akane02.html
 何と言っても装本のデザインがしゃれている。それに、巨匠・池田龍雄画伯が子供のために『両棲人間』『怪奇植物トリフィドの侵略』で表紙を描いたりしている。よく考えれば贅沢なことですよね。
 同じあかね書房の《少年少女世界推理文学全集》もかっこいいデザインでした。
 贅沢と言えば、岩崎書店の《SF世界の名作》も贅沢でした。真鍋博先生、久里洋二先生、和田誠先生、横尾忠則先生などが表紙や挿絵を手掛けている。児童向けなのにモダンでハイブロウなアート作品になっている。まあ、子供には斬新すぎだった気もしますが……。
 対局なのが、偕成社の《SF名作シリーズ》。武部本一郎先生、依光隆先生、柳柊二先生という子供向けのSFも描いていた挿絵画家が安定した絵を描いている。
 でも、《SF名作シリーズ》は当時見てもデザインが古い感じがしました。デザインがしゃれていてかっこよかったのは、《少年少女世界SF文学全集》につきますね。
雀部> う〜ん、古くさくても個人的には《SF名作シリーズ》が一押しかなあ(笑)
 大橋さんの一番のお気に入りだった《サンヤングシリーズ》の表紙画はどうなんでしょうか?
大橋> 確かに《SF名作シリーズ》の方は味はあります(笑)。
 《サンヤングシリーズ》は、武部本一郎先生が描く『暁はただ銀色』が秀逸ですね。物語のシーンを描くのではなく、コラージュして構成している。物語を読んでから改めて表紙を見ると『なるほど』と感心させられます。
 漫画雑誌の連載を単行本化したものも多いのですが、連載時の挿絵画家をそのまま起用していたり、よりマッチする挿絵画家にチェンジしていたり。何気に凝っています。個人的には『透明少年』などを描いた祐天寺三郎先生が好きです。
杉野> 朝日ソノラマの《サンヤングシリーズ》では、『妖怪紳士』(都筑道夫)、『小説 佐武と市捕物控』(辻真先)、『暁はただ銀色』(光瀬龍)、『超革命的中学生集団』(平井和正)あたりを読んでいます。
 特に都筑道夫さんが、好きです。
 『ロボットDとぼくの冒険』とか、『妖怪紳士』の挿絵も、雰囲気出ていました。
大橋> 『妖怪紳士』を描かれたのは柳柊二先生ですね。妖怪、幽霊ものを描かせたらうまい挿絵画家の先生です。石原豪人先生と双璧と言ってもよいでしょう。
雀部> では、もっとも入手に苦労された本はどれなのでしょうか。
大橋> 『少年少女 昭和SF美術館』に収録していても、私が持っていないものもあります。それらは岩崎書店さんや友人からお借りしました。
 もともとジュヴナイルSFのシリーズ総てを持っているわけではありません。
 ジュヴナイルSFのシリーズの表紙を集めた書籍を作る、という構想はずっと持っていましたが、総てを持っているわけではないので、書籍にするのは無理かなと思っていました。
 でも、『少年少女 昭和SF美術館』を企画した藤原編集室の藤原さんから「どうせページの関係から総てを載せるのは不可能だから、だったらベストと思うものをセレクトしてください」と指示されました。そのひと言は目からうろこでした。
 それで、ベストと思えるものだけをセレクトしました。
 私が持っていないものは、岩崎書店さんにお願いしてお借りしたり、友人からお借りしたり。
 だから、この『少年少女 昭和SF美術館』の中で入手に苦労したというものは特にありません。
 そもそも(大人買いですが)長い間、こつこつ集めてきたものだし。
 ヤフーオークションができる前は古本屋を巡って集めていました。それはそれで苦労ではなく楽しかったです。
 古本屋にもないものはヤフオクで買うことができたので助かりました。今より高くもなかったし、ライバルも少なかった。バブル末期だけどそこそこ購入資金もありましたから。
 今、同じものを集めようとしたら苦労すると思います。まあ、苦労と言ってもお金のことで、お金さえあればいくらでも集められるのではないでしょうか。
雀部> あ、そうだったんですね。お金さえあれば集められるというのは、なんだか寂しいような気もします(笑)
 そう言えば『少年少女 昭和SF美術館』のまえがきにも“自分が持ってないものをかなり助けて頂いた。この場を借りて感謝したい。”とお書きになってました(汗;)
 今年は、日本SF作家クラブ創立50周年を記念して、岩崎書店から新たに《21世紀空想科学小説シリーズ》が出ましたが、これからのジュヴナイルSFの挿絵はどうなっていくとお考えでしょうか。
大橋> お金さえあれば、というのは寂しいけれど現実です(笑)。
 「これからのジュヴナイルSFの挿絵」ですか! その前にこれからのジュヴナイルSFがどうなるのか? ということが問題ですね。
 今、子供が読むジュヴナイルSFがなくなっている。というかライトノベルになっている、と言った方が正解か。
 だから、「これからのジュヴナイルSFの挿絵」は「ライトノベルの絵になるでしょう」というのが現実的な答えだと思います。
 常に現実は寂しいものなのです。
雀部> 内容はSF系ジュヴナイルだけど、つるぺた少女が表紙とか……
大橋> 絵は時代とともに好まれる画風が大きく違ってきますね。イラストレーターさんは大変だと思います。
雀部> ところで、小学生が読んで面白いライトノベルっていっぱい出ているんですか。
 そういえば、お一人だけ小学生向けの本を書かれた作家さんにインタビューしましたが、内容は女の子向けのファンタジー・ファッション小説でした。
大橋> 講談社の《青い鳥文庫》とか、そんなのは沢山、出ていますよね。
雀部> 集英社の《みらい文庫》とか。
 4歳と2歳の孫がいて、「アンパンマン」と「烈車戦隊トッキュウジャー」と「妖怪ウォッチ」にはまってます。
 映像で見せる力は大きいと思うのですが、これからジュヴナイルSFもしくは子供向けライトノベルが生き残っていくにはどんな戦略が必要となるのでしょうか。
 ま、時々幼稚園から本を借りてきてはいるので、できるだけ読んでやるようにはしていますが。
大橋> それは、児童図書を刊行されている岩崎書店さんとかポプラ社さん、偕成社さんなどに聞かれた方が良いと思うのですが。
 まあ、少子化が改善されないことには無理でしょうね。
雀部> 少子化は困ったことですね。フランスのようにいかないかなぁ。岩崎書店さんには、《21世紀空想科学小説シリーズ》著者インタビューの最終回に聞いてみるつもりです。
 「SFマガジン」('14/10月号)と『サンリオSF文庫総解説』の表紙は、奇しくも同じモデルさんを起用したSF関係書籍としては異例な試みだと思いますが、これからはこういう挿絵もありなのかなと。
 個人的には、実写と見まがうような宇宙船とか異生命体の挿絵(表紙画)も見てみたいです。
大橋> 西田藍さんですね(笑)。「SFマガジン」では表紙にモデルは使わない、という主義だったはずなのに(笑)。
杉野> 私も『サンリオSF文庫総解説』購入しました。
 表紙はちょっとビックリでしょうか。
 吾妻 ひでおさんの本を連想しました。
大橋> 『サンリオSF文庫総解説』の表紙もSFファンの間では「どうなの?」みたいだったけれど、増刷するほど売れている。結果的には正解だったということになってますね。
雀部> 西田さんはSFもお好きなようだし、新刊のレビューもされているそうなので、大正解です!(笑)
大橋> 今は「小説が好き!」「SFが好き!」と公言しているアイドルは多いですよね。市川紗椰さんとか、きゅんくんとか。
 僕が市川紗椰さんとかきゅんくんとかに接点があって、市川紗椰さんとかきゅんくんが日本SF作家クラブに興味があれば、僕が推薦するから入会してほしい(笑)。
 マジで市川紗椰さんときゅんくんにはぜひとも入会してもらいたい。市川紗椰さんときゅんくんここ、見ていないかな〜〜(笑)。
 個人的には秋の『』さんに小惑星探査機「はやぶさ」のコスプレで「SFマガジン」に登場してほしかった。もっとSF美少女が表紙に起用されればいいと思っています。
雀部> ほぉ〜、私の知らない世界だ(汗;)“秋の『』さん”もきれいな方ですねぇ……
 大橋さんのHP「GARAMON」の名前の由来は、「ウルトラQ」からなのでしようか。高校生の頃やなぁ。放映の翌日には、その話題で持ちきりでした。
大橋> 「GARAMON」と名付けた最初の理由はもう忘れてしまっているのですが(笑)
 『ウルトラQ』のガラモンの意味もあります。別に僕のあだ名だった、ということはありません。ただ操られているだけの、たいしたことのない怪獣、というのが自分に似ているもので……。
雀部> BLOGの「フリーライター・WEBライターで稼ぐ方法」もためになりますね。うちのサイトは、原則無料なので、ちと立場が違うかもしれませんが、基本は同じような気がします。
 「WordPress」は、「アニマ・ソラリス」でも使用中だし、“WEBライターはホームページを持つべし”のご意見も頷けます。わが辺境の「アニマ・ソラリス」ですが、著者インタビューを読まれたクライアントの方から連絡があり、著者の方に連絡したことが3件あります。もちろん著者の方に直接連絡がいっているのもあるとは思いますが。
 某大手クルマメーカーの講演会が一件と、某専門誌への連載以来と、某地方大学の非常勤講師就任です。まあ確率的には低いのですけど(汗;)
大橋> そのことについて語りだすと長くなりそうなので控えめにします(笑)。
 つまり、メディアが出版からインターネットに移行しつつある中で、出版系のライターでもWEB系を無視してはいられないよね、という思いが強いんですね。
 ライターが「Photoshop使えません」「HTML知りません」「WordPressって何ですか?」では、これから相当にヤバい。
 逆にいえば、ライターにとってビックチャンスが来ている。これをどう生かすか? それは僕も模索しているところなんですけど、やれることはやらないとマズイという気はしています。
雀部> 4歳の孫が自分でパソコンを立ち上げて、ようつべでお気に入りの「列車事故」の動画を見ているのを横から見ていると、なんだかなぁという気はしてます(汗;)
 未来には、ブラウザでSF系ゲームを楽しんだり、今では想像もつかないような娯楽も出てくるんでしょうね。
 大橋さんのこれからの活動のご予定がありましたらお教え下さい。
大橋> これからは空想していたことがどんどん実現していくことが当たり前になっていく。今、「こんなのあったらいいな」と思ったことが2年後くらいには実現されたりする時代ですね。
 これからの予定は、やりたいことは山のようにあるけど、なにひとつ追いついていない状態です。何か決まったら、その時また改めて告知させてください(笑)。
 そうそう、直近では、日経で「未来の風景 SFアート十選」というコラムを連載しました。
雀部> 告知、よろしくお願いします。
 日経の連載。何故に日経という気はしないでもないのですが(笑)
杉野> 「日本経済新聞の文化欄」私の履歴書のペ−ジですね。
 「未来の風景 SFアート十選」、楽しみに読ませて頂きました。
大橋> 日経はSFに理解がとてもあるのですよ。
 連載は日経新聞の担当さんに好評だったようです。


[大橋博之]
昭和34年、大阪生まれ。ライター。日本古典SF研究会・会員、日本ジュール・ヴェルヌ研究会・会員、日本SF作家クラブ・会員。著書に『少年少女 昭和SF美術館』(平凡社)など。編集協力に『樺島勝一 昭和のスーパー・リアリズム画集』(小学館クリエイティブ)など。
HPは、http://garamon.biz/
[杉野]
昭和23年。年齢から言いますと年配の人と成りますが、読書精神年齢は20代と自負しています。年齢を重ねるとマンガを読まなくなると言われましたが、今もマンガ・アニメが好きです。10代迄のプリンティングで読書傾向が決まるとの説で行くと手塚マンガと絵物語が私のル−ツでしょうか。
段々と翻訳小説がキツク成り、最近はラノベやアニメが中心になっています。現在、AT-X・BS11等でアニメ番組等を週20本以上録画して整理編集にアタフタしています。
[雀部]
昭和26年生。たぶん幼心に一番影響を受けたのは、小学生の頃、巡回映画で見た『ゴジラの逆襲』とか『宇宙大戦争』、近所の映画館で見た『妖星ゴラス』『ガス人間』のような気がするなあ。

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