| TOP Short Novel Long Novel Review Interview Colummn Cartoon BBS Diary |

Sugar Room Babies

第六章〜Phase III (A#)

中条卓

   

A#: 堕天使
 墜落の夢をよく見る。背中に生えた翼で自由に空を飛んでいたのに、何者かにいきなり翼をもぎ取られて落ちるのだ。汗だくになって目覚めると、いつもきまって肩甲骨からわずかに離れたところ、何もないはずのあたりが痛い。
 何かに呼ばれた気がして街中で振り返ると、ほんの一瞬だが荒涼とした海岸の風景が見える。海から吹きつける強風の中、砂浜から生えたふたつの翼がはためいている。
 私はいつか一番高い塔の上から飛びたつだろう。たとえ地面に激突するだけだとしても、その刹那に自分のほんとうの姿が見えるはずだから。

   

トップ読切短編連載長編コラム
ブックレビュー著者インタビュー連載マンガBBS編集部日記
著作権プライバシーポリシーサイトマップ