■六畳間シアターより愛をこめて
鹿島茂著「衝動買い日記」というエッセイを興味深く読んだ。
著者は大学教授なのだが、腹筋マシーン(¥3900)などのダイエット・アヤしげグッズに始まって、ご趣味であられる希少本(パリで75万)、ワイン、腕時計などなどを衝動買いしまくり(多分原稿料より購入額の方が上回っているだろう)、その使用感から文化論や人生の真理にまで展開させる手腕で、なかなか読ませる。中でも封書用ペーパーナイフ(¥3200)についての一編は、フランス留学時、母国からの便りを待ちかねているルームメイトの様子が甘いノスタルジーとともに語られ、とても印象的だった。「人は待ちかねている手紙ほど乱暴に封を切る。その破り方で期待のほどがわかる」>>
|
■著者インタビュー
'92年にSFマガジンに掲載された音楽SFの傑作「デュオ」以後沈黙し、伝説のSF作家(笑)と化していた飛浩隆先生の最新長編です。
南欧の田舎の港町をイメージしてデザインされ、古めかしくも不便な町で過ごす夏のヴァカンスというコンセプトで造り上げられた仮想リゾート<数値海岸>。ある夏の一日をくり返すこの<夏の区界>で、AIたちは、千と五十年も前から、この同じ夏の一日をくり返してきたのだった。ネットワークに存在する<数値海岸>に、ホストである人類が訪れなくなり、それだけの年月が経過し、AIたちはこの夏の一日をくり返すしか術を持たなくなっていた。
インタビュアーは、この本を読んで感激しまくりの伊藤さんと私です。
けっこう意外な、ほんと聞いてみなきゃわからないもんだなぁという事実も聞くことが出来たと思いますよ(爆)>>
|
|